熊本藩にける処刑は現在の下河原公園あたりで行われた。
この文書はその刑場に出役する者が、途中で御一門の方に出会った際、下馬すべきかどうかを尋ねたことに対する返答である。
処刑が行われるときは、奉行をはじめ家老・中老なども慎しんだと伝えられる。藩主・御一門とて同様であったと思われるが、この様な伺を立てているところを見ると、同様の事例があったのであろう。
本行検使之節御刑法場江
参掛御一門衆以下江於途中
行違候節往古ゟ之仕来ニ而
不致下馬罷通来候処先年
不安意之由ニ而伺ニ相成候処士席
以上江者下馬いたし候様御達ニ
相成候 然処前々ゟ仕来且御昇
頭者御一門衆以下江不致下馬
仲間迄右之通ニ而者甚不落着ニ
有之候間尚相伺候処以来仕来
之事ニ付以前之通相心得候様
天保十年十一月三日御達ニ相成
候事