またか。と思われる気もしますが、時節柄この手の話題を良く目にするので。
■寝起きにレモンで目覚めが良くなる?……トレンダーズ調べ
[引用]
また、今後、自分自身が「サマータイム」を取り入れる予定があるかを聞くと、12%が「取り入れる予定がある・すでに取り入れている」、38%が「取り入れるか検討したい」と回答し、半数の女性が、個人でも「サマータイム」を取り入れたいと考えていることが明らかになった。
さらに「節電対策としての『サマータイム』導入をきっかけに、今後、『朝型の生活』に注目が集まると思いますか?」という質問に「思う」と回答したのは、65%と約7割。また、「朝型の生活」に対する意識を聞くと、「すでに『朝型の生活』を送っている」と答えた女性は37%、「今後『朝型の生活』にシフトしたい」と答えた女性も42%にものぼった。働く女性の8割近くが「朝型」志向であるといえそうだ。
ただし「あなたは現在、『朝型』の生活ですか?『夜型』の生活ですか?」と聞いたところ、51%が「朝型」、49%が「夜型」と、ほぼ半々という結果になった。また、「夜型」と回答した女性に、「朝型の生活に変えようと思ったけれども、失敗・挫折してしまった経験はありますか?」と質問をすると、44%と半数近くが「ある」と回答した。
その原因について、「あなたの『体内時計(生物が生理的周期を維持するために体内に備えているしくみ)』は正常だと思いますか?」と聞いたところ、52%と半数以上が「思わない」と回答。一方で、「『朝型生活』を実践するには、『体内時計』を正常にすることが重要だと思いますか?」という質問には、90%が「思う」と答えており、朝型の生活へ移れない原因が、「体内時計」の狂いにあると考える女性は多いようだ。
[引用終]
「朝型信奉」の理屈が、真剣に理解できない。
主観的な根拠を除くと、最も使われる理由は「ヒトは太陽とともに活動する生き物だから、日の出とともに起きる方が自然」だと思う。
ですがこれは、「では夜は日の入とともに寝ることが推奨されているのか?」という当然の疑問により矛盾します。
一般に朝8時に起床する人は「朝型」とは言われないと思う。日の出が6時とすれば、2時間のズレ。
一方、就寝が夜23時の人は、日の入が18時とすると、5時間ものズレ。
「自然なサイクル」とやらを信じるのなら、早起きなんぞよりもっと早く寝ることを考えなきゃ。
次によく言われる「体内時計を正常にするため」。
そもそも「体内時計が異常」ってどういう状況ですか?
私が思うに「決まった時間に就寝・起床が出来ず、脈絡なく眠くなったり覚醒したりする」状況だと思う。
つまり「夜型」に固定している人は、その生活に順応しているだけであって、体内時計に異常があるわけではない。
なんかここを誤解させてる気がする。
また「光を浴びて体内時計をリセットすべき」も意味が分からない。
なぜリセットする必要があるのか?
上記のとおり、決まった時間に寝起きできているのなら何の問題もないはずです。
しかも何時であろうと日中に目を覚ませば、外には太陽があるのだからちゃんとそこでリセットされます。
そして無理して早起きしてリセットしなければいけないのだとしたら、もうその時点で生活の自然なリズムから外れています。
というかですよ。引用記事にもあるように、多くの人が夜型に適応しており、朝型への遷移を試みても失敗しているんです。
「頑張って無理をしないと朝型を維持できない」のに、何故「朝型」に拘る。
本末転倒を通り越して、支離滅裂にしか思えない。
最後に「朝活」との矛盾。
あれが賛美されるのは、理屈としては「出勤前の時間に充実したプライベートタイムを持つ」だったはずなのだから、企業や国主導のサマータイムには反対する立場のはず。(なにせ朝の自由時間が減る)
逆に「サマータイムとして出勤時間を遅らせてくれ」というなら分かる。朝活の時間が増えるから。
…元々「朝活」や「サマータイム」には反対する立場だったけど(あまりにも筋が通ってない)、最近は震災を理由に時計をいじりたいだけのように見えて、ますます嫌悪感が。
場面場面によって、矛盾した根拠を持ちだすところがまた気持ち悪い。
面倒なことを考えず、素直に「始業・終業を遅らせる」でいいと思うんだけどな。
夜遅くまで明るいのだから、朝遅く出て夜遅くまで仕事をする。
寝起きする時間そのものは、特に変える必要がないから(「時計を早める」場合は早起きする必要がある人が多いだろうけど、「遅める」場合には「寝たい人は遅くまで寝ててね」程度の影響しかない)、順応も楽。
夜遅くまで起きる人が増えるだろうから、深夜も含めた総消費電力は増える可能性はある。
でも深夜にいくら増えても、今回の節電対策に関しては関係なし。(なお夜の行楽が減るので、そもそも単純に「電力消費が増える」とは限らない)
「サマータイム」で形式上の時計の針が変わっても、今までと同じ時計感覚で生活することを考えると残業の抑制にもなる。
(「時間を早める」場合によく言われる「時計が早いと帰る気にならず、残業が伸びる」の逆)
その他「時計を早めた場合」に起こる弊害の幾つかも、かなり解決できるのに。
どうして意地でも「朝早くする」に拘るのか、本当に理解不能です。
何故、「レモンやら何やらまで持ち出して、必死に無理をして朝に起きる」のだろう。
【蛇足】
前に書いた朝型関連記事。
【追記】
調査元のトレンダーズさんは、公式ページによれば「クチコミからプロモーション喚起」を生業としているようです。
要するに「サマータイム」推進のための、PR記事だったということか。
結論ありきでの調査ならば、こういう謎の内容になるのも理解できます。どうしてそこまでして「朝」を推奨するのかは理解できないけれど。
■寝起きにレモンで目覚めが良くなる?……トレンダーズ調べ
[引用]
また、今後、自分自身が「サマータイム」を取り入れる予定があるかを聞くと、12%が「取り入れる予定がある・すでに取り入れている」、38%が「取り入れるか検討したい」と回答し、半数の女性が、個人でも「サマータイム」を取り入れたいと考えていることが明らかになった。
さらに「節電対策としての『サマータイム』導入をきっかけに、今後、『朝型の生活』に注目が集まると思いますか?」という質問に「思う」と回答したのは、65%と約7割。また、「朝型の生活」に対する意識を聞くと、「すでに『朝型の生活』を送っている」と答えた女性は37%、「今後『朝型の生活』にシフトしたい」と答えた女性も42%にものぼった。働く女性の8割近くが「朝型」志向であるといえそうだ。
ただし「あなたは現在、『朝型』の生活ですか?『夜型』の生活ですか?」と聞いたところ、51%が「朝型」、49%が「夜型」と、ほぼ半々という結果になった。また、「夜型」と回答した女性に、「朝型の生活に変えようと思ったけれども、失敗・挫折してしまった経験はありますか?」と質問をすると、44%と半数近くが「ある」と回答した。
その原因について、「あなたの『体内時計(生物が生理的周期を維持するために体内に備えているしくみ)』は正常だと思いますか?」と聞いたところ、52%と半数以上が「思わない」と回答。一方で、「『朝型生活』を実践するには、『体内時計』を正常にすることが重要だと思いますか?」という質問には、90%が「思う」と答えており、朝型の生活へ移れない原因が、「体内時計」の狂いにあると考える女性は多いようだ。
[引用終]
「朝型信奉」の理屈が、真剣に理解できない。
主観的な根拠を除くと、最も使われる理由は「ヒトは太陽とともに活動する生き物だから、日の出とともに起きる方が自然」だと思う。
ですがこれは、「では夜は日の入とともに寝ることが推奨されているのか?」という当然の疑問により矛盾します。
一般に朝8時に起床する人は「朝型」とは言われないと思う。日の出が6時とすれば、2時間のズレ。
一方、就寝が夜23時の人は、日の入が18時とすると、5時間ものズレ。
「自然なサイクル」とやらを信じるのなら、早起きなんぞよりもっと早く寝ることを考えなきゃ。
次によく言われる「体内時計を正常にするため」。
そもそも「体内時計が異常」ってどういう状況ですか?
私が思うに「決まった時間に就寝・起床が出来ず、脈絡なく眠くなったり覚醒したりする」状況だと思う。
つまり「夜型」に固定している人は、その生活に順応しているだけであって、体内時計に異常があるわけではない。
なんかここを誤解させてる気がする。
また「光を浴びて体内時計をリセットすべき」も意味が分からない。
なぜリセットする必要があるのか?
上記のとおり、決まった時間に寝起きできているのなら何の問題もないはずです。
しかも何時であろうと日中に目を覚ませば、外には太陽があるのだからちゃんとそこでリセットされます。
そして無理して早起きしてリセットしなければいけないのだとしたら、もうその時点で生活の自然なリズムから外れています。
というかですよ。引用記事にもあるように、多くの人が夜型に適応しており、朝型への遷移を試みても失敗しているんです。
「頑張って無理をしないと朝型を維持できない」のに、何故「朝型」に拘る。
本末転倒を通り越して、支離滅裂にしか思えない。
最後に「朝活」との矛盾。
あれが賛美されるのは、理屈としては「出勤前の時間に充実したプライベートタイムを持つ」だったはずなのだから、企業や国主導のサマータイムには反対する立場のはず。(なにせ朝の自由時間が減る)
逆に「サマータイムとして出勤時間を遅らせてくれ」というなら分かる。朝活の時間が増えるから。
…元々「朝活」や「サマータイム」には反対する立場だったけど(あまりにも筋が通ってない)、最近は震災を理由に時計をいじりたいだけのように見えて、ますます嫌悪感が。
場面場面によって、矛盾した根拠を持ちだすところがまた気持ち悪い。
面倒なことを考えず、素直に「始業・終業を遅らせる」でいいと思うんだけどな。
夜遅くまで明るいのだから、朝遅く出て夜遅くまで仕事をする。
寝起きする時間そのものは、特に変える必要がないから(「時計を早める」場合は早起きする必要がある人が多いだろうけど、「遅める」場合には「寝たい人は遅くまで寝ててね」程度の影響しかない)、順応も楽。
夜遅くまで起きる人が増えるだろうから、深夜も含めた総消費電力は増える可能性はある。
でも深夜にいくら増えても、今回の節電対策に関しては関係なし。(なお夜の行楽が減るので、そもそも単純に「電力消費が増える」とは限らない)
「サマータイム」で形式上の時計の針が変わっても、今までと同じ時計感覚で生活することを考えると残業の抑制にもなる。
(「時間を早める」場合によく言われる「時計が早いと帰る気にならず、残業が伸びる」の逆)
その他「時計を早めた場合」に起こる弊害の幾つかも、かなり解決できるのに。
どうして意地でも「朝早くする」に拘るのか、本当に理解不能です。
何故、「レモンやら何やらまで持ち出して、必死に無理をして朝に起きる」のだろう。
【蛇足】
前に書いた朝型関連記事。
【追記】
調査元のトレンダーズさんは、公式ページによれば「クチコミからプロモーション喚起」を生業としているようです。
要するに「サマータイム」推進のための、PR記事だったということか。
結論ありきでの調査ならば、こういう謎の内容になるのも理解できます。どうしてそこまでして「朝」を推奨するのかは理解できないけれど。