穴にハマったアリスたち

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「たからもの」(ドキドキ!プリキュア ):プリキュアソング感想

2023年04月26日 | プリキュアソング
●たからもの
ドキプリ映画の挿入歌。
歌いだしの「あなたのいない未来はつらい」には、ドキプリのテーマが一文に集約されてます。

幸せの王子は町の人たちを救うためにツバメを犠牲にした。
家族を優先して、王女様はトランプ王国の国民を切り捨てた。
映画で描かれた「結婚」も、誰か一人を選んで他を捨てる行為。
幼少のマナさんはお祖母ちゃんの元に走り、結果的に大好きなマシュマロが死んだ。
ラストバトルにおいても、マナさんは他の面々を犠牲にしながら先に進んだ。

このお歌が「切り捨てた側(王子)」「切り捨てられた側(ツバメ)」のどちらから歌ったものかは分からない。
マナ・六花・ありすの3人で歌っていますから、おそらくは両方の意味を持たせてると思う。どちらの側から見ても切なすぎる。

[引用]
『「あなたのいない未来はつらい」 さみしくて目を閉じれば思い出があふれだす』
『「あなたのために何ができるの?」 青空を見上げながらそっとぬぐった涙』
[引用終]

別れは当然つらい。願いを叶えるための犠牲なんだから尚のこと。
それでも選ばないわけにはいかない。だから「つらい」。もう、そうとしか言えない。

OPにも「君を信じる。ために戦う」とあるように、信じる。
「信じる。ために戦う」は、間を「。」で区切っていますから、「信じるからこそ戦う」「信じたいから戦う」の二重の意味があると思う。
ツバメは王子を憎まない。王子は憎いからツバメを捨てたのでもない。
お互いに信じる。だから選択する、そのために選択する。

(付け加えるなら、ここでの「信じる」には「街の人たち」も含まれていると思う。
幸せの王子から宝石を受け取った人々が、自力で立ち上がり助けに来てくれるなら、ツバメは犠牲にならずに済みます。
ラストバトルでは実際に街の人たちが奮起してくれて、救われている。

マナさんは特徴的に後輩の育成をしない方でした(王子は宝石を配るような直接的な助けはするが、自立支援はしない)。
今まさに危機に直面しているときに必要なのは直接支援であって、自立なんて呑気なことはしていられないからですが、その体制に限界が来る前に人々が立ち上がってくれるかは賭けです。信じるしかない)

15周年ライブでは、マナ役の生天目さん一人で「たからもの」を歌われていました。元は3人で歌う曲で、故にソロで歌うと卑怯なまでに完成されきってます。今ここに、六花やありすはいない。そして歌われる「あなたのいない未来はつらい」。

20周年ライブでは、まこぴーの「こころをこめて」の方が採用されそうですけど、叶うならまた聴きたい…のだけど、「片方しか採用されない」のもまたこのお歌の精神に沿ってて良いな。
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「こころをこめて」(ドキドキ!プリキュア ):プリキュアソング感想

2023年04月10日 | プリキュアソング
プリキュア楽曲総選挙(2023年4月7日~5月7日)の「泣けちゃう曲」に投票してるので、応援を兼ねて。

●こころをこめて
キュアソードことまこぴーのシングル曲。ドキプリ40話挿入歌。

レジーナ様が強襲、捉えられて大ピンチ…という状況下。
相手はプリキュア三種の神器・ミラクルドラゴングレイブとかいう、いかにもな強武器を構えるレジーナ。単体でも強い上に、更にはお供に幹部やジコチューも従えての猛攻撃です。

それに対するまこぴー。彼女の取った選択は変身解除。
身にまとうはお子様から公募したドレス。歌うのはプリキュア黎明期から支えてくれている佳那子お姉さん。謎生物から渡される初期玩具のヘッドセット。単純な武力とはまるで異なる、だけど明らかに「強い」布陣。
はっきり言ってこの状況で、まこぴーが歌いながら接近してくるのは恐怖しかない。ミラクルドラゴングレイブが何だというのか。抗える気がまるでしない。

想いを伝える手段は数あれど、「遠くに」「複数に」「拒まれても」となったらお歌は最適です。
視覚は目を閉じれば、味覚は口を閉じれば、臭覚は息を止めれば、触角は避ければ無効化できる。
しかしながらお歌は自発的には遮断できない。両手で耳を塞いだら、武器を手放すも同義です。

しかも全方位に響き渡る。まこぴーのお歌の背景で乱戦しているプリキュアさん達が実に美しいです。
お歌は敵味方の区別なく、一斉に降りかかる。信じる人に勇気を、拒む人に迷いを。
そしてお歌は一緒に参加できる。演出上は「後ろでバトル」ですが、意味合いとしては「合唱」と言ってもいい。お歌は絵や料理と違い、後からでも自由に参加できる。

【歌詞引用】
『こころをこめて わたしは唄おう 声を届けたい はるか彼方まで』
『あの日のように希望灯す フレーズを羽ばたかせて』

『こころをこめて 一緒に唄おう こんなに広い世界の片隅』
『あふれだした涙さえも いつの日か輝かせて』

『小鳥さえずる 春のそよ風 潮騒はこぶ 夏の太陽も』
『瞳の奥映しながら 愛しさをずっと伝えてゆこう』
【引用終】

まこぴーは王女様に気づいてもらうために、アイドルになった。
このお歌も、直接的には王女様に捧げるお歌。だけど王女様はとっくの昔に他界されている。

まこぴーの願いは届かない。大事な人は実は既にそこにいない。それでも唄う。
その結果、全く思いもよらぬことではありましたが、王女様の分身たるレジーナに届いた。

ドキプリはマナさんが揶揄されたように「幸せな王子」がモチーフと思われます。
王子は街の人を守るために、ツバメを切り捨てた。
では、王子は自己中だったのか。ツバメは王子を憎んだのか。

王女様がキングジコチューを撃破していれば、トランプ王国は陥落せず、こんな戦いは起きなかった。
ジコチューに囲まれ、孤軍奮闘しながら必死に生き延び、王女様の捜索を続けていたソードからすれば、恨んでも無理はない。
でも後にソードさんはきっぱりと断言なさる。愛に罪はない。

このお歌からも、まこぴーの覚悟が伝わってきます。
ただただ唄う。思いが伝わると願って。伝わって何をどうして欲しいのでもない。ただここに私が居て、あなたを想っていることを伝えたい。
恨んではいない。あなたは自己中ではない。ただそれを伝えるために、かつてのあの楽しかった日々を思い浮かべ、明日はそれよりも良くなると願って唄う。

しばしば「ポンコツ」とも揶揄されるまこぴーですが、これぞ王国の誇る歌姫にして伝説の戦士の真骨頂。このための宮本佳那子さん。マナさん達の唄う「たからもの」と共に、ドキプリのテーマを象徴する凄まじいお歌だと思う。
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「夢みる女の子」(Yes!プリキュア5):プリキュアソング感想

2023年04月01日 | プリキュアソング
●夢みる女の子

春日野うららさんのイメージソング。
テーマ的な物を気にして見始めたのが「5」の頃からだったこともあり、当時からこの曲は好きでした。

「5」は「夢を叶えることに意味があるのか」のお話で、特に春日野さんは顕著に出てたと思う。
「夢は叶わない」ではなく「叶えても意味がない」。カワリーノさんに見せられた悪夢も、闇レモネの煽りもその方向。

それに対するレモネの回答は「夢が呼んでいるからもう行く(お前らに説明している暇はない)」というとても格好良いものでしたが、彼女を支えていたのは「みんなが応援してくれるから」。

【引用】
『一人でも目指してく 夢があった。途中で息切れしても 階段昇って』
『心が折れそうな夜 越えた時 何かが動き出して 人は変わるの』
『ふと最近気が付いたことがあるの みんな気持ちが背中 押してくれてる』
【引用終】

今にして思えば、「GoGo」のムシバーンや館長が否定されたのは、「こちらの価値観を侵害してくるから」だけでなく、「一人で夢を見る」ことを目指していたからなんだろうな。
館長はともかくムシバーンはああいう生き物な気がするので、気の毒ではあるのだけど。

ただ「誰かがいてくれること」を支えにしていると、「誰かのために犠牲になってしまう」「誰かがいてくれなかったら脆い」の問題を抱えてしまいます。

前者は夏木さんが直面していた課題。友人のために尽くすのは損ではないか?
夢原さんにも降りかかっていて、ココのために犠牲になってもよいのか。
「鏡の国」のラストのクリスタルを見上げるシーンは、まさに自分のために犠牲になったダークドリームに、自分自身を重ねていたんだと思う。

当然ながらダークドリームの選択は間違ってはいない。逆の立場なら夢原さんが庇っていたはず。だからこそ問題です。ココを守って玉砕する未来が見えてしまう。
夢原さんが国語教師を目指し出したのを放送当時はかなり唐突に感じていたのですけれど、他者に全乗っかりしないためには、自分の夢を持つのが大事だったからなのかもしれない。

「誰かがいてくれないと脆い」は、14年後のヒープリが回収してくれました。
ヒープリは「大事なものを切り捨ててでも前に進む」であり、その原動力はといえば「生きる(≒夢)」。
映画の「先に敗北した5チームを、夢に呼応したヒープリが助けに行く」展開はとても素晴らしかった。(映画の感想1感想2

これらを踏まえて、「オトナプリキュア」で夢原さんが何をどうするのか、とてもとても楽しみです。
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「あこがれ Go My Way!!」(トロピカル~ジュ!プリキュア):プリキュアソング感想

2023年02月18日 | プリキュアソング
●あこがれ Go My Way!!
トロプリさんの後期ED。

「目標や計画に拘らず、今一番大事なことを楽しもう。それが何の役に立つかは分からないが、きっと実を結ぶ」というトロプリさんのテーマが圧縮されているのはもちろんとして、本編で直接は語られていないことにまで踏み込んでるのが好き。

『スキに正直でなくちゃ 今の最高集めてもっと ふみだす勇気チャージ』
『雨のち Believe My Way だって心は前向き』
『胸をはって信じてあげよう 夢見るチカラ育ってる!』

まなつさんは島では同年代の友達がいません。
島から出た際も、犯罪を不安がる様子が僅かに描かれただけで暗い影はあまり感じませんでしたが、内心では不安で「踏み出す勇気」を得るために今一番大事なことに邁進していたのかもしれない。
実際、メイクのおまじないは勇気を生み出すために使ってる。

「今一番大事なこと」に集中するのは、不安からの逃避ともいえます。というか自分に置き換えてみたら、怖い時に脇道にそれて余計なことをするのはよく分かる。
その反面、具体的な計画が不明の状況そのものも怖すぎる。
打つ手がない状況で、何の役に立つかも分からないことを楽しむのはそれはそれで厳しい。だからこその「胸をはって信じてあげよう」。
OPでも同様の歌詞がありますし、「メイクのおまじない」は「メイクをするから勇気が出る」だけでなく、「メイク(自分の好きなこと)を信じよう」の意味もあったんじゃないかな。

『きっと変身願望 みんなこっそりあるでしょ?』
『ほんの少しの変化で 不思議見違えるね』

2番のこの歌詞、本当に大好きでプリキュアに憧れる気持ちをくすぐられます。
そう、みんな変身願望はあるんだ。だから「今一番大事なこと」をして勇気をチャージしよう。そうすれば、ほらプリキュアだ。

「変化」をキーフレーズにしていたハトプリとの対比の面でも面白いです。

トロプリとは逆に、ハートキャッチは「目標がはっきりすれば、手段が分からなくても解決できるはず」。
劇中の来海さんのお言葉「服装を変えるだけで気持ちも変わる。単純だけでそれでいいと思うんだよね」。なりたい自分の格好をすれば、引きずられて自分の気持ちも変わる。それは本質的な成長ではないのだけど、まずはそれでいいじゃないか。

この思想はトロプリさんと方向性が逆なのですけど、やってることは実は同じ。

トロプリ:
それが何の役に立つかは分からないが、変身(メイク)って楽しいよね。だからプリキュアになった(メイクをした)。そして目的も達した。

ハトプリ:
目的を達成するには一人前のプリキュアにならねば。だからまずは変身した(服を変えた)。変身しただけじゃ史上最弱のプリキュアだけど、とにかく変身した。

映画でタッグを組んだのも納得。「プリキュア」を介して真逆の思想が同じことをしている。
改めて聞き直してみると、色々と発見があって面白いな。
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「勇気が君を待ってる」(キラキラ☆プリキュアアラモード):プリキュアソング感想

2023年02月11日 | プリキュアソング
プリキュアソングのサブスクが始まるそうで、お歌の思い出や感想を書いてみる。

●「勇気が君を待ってる」
「アラモード」ED2のカップリング曲。15周年の時のライブでも歌われてたと記憶してる。
当時のプリキュアシリーズが課題としていた「未来は破滅している」を背景に、アラモードの「大好きを諦めない」を歌った曲です。

確たる希望は何もない。実現は困難で、現状は極めて苦しい。それでも大好きを諦めない。
本編でも映画でも描かれた厳しい状況です。目が見えない、音が聞こえない、鼻が利かない、物理的に邪魔される、精神的にプレッシャー、金も材料も乏しい、それでもパティシエたるもの菓子を作るのだ!

だけど、現実として望みが薄いことも分かってる。そのせめぎ合いが胸に響きます。
特にこの一節が好き。

『傷つけながら 傷つきながらでも』
『それでも未来が見たい』

自分だけでなく他者をも苦しめている。でもそれでも未来を見たいんです。たとえ破滅でも。
そしてそこから続く一節。

『傷つけながら 傷つきながらでも』
『勇気で未来を変える』

プリキュアさんの基本テーマのひとつ「勇気」。どうしようもない状況で一歩を踏み出すには、もうそれしかないと思う。
未来の破滅は不可避。それを全て承知の上での「勇気で未来を変える」。
傷つけたり傷つく状況は変わっていませんから、「破滅を阻止する」タイプの変更ではないと思われます。
「絶望的でも挫けない」「傷ついても立ち上がる」といった「未来を変える」。こんなのもう「勇気」を振り絞るしかないじゃないか。

また、表面的な曲調は全然違うのに、同時収録のED2「シュビドゥビ☆スイーツタイム」も同様のことを歌ってるのが面白いです。

『これからのことは明日かんがえよう』
『気まぐれな昨日へありがとうを言えるように』
『オッケー!キラっとひらめいた!』

明日のことは明日考える。だって今考えると怖くなるから。そして「どうしてこうなった」と昨日の自分を呪いたくなる。
だから明日考える。「大好き」を貫いてきた昨日までの自分にありがとうをいうために。
そしていざ明日になったら叫ぶんです。オッケー!キラっとひらめいた!
きっと明日はそう叫べると信じて、勇気を出して今日を生きよう。

どちらもアラモードの歌なんだから当然といえば当然ですが、全く違う曲調で同じテーマを歌ってるところも含めて、この二つのお歌はとても好き。苦しい時に聞き返すと勇気が湧いてきます。
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