shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ビートルズのUKエクスポート・シングル特集

2017-05-02 | The Beatles
 60年代にリアルタイムでイギリス国内向けにリリースされたビートルズのシングル盤22枚は以前にこのブログでも特集したが、彼らのUK製シングルはそれら以外にも本国プレスの無い近隣ヨーロッパ諸国への輸出用に作られた “エクスポート仕様” のレコードが存在する。「イフ・アイ・フェル / テル・ミー・ホワイ」、「ディジー・ミス・リジー / イエスタデイ」、「ミッシェル / ドライヴ・マイ・カー」、「ヘイ・ジュード / レヴォリューション」、「レット・イット・ビー / ユー・ノウ・マイ・ネーム」の5種類なのだが、後ろの2枚はイギリス国内向けの盤と同じカップリングなので別にどうでもいい。問題は前の3枚である。
 「プリーズ・プリーズ・ミー」や「シー・ラヴズ・ユー」、「ペイパーバック・ライター」といった盤でビートルズUK45回転盤の音の凄さを骨の髄まで味わった私は、イギリス国内でシングルで出ていない曲もあの轟音で聴きたくなり、“エクスポート仕様” の盤も手に入れたいと思うようになった。これらの盤は流通枚数が少ないせいかプレミア付きの高値で取り引きされており、中には落札価格が $100以上にまでハネ上がることも少なくないようだが、貧乏コレクターの私としては何とか$50以下に抑えたい。ということでシングル盤をたった3枚揃えるのに2年近くもかかってしまったのだが、このたびようやく最後の1枚をゲットできたので、今日はUKエクスポート・シングル盤の特集でいきたいと思う。

① If I Fell / Tell Me Why (DP 562)
 3枚の中でまず最初に手に入れたのがコレ。オリジナルLP(←これも大概な轟音だが...)の2割増しぐらいはある高音圧で、音がスピーカーから鉄砲水のように飛び出してきたのには驚いた。ジョンのシャウトが炸裂する「テル・ミー・ホワイ」はある程度予想通りだったが、驚いたことに「イフ・アイ・フェル」のような美しいバラッドでさえそうなのだから恐れ入谷の鬼子母神だ。この盤は時々オークションでも見かけるし値段も大体£50ぐらいで安定しているので他の2枚に比べたら比較的入手はしやすいように思う。私のはEX−盤がeBayで£30だった。

② Dizzy Miss Lizzy / Yesterday (DP 563)
 これまで何度も書いてきたように私はビートルズを最高の音で聴くならUK 1stプレスLPに限ると信じているが、唯一の泣き所がLPの宿命とでも言うべき内周歪みだ。そういう意味で言うとアルバム「ヘルプ」のB面ラスト2曲をカップリングしたこのレコードはその2曲をベスト・オブ・ザ・ベストの音で聞かせてくれる “神シングル” ではないか。「イエスタデイ」のアコギの力強い響きにも驚かされたが、何と言っても45回転盤の超弩級パワーで迫ってくる「ディジー・ミス・リジー」が圧巻だ。Discogs でたったの €20で取れた時は “ひょっとして偽物ちゃうか...???” と半信半疑で、実際に届いたブツを見た時は本物とわかってめちゃくちゃ嬉しかった。

③ Michelle / Drive My Car (DP 564)
 今回の3枚はいずれも甲乙付け難い轟音盤だが、中でも群を抜いて強烈なインパクトを受けたのがこの「ドライヴ・マイ・カー」だ。驚くなかれ、何とあの「ラバー・ソウル」UKラウドカット盤をも凌駕するスーパーウルトラ高音圧で(←ちょうど赤パロが金パロに勝ったのと同じ原理か...)ポールのベースがブンブン唸るのだからたまらない(≧▽≦)  いやはや、まったく45回転盤恐るべしだ。さっきからこの文章を書きながら繰り返し繰り返し聴いているのだが、体中のアドレナリンがドバーッと出まくってロックな衝動がマグマのようにこみ上げてくる。ラウドカット盤では歪んでいた「ミッシェル」も実にクリアーなサウンドで楽しめて言うことナシだ。このレコードはプッシュアウト・センター付きでNM状態の完品ならヘタをすると$300~$500という空恐ろしい値段になるが、私は敢えてプッシュアウト・センター無しで盤質のヴィジュアル・グレードが低くてプレイ・グレードが高いブツに狙いを絞り(←“音に出ないキズ大歓迎”作戦...)、Discogs で €35で手に入れることが出来た。とにかくこの爆音は一度聴いたら病み付きになりますぜ(^.^)