shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

ビートルズUKシングル盤特集⑥ 1966-1967

2014-12-29 | The Beatles
⑬ Yellow Submarine / Eleanor Rigby (R 5493, Mono, 1966.8.5発売)
 私は “全部揃える” ことを目的とした、いわゆるひとつの “コンプリート・コレクション” には関心が無い。飾っておくだけで聴かないレコード・コレクションなど無意味だと思うからだ。だからビートルズUKシングル盤を買い始めた10月の時点では手持ちのオリジナルLP未収録の曲が入ったシングルだけが狙いで、22枚全部を揃えようなどという大それた気持ちは無かった。しかしAB両面ともLPに入っているシングル「ハード・デイズ・ナイト」を£0.99という安さに釣られてついつい買ってしまい、実際に聴いてみてその45回転パワーを体感、これはやっぱり全部いかなアカンと思い、2曲とも「リヴォルヴァー」に入っているこのシングル「イエロー・サブマリン / エリナー・リグビー」も取ることにした次第。というワケなので、このレコードが届いてまずやったのが「リヴォルヴァー」オリジナルLPとこのシングル盤との聴き比べだった。
 で、その結果は “LPも1st プレス盤やからそんなに差はないだろう...” との私の予想とは裏腹にどこをどう聴いてもシングル盤の圧勝で、改めて45回転パワーを痛感させられた。まず先にシングル盤を聴き、続いてLPをかけたのだが音圧の違いは如何ともしがたく、LPの方は音像が小さくなり音が奥に引っ込んだように感じられるのだ。それがシングル盤ではまるで水道の栓をひねってバシャーッと水が全開で迸るかのような気持ち良さで音楽に浸りきることが出来るのだからこんな嬉しいことはない。LPで持っていてもやっぱりこのシングルは買って大正解だった(^o^)丿
 「イエロー・サブマリン」はモノとステレオの違いだけでなくミックスそのものの違いにも耳がいってしまう。例の空耳パート(←“おっさんが屁ぇこきまっせぇ~ おっさんの屁ぇ~♪” って聞こえるアレです...)に続く掛け合いのタイミングの違いやらイントロのアコギの入り方などだ。長いこと赤盤のステレオ・ミックスで聴いてきたこともあって私的にはステレオ・ミックスの方が耳に馴染んでいるのだが、このモノ・ミックスを聴いてしまうとリンゴのヴォーカルが右チャンネルに偏るイニシエのステレオ・ミックスはやはり不自然。アコギのストロークの力強さや波音SEのリアリティに関してもモノ・ミックスの方が一枚上だ。
Yellow Submarine


 「エリナー・リグビー」でも「イエロー・サブマリン」と同様にシングルとLPの音の差は歴然で、戦闘的なストリングスとストラッグルしながらスピーカーから飛び出してくるポールのヴォーカルが実に凛々しい。まるでユンケルでも飲んだかのような(?)力強い歌声に圧倒され、聴いているこちらまで全身にチカラがみなぎってくる。間違いなくこれまで聴いてきたこの曲のベストなサウンドだ。
 1st プレスは ①“Sold In UK”リマーク有り、②リム左側のクレジットが GRAMOPHONE、③マトリクス枝番は -1 / -1 。入札状況は3 bidsで、落札価格は£3.20(約570円)だった。
Eleanor Rigby


⑭ Strawberry Fields Forever / Penny Lane (R 5570, Mono, 1967.2.17発売)
 私は今回のUKシングル盤一気購入プロジェクトを始める前にまず信頼のおけるプライスガイドを熟読研究した。それによるとビートルズのUKシングル初回盤は初期の黒パロが£10、中期で£15とのことだったが、この「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー / ペニーレイン」だけは£50となっており、補足説明として “初回盤は25万枚限定ピクチャー・スリーヴ付き” とある。実際にeBayでチェックしてみるとPS付きは圧倒的に品薄で、たまに出てきてもビッドが殺到してとてもじゃないが私の予算額を軽くオーバーしてしまう。う~ん困った...(>_<)  ボロボロのPS(←紙質のせいなのか、どれもこれも茶色いシミだらけの薄汚れたスリーヴばかり...)だけのために気前よく何千円も出せるような金持ちコレクターと競う気はサラサラ無い。
 こーなったら安い2ndプレス盤で妥協するしかないか...と考えていた時、“これはひょっとすると...” と思えるブツが出品された。盤質表記は何とGだ。レコードのグレーディングにおけるGとはGoodの略なのだが、これは一般的日本人の考える「良い」ではなくて M > NM > EX > VG > G > P と下から数えた方が早い低評価... 要するに “一応針飛びは起こさずに聴けると思うけどダメージはあるよ” ということだ。しかもスリーヴ右上に「PENNY LANE」と書き込みがあって全体的にヨレヨレ、当然ジャケット・コンディションもGである。盤質、ジャケ共にGという低グレード盤のせいか開始価格£1.00というのに誰も来る気配がない。盤質Gの盤に手を出すのはハッキリ言ってギャンブルだが、私が愛用しているオルトフォンのモノ・カートリッジは少々のキズなど笑い飛ばしてしまう “中域ドスン” タイプなので上手くいけばオイシイ買い物ができるかもしれない。ということでダメ元で£7.02付けたのだが、結局ライバルは2人だけしか来ず、すんなりと£5.75で落札できた。

 届いたレコードをチェックすると、確かにスピンドル・マークは盛大に付いているが目立ったキズは見られない。目視では VG+ レベルだ。恐る恐る盤に針を落としてみると、これが奇跡的にほぼノイズレスのNM レベル... こんな状態の良い盤をあの値段で買えたなんて笑いが止まらない\(^o^)/ しかもそのモノ・ミックスがこれまた絶品で実にリアルなサウンドなんである。「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」はケツの毛まで知っていると言っても過言ではない愛聴曲なのだが、こんな生々しい「ストロベリー・フィールズ」は聴いたことがない。音の低域とか高域とかいった次元ではなく、とにかく音が近くてかぶりつきで聴いている感じなのだ。う~ん、コレはたまらんわ... (≧▽≦)
Strawberry Fields Forever


 「ペニー・レイン」は何と言ってもあの突き抜けるようなピッコロ・トランペットのハイ・ノートがどう聞こえるかがこの曲の生命線。元々ジャズ喫茶の巨大スピーカーに憧れて導入した我が家のアルテック・ヴァレンシアの811Bホーンはその辺りの表現が大得意なのだが、このシングル音源ではトランペットがまさに金管楽器そのものの煌びやかな黄金サウンドで鳴ったのだ。コーフンした私がアンプのヴォリュームを更に上げるとまるで部屋中に金粉をまいたかのような(笑)サウンド桃源郷と化し、ポールの溌剌とした歌声が朗々と響き渡る。音が気持ち良く広がる「マジカル・ミステリー・ツアー」LPのステレオ・ヴァージョンも捨て難いが、こっちの黄金サウンドも実に魅力的。このように1つの曲で2通りのヴァージョンを楽しめるのもモノラルとステレオが共存していた60年代ならではだ。
 1st プレスは ①ピクチャー・スリーヴ付き、②“Sold In UK”リマーク有り、③マトリクス枝番は -1 / -2 。入札状況は3 bidsで、落札価格は£5.75(約1,080円)だった。
Penny Lane


ということで今年のブログはこれでおしまい。思えばポール来日騒動で始まりパーロフォン祭りで終えるという実にビートリィな1年でした。来年はどんな年になるのかな??? それでは皆さん、どうか良いお年をお迎えください(^o^)丿