55年から64年にかけてアメリカが一番アメリカだった頃、街にはフィフティーズ、シックスティーズと呼ばれるアメリカン・オールディーズの名曲たちが溢れていた。「アメリカン・グラフィティ」や「スタンド・バイ・ミー」といった映画はオールディーズを使ってこの時代への憧憬をストレートに表現したものだ。60年代に青春を過ごした人達はみんな何らかの形でオールディーズ・ポップスの洗礼を受けているに違いない。
私が子供の頃に見たアメリカのホーム・ドラマは自分の日常とはまるで異なる別世界の物語だった。プール付きの大きな家、気さくなパパと陽気なママ、大型冷蔵庫にスポーツカー、天井まで届きそうなクリスマス・ツリー... 大体判で押したようにこんな感じだったが、心の中でそんな “古き良き” アメリカに憧れていた。中学に入って洋楽を聴くようになり、後追いという形ながら、そんなアメリカン・オールディーズに夢中になった。
中でも私が好きだったのがロネッツやクリスタルズといったガールグループと、このディオン& ザ・ベルモンツに代表される男性ドゥーワップ・グループである。私が初めてディオンの歌声を聴いたのは61年の全米№1ヒット「浮気なスー」で、ソロ名義ながらバックにはデル・サテンズを従え、掛け声の「トンデヘレヘレ♪」には1度聴いたら忘れられない強烈なインパクトがあった。
すっかり気に入った私は彼らの他のレコードも聴きたくなり、このレコードに辿り着いた。59年にローリー・レーベルから出た彼らのデビュー・アルバムである。いきなりドゥー・ワップ魂が全開のA-1「アイ・ワンダー・ホワイ」では幾重にも声を重ねていくベルモンツの驚異のコーラス・ワークに圧倒される。ロジャース&ハートのA-3「いつか何処かで」はジャズでもよく取り上げられるスタンダードだが、彼らは№1ヴォーカル・グループの力量を遺憾なく発揮して美しいハーモニーを聴かせてくれる。B-1「恋するティーン・エイジャー」は59年に全米5位まで上がったスマッシュ・ヒット。文字通り恋する10代の切ない心情を甘く歌うディオンとそれを暖かく包み込むようなベルモンツのコーラスがたまらない。この甘酸っぱさこそがオールディーズ・ポップスが我々を魅きつけてやまない一番の魅力なんだと思う。
ジュークボックスの置いてあるバーで(酒は飲めへんけど...笑)一日中オールディーズを聴いて過ごしたい... そんな気持ちにさせてくれるドゥーワップ・ファン必聴のレコードだ。
Dion & The Belmonts - A teenager in love
私が子供の頃に見たアメリカのホーム・ドラマは自分の日常とはまるで異なる別世界の物語だった。プール付きの大きな家、気さくなパパと陽気なママ、大型冷蔵庫にスポーツカー、天井まで届きそうなクリスマス・ツリー... 大体判で押したようにこんな感じだったが、心の中でそんな “古き良き” アメリカに憧れていた。中学に入って洋楽を聴くようになり、後追いという形ながら、そんなアメリカン・オールディーズに夢中になった。
中でも私が好きだったのがロネッツやクリスタルズといったガールグループと、このディオン& ザ・ベルモンツに代表される男性ドゥーワップ・グループである。私が初めてディオンの歌声を聴いたのは61年の全米№1ヒット「浮気なスー」で、ソロ名義ながらバックにはデル・サテンズを従え、掛け声の「トンデヘレヘレ♪」には1度聴いたら忘れられない強烈なインパクトがあった。
すっかり気に入った私は彼らの他のレコードも聴きたくなり、このレコードに辿り着いた。59年にローリー・レーベルから出た彼らのデビュー・アルバムである。いきなりドゥー・ワップ魂が全開のA-1「アイ・ワンダー・ホワイ」では幾重にも声を重ねていくベルモンツの驚異のコーラス・ワークに圧倒される。ロジャース&ハートのA-3「いつか何処かで」はジャズでもよく取り上げられるスタンダードだが、彼らは№1ヴォーカル・グループの力量を遺憾なく発揮して美しいハーモニーを聴かせてくれる。B-1「恋するティーン・エイジャー」は59年に全米5位まで上がったスマッシュ・ヒット。文字通り恋する10代の切ない心情を甘く歌うディオンとそれを暖かく包み込むようなベルモンツのコーラスがたまらない。この甘酸っぱさこそがオールディーズ・ポップスが我々を魅きつけてやまない一番の魅力なんだと思う。
ジュークボックスの置いてあるバーで(酒は飲めへんけど...笑)一日中オールディーズを聴いて過ごしたい... そんな気持ちにさせてくれるドゥーワップ・ファン必聴のレコードだ。
Dion & The Belmonts - A teenager in love