私は去年の秋頃からビートルズの色んな各国盤レコードを買うようになりその音の違いを楽しんでいるのだが、今日はそんな “各国盤爆買い” の中で手に入れた1枚「Expedice R'n'R」(expedice はチェコ語で “遠征” という意味で “エクスペディツェ” と発音するらしい...)を取り上げよう。
このレコードは1983年にチェコスロヴァキアで公式にリリースされた編集盤で、ディスクユニオンのビートルズ廃盤アナログセールのリストで “高音質盤” と紹介されていたこともあって前々から興味を持ってはいたのだが、同じく高音質を謳ったモービルフィデリティ(MFSL)盤が音の情報量は多いものの音圧が低くて高域が強めという私の好みとは正反対の音作り(←オーディオ的にはコレで良い音なのかもしれないが、私は昔ながらの濃厚な音でビートルズを聴きたい...)だったので購入に二の足を踏んでいた。
しかしインドやデンマークといった色んな国のレコードを買って聴いていくうちに東欧盤の音にも興味が湧いてきてこの盤のことを思い出し、Discogsで調べてみると NM状態の盤が€5.99で出品されているのを発見、送料込みでも1,000円ちょっとで買えるなら超お買い得と思い、即買いを決めた。
このレコードに関して一つ驚いたことは、レーベルが何とあのスプラフォンだということ。私が持っているスプラフォン盤は60年代に活躍したルーマニアの伝説的ジャズ・ピアニスト Jancy Korrosy の10インチ盤とチェコの女性ジャズ・シンガー Eva Pilarova の10インチ盤の計2枚だけだったので、このレーベルはてっきりジャズが専門だとばかり思っていたのだが、まさか80年代にビートルズのレコードを、しかもEMIのライセンス契約でオフィシャル音源コンピレーション盤として出していたとは驚きだ。
このレコードは16曲入りで、一番の特徴は収録曲すべてがカヴァー曲で構成されているということ。トラックリストは以下の通り;A①Rock And Roll Music ②Long Tall Sally ③Dizzy Miss Lizzy ④Slow Down ⑤Chains ⑥Baby It's You ⑦Boys ⑧Everybody's Trying To Be My Baby B①Twist And Shout ②Kansas City ③Honey Don't ④A Taste Of Honey ⑤Mr.Moonlight ⑥Money ⑦Please Mr.Postman ⑧Words Of Love
この手のコンピレーション盤としては76年にリリースされた「ロックンロール・ミュージック」がすぐ頭に浮かぶが、あのレコードでカヴァー曲が占める割合は42.8%と、意外にも全体の半分にも満たないものだ。まぁ作詞作曲の印税が全く入ってこない全曲カヴァーのレコードなんてビートルズ的には何のうまみも無い企画なワケで却下されるのも当然だが、それを公式盤として出せてしまうあたりがいかにも東欧のチェコらしい。
音質に関しては予想通りの80年代らしいフラットでワイドレンジな音作りだが、MFSL盤を聴いた時のようなガッカリ感は無い。「ヘルプ」の “シェル・カヴァー” で免疫が出来ていたというのもあるが、何よりも良かったのはオフィシャルとは一味も二味も違う“別ミックス”で収録されていること。初期の曲のステレオ・ヴァージョンは大抵が不自然な“左右泣き別れミックス”なのだが、この盤ではそういうこともなく、どの曲も音が中央に寄せられていてモノラルに近い自然な音で楽しめるのが嬉しい(^.^)
とまぁこのようにこのレコードは買って正解だったのだが、私としては選曲の基準を “カヴァー曲” ではなく“ロックンロールのカヴァー曲” にまで絞ってスローな「Baby It's You」や「A Taste Of Honey」の代わりにアッパー系疾走チューンの「Roll Over Beethoven」や「Bad Boy」、「Matchbox」なんかを入れた方がもっと凄いアルバムになったのではないかとついつい贅沢なことを考えてしまう。明日も休みなので(←18連休が終わってしまう...)自家製「Expedice R'n'R」CD-Rでも作ってみるとしよう。
Rock And Roll Music - THE BEATLES
Long Tall Sally - THE BEATLES
このレコードは1983年にチェコスロヴァキアで公式にリリースされた編集盤で、ディスクユニオンのビートルズ廃盤アナログセールのリストで “高音質盤” と紹介されていたこともあって前々から興味を持ってはいたのだが、同じく高音質を謳ったモービルフィデリティ(MFSL)盤が音の情報量は多いものの音圧が低くて高域が強めという私の好みとは正反対の音作り(←オーディオ的にはコレで良い音なのかもしれないが、私は昔ながらの濃厚な音でビートルズを聴きたい...)だったので購入に二の足を踏んでいた。
しかしインドやデンマークといった色んな国のレコードを買って聴いていくうちに東欧盤の音にも興味が湧いてきてこの盤のことを思い出し、Discogsで調べてみると NM状態の盤が€5.99で出品されているのを発見、送料込みでも1,000円ちょっとで買えるなら超お買い得と思い、即買いを決めた。
このレコードに関して一つ驚いたことは、レーベルが何とあのスプラフォンだということ。私が持っているスプラフォン盤は60年代に活躍したルーマニアの伝説的ジャズ・ピアニスト Jancy Korrosy の10インチ盤とチェコの女性ジャズ・シンガー Eva Pilarova の10インチ盤の計2枚だけだったので、このレーベルはてっきりジャズが専門だとばかり思っていたのだが、まさか80年代にビートルズのレコードを、しかもEMIのライセンス契約でオフィシャル音源コンピレーション盤として出していたとは驚きだ。
このレコードは16曲入りで、一番の特徴は収録曲すべてがカヴァー曲で構成されているということ。トラックリストは以下の通り;A①Rock And Roll Music ②Long Tall Sally ③Dizzy Miss Lizzy ④Slow Down ⑤Chains ⑥Baby It's You ⑦Boys ⑧Everybody's Trying To Be My Baby B①Twist And Shout ②Kansas City ③Honey Don't ④A Taste Of Honey ⑤Mr.Moonlight ⑥Money ⑦Please Mr.Postman ⑧Words Of Love
この手のコンピレーション盤としては76年にリリースされた「ロックンロール・ミュージック」がすぐ頭に浮かぶが、あのレコードでカヴァー曲が占める割合は42.8%と、意外にも全体の半分にも満たないものだ。まぁ作詞作曲の印税が全く入ってこない全曲カヴァーのレコードなんてビートルズ的には何のうまみも無い企画なワケで却下されるのも当然だが、それを公式盤として出せてしまうあたりがいかにも東欧のチェコらしい。
音質に関しては予想通りの80年代らしいフラットでワイドレンジな音作りだが、MFSL盤を聴いた時のようなガッカリ感は無い。「ヘルプ」の “シェル・カヴァー” で免疫が出来ていたというのもあるが、何よりも良かったのはオフィシャルとは一味も二味も違う“別ミックス”で収録されていること。初期の曲のステレオ・ヴァージョンは大抵が不自然な“左右泣き別れミックス”なのだが、この盤ではそういうこともなく、どの曲も音が中央に寄せられていてモノラルに近い自然な音で楽しめるのが嬉しい(^.^)
とまぁこのようにこのレコードは買って正解だったのだが、私としては選曲の基準を “カヴァー曲” ではなく“ロックンロールのカヴァー曲” にまで絞ってスローな「Baby It's You」や「A Taste Of Honey」の代わりにアッパー系疾走チューンの「Roll Over Beethoven」や「Bad Boy」、「Matchbox」なんかを入れた方がもっと凄いアルバムになったのではないかとついつい贅沢なことを考えてしまう。明日も休みなので(←18連休が終わってしまう...)自家製「Expedice R'n'R」CD-Rでも作ってみるとしよう。
Rock And Roll Music - THE BEATLES
Long Tall Sally - THE BEATLES