あるきメデス

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熊野古道中辺路を歩く③(新宮駅前~熊野那智大社)

2008-11-24 20:35:56 | 熊野古道を歩く
 第2日 2008年10月26日(日)
 =新宮駅~熊野那智大社=〈続き〉



 近くの那智駅に回って見た。朱塗り社殿造りの駅は無人で、併設
の温泉施設があるが観光案内所などは無い。那智山参拝客のほと
んどは、車を利用するようだ。

 那智の町からは浜を離れ、那智川沿いを那智山を目指すことにな
る。出発しようとしたら本降りになったので雨具を着ける。

 前方に見える谷間に向かい、那智山への車道を2㎞ほど進む。牧
野々からは曼陀羅寺の石標に従い、細い旧道で家並みの間を抜け
た。


 集落が終わり、杉林の下の緩やかな山道へ。


 荷坂峠には尼将軍供養塔がある。尼将軍とは源頼朝の妻、政子
のこと。頼朝夫妻は熊野信仰が厚く、那智山の寺の建立もしている
という。


 林を抜けたところの「ふたらく霊園」に、幹囲2.9m、源頼朝
(1147~99)の死後に植えられたと伝えられているという、伊勢
平柿と呼ぶ甘柿の古木があった。


 旧道に戻り、街道らしい風情の残る市野々へ。この集落には老杉
に囲まれた市野々王子神社がある。雨もやんだので、雨具を外した。


 市野々に続く二の瀬も、街道筋らしい家並みが続く。


 さらに麓集落(上)を抜け、車道を横断すると那智山の入口、
大門坂である。


 南方熊楠が3年間滞在した大阪屋旅館跡や、新宮藩の関所跡な
どがあり、土産物店なども現れる。


 樹齢800年という夫婦杉など、太い杉木立の並ぶ坂道を、267段
上がる。


 途中には、九十九王子最後の多富気王子社跡もあった。


 さらに最後は急な石段を、増えてきた観光客と一緒に上がり、熊
野三山の二つ目、熊野那智大社に着いた。朱塗りの社殿に参拝し、
この先、熊野古道中辺路歩きの安全などを祈願する。


 境内にある、樹齢約800年、樹高27m、幹回り約8.5m、平重盛
の手植えと伝えられるクスの大樹に圧倒される。


 隣接する西国三十三観音霊場第1番札所の青岸渡寺にも参拝、
本堂前に流れ落ちていた、延命の水と呼ぶ清水をいただいた。


 そばの展望台からは、三重塔の向こうに、垂直に落下する那智
大滝の豪壮な流れが遠望できる。


 今日の宿、青岸渡寺の宿坊・尊勝院にザックを預け、三重塔の
先から石段を下り、那智大滝の下にある飛滝神社に参拝した。


 日没が近づき薄暗くなってきた。帰路は別の道を通り、16時17
分に宿坊・尊勝院に入る。

 庭に面した6畳の部屋で、空調はない。大きな風呂場だが入浴
者はほかに1人だった。洗濯機を使わせてもらえるか聞いたら、
宿坊の方が洗って乾燥の上、夕食後に持ってきてもらい感謝する。

 夕食は17時15分過ぎから。精進料理だが品数が多く、皆おい
しくいただいた。

[コースタイム]ステーションホテル新宮7・40ーサークルK7・50~
55ー浜王子社8・07~15ー高野坂入口8・50ー展望台9・18~20
ー三輪崎駅9・37ー南珠寺10・00~05ー佐野王子10・20~30ー
宇久井駅10・46~48ー小狗子峠11・30ー浜の宮王子・補陀洛山
寺11・56~12・33ー那智駅往復&雨具直用(補陀洛山寺)12・53ー
尼将軍供養塔13・30~35ー市野々王子13・54~14・05ー大門坂
入口14・25ー大門坂上14・48ー熊野那智大社・青岸渡寺15・01
~23ー宿坊尊勝院(荷物預け)15・25~30ー飛滝神社15・50~55
ー宿坊尊勝院16・17

(天気 曇時々雨、距離 21㎞、地図(1/2.5万) 新宮、歩行地
 新宮市、歩数 41,300)

【王子とは】 京都から熊野三山への参詣道には、「熊野九十九
王子」という、熊野権現の御子神をまつる分社が点在する。これ
を王子と呼ぶ。参詣者は道中、それら王子を巡拝することで、まだ
遠い熊野を遙拝し、旅の安全を祈願したという。

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