穴にハマったアリスたち

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(第26話)トロピカル~ジュ!プリキュア「晴れわたれ!キラキラ☆流星群の夜!」感想

2021年08月29日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第26話)トロピカル~ジュ!プリキュア「晴れわたれ!キラキラ☆流星群の夜!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第26話より)

ここ最近ローラが人魚にならないわ、くるるんがどっかで寝てるわで、海洋成分が足りません。サカナとしての矜持を思い出して欲しい。

それはそれとして。2年遅れてやってきた天文大好き少女を、トロピカる部がお手伝いするお話。

天文学部を新設したい仲川さん。ちょうどやってくる流星群に興味を惹かれた夏海さんらはお手伝いをすることに。
色んな活動をやってるトロピカる部は、部の宣伝にうってつけです。「トロピカる部がまた何かやってるぞ」の声援も上がっており、校内でも認知されているご様子。もしかしたら「サンドアート部」とかも出来てるかもしれない。

夏海さんとしては「他の学生を支援しよう」なんて意図はなかったはず。自分のやりたいことをやっていたら、結果的に他にも波及した。トロピカる精神と肉体が綺麗に回転しています。

あすか先輩のお父さんの祈祷は、科学的に見るなら全くの無意味(逆効果の恐れすらある)。ですが「熱意が何かを動かす」の観点ではトロピカっています。
結果的に晴れはしましたが、仮に曇りだったとしても、あの祈祷はそれはそれでイベントとして成立していますから参加者は多分楽しんでくれたはず。

桜川先生の動きも素晴らしい。夜の流星観測を相談されて、即座に校長先生にエスカレーション。夜間活動は一担任では決断できません。
校長室には無策で乗り込んでいるのも良いです。対策を練る前に、まず報告を上げる。それから考える。
解決策として出した「保護者の協力」は、結果的に家族イベントに繋がりました。中学生的には家族での参加はちょっと抵抗ありそうにも思えますが、要するに花見イベントのようなもの。現実社会の今の状況を思うと、家族や同級生とわいわいと集ってる様子は、それだけで何か胸にくるものがある…。

「結果的に」といえば、あとまわしの方々にも波及しています。
祈祷の効果だとしたら、ヌメリーらが流星群を見られたのはプリキュアやあすか父のおかげです。誰もそんなことは意図していなかったし気づきもしていませんが、結果的にヌメリーらの助けになった。

各自がバラバラの突拍子もないことをやっているようでいて、結果的に全体に良い結果をもたらしていく。
「意図していない」のに「結果的に」そうなっているのが良いな。

後期EDの歌詞がとても好きです。

『きっと変身願望、みんなこっそりあるでしょ?』
『ほんの少しの変化で不思議、見違えるね』

プリキュアになりたいとみんな常々思っているけれど(断定)、「プリキュアになる」とは分かりやすく変身アイテムが支給されることではなく、日常の些細なチャレンジなんだろうと思う。「プリキュアになろう」と意識したわけでもない、ささいなほんの少しの変化が、後から振り返ると結果的に「ああ、あの時プリキュアになったんだな」と思えるとか。そんなトロピカるな生き方をしていきたい。

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(第25話)トロピカル~ジュ!プリキュア「桜川先生パワーアップ大作戦!」感想

2021年08月22日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第25話)トロピカル~ジュ!プリキュア「桜川先生パワーアップ大作戦!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第25話より)

トロピカる部顧問・桜川咲先生のパワーアップ回。但しパワーアップはしない。

先にどうでもよいことを書いてしまうと、この先生、SplashStarの美翔さんに似てる。ビジュアル的には目が。
性格や言動も意外にこんな感じな気がする。美翔さんは相棒が日向さんだったからか「しっかり者」かのように扱われていますが、「熱中すると周囲が見えなくなる」娘さんなので他チームなら「うっかり天然系」のポジションだったと思う。美翔さんの母もそんな感じでしたし。
下の名前が「咲」なところと合わせて、SplashStarのハイブリッドがモチーフだったり…は考えすぎか。

「子供の仕事ぶりをチェックし、連れ戻そうとする」のはよくある構成ですが、親には全くその気はなく、そもそも見学に来ること自体も「ついで」なのはとてもトロプリ的だと思います。
お父さんは趣味のアイドルを応援していただけ。それが結果的に、仕事の問題の解決にも繋がった。子供を連れ戻してやりくりするのではなく、外部からリソースを得ています。

「ついでに」見学に来たのも素敵な流れです。遠方にいる子の生活が気にはなっても、わざわざ出向くかというとそれはそれで抵抗があります。だから「ついで」。
たまたま近くに行く用事があったなら、見に行くのは自然な発想。アイドルの応援をしていたことが、子との繋がりにもなった。

トロピカる部の「やるべきことをやっていたら、期せずして将来の役に立った」そのもので、トロピカる肉体と精神を体現なされています。こういうのを見習っていきたい。

桜川先生の職場での様子にも通じることに思えます。直接の描写はないものの、彼女が紹介や手配をしてくれてるイベントの数々は、同僚から渡されたものじゃないかしら。
邪推するなら「面倒くさそうなイベントを押し付けただけ」なのかもしれませんが、それも含めて彼女の普段の言動が結果的に活きている。

一方で「あとまわし」の方々の描写はちょっと気になります。
定番でいえば対比構造になっていて、あとまわし側は何か失敗をしていそうなのに、今回の話はそうは見えません。
夏休みボケのエルダのフォローとしてヌメリーが付き添い、過剰に口出しするでもなく見守り、失敗はしたものの頑張りは上に報告すると言ってくれています。問題を感じない。むしろ良い職場に見える。

強いて違いを挙げるなら、「エルダの世話を主目的としていたヌメリー」と「先生の見学はあくまでついでだったお父さん」でしょうか。そういえば女王様もローラを放置気味に育てています。もし狙っての演出なら、トロプリさんは意外に厳しい。「計画に縛られるな」と同様に「教える・教えてもらう」にも否定的なのかしら。

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(第24話)トロピカル~ジュ!プリキュア「熱血バトル!トロピカる部VS生徒会」感想

2021年08月15日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第24話)トロピカル~ジュ!プリキュア「熱血バトル!トロピカる部VS生徒会」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第24話より)

テレビ中継中のあおぞら中にて。トロピカる部がやらかして、お怒りの生徒会長とクイズ対決することに。

今日の夏海さんのトチ狂いぶりは逆に新鮮なほど。全く一切役に立たないどころか、要所要所で足を引っ張っていらっしゃる。
話の盛り上げ的にぎりぎりまで負けさせる必要があるのはともかくとして、夏海さんの特性的にもこうなってしまうのかも。

微妙に見落としていたのですが、トロプリ組だと体力担当が被っています。
最後の早押し競争は、夢原さんや星空さんだとそもそもついていけません。宇佐美さんや野乃さんは奮闘しそうだけど結果は厳しそう。星奈さんは食い下がりそうな気はするものの、やっぱり天宮先輩に任せると思う。
それらと比べ、夏海さんは勝ってもおかしくなさそう。なのでリタイアさせるために不運に見舞われる悲劇。転んでも泣かない!

知性麗しいわけでもないので正攻法では役に立たず、思ったことはすぐに行動するので計算的なものもできず、閃きに格段に優れているのでもない。
何かボロクソな言い方ですけど、これまでの彼女はむしろかなり優秀な活躍をしていますから、ギャップがすごい。何故こうなるんだろう?「クイズ」というルールがあると「トロピカる精神と肉体」は機能しなくなるんだろうか。無理やりこじつけるなら、「計画して動くのはダメ」に通じる話なんだろうか。

こじつけついでで言うなら、「本来は正解のはずのローラが不正解」もルールのせいです。

海洋世界の知識がないヒトにとっては、近所のダイオウイカおじさんは選択肢にならない。
あと、おそらくこの番組は、クイズ対決の体裁で地方のご紹介をして回る番組と思われます。「砂浜」「重ね着(服屋)」「ボタン展」はいずれも観光スポットなんでしょう。だとすると「クジラ」も観光関係っぽい。多分この近辺にはクジラがいて観光の目玉になっているとか。だから答えは「シロナガスクジラ」。
出題は「世界最大の『生き物』」なので、「木(セコイア)」や「キノコ(オニナラタケ)」とも言えますが、ルールを読まねばならないので「クジラ」が正解。

尤も、番組的には女子中学生様が泥につっこむところを撮りたいでしょうから、ひっかけ問題にする可能性は高い。「ひっかけ」るとしたら「実はクジラではない」と「そんな雑学は常識なので裏をかく」のどちらなのか読みづらいです。回答不能なので運に任せるしかない。「他者に生殺与奪を握られてしまったら、トロピカりようがない」とも。ローラが泥にまみれたのは、そんな面倒な事情があったからなんです。決して魚脳だからではなく。たぶん!

次回は顧問の先生のパワーアップ回。これまでのトロピカる部の活動は何気に先生に支えられています。
今日の様子を見るに、これまで夏海さんが優秀に動けていたのは顧問の提供する環境が良かったからかもしれない。そういう方向にオチがつくのかしら。

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HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)

2021年08月08日 | ハグプリ最終回考察
長くなったので一覧にしておきます。

※1年以上かけて書いた記事を、扱った内容単位でカテゴライズし、順不同に並べています。
検討を進めるにつれ変化したこともあるので、記事を読み比べると整合性が取れない箇所があります。

【私なりの結論】
ハグプリ世界はタイムトラベルでは「未来は改変不可」で、同じ破滅の歴史を延々と繰り返していた。
しかし今回のループでは、我々視聴者が観測していたことでキュアブラック・キュアホワイトが召喚され、歴史が変わった。

「未来は改変不可」なので、その後は同じ「救われる」歴史を繰り返している。
そのため、えみるは未来に戻ったルールー本人と正しく再会できる。


(「HUGっと!プリキュア」49話より)

「世界はいつ分岐したのか」
「歴史が変わる」問題点と、そのクリア方法の検討。
なぜ「黒白トリガー説」を持ち出すのかは、これを読んでいただくのが分かりやすいと思います。

「タイムパラドックスの真相」
パラドクスを回避しつつ、歴史を変える方法。

「最終回に起きたこと」
えみるはなぜ、最終回であのような行動ができたのか。
改変不可の世界観での出来事の考察。

「パラレルワールドの正体」
平行世界説、歴史改変説、未来不変説の統合。

参考文献

【大前提】
「タイムパラドックスの誤解」
よくある誤解のまとめ。
実はタイムパラドクスは起きていません。

【結論に直接かかわる検討】
「パラレルワールドへの疑念(テーマ面)」
「パラレルワールドへの疑念(人物面)」
「パラレルワールドへの疑念(物語面)」
平行世界説をとる場合に、クリアしないといけない課題。

「時間への挑戦」
未来不変説をとる場合に、タイムパラドックスが起きないことを、現代物理も念頭に確認。

【結論の補強】
「時をかける野乃はな」
はぐみ=はぐたん別人問題の解消。

「オシマイダー療法」
ハグプリ世界の未来で起きた「時間停止」と、キュアトゥモローが何と戦っていたのか。

「ジョージの別れと再会」
「ジョージの巡礼」
ジョージ視点で見た戦いの経緯と背景。クライアスの目的。

「薬師寺さあやの葛藤」
「相田マナの結婚」
えみるたちが「破滅は2043年」「未来は改変不可」と判断できた理由。

「魔法つかいが大人だった、その理由」
「トラウムとルールー」
「まほプリ」「アラモード」最終回と36話の齟齬、「オールスターズメモリーズ」でのルールーの振る舞いの検討。
何故トラウムは2018年に戻ってきたのか。

【平行世界の解釈】
「if世界での再会/ルールー分裂問題」
俗に言う「世界線」がどうなっているのかの整理。

「続編なんか怖くない」
オトナプリキュアを受けての補強。

【時間停止の解釈】
「時間の牢獄」
「停止した時の果て」
現実世界の観点で「時間停止」が起きたらどうなるかの考察。

「はぐたんはタイムトラベルしていない(はぐたんが時間を止めた説)」
時間停止のメカニズムから導ける別の可能性。

「死後の世界」
時間停止を元にした、我々の世界の「死後」の検討。

【結論からの派生】
「歴史が変わる前の物語」
私たちがかつて視聴した、改変前の「ハグプリ」の推察。歴史改変により、何が変わったのかの検討。

「誰が野乃はなを殺したのか」
改変後の「ハグプリ」世界で、誰が野乃はなを殺したのかの推察。

「輝木ほまれと人魚姫の代償」
人魚姫の「代償」として何を支払ったのか。

「ジェロスの輪廻」
ジェロスは2018年を2回繰り返していた説。

「はぐたんは若返っていない説/ハグプリ未解決問題」
ハリーの奇妙な行動や、はぐたんの不可解な謎から推察した「はぐたんは2030年からタイムトラベルしてきた」説。

「2018年の謎(ジョージの最優先は野乃はなではない説)」
ジョージが2018年での決戦を選んだ理由の推察。

【キャラクター考察】
「歌よ響け、この空に」
「愛崎えみるの家庭事情」
えみるが感じていた抑圧に関して。
アンリくんを初めとした、いわゆるジェンダー問題として扱うことへの反論。

「明日は何色」
キュアトゥモローさん追加戦士説。
(注:トロプリ現在、キュアサマーの登場により「ピンクキュアの追加戦士」が現実味を帯びました)

「特異点リストル」
リストルの不可解な立ち位置。

【テーマとの考察】
「トロピカル~ジュと2043年の戦い」
「ヒープリはミデンに勝てるのか」
「2033年プリキュア30周年」
「プリキュア40周年」
「プリキュアは初代を見ていた幼児の現在の年齢を意識している」を念頭に、これから先のプリキュアの展開予想。

※「プリキュア」である以上、「プリキュア」コンテンツとして成立できる内容でなければ、どんなに整合性が取れていても考察としてはNGだと思っています。
例えば私が当初考えた「未来世界の真の黒幕は、自らの意思で闇落ちした野乃はな」等は、少なくとも2021年現在のプリキュア観ではありえない。

【歴史改変説】
「えみるの決断/さようならルールー」
一般的な「歴史改変(登場人物の行動により未来が変わる)」を元にした仮説。

【時間に関する小ネタ】
「改変世界のルールー」
「3つ目のパラレルワールド」
「ルールーと再会する方法」
歴史改変や平行世界を念頭に置いた場合の思考実験。

「キュアパッションの跳躍」
「はぐたんVSリフレイン」
時間や空間を跳躍することの思考実験。

「ルールーの無限ループ(チョロミーのパラドックス)」
ルールーの出自に関する別解

【他シリーズへの展開】
「プレシャスな人生の物語」
「無限の愛」を時間面から見た解釈。

「星奈ひかるのリフレイン」
「星奈ひかると時間の呪縛」
「ハグプリ」「スタプリ」最終回と、「ヒープリ」との出会いの考察。

「春野はるかの未来への道」
「Goプリ」「フレプリ」の時間のずれの問題。

「夢原さんの四季2回問題」
「ブンビーさんの就職活動」
ヒープリ映画を受けての検討。
(注:この当時は謎だったブンビーさんの経緯は、ヒープリにて示唆されました)

「停止する美翔舞」
「リコのパラドックス」
ハグプリ以外の「時間停止」「過去移動」の事例。クシィは眷属を出し抜いていた説。

「ミラクルリープ」
「パラレルワールドへの疑念(ミラクルリープ)」
映画「ミラクルリープ」を受けての考察。

【小ネタ集】
「はぐたんの見た世界、他」
「エリカとの出会い、他」
まとめきれなかったネタ一覧。
野乃さんが幼少期に出会った「エリカ」なる人物、はぐたんはトゥモローとしての記憶を持っていたのか、ハリーはなぜビューティーハリーを経営できたのか等。

【その他、初期の考察】
「えみるの戦い」
「ルールーの旅立ち」
「ふたつのプリハート」

「愛崎えみるは如何にして研究室に行ったか(2)」
一連の記事のスタートライン。36話の朝日奈さんらは2033年から来ていた説。

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(第23話)トロピカル~ジュ!プリキュア「南乃祭り!教えて、ローラの願いごと!」感想

2021年08月08日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第23話)トロピカル~ジュ!プリキュア「南乃祭り!教えて、ローラの願いごと!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第23話より)

合宿最後の夜。一行は島の南乃祭りに参加し、石に願いを書いて海中に投下。
「願い」といっても他力本願で大きな願いではなく、1年ぐらいで叶える目標のようなもの。
毎年来てもらおうという観光地的工夫を感じますがそれはともかく、皆の願いが印象的です。

・食べ頃野菜を見極められるようになる
・太極拳を極める
・南乃島の可愛いを持って帰る

いずれも島での体験が元になっています。

振り返ってみると、この3人は合宿に「お弁当や枕」「読みたい本」「自前のコスメ」を大荷物で持ち込んでいました。
一般的な旅行の知識として、これらは悪手です。旅に不慣れな人がやりがちなミスで、せっかくの非日常なのに日常に無理に拘ってしまっている。
実際、島についてからはこれらは活躍していません。話数の問題はあるにせよ「島と街の交流」のようなストーリーでも不自然ではなかったのに、そうは描写されていない。

それが帰り際の願い事では、島の出来事に強く影響を受けたものに変わってる。若干の唐突さすらありますが、だからこそ思いを感じます。

「願い」=「納期1年の努力の目標」なのもトロピカる部らしい。
一生涯の夢のような巨大な目標ではない。「夏休みをとるため」のような目先の目標でもない。中目標です。
但し「大目標を叶えるためのブレイクダウンした中目標(マイルストーン)」ではない。

ローラの夢は女王様になることですが、今回書いた願いは全くかすってもいない。
それでいて「小さな願いを積み重ねると幸せへの道筋になる」とも語られている。

バタ足ができるようになるのが、女王になるための何の役に立つのかさっぱり分かりません。それでもやっぱり「糧になる」のは直感的に分かります。
あえて言葉にするなら、異なる身体条件で努力することは多様性への理解を深めてどうたらこうたらとか、不利な条件を克服した経験が工夫と思考の広さの礎になってどうのこうのとか語れはしますが、これらは割と後付けです。

やっていた当時は何かの役に立つとは全く思わなかったのに、後から振り返って「ああ、あれが活きたな」は体感としてしばしばあります。
「小さな石ころが積み重なって、大きな道になる」。トロピカる部の「具体的に何と計画するのでもなく、今一番大事なことを積み重ねる」方針そのもの。
「ハートキャッチ」の「詳しい事情は分からないがお手伝いならできる」を、セルフでやってるような感じとも。

最近の自分事として思うと、昨年から約1年かけてやってたハグプリ最終回考察がそれだったかも。
「最終回のえみるの行動が不可解なので、何とか救いたい」をきっかけに、色々と買って読んで考えて、自分なりの着地点には到着できた。何というか妙な高揚感があったのですが、なるほどあれが「トロピカる精神」に違いない。

「仕事のため」のような明確な目的あってでもなく、「生涯の趣味」のような長い話でもなく、「瞬間的に楽しいから」といった刹那の消費でもなく、「冷静に考えたら何でこんなことやってるのか分からんが、とにかく興味があって面白いこと」に1年かけて取り組んで達成するのは、確かに良かった。
「トロピカる肉体」の方も含めて、今後の生活に取り入れていきたい。

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「episode1:運命の恋、ふたたび」マーメイドメロディーぴちぴちピッチ aqua(なかよし2021年9月号)感想

2021年08月04日 | マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ
■マーメイドメロディーぴちぴちピッチ aqua「episode1:運命の恋、ふたたび」感想


なかよし 2021年9月号

17年以上の時を経て、ついに「ぴっち」の第3部が始まりました。おめでたい。ただひたすらにおめでたい。原作者様、関係者の皆々様に感謝しかありません。

感激を語ってるだけで数千字は軽く使ってしまいそうなので、何はともあれ感想を書いてみる。

新主人公は「るきあ」さんです。
まずいきなり誤字なのかと首を傾げました。
「るちあ」ではない。「るきあ」。
アルファベットで書くとどちらも「Lucia(またはLukia)」。lux(光)が由来の読み違い。
おまけに平仮名表記の字面まで似ています。誤字誤読が恐ろしい…。

物語の舞台は不明。とりあえずどこかの陸です。たぶん前作の街だと思いますが、「パパとママが出会った海」は別の場所だった気もする。
そういえば「ぴっち」の舞台となった街の名前って、なんだっけか…?

第2部から何年後かも不明。るちあさんと海斗くんはご結婚なされたらしい。
るちあさんは主婦を、海斗くんはサーファーをやってるそうです。この人魚さんはマメプリの自覚とかないんでしょうか。

そもそも「娘」とは何なのか。パンタラッサとマーメイドの間で子を成せるんだろうか。
それ以前に人魚さんは我らホモサピエンス的な生殖活動を行ってるんだろうか。前作で「マーメイドは女性ばかり」と説明されているし、るちあさんの両親の話題は不自然なまでに出てこないし、聖羅の事例もあるしで、疑わしいことこの上なし。
一応「マーメイドとヒトの子孫」を『自称』する人物はいたので可能性は否定できませんが、正直なところ何がどうなってるのか分かりません。

ここまでで開始3ページ。初っ端の基本設定だけで悶絶してばかり。無駄に邪推するなら「実は実子ではない」はあってもおかしくない気がする。

るきあさんは17歳。るちあさんは14歳でしたから年上です。なんで14歳に設定しなかったのかは謎。とりあえず知的レベルは、第1部第2部のるちあさんよりお高いらしい。
(追記:前作の終了から17年経ってるから17歳なのかしら)

なのだけれど、るちあさんと同様に、浜辺で闊歩中にサーファーを発見、即座に恋に落ちました。
そして溺れかけたのをいいことに速攻で押し倒し、接吻にまで漕ぎつけました。早い。さすが高校生様。

その後学校に出向いたところ、件の彼・黒砂くんは学内でも有名な王子様と判明。
極めて高いスペックと性格の彼は、どういうわけか人魚がお好きなようで、図書室で人魚の本を読んでいらっしゃった。
なお人魚の本を見かけた、るきあさんの第一声は「エッチな本?」。下半身サカナのイラストを見て、最初に思い浮かぶのがその連想。

人魚について語る黒砂くんを見て、るきあさんは逆切れに等しき嫉妬を炸裂。「人魚なんているわけないでしょ?」。当然ながら激怒されました。
母・るちあさんが数話かけて行ったことを、僅か1話で踏破なされた。早い。さすが高校生様。

激怒した彼は、伝統に則り接吻で黙らせてくるかと思いましたが、さすがにそこは人類。踏みとどまりました。というか、ほぼほぼ初対面でそこまで踏み切ったら、さすがに怖い。こればっかりは、1話で駆け抜けたことが裏目(?)に出た。いや第1話にして「正体は人魚じゃないか?」と見抜きかけた海斗くんなら、1話でも突き抜けたかもしれないですが…。

何だか釈然としないまま帰宅したるきあさん、お誕生会を開いてもらいました。参加者は母の友達の波音さん、リナさん。さらっと出てきたのが逆にすごい。第2部ではなかなかシリアスに地上と海の世界とで悩んでいただけに、ここに至るまでに何があったんだろう…?リナさんのカットの後ろにいる人物も謎です。素直に考えるならお子様でしょうか。それ、さらっと流してよいことか。

さてその3人に連れられて、るきあさんは波打ち際へ。そして海中にドボン。母が、いきなり夜の海に身を投げた…。

唖然とする中、るちあさんらの尾びれがぴちぴちと跳ねる。一緒に海に入った、るきあさんの尾びれもぴちぴち跳ねる。本当に書き文字が「ぴちっ」と踊るぐらいに、ぴちぴちと。

何の事情があったのか分かりませんが、るきあさんは今の今までマーメイドだとは知らされていなかったそうです。どうやって生活してたんだろう…。「濡れたら人魚になる」と思ってたんですが「海水限定」だったんだろうか。それとも、るきあさんが何か特殊な事情があるんだろうか。

るちあさん:
 「るきあ、あなたのその瞳…」
 「…髪…」
 「足先まですべて…」
 「マーメイドの血を受け継いでるのよ」

何気に怖いこと言っています。「ぴちぴちピッチ」は種族や遺伝の問題が物語の根幹に流れているので、こう強調して言及されると気になります。
あと、パンタラッサのことはいいんだろうか…。マーメイドの遺伝子の自己主張の強さ。。

更には続けて「るきあには許嫁がいる」とまで明かされました。14歳のるちあさんだったら猛反発しそうなことですが、何があってそうなったのやら。

興奮しまくってる内に、第1話は終了。アイドル態への「変身」はなさいませんでした。「描かなかっただけ」なのか「変身できない」のか。
「マーメイドプリンセス」と明言されていないのも気になります。「人魚姫(ルビでマーメイド)」としか語られていない。実はマメプリは本筋と関係なく、「変身とかはしない」お話だったりするんだろうか。分からん。

もはや全てのページが何か楽しいです。ぴちぴちしまくってる。これを毎月読めるとか、何たる幸せ。本当に本当に、新章ありがとうございます。

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(第22話)トロピカル~ジュ!プリキュア「ヒミツの大冒険!人魚の宝を探せ!」感想

2021年08月01日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第22話)トロピカル~ジュ!プリキュア「ヒミツの大冒険!人魚の宝を探せ!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第22話より)

満月をバックに跳ねる人魚。素晴らしき様式美。
とある夏の夜に起きた、南乃島の奇跡の出来事です。目撃した語り部の御婆や子供たちは、きっとこの感動を長く語り継いでいくのでしょう…。

…実態は、入場料を払って観光してた人魚が、転んで溺れかけて慌ててサカナになって跳ねただけとは知らぬままに。ひとり迷子だ!

「トロプリ」さんは真面目に練りこんだ演出なのか、勢い任せのジョークが愉快に炸裂してるのかよく分からないことが多いのですが、今回もそんな感じ。

探検するつもり満々で挑んだ洞窟は、実際には観光地化されており、照明等もばっちり。でも現に実在した「人魚の宝」は未発見のまま。それがあったのは『危険』の注意書きの先。感覚に従って漠然と進み、事故で乗り越えてしまった結果、見つかりました。


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第22話より)

転落するローラの両手が伝統芸。

それはともかく、堅苦しく考えるなら「人生は未知の冒険のようではあるが、実際にはある程度の整備がちゃんとなされている。ただ「お宝」は未踏の危険な脇道の先にある」かのような。トロピカる部の方針的にも「事前にがっちり準備するのではなく、その場で臨機応変に対応せよ」ともあります。
まぁ「本気で大冒険させると、真似して事故にあう子供が出かねない」に配慮したのかなとも思いますが、わざわざ観光地だと明言するのは何か深読みはしたくなります。

地味にトロピカる部の顧問の先生も思い出します。今までの部活イベントの大半は、あの顧問が手配してくれていました。夏海さんが無軌道にはしゃいでいるようでいて、何気に道筋を大人が示してくれています。今回の洞窟と同じく、大冒険のようでいて、基本の道筋はちゃんと整備されているんです。
改めて思い返せば、これまでの「プリキュア」シリーズでは「顧問」の存在感はかなり薄かった。一般社会の人間に限定すると、ストーリーに関与しているケースはほとんどなく、「トロプリ」さんの特色なのかもしれない。

一方で、「脇道で見つけたお宝」は実のところ半分です。
愚かしくもローラは、追加玩具にばかり気を取られ、やる気パワーが充填されているらしき壺を見落としています。ヌメリーも同様で、何を探してこなければいけなかったのか把握していなかった。
これに関しては「事前に準備をすべき」だった。伝説の宝が何なのか知ってさえいれば、このミスは防げたのに。
だとすると今回のは失敗エピソードなんだろうか。たぶん「失敗とか成功とか、その一部分だけを切り取っても分からないし、そこに拘るのはナンセンスだ」な気がする。

「人魚であるローラが溺れかける」シーンも気になります。
「人魚がいる雰囲気ではない」とわざわざ言及され、ヌメリーさんもズリズリと下半身を引きずって苦労して移動しています。この洞窟は、人魚に全く向いていない。
だけど水が雪崩れ込んできたあの局面は、人魚であったことが活きた。水陸両用の面目躍如。何が起きるか事前には分からないからこそ、色んな側面の「自分」を持ってるのは大事だ。

そして冒頭に記載の「満月をバックに跳ねる人魚」の図。
おばあさんたちの感動と、実態のずれがなかなかに愉快です。ただ、だからといってそれが何か悪さをしてるのでもない。
「ハートキャッチ」の「他人の事情は分からないが、お手伝いならできる」の逆パターンです。ローラ達は全く意図していなかったのに、事情を知らない御婆たちは感動してくれた。

構図としては、6話の卒業生と同じです。
像を探していた卒業生のお姉さま方には、そんな意図は全くなかったのだけど、夏海さんは勝手にインスパイアされ、トロピカる部の活動方針を捻りだしました。
冬にハトプリと組むという先入観もあってか、これもテーマ的に意図してやってるように思えます。

満月といえば、第2話でもローラは月を背景に跳ねています。あの時は女王様になる夢を語っていました。
今回のこのお宝事件、はっきりとはしませんがおそらくは先代だか先々代だかの女王様絡みと思われますから、奇妙な縁です。
尤も当事者のローラはそんなことは露ほども考えず、溺れかけたので跳ねただけですけど。

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