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「ルールーと再会する方法」:HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2020年12月13日 | ハグプリ最終回考察
私としては「単一世界・未来は不変」を支持していますが、「パラレルワールド」を仮定した場合を少し考えてみる。

【如何にして世界は分かれるのか】

よく言われるように、私たちが見ている夜空の星々は今まさに光っているリアルタイムの様子ではなく、タイムラグがあります。
光の速度は有限なので、はるか遠くで光ったその光が届くには何年もかかる。私たちが見ているのは過去の姿です。
仮に星が爆発して消滅したとしても、それを私たちが知るには一定の時間がかかる。
爆発したのが10光年先なら、その映像が届くのは10年後です。

さてそうすると疑問が生じます。
10光年先の星が爆発した。ずがん。
それから5年後、何者かによりタイムトラベルが行われ、星の爆発が食い止められたとします。
この時、「パラレルワールド」は生まれるのだろうか。

しばしば言われる便利な(しかし実態のよく分からない)「違う世界線に乗る」という現象は、「未来が変わった」あるいは「タイムパラドクス」を理由としています。
しかし上記の例では、地球にいる我々はいかなる影響も受けていない。
爆発の情報が届くのは10年後ですから、5年後にタイムトラベルが行われ、爆発を阻止されたなら、地球にいる人々は爆発の影響など全く受けていない。影響がないのだから未来は変わっていないし、パラドクスもない。
そのまんま普通に考えるなら、別の世界線に乗る理由がありません。世界は分岐しない。

ですがこれは誤りでしょう。というのも上記の例では5光年離れたところにある場所は、世界が分岐する。
分岐するということは、そこから5.000000…1光年離れた場所も何がしかの影響を受けるので、やはり分岐する。
これが続々と伝搬し、10光年先にある地球にも分岐の波が押し寄せ、最終的にはパラレルワールドに巻き込まれると思われます。

つまり「世界の分岐」とやらは、全世界が一気にすべて分岐するのではなく、きっかけとなった場所を起点に光速で分岐が広まっていくと予想されます。

もう少し具体的に考えてみる。
史実とは大きく異なりますが、あくまで例として下記の状況を考えてみよう。

はぐたんが飛来する前(つまりは世界が分岐する前)に、星奈さんを10光年先に配置します。
次に星奈さんが「14歳の野乃はなの元に、赤ん坊はいない」とプラカードを掲げます。はぐたんが飛来する前なので、これは明白な事実です。

そこに野乃14歳の元にはぐたんがやってきたとする。野乃Aと野乃Bに分岐する。
この分岐した情報が星奈さんに届くのは10年後。それまでの間、星奈さんは「野乃はなの元に、赤ん坊はいない」のメッセージを送り続けます。はぐたんの情報が星奈さんには届いていないので、プラカードはそのままです。

この星奈さんを見ても、野乃A(はぐたんが来なかった世界の野乃さん)は問題ない。何ら矛盾は起きません。
しかし野乃B(はぐたんが来た世界)は、奇妙な不一致に首をかしげるはずです。
そして10年後(もしくは20年後)、突如として星奈さんからのメッセージが「野乃はなの元に赤ん坊はいる」に変わる。星奈さんの元に世界の分岐が届き、星奈Aと星奈Bに分かれたのでしょう。

※この例は「10光年先に配置された星奈さんが、なぜ「赤ん坊はいない」を知っているのかを適当に処理しています。きちんとやるなら、年齢設定等をいじるべきですが、イメージしづらくなるので省略。おそらく他にも間違いがあります。とりあえずここで言いたいのは「星奈さんは、すぐには分岐しない」ことです。

【何万光年先の未来】

では仮に、まだ分裂していない星奈さんの元に、何らかの方法で光速を越えた野乃Bを送り込むとどうなるんだろうか。
「光速を越えられないからタイムラグがある」という話をしてるのに、「光速を越えよう」とか言い出すのは間抜けとしか思えませんが、あの子ら平気で瞬間移動とかするからとりあえず話を先に進めよう。

直感的には、野乃Bが送り込まれたその瞬間に、星奈さんも星奈AとBに分かれそうに思えます。分岐世界の情報が到達するので。
ではこの時、野乃Bが目撃するのは星奈AとBのどちらなのだろう?
※元の世界をA。分岐により生まれた世界をBとする。

(1) 野乃Bが移動したのだから、そこにいるのは星奈B
(2) 星奈さんは分岐前だったのだから、そこにいるのは星奈A
(3) 全く別の分岐が始まる。そこにいるのは星奈C

全く分かりません。が、直感的に(2)はなさそうに思える。思えるのですが、あえてそれを採用するのであればこの方法で、えみるは平行世界にいるルールーと再会できます。
平行世界の分岐の伝搬を、何らかの方法で光速を越えて追い抜き、そこから折り返して地球に戻ってくれば、未来(平行世界)に戻ったルールーが待っています。

この仮説の利点をいくつか挙げてみる。


(「HUGっと!プリキュア」49話より)

①ルールーが残した言葉「未来で待つ」と整合します。
えみるがこの手段を使った場合、ルールーは地球で待つ形になりますし、高速移動によりえみるの時の歩みが遅くなるので、未来へのタイムトラベルになる。
平行世界説の最大の弱点の一つは、「ルールーは未来で待っていない」でしたから、これは朗報だ。

②ルールーがこの方法に気づくきっかけがある。ミラクルユニバースです。
宇宙に飛び出たルールーは、ミラクルライトを使ってすらすぐにはたどり着けない、天文学的距離を体感します。
このことから上記の「平行世界への分岐は、瞬時には行われないのではないか」に思い当たるかもしれない。

③劇中の描写と一致します。
ルールーらは未来への帰還を急いでいた。上記の状況であれば、平行世界との境目は光速で遠ざかっていきますから、出発が遅れれば遅れるほど帰還の難易度が上がる。
カエル列車が空に飛び立っていったのも、約1光年先にある境界を目指してすっ飛んでいったのだとしたら、納得がいきます。

しかしながらデメリットも強烈です。

【この空の向こう】

最大のデメリットは言うまでもなく「分かりにくすぎる」ことです。

先ほどは「未来で待つ」と整合するとは書きましたが、あくまで「もし平行世界だとしたら、これこれこういう可能性がある。これはルールーの言葉と整合する」の流れです。ルールーの言葉は思考のヒントになっていない。
「未来不変」説の「未来で待つと言ったのだから、未来にいるのだろう」とは思考手順が真逆すぎます。

えみるにヒントを与えるなら、「空の向こうにいます」とでも言うべきでしょう。普通の別れの言葉としても成立しますし。

実際、えみるは2030年の段階で地球にいます。違うんだ、えみる。ルールーと再会したいのなら、行くべきはトラウム研究室ではない。ララのロケットを奪って宇宙を目指すべきなんだ…!

また、そもそも「未来で待つ」の発言の意図が分からなくなります。
ルールーがえみるを連れて行かなかった理由としては、この移動方法が片道切符だからだと思われます。大人になってから、ゆっくりと決断して来て欲しかったとかでしょう。
しかしながら「待っています」と言ってしまったらプレッシャーです。仮にえみるが真相を理解したとしても、「待ってるみたいだけど、やっぱり行かない」は選び難いのでは。だったらこんな言い方をすべきではないし、する理由もよく分からない。

更に言えば、劇中の描写と矛盾します。
先ほどは「ミラクルユニバースの事件により、気づくことができる」としましたが、実態は逆でしょう。

状況から見て、ミラクルユニバースの舞台は地球から1光年以上先、つまりは分岐世界の向こう側にあると思われます。
もし上記の仮説が正しいのなら、ミラクルユニバースの時点で、元の世界への転移を果たしてしまいます。しかしそんなことは起きていない。

このことからルールーは「この世界は分岐しない(パラレルワールドは生まれない)」と確信したのかもしれません。

長々書きつらねましたが、とどのつまりこれは仮説「平行世界だとしたらこの方法で移動できる」からの、結論「しかし実際には移動できていない。よって平行世界ではない」なのかと思います。

参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)

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