まさか、まさかである。
湯たんぽが復活するとは思わなかった。
30代後半から40代半ばまで、ひどい冷え性に
苦しんだ。
その頃私は谷川雁らが提唱したラボのテューターを
やっていて、冷え性は過度のストレスからくるもの
だったに相違ない。
真夏でも厚手の上着をもって外出しなければならず、
家に帰れば帰ったで、夜になるのが怖かった。
布団に入ってもガタガタ震えて眠れないからである。
いま思っても、あれは異常だった。
その後、運動などで冷え性はそれなりに解消はしたが、
完治するものではなく、冬になると電気で足を温める足
温器を使ってきた。
スイッチ1つでONとOFFができ、温度も調節できるのだ
から、こんな便利なものはないではないか。
しかし、電気だといくら手元でこまめに調節できると
いっても、熟睡した揚句、足で蹴飛ばして朝起きたら
布団の外にONのまま出ていたり、また暑すぎて汗を
かいたりして気にはなっていたのだ。
今年はどうしよう。
ちょうど戴きものの湯たんぽが子供の玩具箱に入って
いて、処分しようと思っていたところ。
捨てる前に使ってみよう。
それが始まりである。
湯たんぽなんて~と多少バカにしていたが、それが結構
使い勝手がいいのだ。
お子様用だからお湯も0、9ℓしか入らない。
(市販の大人用は2ℓ)
でも私にはちょうどいい具合である。
お湯も朝にはほどよく冷めて、汗をかくこともない。
ちゃんとカバーもついている。
湯たんぽといえば、なぜか向田邦子のドラマを思い出す。
(実際にそんな場面は見たことないのだが)
お母さん役の加藤治子さんが白い割烹着をかけて、湯た
んぽのお湯で朝、子供たちの顔を洗ってやったりして~。
まさか、私はそのお湯で顔は洗いません。
そんなシーンを思い浮かべて、湯をどぼどぼ捨てるのみ
です。
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