津々堂のたわごと日録

爺様のたわごとは果たして世の中で通用するのか?

■「熊本歴研・史叢」第8号

2024-05-29 06:32:46 | 書籍・読書

 先に古書籍店に注文した「熊本歴研・史叢」第8号が手元に届いた。2003年7月号とあるが、じつはそれまでは熊本歴研の冠はなく「史叢」だったようだが、同名のものが日本大学史学会に存在したため、変更方の申し入れがあったという。
熊本歴史研究会はこれを受け入れ、まさにこの号から「熊本歴研」を冠するようになったある意味記念するべき号となった。
                                   

 ここに蓑田勝彦先生が、銭匁勘定について初めて触れられた(?)論考「江戸後期 熊本藩における通貨制度-藩札の流通-」が掲載されており、是が読みたくて購入したものである。
この会誌が2003年7月であるから、ほぼ20年前のことになるがそんな時期蓑田先生はこの問題の理解のために奮闘されていたことが判る。
先生は私とほぼ同年代だと思うが、この問題については私は関係資料をできうる限り読んで、今ようやく理解の途についている。熊本の藩札は「1匁70文」で流通している。
よく例に取り上げられる通潤橋の工事費は「319貫406匁余」であるが、実質「銭」ではその70倍の22,358貫420文ということになる。
いわゆるびた銭を、319,406枚準備しなければならないことになる。それゆえ工事費の支払いなどは藩札で支払うという事になる。
すべてが藩札で支払われたのかどうかは、資料を見出せないから良くわからない。
藩からの借入金はともかく、人夫賃などは会所官銭などにより現金で支払われていたのかもしれない。
藩札を貰っても換金の手間がいり、日当払いには向かないであろう。
蓑田先生には、「熊本藩の社会と文化」という御著があるが、ここでも詳しく取り上げておられる。
最近、理解が深まり感謝申し上げたい。

ある方が藩札をたくさんお持ちだと聞及んでいる。お見せしますという事だから、何とか近いうちに拝見したいと思っている。

コメント
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