shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

The Beatles (Amiga 8 50 040)【Bagpipe Cover】

2017-04-09 | The Beatles
 “最近買ったハズレ盤”シリーズ(←このブログでは2回続くとシリーズ扱いです...)第2弾は東ドイツの国営レーベルAMIGAからリリースされたビートルズのレコードで、通称「バグパイプ・カヴァー」と呼ばれているレア盤だ。
 このレコードの存在を知ったのは半年ほど前のことだが、その時はインド盤やらデンマーク盤やらで忙しく、“へぇ~こんな盤もあるんや... ビートルズのレコードって世界中で色んなのが出てるんやなぁ...” 程度の印象しかなかった。しかしその後、例のDMM盤関連でドイツ盤について色々調べていた時にこのレコードの再発盤(1983年リリースで、樹木や石壁などの背景が写ってるヤツ)に関する記述を見つけたのだが、そこには “西側諸国に比べて技術面で遅れていた東ドイツならではの古い真空管システムでカッティングされた素晴らしい音で、音質重視のビートルズファンにオススメ” みたいなことが書いてあった。
 “技術面での遅れから古い真空管システムでカッティングされて素晴らしい音に仕上がった”の件を読んで、私はすぐにインド盤のことを思い出した。しかも “音質重視のビートルズファンにオススメ” ときたもんだ。一体どんな音がするのだろう?? うーん、コレは絶対に聴かねばならぬ... と猛烈に好奇心をそそられて eBayをチェックしてみると、再発盤は何枚も出ているのだがオリジナル盤は2枚だけで、そのどちらもが €110オーバーというニンピニン価格(>_<) どうせ買うのならオリジナル盤が欲しいが、いくらレア盤とはいえミズテン買いで15,000円も出す勇気はない。
 eBayがダメなら Discogs があるわい、ということで覗いてみたが、こっちはこっちでジャケットが無かったり盤質が Good や Poor のオンパレードだったりで全くハナシにならない。最後の頼みの綱は MusicStackである。どーかありますよーに... と思いながら検索してみると、何とオリジナル盤が €25で出ているではないか! 何でこんなに安いんやろ?と思ってセラーに確認すると裏ジャケが破れてて書き込みもあるからだという。私は表ジャケと盤質さえ良ければそれでいいので “送料込みでも3,000円台や、ラッキー!” と大喜びで買いを決めた。
 しかし好事魔多しとはよくぞ言ったもので、世の中そんなに甘くはなかった。届いた盤のジャケットをしげしげと見つめながら “これが世に言う「バグパイプ・カヴァー」というヤツか。中々珍しい写真使うてるやん...” と悦に入っているうちはよかったのだが、いざレコードに針を落としてみると喜びが一気に落胆に変わった。A面1曲目は「シー・ラヴズ・ユー」なのだが、イントロで大爆発を起こすはずのリンゴのドラム・ロールがこじんまりしていて“何じゃこりゃ??” と肩透かしを食らう。何だかまるでAMラジオでも聴いているかのようなこもった音でガッカリ(>_<) しかもピッチが狂っているので(2分台の曲で約4秒速い...)聴いててめっちゃ違和感がある。一体これのどこが “素晴らしい音” だというのか? “音質重視のビートルズファンにオススメ” だとぉ? オマエの耳は虫でも湧いとるんか! これに比べれば前回ボロクソにけなしたゴールド・オデオン盤の方がまだマシだ。
 思わず怒りの展開になってしまったが、不幸中の幸いは被害が3千円そこらですんだこと。こんなアホバカ盤に大枚叩かんでホンマによかったわ。まぁ各国盤LPの音質なんて実際に聴いてみなければ分からないし、それがマニアックな盤であればあるほど情報が限られており、私のように偽情報に騙される人間が出てくるのも十分あり得ること。ビートルズの各国盤に足を踏み入れるということは清濁併せ呑む度量と覚悟が必要ということなのだろう。
 ただ、私の場合は “良い音” を期待して買ったので裏切られた思いが強いが、このレコードは音質なんか一切気にせずに広~い心で “そーかそーか、コレがベルリンの壁の向こう側の人達がリアルタイムで聴いていたビートルズのレコードなんか... ” という考古学的な(?)感慨に耽りながら聴くのが正解なのかもしれない。