今日は桃の節句、ひな祭り。
折しも(というか時期を合わせたのだろうが)
鎌倉国宝館では、江戸時代の「ひな人形展」が
ひらかれている。
そもそもひな人形の人形(ひとがた)とは、
身代わりという意味で、
節句とは季節の節目の身のけがれを祓う大切な
日なのだとか。
最初は、災厄を引き受けてくれた人形を流す
「流し雛」だった。
それが現代のような飾り人形に発展するのだが、
原点にもどれば、今年ほどひな人形を飾るのに
ふさわしい年はないのではないか。
そういえば『源氏物語』の須磨の巻に、光源氏が
海辺に出てお祓いをし、災いや病気の身代わりと
して紙人形を流す場面が出てくる。
平安初期には「紙の着せ替え人形」で遊ぶ「ひい
な遊び」が主であった。
この遊びが一対の男女の人形となり、
やがて宮中から武家社会、裕福な家庭にまで広が
り、豪華な人形を飾るようになった。
嫁入り道具にお雛様を入れたのも、お産や病気の
災いから逃れるためであったろう。
現代のようなひな壇を飾るようになったのは平安
中期から。
こんな時期に華やかな雛人形を飾るのもどうかと
躊躇っていたが、それはお門違いだったようだ。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます