穴にハマったアリスたち

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「最終回に起きたこと」:HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2020年10月25日 | ハグプリ最終回考察
いよいよ来週「ミラクルリープ」の公開なので、ひとまずこれまでをまとめてみる。

【愛崎えみるは如何にして研究室を訪問したか】


(「HUGっと!プリキュア」49話より)

これまで考えてきた結果、私の中では下記に至りました。
(以下、私の妄想に過ぎず、全ての文章に「おそらく~だと思う」がつくのですが、冗長なので省略します)

前提:ハグプリ世界は「未来不変」かつ「単一世界」である。
「未来世界の時間停止は自然現象なのでクライアスを倒しても解決しない」「野乃はなの死は解釈の余地がある」ので、タイムパラドクスはそもそも起きていません。
「本来の世界では死んでいたが、歴史が変わったので救われた」といったシナリオは特には必要ない。

2030年:
野乃はなとジョージの間に、はぐたん誕生。同時期にルールーも誕生。
野乃はなが我が子を「はぐたん」と確信できたのは、あの時の彼女は2043年からタイムリープ(コミックス版参照)してきていたから。

2038年頃:
野乃はな及びはぐたんが死亡。悲嘆したジョージは彼女らを救うべく幾度か過去に戻り、改変を試みるも悉く失敗。この世界は「未来不変」であると悟り、2018年に放浪する。

2018年:
ハグプリ第1話。2043年から、はぐたんが飛来する。それを追いかけてクライアスも出現、やがて放浪中のジョージも合流。

2019年:
野乃さんとの戦いを経て、ジョージは再び放浪。ルールーやトラウムらは2043年へ。

2030年:
えみる、トラウム研究室に行き、ルールーの起動に立ち会う。
えみるが「このルールー」と「あのルールー」が同一人物だと確信できたのは、予言されていた相田マナの結婚が実現したことなどから「未来不変」と認識できたから。

2033年:
トラウムが2044年から襲来。成人した魔法つかい・アラモードチームが参戦するオールスターズ戦が起きる。このトラウムはその後、2018年に行き、36話を展開。そこで散る。
同時期、2019年から旅立ったルールーらが2033年を経由し、2043年へ。
これらの観測から、いよいよ未来不変が確実になったため、えみるや33年トラウムらは本格的に活動を開始。44年トラウムが持ち込んだ技術やクライアスの残骸を元に、後のクライアスの礎となる技術開発に乗り出す。

2038年頃:
19年から放浪してきたジョージにより、死んだと思われた野乃母子が救出される。その際にジョージは闇化。
野乃さんはアカルイアスを盛り立てて、ジョージの救出や、やがて起きる世界的な時間停止現象に備える。

2043年:
ついに発生した時間停止現象に立ち向かうため、ポジティブ思考の集まりであるアカルイアス社は奮闘。自戒と自虐を込めて社名をクライアスに変更する。
これに呼応してキュアトゥモローらも出現。トゥモローの気づかぬ間に「トゲパワワに支配される→オシマイダーに変化させる→それをプリキュアが浄化→アスパワワを取り戻す」の奇妙な回復体制が構築される。

2043年夏頃:
クライアスの首領が母と知ったトゥモローは、ショックから敗北。これをハリーが救出し、何故か存在していた2033年へのワームホールを使い過去に移動する。
2033年に到着後、はぐたんの奇跡パワーにより出現した2018年へのワームホールを乗り継ぎ、ハグプリ第1話に至る。

2043年秋頃:
19年からトゥモロー帰還。母の真意を知り、和解。
戻る際に2018年-33年をつなぐワームホールを高速移動させ、2033年-43年を繋ぐホールに成長させる。これが何故か存在していたワームホールの正体。

同43年秋頃:
クライアス社に突撃をかけたルールーらの元に、クライアスについていた愛崎えみるも合流。ルールーの「未来で待つ」の成就。25年の時を経て、再び発動するキュアマシェリとキュアアムール。

2044年:
闇化したジョージとの決戦。一連の過程の最中に、野乃さんは2030年に一度タイムリープ。

2044年決戦終了後:
えみるのプリハートを託されたトラウムが2033年へ。そこから2018年にプリハートを送り込む。存在しないはずの5個目のプリハートとして18年に出現。
その後、トラウムはオールスターズ戦を戦い、散る。

私なりの根拠の詳細は下記
・「オシマイダー療法」
・「時をかける野乃はな」
・「ジョージの巡礼」
・「えみるの戦い」
・「時間への挑戦」
・「相田マナの結婚」
・「パラレルワールドへの疑念」(テーマ面)
・他、一覧

※考察を続けるに連れて変化した部分もあるので、一部、異なったことを書いている個所があります。

【振り返り】

ひとまず自分としては一旦の整理はできました。最早ハグプリ最終回に疑問はない、すっきりと納得できる…は言い過ぎにしても、かなりクリアになった。

ただ、考えたら考えた分だけ綺麗に思考が広がったので、まだまだ何かあるのかもしれない。
最後に少し書いた「2004年への拡張」や「トゥモロー視点での検討(彼女はどうすれば未来不変だと気づけるのか)」など、掘り下げれば新たな発見がありそうです。

元々のきっかけは「えみるは研究室には行けないはずだ」。
パラレルワールドや歴史の改変が可能な世界だったら、そこにいるのはルールー2号機です。この恐れがある以上は、えみるは研究室に行けない。
同様に、野乃さんが我が子を「はぐたん」かのように接するのは不気味だ。

これの解消のため、2019年の最終回直後に私が考えたのは「43年に黒幕が必要⇒はぐみとはぐたんが同一人物なのか確信を持てなくなった野乃はなが闇落ちした」とか「歴史改変を警戒するえみるは研究室に行けないはず⇒最終回のえみるは何らかの死期を悟ったのでは」等でした。今振り返るととてもとても浅はかだった。考えればそれだけ先に進める。奇しくも「なんでもできる、なんでもなれる」にも通じることのように思います。思考を止めなければ、未来は開けるんだ。

最後に蛇足ながら、一連の記事を書くために読んだ・観たものを記載します。読み返した・再視聴したものもあれば、こんな機会がなければ読まなかったものも多数ある。ハグプリさんがもたらしてくれたものは大きかった。
更なる発見があるはずの、来週公開「ミラクルリープ」が本当に楽しみです。
(※別記事に独立させました)

参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
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「はぐたんの見た世界、他」:HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2020年10月17日 | ハグプリ最終回考察
前回に続き、雑多なネタを書き殴ってみる。

【名と体】

パップルの名前の由来はバブル。ダイガンは団塊の世代。ですが、2018年基準の劇中の年齢描写は微妙に噛み合わない。

バブル期(1990年前後)に20歳だったなら、2018年では48歳。
団塊の世代は1948年頃の生まれなので、2018年では70歳。

どちらも劇中イメージから15歳ほどずれています。そして「15」はかなり気になる数字です。
仮にハグプリ本編を2004年(プリキュア放送開始年)とすれば辻褄が合う。もしくは何らかのギミックを追加し、「クライアスは2004年から来ていた」とするとか。

【小動物たちの戦い】

リストルやビシンの背景がはっきりしません。
描写が断片的に複数話に分散しているので見落としがあるかもですが、経緯は「謎の疫病が広がる→クライアスの元で手術を受ける→助かったのは三匹だけ→故郷も消失」。でもこれだけだとすっきりしない。

まず、クライアスは悪さはしていない。疫病の原因がクライアスだとか、手術は嘘だったとかではないです。したがって、ビシンがリストルを裏切り者扱いしたのは不可解。仲間を売って一人だけ助かろうとしたとかではないはず。むしろ逆に、自分が率先して(おそらくは非常に危険な)手術の実験台になっただけでは。

ビシンのハリーへの執着や、ハリーの怪物化も不明。不明なだけで矛盾はないので特には問題はないのですが、何があったのか謎です。

最終回を見るに、ハリーらは2030年には既に存在し、おそらくはヒトの家と思われる空間で、ペットと思しき犬と仲良くしています。ここから何がどうなれば、ハムスター自治区や疫病に繋がるんだろう?いっそ「元々は普通のハムスターだった。それが逃亡したり捨てられたりして「自治区」ができた。トラウムの実験により喋ったり思考できるようになった」とかだろうか。
トラウムとしては「疫病から救う」のような意識は特にはなく、たまたま見つけたハムスター(後のリストル)を、気まぐれに実験にかけたらああなった。知恵を獲得したリストルは、仲間を救うために(御大層な疫病というか、野生環境で当たり前に存在する病気が蔓延していた)仲間をトラウム研究室に誘導した、トラウムも悪気なく実験を続けた、とか。

【トラウムへの出資】

最終回の研究室のシーン、よくよく見ると建物の入り口付近にアカルイアス社のロゴが見えます。素直に考えるなら、トラウム研とアカルイアス社は何らかの提携をしているのでしょう。
そうすると細々と疑問がわきます。

・トラウムへの出資を、野乃さんは知っているのか知らないのか
・誰がいつ、出資を指示したのか
・研究テーマは指定しているのか

「野乃さんらとは全く関係なく、アカルイアス社員がトラウム研究室を見出して提携、「ルールー」というアンドロイドの研究を始めた。野乃さんがそれを知ったのは、後日の報告書で」であれば、えみるが研究室を訪問するハードルがかなり下がります。「未来不変」も確信しやすくなる。

あるいは「野乃さんが精力的にトラウムを探し出し、アンドロイド研究を積極的に推奨した」のであれば、野乃さんは「未来不変」や「アカルイアスがクライアスになる」ことをかなり強く確信していると推測されます。野乃さん(または、はぐたん)はタイムリープ能力を持っている(コミックス版)ので、2043年から不定期に2020年代や30年代に戻ってきていて情報の受け渡しがなされている可能性もあり、「トラウムに積極的に出資した」なら、多少の傍証にはなるかもしれない。まぁただ単に「えみるが喜びそうだから」ぐらいの軽いノリの可能性もありますけれど。

【ハリーの輪廻】

ハリーはなぜ「ビューティハリー」を経営したんだろう?

素直に考えるなら、ネズミの彼にとってヒト向けの服飾店は敷居が高い。事実、開店時にはセンスのズレを指摘されています。仕入れや場所の問題もある。
もちろん、ハリーがその方面に興味があったんだとしても、何ら変ではない。結果的にビューティハリーはそこそこ繁盛していますから、選択は間違ってなかった。が、なぜ?は浮かびます。

同じ問題はジョー岡田のソリティアや、ナッツハウスにだって言えるのですが、ハリーの場合、「未来から来ている」のが気になります。
仮に2043年のハリーが「2018年に戻った自分は、なぜか服飾店を経営した」記録を知っていれば、必然的にビューティハリーを開くでしょう。
あるいは最終回で2043年に戻る際に、店の権利書や仕入れ先情報一式を持参し、未来に戻った後、何らかの手段で2018年第1話時点に権利書等を送り込むでもいい。これで第1話のハリーは、何故かおあつらえ向きに用意された権利書を使って出店できる。「最初にその権利書を得たのは誰か」という王道のパラドクスです。

話をもっと広げるなら、何度か触れたように2004年まで遡るのも手です。
たとえば「21話の黒白先輩は2004年(MH服なので2005年の方が適切か)から来ていた」「事態を把握した雪城さんは、2018年に備えて店の権利書を手配しておいた」等。
前回書いたように、来海「エリカ」さんが関わっているなら、選ばれたのが服飾店なのも納得がいきます。

…色々と適当にネタを見ていくと、意外に「2004年」がキーとして頻出します。
ぶっちゃけ偶然やこじつけでしかないとは思うのですが、体系的にまとめれば新たな発見があるかもしれない。

【はぐたんの見た世界】


(「HUGっと!プリキュア」49話より)

トゥモローさんには、はぐたん時代の記憶があるんだろうか。
普通は1歳の記憶はないでしょうけれど、もし忘却していたら「ハグプリ」の1年は、トゥモローさんから見たら無いも同然。それはちょっと寂しすぎるし、最終回の「ママ…」の呟きにつながらない。
では記憶があるとしたら、それはそれで大変です。ハリーにオムツを換えて貰ってたような記憶も残る。思春期の娘さん的にはなかなか酷だ。

ハリーを父親と誤認しないかも心配です。野乃さんをママと呼ぶなら、ハリーはパパだ。ただ、はぐたんは「ママ」とは言っても「パパ」とは言っていない。
制作的には、おそらくは「ハリーをパパと呼ばせてしまうと、中学生女子を侍らせた一夫多妻みたいに見える」ので、意識して避けたんだろうと思う。ですが物語的には不自然です。ではもしかして、はぐたん時代にもトゥモローとしての記憶があったんだろうか。故にハリーはハリーだと強く認識し、「パパ」とは呼ばなかった。逆にいえば「ママ」と呼んだ野乃さん(の他に、薬師寺さん達にも「ママ」と呼び掛けてはいますが)は本当に彼女の母親だった可能性が高まります。
はぐたんの言動は乳児のそれそのもので、10代女子の記憶があるようには見えません。が、肉体の乳児化により行動や思考に制約がかかっていたとしたら、それほどおかしくないのでは。幼い脳で思考に霞がかかる中、上手く動かせない口で一生懸命に何かを訴えていたのかもしれない。

想定する前提によりパターンが無数にあるのですが、一例として「はぐたん時代にもトゥモローの記憶があった」かつ「意識して「ママ」と呼び掛けていた」かつ「世界が「分岐世界」なのか「未来不変」なのかを正確に把握していた」のであれば、「ママと呼んだのは、この世界が「未来不変」であることを伝えるため」等も導けます。分岐世界だったら、はぐたんの実母はこの世界の野乃はなではないので。
ハリーたちが未来に帰る決断をできた理由は、実はこれかもしれない。「なぜ、はぐたんはハリーをパパと呼ばないのか」「なぜ、はぐたんは(特に高い頻度で)野乃はなをママと呼ぶのか」に思い至れば、トゥモローの必死の情報伝達「未来は不変だ。だから救いに戻ろう」だと気づけるかもしれない。

もしそうなら、未来への帰還を急いだ理由も推測できます。はぐたんの記憶維持(人格維持ともいえる)にタイムリミットがあると気づいたから。
このまま普通に成長させてしまうと、普通の人が1歳児の記憶を失うように、はぐたんもトゥモロー時代の記憶を失ってしまい「別人」になってしまう。

尤も「じゃあ何で未来に戻れば急激に元の姿に戻れるのか」等、別種の疑問は湧きます。トゥモローの乳児化は、ジョージの呪いとかそんなのではないので、そもそも何で復活できたのかも良く分からない。
「トゥモローが乳児になったのは、タイムトラベルの穴を開いたから」「その穴を閉じて力を回収すれば元に戻れる」「しかしそれをやると未来に帰れなくなる」「だからまずは未来に戻ろう」とかかしら。最終回で野乃さんらに行った説明とは食い違いますが、誤魔化した理由も幾つかは思いつきはします。

また別の視点でいえば、最終回の「ママ…」のシーンを見る限り、トゥモローは「野乃はなが実母」だと確信しているように見えます。何がどうなれば、その確信に至れるのだろう?
「はぐたん時代の記憶が残っている」はほぼ必須として、

・「トゥモローは自分の母親が誰かを知っている」
(小さいころに死別し、親が誰かも知らずに育った、といった仮説は消える)
・「未来不変だと認識している」
(歴史が変わったり分岐するなら、あの野乃はなは別人。単なる「1年弱世話になった同年代の人」でしかない。もちろんその人を「ママ」と呼んでもおかしくはないのですが、あまりなさそうに思える)

等々が推測されます。

私が疑問を抱いたきっかけは、えみるだったので、えみる視点で考察を進めましたが、トゥモロー視点で進めてみればまた違う発見(もしくは今の仮説を更に補強する発見)がありそうな気がします。
如何せん前提として考える条件が多数ある上に、それぞれに決め手がないので発散してしまいそうですけれど。

参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
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「エリカとの出会い、他」:HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2020年10月11日 | ハグプリ最終回考察
「ミラクルリープ」までは更新しようと思い早数ヶ月。いよいよ公開日が迫ってきたので、まとめ的に「考えはしたけど今一つ何も得られなかった」ネタを並べてみる。

【マザーの正体】


(「HUGっと!プリキュア」20話より)

プリハートやらミライパッドさんやらから出てくる謎の女性。正体は不明。

この手の話は考察してもほとんど益がないように思う。ヒントがなさすぎるので何でもかんでも言ったもの勝ちになるし、正体が分かったところでそこから話が膨らまない。
「未来で神化した野乃はなだ」とか「世界の母である」とか、まぁどうとでも言えますが、否定も肯定もできないまま「だから何だ」で終わってしまう。「ハートキャッチ」のオーケストラさんのように、「良く分からない何か」で良いと思う。

【トラウムの人生】

トラウム初登場回で「30歳を過ぎた大人に仲間なんていない」と述べています。なんで「30歳」なんだろう?
おそらくは「大人=社会人」の連想から、「20歳では早すぎる」「25歳では語呂が悪い」ので「30歳」。それだけのことでしょう。

が、無理にこじつけを図ってみよう。

トラウムの年齢は60代~70代のように見えます。
仮に2043年に70歳ごろだったとしよう。そのトラウムが30歳なのは2004年。初代プリキュアの放送開始年です。何かを妄想できるんじゃないかしら。

【ずぶ濡れのジョージ】

ジョージは傘が嫌いだそうです。野乃さん曰く「空が見えなくなるから?」。
これに彼は明確な返答をしておらず、虚を突かれたような微妙な反応だけ見せています。

一般的なイメージとして「空」は自由や広がりや夢を意味するかと思います。「空が見えなくなるから嫌」=「自由がないのは嫌」は、彼の目指す時間停止とだいぶ違う。

これは「別れ際の挨拶が「またね」なのは、未来を信じているからだ」と同様の、彼の本心の現れなのか。
あるいは「そもそも雨が降ってるのだから、空は見えない」=「空が覆い隠されるような状況を見るのが嫌」=「希望が失われるのを見たくない」の意味だろうか。

【全人類プリキュア化】

最終回にて人類みなプリキュアになっています。ですがこれは色々と面倒な問題をはらんでいる。

あの瞬間に、脳死状態や今まさに死亡しようとしていた人、胎児もいたはずです。その人たちはプリキュアになったのだろうか。
この現象を突き詰めると「人の生死の境」の問題にぶち当たってしまいます。怖い。

またちょうど偶然、開腹手術中だったり、トイレで下痢に苦しんでいたり、泥酔して爆睡していたような人たちもいたはず。どうなったんだろう?
これも真面目に私たちの私生活に絡んでいきます。たとえば「地震が起きた。津波が来る。全力で今すぐに逃げろ」のような状況で、たまたまシャンプーつけて髪を洗ってる最中だったりする可能性もあります。果たしてその時に、どれだけ機敏に外に飛び出せるんだろうか。似た観点として、「虫歯の治療に行かなきゃ。でも面倒くさいなぁ」と先延ばしにしていたらコロナ騒動が発生、治療に行けなくなったとかも。
常在戦場は無理としても、イレギュラーへの覚悟は常に頭の片隅に置いておかないと、いざが起きた時に動けない。今この瞬間に人類総プリキュア化に巻き込まれ変身してしまっても、ちゃんと即座に戦いに赴ける心構えでいたい。

【エリカとの出会い】

漫画版書き下ろしによれば、野乃さんは小学3年生の頃「超イケてるオトナのおねぇさん」に出会い、強い憧れを抱きます。
ここからハグプリの物語が始まったともいえる、極めて重要な人物ですが、野乃さんによれば、

・仕事はオシャレなデザイナーさん、とかかも
・近所でときどきみかけた
・名前はエリカっていってたかな

「エリカ」さんと聞いて真っ先に思い浮かぶのは、言うまでもなく「来海えりか」さんです。カタカナとひらがな表記とで相違はありますが、野乃さんの記憶はかなり曖昧だったと描写されているので大きな問題ではなし。

では彼女は来海さんなんだろうか?
確かに来海さんは「イケてるおねぇさん」だ。彼女は齢14歳にしてパリのファッションショーに出展する力の持ち主です。親や姉の威光を否定はできないにしても、パリに下宿して製作したのは事実。その他、部活動やら何やら、アレな性格が目立ちはするものの、彼女はかなり「イケている」。そのアレな性格も、大人になるとむしろ格好良いのでは。

ではもし本当に「来海えりか」さんご本人だったとすると、時代設定が気になります。
ハグプリ本編を2018年とすると野乃さんが小3なのは2013年。エリカさんの年齢ははっきりしませんが、適当に20代前半としましょう。2013年に20代前半なら、ハートキャッチ本編は2004年付近です。初代プリキュアの放送開始年だ。
それならば下記が自然に思えます。

・初代~アラモードまでは2004年の物語。ハグプリ以降は2018年の物語
・21話で黒白先輩が現れたのは、瞬間移動ではなくタイムトラベルだった。他、彼女らが出会う話では時間移動が絡んでいる
・36話で魔法つかい・アラモードが大人なのは2018年時点では28歳だから。この2チームだけ同時代からやってきたのは、トラウムがマホウ界等を襲撃していたから

私のこれまでの仮説とは異なりますが、これはこれで妄想のし甲斐がありそうです。先ほどの「トラウム30歳」とも絡めて、何かは作れそうな気がする。

参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
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「オシマイダー療法」:HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2020年10月04日 | ハグプリ最終回考察
未来で何が起きていたのかを考えてみる。

【誰がために】

ジョージの言葉を信じるのなら、2043年で起きていた時間停止はクライアスの仕業ではありません。未来の人々はクライアスとは無関係に絶望し、アスパワワがトゲパワワに変換され、その影響で時間が止まっていっています。
ハグプリ視聴者(および野乃さん達)にとってはかなり意外ですが、クライアスは時間停止の手段は(第1話時点では)持っておらず、未来の破滅には直接には関わってはいないのです。
では何をしていたんだろうか。


(「HUGっと!プリキュア」46話より)

未来では人々が絶望し、停止しています。逆にいえば、動けているクライアスの面々はアスパワワに満ちているとも言えます。実際、クライアスの皆様は上昇志向が強く、社名に反してむしろアクティブです。

さてそうすると、キュアトゥモローらは何と戦っていたんだろう?
別視点でいうと、クライアス社はなんでオシマイダーなんて物騒な生物兵器を開発したんだろうか。

視聴者観点では当たり前の光景ですが、冷静になってみれば、クライアスがオシマイダーで攻撃してくる経緯が分かりません。
彼らは(ジョージの言葉を信じるのなら)悪の組織ではありませんから、オシマイダーで世界を征服しようとしていたとか、そんな背景はないはず。なんでオシマイダーなんて擁しているんだ?
まぁ地域規模の地上げとか恐喝とかで用途はあるにはありそうなので、深く悩むようなところではないのかもしれませんが。

対峙するトゥモローさんも奇妙といえば奇妙です。
クライアスが単なる(ちょっとばかしあくどい)会社だったとして、プリキュアに変身して対抗するような存在ではありません。
どういう経緯でプリキュアが出現したんだろう?

さっぱり分からないのですが、強引に考えるなら、発想が逆なのかもしれません。
「オシマイダーがいたからプリキュアが出現した」のではなく、「プリキュアを出現させるためにオシマイダーを開発した」。

オシマイダーは微妙に矛盾をはらんでいます。あれの出現原理はアスパワワをトゲパワワに変換する際のエネルギーを使ってどうこうするものと思われますが、これは時間停止と同じ流れです。ですがオシマイダー化すると時間停止を乗り越えられます。そして描写を見る限り、プリキュアにより浄化してもらえばアスパワワを取り戻せます。
ということは、勝手に絶望して時間停止しようとしている人がいたら、無理やりオシマイダーにし、プリキュアを呼び浄化させれば時間停止を防げます。デザトリアン療法ならぬオシマイダー療法です。

パップルらがこれを意識してやってるようには見えませんが、対プリキュア以外にもオシマイダーには用途はありますから、「その辺で時間停止している奴の有効利用」として支給されても疑問は持たないはず。
オシマイダーの使い道は(従来の敵組織と比べて)かなりスケールが小さく、目的だけを見るならプリキュア案件ではない。だけどオシマイダーの原理は、目的に見合わぬ深刻な性質なのでプリキュアが発現。そして「オシマイダーに変化させて浄化させる」ことを目的とした戦いが、当事者たるパップルやトゥモローの知らぬままに行われていたんじゃなかろうか。

では誰がそんなことを意図したかといえば、素直に考えるなら野乃さんでしょう。
アカルイアス社を率いていた彼女は、ついに表面化した時間停止現象に対抗すべく、かつての自分たちの戦いをヒントにオシマイダー療法を思いついた。
幸いにしてアカルイアスの社員は極めて前向きな人たちが揃っていたので、時間停止の影響も受けにくかった。
そこで表面的には若干の社風変更をし、本質は「アカルイアス」のままなれど「クライアス」社に改名。今は非常時だからを理由に、多少の暴力的な営業に切り替え、その手段として社員にオシマイダーを支給。プリキュアの出現を待つ、といった流れです。
これなら「クライアスが時間を止めたのではないけれど、クライアスとトゥモローが戦う」状況を引き起こせます。

【間を繋ぐもの】

この仮説は3つ利点がある。

(1)
「何がどうなればアカルイアスがクライアスになるのか」を説明できます。
「未来は不変・世界は一つ」説を採用する場合(かつ「アカルイアスがクライアスになった」とする場合)、あの愉快な会社が何で悪の会社になったのかの理由付けがいります。
上記の流れなら突然脈絡なく悪の組織になったわけではないので、納得できるんじゃなかろうか。
「アカルイアス社員だからこそ、時間停止に負けなかった」「時間停止に負けなかったのでクライアス社員として働けた」のは説明として綺麗だと思う。

(2)
戦いの背景が上記であれば、「何も知らずに戦っていたトゥモローが、敵の首領が実は母親だった」と知り、愕然とするエピソードがありそうです。
具体的にはこんな感じ。

[イメージ]
クライアス幹部と戦うトゥモローさん。
そこに唐突に表れた野乃さん。

トゥモロー:「あぶない!今のうちに逃げて!」

慌てて庇うトゥモローさんに対し、野乃さんは全く動じず。
それどころかゆっくりと近づいてくる。

野乃さん:「あなたは本当に素敵な娘ね」
クライアス幹部:「遅いぞ、会長」
トゥモロー:「…え?」

[イメージ終了]

要するに23話です。そしてこのショックが尾を引いてトゥモローさんは敗北する。
まぁ本名「はな」のままだと色々とまずそうとかあるので、小細工はいるでしょうけれど。

この流れだったなら、ハリーが野乃さんらに、はぐたんの親の話をしていないことの説明がつく。
普通であれば、赤ん坊がやってきたなら「親はどうしているのか」は話題になるはずですが、ハリーはその話をしていません。少なくともカメラの回っているところでは。
本体が中学生とはいえ、野乃さんらは明らかに赤ん坊として扱っていますから、これは不自然といえば不自然です。
もし上記の経緯があったなら、(野乃さんが母親だと気づいていなかったとしても)デリケートな問題なので伏せても不思議はないのでは。

(3)
上記の流れを前提にするなら、はぐたんがやってきたのが2018年だったことにも納得がいきます。
彼女が単に助けを求めただけなら、自分が生まれた2030年などに行くほうが自然に感じます。しかしきっかけに母親への不信感があったなら、それを解消できる2018年(同年代かつオシマイダーと戦っている時代)に飛ぶのはおかしくない。尤も2018年の野乃さんがオシマイダーと戦っているのは、はぐたんがやってきたからなので、鶏と卵に陥るのですけれど。

【世界の止まり方】

ハグプリ世界では「時間停止」が4つある。

(1) 未来世界で起きた自然発生的な時間停止
(2) 23話で行ったミライクリスタルの反転による停止
(3) 24話などの(オシマイダーなどによる)絶望からの停止
(4) 36話のトラウムの新発明(と思われるもの)。最終決戦で使われたのは、おそらくはこれ

視聴者としては、かなり分かりにくい。野乃さんがそうだったように、「未来社会で時間を止めたのはクライアス」と考えるのが普通ですから、素直にそうすれば良かったはず。(2)のミライクリスタル式もいらない気がするし、(3)と(4)を分ける意味も感じません。

しかし「分かりにくいことをわざわざやっている」からには理由があるはずです。というか理由をこじつけた方が面白い。
とりあえず(1)からは上述の推測が導けるし、(4)からは「36話トラウムは、2043年よりも先の未来から来ているのでは」と推測できます。(2)や(3)も突き詰めれば何か発見があるかもしれない。

参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
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