一枚の葉

私の好きな画伯・小倉遊亀さんの言葉です。

「一枚の葉が手に入れば宇宙全体が手に入る」

ポンペイ展

2010-05-16 14:31:23 | 歴史
  
     この間、誘われて横浜美術館でやっている
     ポンペイ展を観てきた。
     「ポンペイ展」
       世界遺産 古代ローマの奇跡
     とある。

     およそ2000年前の西暦79年8月24日、
     ヴェスヴィオ山の大噴火によってナポリ湾
     沿岸の都市ポンペイは、一昼夜にして火山
     灰に埋もれてしまった。
     その後ポンペイは忘れ去られ、復興されるこ
     とはなかったが、18世紀のある日、
     ポンペイの隣町で偶然に古代の建築物の
     一部が出てきたことをきっかけに、発掘調査
     がはじまり、古代都市ポンペイのありし日
     の姿が明らかになったというのである。

     2000年も眠っていた都市ポンペイ。
     その人々の暮らしはどうだったかというと、
     現代のハイテク顔負けといってもいいくらい
     の文明的な暮らしなのに驚いた。
     風光明美な地に別荘をもち、壁を埋めつくす
     フレスコ画や豪華な調度品で中庭付きの邸宅
     を飾り、お客を招き、優雅な暮らしを競い
     合っていたというのだ。

     ただし、これはごく一部の富裕層(貴族)
     の話。
     労働は奴隷にまかせ、家の下働きは召使い
     を使って、である。
     (奴隷をつないでおく鉄鎖も陳列してあった)

      「人々(金持ち)は吐くために食べ、食べる
      ために吐く」といったのだとか。
     (これはいただけない)

     奴隷解放が叫ばれてから(南北戦争の
     ときだから)、たかだか200年しか
     経っていない。
     この2000年の間に人間は進歩したのか。
     奴隷制度はなくなったけれど、いま火山で
     埋もれてしまっても、遺すべき建造物や
     遺跡はあるかしら、とふと思ってしまった。
     もっとも、この情報が発達した今日では
     ただちに救助隊が駆けつけ、何千年も埋もれ
     たまま眠り続けるなんてことはないだろう
     けれど。

     それにしても、こうした古代文明展を間の
     あたりにするときの高揚感。
     学生時代はほとんどといっていいくらい
     (観ないと遅れる感じがして)
     足をはこんだものだったが、いつしか生活
     に追われて(笑)遠のいてしまっている。
     
     友人に古代オリエント史を専門とする人が
     いるが、多分、彼女はそういう学生時代か
     らの興味や好奇心を持続した結果が、現在
     につながっているのだろう。
     ”ローマは一日にしてならず”
     学者も一日にしてならず、である。
     彼女と私の分岐点はすでに学生時代にあっ
     たのだ。
     久しぶりに味わったドキドキ感が、思わぬ
     方向に飛んでしまった。
     (友人のことは昨年12月にシリーズで
      載っています)
  
     
     


        
     
         
     
 

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