shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

「天国への階段」カヴァー特集⑤ ~これは珍なり編~

2013-01-25 | Led Zeppelin
 今日はこんな「階段」もありまっせ... という感じでちょっと怪しいカヴァーを大特集。硬派なファンは “天下のレッド・ゼッペリンをナメとんのか!” と怒り出すかもしれないが、堅いことは言いっこなし。ということで今回は心の広~いゼップ・ファン限定の “これは珍なり編” です。

①Leningrad Cowboys
 フィンランドが誇るトサカ頭&とんがりブーツのロックバンド、レニングラード・カウボーイズが旧ソ連の軍楽隊(Red Army Chorus & Ensemble)と共演したライヴ・アルバム「トータル・バラライカ・ショウ」に入っていたのがこれ。見た目に反してアレンジは原曲にかなり忠実なのだが、ロシアの民族楽器バラライカで奏でられる「階段」の哀愁舞い散るメロディーやロシア軍コーラス隊の重厚なハーモニーが何とも言えない雰囲気を醸し出していて怪しさ満点... まさにあぁおそロシアである。下の映像はヘルシンキ元老院広場でのコンサートのものだが、チンドン屋も顔負けのド派手な衣装に身を包んだレニグラはもちろんのこと、クネクネと妖しげに踊るネェちゃん達といい、コテコテのロシア民謡色全開で迫るコーラス隊といい、炎を操る意味不明のジャグラー軍団(?)といい、どこをどう見ても怪しい新興宗教の儀式にしか見えへんわ... (>_<)
Leningrad Cowboys - Stairway To Heaven.mpg


②掟破り軍団, 見良津健雄 & おたっしゃCLUB
 これは “日本の70年代フォークと洋楽ロックの融合” という掟破りの変則マッシュアップ的カヴァー(?)を収録したパロディー盤「旅荘カリフォルニア」に収録されていたもので、以前に一度このブログで取り上げたことがあるが、めっちゃオモロイので再アップ。日本で平和に暮らしていた「神田川」を拉致してロンドンへ連れて行き、ハードロック養成ギプスを装着して髪もブロンドに染めて胸をはだけさせ、無理やり「天国への階段」を歌わせた... という感じのチカラワザが功を奏し、聴く者すべてを爆笑の渦に叩き込む。「階段」の例のイントロに続いて “あなたは もう わすれたかしら~♪” というフォーキーな歌が流れてきた時点でイスから転げ落ちること間違いなし(^.^)  「階段」メロディーを奏でるバックの演奏もコワいぐらいに「神田川」の歌詞とマッチしていて感心させられるが、何と言っても後半部の盛り上がりパートでたたみかけるように歌われる「神田川」には大爆笑! よぉこんなアホな企画を思いついたものだ(・o・) しかしダブルネックと南こうせつってどう考えても似合わんな...
おたっしゃ倶楽部 ステァウェイトゥ神田川


③DJ Earworm
 「階段」がらみのマッシュアップといえばやはりこちらが本命か。この「ステアウェイ・トゥ・ブートレッグ・ヘヴン」と題されたマッシュアップは主役であるドリー・パートンのヴァージョンにユーリズミックスの「ジス・シティー・ネヴァー・スリープス」が断片的に添い寝、ローリー・アンダーソンの「オー・スーパーマン」やアート・オブ・ノイズの「モーメンツ・イン・ラヴ」の無機質なサウンドをスパイスにしながら要所要所をビートルズの「ビコーズ」でまとめ上げ、このまま何事もなく終わるのかと油断していると突然パット・ベネターの「ラヴ・イズ・ア・バトルフィールド」が乱入してきて腰を抜かしそうになるという実に手の込んだ作品になっている。特にベネターの “ウィー・アー・ストロング!♪” という一喝が炸裂するパート(6分6秒と6分59秒)がこのマッシュアップ最大の聴き所で、ピリリと辛い山椒のように抜群の効果を上げている。全くバラバラの素材を組み合わせて一つの作品に仕上げるマッシュアップ職人 DJ Earworm の腕前は、さながら無国籍料理のアイアン・シェフだ。
NoRVid - Stairway through NoR (SecondLife, Machinima, MMORPG)


④西脇睦宏
 西脇睦宏という人はMusic Box、つまりオルゴール音楽の第一人者で様々なジャンルの名曲にオルゴール・アレンジを施してヒーリング・ミュージック化してしまう音の魔法使いみたいなアーティスト。ゼップの「階段」も原曲のメロディーの髄を見事に引き出されて美しいオルゴール・ミュージックに仕上げられており、疲れた時なんかに聴けば癒されること間違いなし。特に後半のペイジのギター・ソロのパートがオルゴールの音色で忠実に再現されているところが何気に凄い。小さな赤ちゃんのいるロック・ファンにオススメの逸品だ。
MutsuhiroNishiwaki


⑤Bass Zeppelin
 最後は珍盤中の珍盤、 “日本音圧協会認定”(笑)の世界BASS名鑑シリーズ(←他にパープルやクイーンのもあるらしい...)の一つ「Stairway To Bass Heaven ~天国への重低音~」である。この “ベース・ミュージック” というのはクラブ・ミュージックの1ジャンルのことで、スーパーウーハーを積んでブーミーな重低音をボンボン外へ響かせながら走っているアホな車を時々街中で見かけるが、要するにそういう類の垂れ流し音楽だ。私はブレイクビーツとかドラムンベースとか呼ばれるこの手の音楽は全く趣味じゃないので今まで眼中になかったが、豹柄Tバックに尻のアップという品性下劣なエロジャケと “重低音でゼッペリン” というシュールなコンセプトに興味を引かれ、ヤフオクで送料込みで170円という安さに釣られてサクッと落札。中身の方はジャケットのような奇天烈なインパクトはなく、気怠い女性ヴォーカルをフィーチャーした打ち込み主体の凡庸なカヴァーという感じだ。それにしてもゼップのトリビュート盤でこのジャケットはいくら何でもありえへんわ...(>_<)
Bass Zeppelin - Stairway to Heaven