shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

Out There Japan Tour 2013 EV CD Box ~大阪編~ / Paul McCartney (Pt. 2)

2014-03-15 | Paul McCartney
 Empress Valley CDボックス特集の第2回は、最初の2公演である大阪初日と2日目の京セラドームの模様を収めた2セットを取り上げます。

~11・11まいど大阪編~
 記念すべき日本ツアーの初日ということでポールの気合いの入りようもハンパなく、関西のファンの熱烈歓迎ぶりに気をよくしたのか “マイドー” “オオキニー” を連発しながら1曲目からガンガン飛ばす。オーディエンスも11年ぶりのポールということで大コーフン! ポールがステージに登場した時の “本物だ...(゜o゜)”(←当たり前やろ...笑) “ヤバイ~(≧▽≦)” といった素直な反応がCDにバッチリ入っているのが面白い。それと、例の“コンバン ニホンゴ ガンバリマス” に対してノーテンキそうなオネーチャンの “がんばれー” というレスポンスにも思わず頬が緩む。こういう罪のないオーディエンス・ノイズは私的には全然OKだ(^_^.)
 ポールのMCは6公演を通して大体同じなのだが、この日はまだ初日ということで「レット・ミー・ロール・イット」後のジミヘンへの言及も「ペイパーバック・ライター」でのオリジナル・ギター使用の話も、「レット・イット・ビー」や「イエスタデイ」を震災の被災者に捧げる云々の言葉も、メンバー紹介後の “But most of all, we wanna thank you!” もまだ無く、東京3公演での余裕すら感じさせるMCと比べるとまだ模索状態にあるところがファンとしては興味深い。逆に非英語圏でのコンサートでお馴染みの例のトランスレーター紹介の場面ではこの日のみ “The yellow bird flew over the green tree tops.” という文を訳させるなど時間を割いていたが、翌日からは “スクリーン下に訳が出るので見てね” と述べるにとどめ、サラッと流している。
 音の方は折り紙つきの高音質で、煩わしいオーディエンス・ノイズに悩まされることもなくクリアーでパワフルなサウンドを心ゆくまで楽しめるし、サウンドチェックの方もさすがにコンサート本編と同じと言うわけにはいかないまでも、残響音の感じは東京ドームよりはかなりマシだと思う。速攻プレス&単体発売でバカ売れしたLH盤やアナログチックな渋~い音が魅力のTom&Jerry録音盤、更に私は持っていないがネット上での評判は上々なピカデリー盤など、この日は優秀録音盤が目白押しと言えるが、このEV盤はそんな中でも頭一つ抜きん出た “ベスト・オブ・ザ・ベストな1枚” と言えるかもしれない。
Osaka 1st SC

Osaka 1st Pt 1

Osaka 1st Pt 2


~11・12ごっつ大阪編~
 この日のコンサートの内容に関しては既に詳細にレポートしたのでここでは書かないが、初日に比べて日本語のMCが上達したのと、長旅の疲れが取れたのかコンサート終盤までスタミナが持続し、余裕しゃくしゃくで元気に歌いまくっていたのが印象的。特にMCに関しては前日よりもかなり流暢に日本語を操っており、初日は日本語がイマイチ上手くいかずに “I'm trying hard to speak Japanese!”(これでも日本語しゃべろうと頑張ってるんだよー)と訴えていたのがこの日は口数も増え、“What do you think of my Japanese speaking?”(ボクの日本語どーよ?)と自身ありげにオーディエンスに語りかけている。一晩でこれだけの修正を入れてくるポールのプロフェッショナリズムに頭が下がる思いだ。ジャケットを脱ぐ時の “This is the big wardrobe change of the evening.” や “We have one guy here who saw the Beatles at Budokan! Hello again. I remember you.” といったジョークはオーディエンスに上手く伝わらなかったようだが(←これらのジョークは結局この日のみ...)、“モット キキタイ? ホナ イコカ...” とか、“オーキニ... ホナマタッ!” など、カタコトの大阪弁を駆使したローカル色豊かなMCが実に楽しい。それと、何故か “ヒーハー!” を連発(笑)しているのも面白い。これってひょっとしてブラマヨの影響か???
 この EV盤 CDボックスセットはどの日を取っても私がそれまで耳にしてきたオーディエンス録音ブートとは激しく一線を画する異次元のハイ・クオリティ・サウンドで、少なくとも音だけに限って言えばあのピカデリー盤をも凌ぐスーパー・ウルトラ高音質だと私は思うのだが、好事魔多しと言うべきか、このEV大阪2日目盤には致命的な欠陥がある。オーディエンス・ノイズがすべてを台無しにしているのだ。特に酷いのはテーパーの左隣にいたと思しき若い男で、断続的にフォーフォーと雄叫びをあげまくっており(←特に「サムシング」や「オブラディ・オブラダ」は酷いし、「ヘイ・ジュード」コーラスでの音痴ぶりには耳を塞ぎたくなる...)、超高感度マイクがご丁寧にその声をバッチリ拾ってしまい、ポールの歌声に気持ち良く浸っている時にこういった奇声が歌や演奏と同じぐらいの生々しさでアルテックの巨大スピーカーから飛び出してくると “もうエエわ、他の日を聴こ... (>_<)” となってしまう。又、他にもちょうど電車の中で騒いでいるアホな大学生みたいなのが何人か近くにおって、ギャーギャーわめいているのが鬱陶しくて仕方がない。初日盤のような程良いオーディエンス・ノイズならむしろ歓迎したいぐらいだが、2日目盤の騒音は私的には耐え難いレベルだ。
 サウンドチェックに関しては日本公演前にセトリ落ちした「ジュニアズ・ファーム」とこの時期としては珍しい「レッティング・ゴー」の2曲に注目。どちらもこの日にしか演らなかったことを考えても非常に貴重な音源だ。尚、本編とは違ってこちらのSCには行儀の悪いオーディエンスはいなかったようでストレス無く楽しむことが出来る。
 この大阪2日目というのは自分が参戦した日なので是が非でも良い音で楽しみたいと思い可能な限り全て買うようにしているのだが、大枚叩いたこのEV盤はこのようにアホバカ・オーディエンス・ノイズまみれやし、頼みの綱だったピカデリー盤はノーパソのスピーカーから出てくるような芯の無いペラペラスカスカ音やしで心底ガッカリ(>_<) EV盤のCDボックスセットはバラでも発売されているが、この大阪2日目盤を買おうと思っている人は寛容な心と忍耐力を要求されることをお忘れなく。因みにこの日に関しては今年に入ってからリリースされた Tom & Jerry盤がベストだと思う。
 ということで滅多にターンテーブルに乗ることのないこのEV大阪2日目盤だが(←このブログを書くために久々に聴いたが、この奇声だけはやっぱり無理...)、このCDで私が唯一好きな箇所があるとすれば、コンサート終了後に “夢が終わった... 夢が終わった... あぁぁ...” と放心状態と思しき女性の呟きが入っているところ。同じポール・ファンとしてその気持ち、痛いほど分かります... (≧▽≦)
Osaka 2nd SC

Osaka 2nd Pt 1

Osaka 2nd Pt 2
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