shiotch7 の 明日なき暴走

ビートルズを中心に、昭和歌謡からジャズヴォーカルまで、大好きな音楽についてあれこれ書き綴った音楽日記です

雨の慕情 / 八代亜紀

2012-09-04 | 昭和歌謡・シングル盤
 調子に乗って今日も八代亜紀だ。彼女の盤で私が持っているのは前回取り上げたジャズ・ライヴのCDと、この「雨の慕情」のアナログ・シングルの2枚だけ。そもそも演歌というジャンルはクラシックなどと同様、自分には全く無縁な音楽だったので、その範疇に属する八代亜紀という歌手も好きとか嫌いとかいう対象にすらならず、時折嘉門達夫の “厚化粧ネタ” を聞いて思い出す程度の存在だった。
 そんな私が10年ほど前にジャズ・スタンダードを歌ったライヴ盤から彼女に入門した経緯は前回書いた通りだが、それはあくまでも “スタンダード・ナンバーを歌うハスキー・女性ヴォーカリストとしての八代亜紀” という認識であって、相も変わらず彼女の持ち歌はほとんど知らない状態が続いていた。
 そらから更に数年が経ち、ジャンルの垣根を越えた面白カヴァー盤にハマって色々と聴きまくっていた頃に偶然見つけたのが演歌をジャズ・アレンジでカヴァーした「ジャズ代官 ~演歌がジャズ! よいではないか、よいではないか~」という珍盤CDで、キワモノ臭がプンプンするタイトルとは裏腹に中身はしっかりしたジャズになっており、その中でも特に気に入った1曲が「雨の慕情」だった。
 1980年に大ヒットしたこの曲のオリジナルをちゃんと聞いたことがなかった私は、最初「雨の慕情」というタイトルを見ても誰の曲なのかサッパリわからなかったし Aメロを聞いてもいまいちピンとこなかったのだが、サビの “雨雨ふれふれ もっとふれ~♪” のパートを聞いて “あぁ、このフレーズどっかで聞いたことあるぞ!” となり、 YouTube で検索して初めて彼女のオリジナルを聴いたのだが(←遅い!!!)、演歌というよりは古き良き昭和歌謡の流れを汲むその哀愁舞い散る旋律と彼女の官能的な歌声の絶妙なマッチングに瞠目させられた。
 この「ジャズ代官」というCDは正統派の音楽ファンからは歯牙にもかけられないような邪道盤なのかもしれないが、演歌というジャンルへの偏見を取り除いてくれたという意味でもオリジナル・シンガーを知るきっかけになったという意味でも私にとってはかけがえのない1枚。もちろん演歌云々は横に置いといて、ストレートアヘッドなジャズ・アルバムとして聴いても結構楽しめる内容になっている。
雨の慕情

雨の慕情 八代亜紀


 それから1年もたたないうちに、今度はこのブログではお馴染みのマーティ・フリードマンとアッキーナのコラボを YouTube で発見、ガンガン弾きまくるマーティのロック・スピリット溢れるプレイを抜群のリズム感でガッチリ受け止めるアッキーナ姐さんのシンガーとしての懐の深さに驚かされたし、何と言ってもバリバリのロック・アレンジでカッコよく生まれ変わったこの曲は言葉に出来ないほど衝撃的だった。
Marty Friedman with Aki Yashiro


 そして去年の夏から秋にかけて昭和歌謡のシングル盤を買い漁っていた時にこのレコードを100円で見つけて迷わず購入、プレミアの付いていないシングル盤は大抵100円前後で買えるのが嬉しい。届いた盤はピッカピカで音質も文句ナシ。まさにラッキー・クッキー・八代亜紀である。この手のヴォーカル物はやっぱりアナログ独特の温か味のあるサウンドで聴くのが一番だ。ここ数日は陽が落ちると少し涼しくなってきたが、部屋の灯りを落とし窓を全開にして夜風に当たりながら小音量で聴く八代亜紀って結構エエと思う。昭和歌謡ファンはぜひお試しあれ。
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