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穴にハマったアリスたち

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(第12話/最終回)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「進べき未来」感想

2025年03月30日 | 魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~
■(第12話/最終回)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「進べき未来」感想

過去に浸るのも悪いことではない。未来に進む力になる。
とてもとても美しいまとめ方だった。

インタビューなどで「続編を望むのは、過去に執着しているからではないか?」と述べられていました。
実際それは否定できない。否定できないけれど、でもこうして前に進む。

元々まほプリは出会いと別れを扱っています。
前作では地理的に異なる存在との横方向の出会い。
今作では時間的に異なる存在との縦方向の出会い。

戦闘での演出も美しすぎます。
キュアモフルンまでは予想できても、春映画の強化フォームは全くの不意打ちでした。
一瞬「ここに来て新フォーム!?」となった後、「いやこれ見覚えあるぞ」と沸き立つ感じ。とても心地よい。
そしてこれ自体が「過去も悪くない。未来に進む力になる」に繋がってる。

意図したのかどうかわかりませんが、秋映画での複数フォームの同時戦闘と対になっていそう。
まほプリの特徴の複数フォームは、「世界には様々な人たちがいるように、私の中にも複数の私がいる」の現れだと思っています。
その同一時間の横方向の異なる存在を駆使したのが秋映画。
今作は異なる時間の同一存在(春映画、秋映画、本編の特殊フォーム)を駆使して戦った。

※オトナプリキュアも(テーマ上の文脈は違えど)「私の中にいる子供時代の私」を扱っていたと思ってます。

祖母の言葉「こうして子や孫に会えるなら、年を取るのも悪くない」は物凄く綺麗。
出会いと別れのまほプリのテーマに見事に沿っています。
私らも前作まほプリの時から確実に老いた。でもこうして続編に出会えた。年を取るのも悪くない。

あと「特殊フォーム(レインボーキャリッジ)」と「子との出会い」を決定打に使うのは、子供番組たるプリキュアの矜持を感じられるのも熱い。
この2つはプリキュア的には絶対正義だものな。

過去に執着している人の代表ともいえるヤモーが、ドクロクシー様への執着がきっかけで、グスタフさんに弟子入り(?)する未来を切り開いたのも、とても面白かった。
「過去も悪くない」をこれほど端的に表す描写はないとすら思う。
前回の不自然な裏切りも、ヤモーが相変わらず病的なまでに過去に執着していることを強調しておきたかったのかもしれない。

第1話や2話で、妙に強調されていた魔法ガール活動とルール違反も、ラストを見たら納得。
前作では「魔法にはルールがある」「ルールを守らねばならない」は繰り返し描かれていました(異なる存在とのコミュニケーションを成り立たせるには、共通のルールが必要、との理解)。

今作では守るだけでなく、ルールを作る側に成長していくといった意味合いだったんじゃないかな。学生から教師へ。その上で、当時の服装をするといったワクワクの遊び心も忘れない。

一時「黒幕は魔法ガールか?」との噂が出てきたのも、「ルール違反をしている魔法ガールには作品的にペナルティがあるのでは」のミスリードと、そこからの「ルールを作る(それが周囲に認められる)」の描画だったんじゃないかな。

あえて難も語るなら、視聴者側の混乱を、どこまで想定していたのかは気になります。かなりテクニカルなので。

冒頭の女の子ふたりは、前作50話で出てきた子たち。転生体ではない。
あのシーンは別の世界線のみらリコではなく、クロノウストの能力で見た過去の映像です。はーちゃんがはっきりとそう説明している。

「2人が出会った大切なシーン」の追体験なので、意図としては第一話の初めての出会いを回想させた方が、おそらくは分かりやすかったはず。
それでも50話の子たちでやったのは、ファンサービスと「もしも転生したとしてもまた出会える」という比喩的な表現かと思われます。前作の50話でも、そういう比喩として登場している。
繰り返しますが、転生体ではないし、別の世界線を垣間見たのでもない。

ただ、そういう風に受け取られかねないのも分かりはする。
前回の後の感想で、世界一巡エンドだと受け止めた方を、かなり見かけました。
過去を捨てて呪縛から逃れたのは彼女たちだけなので、輪廻転生に逃げ込むことは不可能なのは描写されています。なので公式サイドとしては予想外の受け取られ方…だったのか、それとも予想はしてたんだろうか。

時間ネタだと主には「平行世界。別の世界線がある」「世界は一つ。歴史が変わると未来が変化する」「未来は不変」の3パターン。
おそらく「平行世界」が一番人気で「未来不変」は想定すら拒否するレベルで人気がない印象があります。
まほプリ世界は、描写を見るに「未来不変」。ここが最初のハードルになってそうに思う。何をやってるのか分からない的な感想もそこそこ見かけました。
(ついでに、はぐプリも「未来不変」。こちらも、平行世界のみを想定して批判しているケースをかなり見かける)

個人的には「未来不変」ネタが好きなのと、子供番組としては失敗した世界線を許容して欲しくないので、プリキュアさんの方針は好み。
今後も妥協せずこの設定で行って欲しいです。

今後の方針ということでいえば、続編シリーズの方向性も今のものを強く支持します。
小説シリーズやオトナプリキュアでの、前作のテーマを反映した正当続編のスタイルは、プリキュアとしての確たる信念を感じて大好きです。
本編でもプリキュアさん達は様々な困難にぶつかり、続編以上の重い展開も経験しています。それらを忌避するのは釈然としない。
これからも今の方向を維持してくれることを、切に願います。

残された謎も幾つか振り返ってみる。

(1)
最初の戦闘で目撃されたエプロン姿のアイルの経緯が不明です。
アイルが過去に移動したとの発言をしていることから、第1話の戦闘に現れたアイルは未来から来たアイルで、この時間の本来のアイルがあのエプロン姿の彼(同一時間にふたりのアイルが居る)だったと思われます。が、そもそも過去移動できることがおかしい。

闇の魔法には過去に戻る魔法もある(小説版)。ですが「闇の魔法では(母に再会するという)望みをかなえることができなかった」と述べています。
アイルが過去移動の闇の魔法に気づけなかったとしても、不自然とは思わない。
また、過去移動に使われる砂時計をオルーバは紛失していますから、技術的に再現できないのかもしれない。

それは良いとしても、第1話の戦闘アイルが何者だったのかが、全く分からない。過去移動したとの発言とも矛盾。
これはもう賛否と好みが大きく分かれるところだと思いますが、アイルが最終回後にどうなったのかが伏せられていることから、解釈を任せてくれてるんだと思う。
例えば「魔法つかいに感謝したアイルは、現在ではなく第1話時点に復活することを選び、クロノウストの過去視・未来視の力を伝えた」等。
そもそもそんなことができるかが不明ですが(クロノウストは現在時制で過去を見せているのだから、過去移動に転用はできないはず)、闇の魔法に時間に関するものがあるので、どうとでも解釈やら妄想の余地はあります。

(2)
6話のアイルとの戦闘中に垣間見た、3人で映っている卒業写真。
例によって別の世界線や歴史改変も騒がれましたが、前後の流れからしても、おそらくは「こうだったら良かったのに」の連想によるイメージシーンというだけなんじゃないかな。写真を見ている朝日奈さんの表情が暗いので、「理想的な別の世界線」とは考えにくい。

ただ凄まじく分かりにくい。アイルが繰り返し「過去も未来も変えられない」とこの世界の設定を語ってくれてはいるものの、「実は変えられる」パターンが多いので鵜呑みにできません。
あまりにも分かりにくいので、(今回の50話の子たちと同様に)意図的なミスリードを狙ったのだろうか。

(3)
クロノウストは眷属ではない。と認識したのだけど、合ってるかしら。
眷属の力(香炉のアレ)を使い果たしたらクロノウストが出現したという流れですから、眷属がクロノウストを封印とかしていて、そこから解放したのだと思われます。

実際、デウスマストの「一つになる」の思想とは大きくかけ離れている。異なる記憶に閉じ込めて、混沌への回帰を阻止していますから真逆。
これが何で眷属なんだ?と頭を抱えたのですが、眷属ではなく別存在ならすっきりする。格的にもラパーパとデウスマストの共通の敵と見た方が、納得感あります。

ただこれも凄まじく分かりにくい。先ほどの卒業写真と違い、混乱したままでも特には支障はないので、設定上の自然さを優先したのかな。
眷属を出さないのは前作要素の取りこぼしになるとか、アイルが超越存在といきなりコンタクトを取れるのは不自然だと考えたのか…。

(4)
ひーちゃんはどうなったのか。
ラパーパとことはの関係と同じ。と明言されているので、遠い未来か何かではーちゃんが倒れた時に現れる次世代だと解釈してます。
「はーちゃんの中にいる」というのも、合体融合ではなく、次なる存在として内部にいるイメージ。
ひすいを犠牲にしてことはが復活したのではなく、ことはが窮地に陥ったので未来を一時的に先取りしていた感じか。

朝日奈さんたちが、また彼女と出会えるのかは分からない。ひーちゃんに会うということは、はーちゃんに致死的な何かが起きたということ。
それは悲しいことだけど、出会いもある。「子や孫と出会えたから、老いも悪くない」と同じ文脈です。

またこれにより、はーちゃんが無限の存在ではないことも示唆されます。そもそもラパーパが倒れてますから、はーちゃんにも死はあるのだけど、超越存在のイメージが強いものな。

今回のラストで地上に戻ってきたのも、ことは自身が過剰に超越存在を自負する必要はないと吹っ切ったからかもしれない。
これ意外と重要で「普通の女の子」に復帰できてる。

プリキュアではしばしば「伝説の戦士と言っても普通の女の子」は強調されています。
視聴者がそうなので、特に初期は一民間人を強く意識していました。

今では姫やらロボやら宇宙人やら色々いますけど、そうは言っても「普通の人」の印象は逸脱はしていない。はーちゃんを除いては。
何せ彼女は宇宙空間であらゆる世界を見守る超越存在として終わってる。
似たようなルミナスは戻ってきてるし、アースも人間ベースなのに対し、かなり異質です。

それが次世代ひーちゃんの存在により緩和されています。
いわば前作での問題点を解消してくれた。
もしかしたら、はーちゃんの救済も構想の発端にあったのかもしれない。


最後に全体的な感想でいうと、手加減なしの全力の続編だったと思います。
インタビューで繰り返し「構成が複雑だ」と語られていたのにも納得。
これを視聴者を信じて作り上げてくれたことに、心から感謝します。素晴らしい続編をありがとうございました。
他のシリーズの続編にも期待しています。

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(第11話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「みらいの決断」感想

2025年03月23日 | 魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~
■(第11話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「みらいの決断」感想

クロノウストと交戦。されど力及ばず、世界は時間停止しました。みんな過去に浸っていく。楽しかった過去に。

朝日奈さんらも過去を見る。魔法界での初めての夜、海水浴、etcetc。
3人で和気あいあいとあの時の1年を振り返り、そして決断する。過去を忘れて、先に進もう。

・クロノウストの攻撃は「過去に浸る」なので、過去を忘れれば破ることができる

・ひーちゃんを生み出すことで時間停止を脱した…というより、時間停止を破るために過去を捨てたら、ひーちゃんが生まれた。
過去(ラパーパとはーちゃん)を終えたら、未来(ひーちゃん)を先取りした?
今はまた過去(はーちゃん)に立ち戻ったので、未来(ひーちゃん)が一旦は引っ込んだ?

・まほプリ2は全体構成が前作のオマージュになっている。
前回は物理的に世界が融合した。今回は時間的に3人の世界が融合した。
そしてそれを切り離し、一時的にバラバラになる。私たちは一人一人違うのだから。

・49話で描かれ、今作でもたびたび出てきた離れ離れの過去。
そこを振り返り、受け入れる成長展開。バラバラであることに意味を見出す。私たちはそれぞれ違う。だから違う過去がある。

・過去を振り返るのは、前作のアーカイブを見返すことに酷似。
「あの頃」に囚われてしまう私達視聴者をメタ的に意識していそう。

複数の意味で納得の展開です。ちょっと頭おかしい。この展開をまず念頭に全体が組まれたんだろうか。
ドラマCDの映像化等、執念すら感じる気合が伝わってくる…。高橋李依さんの有名な「(思い出を奪われるのは)嫌です。ミデンを倒します」も意識されてそう。

※執念といえば、前作の魔法界=冷凍みかんの謎の描写の如く、クロノウストの球体=冷凍みかんに見立てた演出。狂気。

過去を捨てた一行がどうなったのかは、現時点では不明。
ただプリキュアコンテンツ的には「世界は一旦滅びて2巡目の新世界で仕切り直し」はしないと思う。
物語的にも、時間停止を破ったのは3人だけ。クロノウストも健在ですから、呑気に2巡目の世界が運行するとは考えづらい。

アナザーみらリコの如く登場した謎の猫と牛乳の女児ふたりは、前作50話で登場した子たちと思われます。
あの子たち自体が「もう一つの可能性」を示唆してはいますが、演出上の話で、劇中世界的には完全に別人。同じ世界に実在するモブです。
おそらく次回あの子たちがどうのこうの…という展開ではなく、出番はこれだけでもおかしくない。

※そうすると「3人で映っている卒業式の写真」も何か前作に元ネタがあり、あれで出番は終えてたりするんだろうか。

ここまで見事に構成を決められると、最終回では前作同様にホイップさんが出てきそうで怖い。キラパティでみらリコが再会…とかされても驚かない。いや驚くけど。
もしくは「次回作の客演」という意味では、ぷちきゅあのモフルンが出てきたりとかだろうか。

それとも過去からの決別という意味で、全然まっさらな展開なのかも。何にせよ楽しみです。
時間モノということもあり、結末を知ってから振り返れば色々と分かることもあるはず。とうとう次回、2度目の最終回がやってくる。

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(第10話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「刻を追って」感想

2025年03月16日 | 魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~
■(第10話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「刻を追って」感想

魔法界のみんなが刻に囚われ、カタツムリニアまで石化。ナシマホウ界に帰る手段すらなくなった…と思ったのも一瞬。
唯一救い出せていたヤモーさんのイードウで、さっくりと戻ることができました。確かに前作では、ほいほいと異世界移動してたものな。闇の魔法の名誉挽回。

ヤモーさんはモフルンに問う。あなたはプリキュアとどういう関係なのか?ずっと気にしていたとのこと。
モフルンの原理や正体ではなく、関係性を謎に思っていたあたり、とてもヤモーらしいと思う。

そんなヤモーさん。亜空間に潜んでいたクロノウストの決戦の最中に、裏切りなさった。望みはドクロクシー様との過去に再び浸ること。
ヤモーらしいと言うべきか、らしくないと言うべきか。
そのドクロクシー様は幻影だと明らかなのだから、らしくない気もするのですが、前作でも似たような執着をしていたものな。
ただそれはそれとして、朝日奈さんらに語った、闇の魔法使いの矜持としての共闘も全くの嘘ではなかったと思いたい。

朝日奈さんらは今日も今日とて、過去を見る。今回は忙しかったある日のこと。リコ先生は徹夜で採点し、生徒に舐められまいと気を張っていた。魔法ガールはひったくりの逮捕に協力し、授業に急いだ。
如何なる意味があっての回想なんだろう…?楽しく愉快な回想というわけでもなく、過去に何があったのかの補足という感じでもない。「若返ったあと筋肉痛」みたいなノリでもない。「会えなくて寂しかった」を改めて強調したんだろうか?

今月のアニメージュでのインタビューによれば、「あの時のまほプリ」に焦がれるのは過去への執着。
はーちゃんが戻ってきてフェリーチェに変身した際に、「遂にまほプリが復活!」と感じたとしたら、過去に囚われているとも言える。
(なお、今回もフェリーチェは名乗り「魔法つかいプリキュア!」に参加していません。意図的らしい。あの頃と同じようでいて、変わっている)

では過去に浸るのが悪いことかといえば、それも違うはずで、インタビューでもそう述べられている。
リコも今回、そこに言及しています。
とはいえクロノウストが「正しい」のかといえばそうでもないはず。

序盤から繰り返し描写されている「老い」や、共に過ごせなかった高校時代。
色々あるけれど、それでも未来に進んでいく…という展開だとは思うのですが、朝日奈さんがそれを表明する流れがいまいち見えない。

中学2年のあの頃は楽しかった。それから離れ離れになって辛かった。でも今はこうしてまた出会えた。
もしも辛かった高校時代の当時、中学時代の過去に閉じこもって時間を止めてしまったら、大学時代の今の幸せはなかった。
だから未来に進もう。たとえ今が辛くても、きっと未来は拓けている…とかだろうか。

ただこれだと「老い」への回答としては弱い気がします。老いそのものは基本的には一方通行なので、後から解消されるものではない。
老いの当事者ではなく、遺されていく側としてならおかしくないのかな。お祖母ちゃんが他界して悲しいけれど、また出会いはあるの文脈。

アイルとの決戦時に、意味深に出てきた「3人揃っての中学の卒業式写真」は結局なんだったんだろう?
過去に戻って歴史改変、パラレルワールド等々も囁かれましたが、残り2話では大掛かりなことはなさそう。
クロノウストの能力は在りし日の過去を見せることなので、存在しない「こうだったら良かったのに」は該当しないように思うのですが、次回で急にそれをやってくるのかしら。
それともアイルの「戻りたい過去があるだろう?」の問いに、単純に「こうだったら良かったのに」を思い浮かべただけでそれ以上の意味はない?

あと、今週は遂にピンクトルマリンさんが復活なされました。「2」でも響き渡る「ピンクトルマリン!」。
ピンクダイヤが生成されたときに、ピンクトルマリンは分解されて取り込まれたとかでなくて、本当に良かった。
過去への執着だろうと何だろうと、それはそれで良いのです。おかえりなさい、ピンクトルマリン…!

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(第9話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「それぞれの世界」感想

2025年03月09日 | 魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~
■(第9話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「それぞれの世界」感想

ナシマホウ界で頑張っていらっしゃる旧・補習メイトの3人は、揃って魔法界にご帰還なされた。
巷を騒がす謎事件と魔法ガールを、朝日奈さん絡みではとあたりを付け、その彼女が魔法界に行ってそうだと推測したので。
そしてクロノウストの襲撃を受け、あえなく時間停止。カタツムリニアさんも停止。さっくり描いていますが、ナシマホウ界への帰還手段が失われた。

ケイたちの視点でも、魔法ガール=朝日奈みらいは容易に予想できます。朝日奈さんはナシマホウ界出身の魔法使いという超イレギュラーなので、ナシマホウ界で魔法騒動があったなら、第一容疑者に浮かび上がるのは仕方がない。

そこからプリキュアに繋がらないのは若干の謎。まぁそもそも「変身」の概念に思い至らなければ、髪も背格好も全然違うんだから同一人物とは思わないか。私らは「プリキュアに変身する」「変身前は誰なのか」の発想を持てますけど、ケイたちはプリキュアとは変身するものだという基本知識がない。
魔法は無から何かを生み出すことはできないのだから、「変身=自室からウィッグやコスチュームを転送」(?)だと思われるので、そんなもの選択肢として考えなさそう。

何はともあれ、魔法界は壊滅していました。
時を遡ること数時間前。校長先生に報告するべく魔法界に来ていたところに、クロノウストが襲来。
待ち構えていた闇の魔法使い一行と共に戦おう…としたものの、即効でヤモーが時間停止して、よりにもよってドクロクシー様もどきを召喚。何考えてるんですかね、この人たち…。

「もどき」といえば、クロノウストはフェリーチェのことを「ラパーパもどき」と呼称。何か良いですね、ラパーパもどき。
眷属からすれば「キュアフェリーチェ」と個体名を呼ぶより、「ラパーパもどき」と認識してる方がそれっぽい。前作はどうだったかな。オルーバは「キミたち」、他は「お前たち」と呼んでた記憶はある。あと「エメラルドのプリキュア」…は闇の魔法使いだけだったかしら。

クロノウストによれば、死は命の始まり。死ぬと混沌に戻り、混沌から命が生まれる。輪廻転生の世界観。今になってフェリーチェの技名が回収された。
その輪廻を時間停止するのがクロノウストの目的。クライアス社はこいつの存在に気づかなかったんだろうか。

とりあえず敵の攻撃がどうのこうのというより、呼び出されたドクロクシーのせいでセルフピンチ。混乱に陥っている内に、放たれた傀儡によって魔法界全土で時間停止。ヤモーは救出したものの、他の3人や校長先生たちも時間に囚われてしまいました。

本当に全員の時が止まったとなると、未来への恐怖や絶望とは、夢が叶わなくて悲しい云々だけでなく、根本的な死の恐怖だとかに作用していそうです。今までにも散々「老い」を描写してきてるし。さもなくば魔法界は、新生児に至るまで誰一人現状に満足していない常闇の国と化してしまう…。

「未来が怖いから時間を止める」のは、それがメインストーリーのはぐプリの他、ドキプリ映画・NS3・ミラクルリープなど割と頻繁に扱われてます。幼児番組なので、就学や子供時代の終わりが壁として思い浮かべやすい。

何にせよ、カタツムリニアもないので帰還はできず。
予告を見るに、ヤモーと何かを語らって、刻を追いかける?タイムトラベルなのか、若返りなのか、ただの回想なのか分かりませんが、今回あまりに良いところのなかったヤモーさんが、これで終わりではなかったのは素直に嬉しいです。忠臣は報われて欲しい。

あとサブタイトルの「それぞれの世界」。
魔法界とナシマホウ界のことかと思ってたけど、各自の過去の世界っぽい。人はそれぞれ歩んできた過去があり、人はみんな違う。その違いを背負いながら周囲と接していたのが、分断されて自分の世界に閉じこもった…といったフレーバーだろうか。

残りは僅か3話です。寂しい。
いまだに「まほプリ2は前作の展開をオマージュしている」説が、不思議と成り立ったまま。今回でいえば、闇の魔法使いの復活とか。
たまたまそうなっただけなのか、「本に書かれた、決まった展開をめくるようなもの」という時間観を組み込んだお遊び的なサービスなのか。
決戦を除くと、残ってるのはミトメールや追加玩具あたり?あとは正体の告白とかかしら(クリスマス回を一歩踏み込む感じ)。

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(第8話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「ことはとひすい」感想

2025年03月02日 | 魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~
■(第8話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「ことはとひすい」感想

チクルンがやってきました。OPに出た時には妙に嬉しかったのですが、本編にも登場された。
事あるごとに帰ろう、別行動しようとしてるあたりが、何とも切ないです。
彼(で良いのか?)の認識では、「自分は裏切り者」なんだよな…。一緒に過ごした時間の大半は、オルーバのスパイだったわけで、外様意識はありそう。

朝日奈さんらはなし崩しで賃貸生活を継続しているようです。ガスはない。頑なにない。だから銭湯にもいく。何らやましい要素はない。ガスが!ないんだから!銭湯に!行くのも!自然!!!
こうしておそらくはフレプリや小説ハトプリ以来となる入浴シーンが描かれました。ガスがないんだから仕方がない。

ただそれはともかく、執拗にガスがない状態を強調し、カップ麺やファミレス生活を描くのはなんだろう?
「鍋を食う」は、確か最終決戦間際に朝日奈父が提案し、そのまま決戦を迎えて離れ離れになっていたんだったと思う。10年弱の時を経て、あの時の約束が実った。最新家電ではなく、ガスコンロでですが。

魔法界における魔法は、ナシマホウ界では科学です。家電が機能していない現状は、魔法抜きで生活しているようなもの。何か意味がありそうで、よく分からない。
単純に「肩を寄せ合う賃貸のほのぼのした生活」を描きたいだけでもおかしくないので、あんま深読みしてもしょうがないのかも。

今回の過去視も、49話の背景を紹介してくれただけかしら。
どういった原理で世界がつながったのか不明でしたが、二つに分かれたダイヤを突破口にしたらしい。言われてみれば納得。
元々この世界の「プリキュア」とは、「二つに分かれてしまった世界が、再び会えるようにとのラパーパの願い」です。具体的な伝説の魔法使いではなく、抽象的な出会いの祈り。
それを使って世界を繋いだのは、物凄く筋が通ってる。前作の時点で設定としては存在していそうで、機会を得たので満を持して出した感じ。
(他、「桜はあの時期には咲いていない」等も回収された。他にも色々ありそう)

世界はふたつに繋がりましたが、はーちゃんは未だに謎に宇宙に浮かんだまま。
考えてみれば、過去への憧憬は、現時点ではリコと再会できている朝日奈さんよりも、はーちゃんの方が深刻そう。
と、クロノウストの攻撃を食らった瞬間には思ったのですが、特段にそのような意識はなかったらしい。さすがは人外。

はーちゃんの人格構造がどうなってるのか。人知の及ぶ領域ではないように思うのですが、とりあえず今は中にひーちゃんもいるらしい。
彼女はラパーパの力も受け継いでいます。前作の描写では、生まれ変わりとか分身ではなさそう。

この件は、デウスマストと眷属との対比に直結するため、ちょっと慎重に見た方が良さそう。
はーちゃんとひーちゃんを同一人格とみなし、合体吸収のような解釈をすると、そのまんまだとデウスマストと同じになってしまいます。
「私たちはそれぞれ異なる」(はーちゃんとラパーパは別人格である)が前作の主要テーマですから、相応の意味を込めてくると思う。

ルビーやサファイアといった別スタイルも、「私たちはそれぞれ異なる」からの派生「私の中にも複数の自分がいる」を反映したギミックだと解釈してます。
今回は時間ということで「過去現在未来で複数の私がいる」なのかなと予想しているのですが、はーちゃんに適用すると、「過去ラパーパ・現在はーちゃん・未来ひーちゃん」みたいな構成なのかなとも。
(なお「過去のラパーパの記憶を辿る」のは、かつてオルーバが闇の魔法で試みて、はーちゃんが拒絶した件。それが今回実現してしまったので、何気に重大事件)

何はともあれはーちゃんの力が復活し、フェリーチェも再臨されました。長大なバンクが妙に懐かしい。エコーワンドも販促CMを思い出して妙な興奮があります。
しかしながらピンクトルマリンはお預けでした。期待して待とう。

あと相変わらず朝日奈さんは別行動をなさる。
ご友人の失踪は普通に考えてクロノウストの可能性が高いのだから、リコと離れるのはどう考えても悪手です。
ただ前作から彼女たちは妙に別行動を強調しているので(「私たちはそれぞれ異なる」のテーマを反映している?)、その流れだとは思う。

また、ひーちゃんが居なくなってるにも関わらず日常生活を送っているのも、前回の回想でも描かれたように「意地でも日常生活を送る」の信念があるから。
(というか展開上の支障が出るので、前回の過去視をやったんだと思う)

ただパズルを解くようなサービス演出になってる気配はする。前作を踏まえると噛みしめるように味があるけど、忘れてると「この回は何をやってるんだろう?」と首をひねりそう。

次回は魔法界での全面攻撃のようです。
過去最悪の敵を出すソルシエール様と、過去最良の時を敵として出すクロノウスト。不毛な戦いをして欲しい。

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(第7話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「刻をつかさどるもの」感想

2025年02月23日 | 魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~
■(第7話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「刻をつかさどるもの」感想

謎の犬の石化攻撃?を食らったアイルくんは、魔法界で調査されることになりました。トランクに詰められて運ばれるのが何かシュール。

調査に際し、バッティくんが当たり前のように呼び出されてるのが嬉しいです。闇の魔法関連だものな。
おそらく彼はまだ学生の身分と思われますが、闇の魔法案件ならば専門家として当然に声がかかる。言動もかつてのそれで、この分野に関しては彼が一歩先を歩んでる感じが、とても良い。

アイルの目的は犬ことクロノウストに、はーちゃんの力を食わせて復活させ、過去に戻ってそこでずっと過ごすこと。

それと石化がどう関係するのか分かりません。裏切られたのか、予定通りなのかも不明。
しきりに「母親の杖」が出てくることや、石化アイルと形状が似ているように見えるので、何か関係あるのかしら。「杖の姿になって母親と一緒に過ごす」とか、そういうの。
壮太くんがサッカーボールっぽいものになってたので、単に過去を象徴するモニュメントになってるだけかな。

再登場した壮太くん。かつてのサッカー部キャプテンは、その後の人生でサッカーの道は断念したっぽい。まぁやむを得ない。元々が狭い道です。
とはいえ未来の自分の姿を見て、ショックのあまり石化。過去の夢を見ることを選んでしまった。

クロノウストがもたらす混沌とは何なのか。
この1週間色々ともちゃもちゃ考えましたが、意外といえば意外。描写的には時間停止だった。はぐプリ方式。もしくはマシュマロ方式。
「混沌」という響きから、過去現在未来が捏造も真実も一緒くたに混ぜ合わされる…みたいなのを連想していましたが、時間が止まる。

ただはーちゃんの言葉によれば、全ての命を消しさる存在らしい。
イメージ的にはゴーヤーン(過去に戻す)、ダークフォール(未来に生き急ぐ)をイメージします。
何より、時間停止だけだと不可思議な中学の卒業式写真と結びつきません。どうなるんだこれ。

壮太くんが見ていたのはサッカーをしていたあの頃。そして、はーちゃんから声援を受けてたあの時。
彼の視点だと、朝日奈さんとは昔馴染み。十六夜さんからは女子よりも先に名前呼びを求められた。はーちゃんからも早々に愛称で呼べと言われています。
物凄い充実した中学時代だ…。

サッカー部のキャプテンでエース。ルックスも性格も悪くはないので、さぞかしおモテになったと思われます。
その上で彼の心に残ってるのは、中学2年生との時に転入してきて、急にいなくなったはーちゃんだった。
何とも甘酸っぱいです。というか20歳なので辛うじて甘酸っぱいといえなくもないけど、多分ここで再会してなかったら30歳や40歳になっても引きずってたと思う。危なかった。

ボウリングの時も「はーちゃんとは連絡つかないのか?」と、朝日奈さんに詰め寄ったりしたんでしょうか。「…連絡先教えてくれないか?」と懇願したりとか?
朝日奈さん的には地雷の話題ですから、冷たくあしらったのかもしれない。あんまりしつこいとキレそう。
事情を知らぬ人たちからしたら、「みらいは壮太が好きなので拗ねた」とも見える状況です。すんごい面倒くさいことになってそう!楽しい!

その念願のはーちゃんのおかげで、間一髪のところで戻ってはきましたが、会話から察するにあの未来は確定していると思われます。
練習いっぱいして跳ね返すぜ!ではなく、未来はあんなで残念だけど良いこともあったの流れです。
プリキュア世界は「未来不変」が大きなテーマだと思われるので、さもありなん。

あと一応戻っては来ましたが、中学時代そのままのあの子に再会し、おそらくはまた連絡つかずとなると、またぞろヤバイ方向に拗らせそうな気はする。
中学時代に好きだったあの子が、当時の姿のそのままで、悩んでいる今の自分のところに来てくれたら、正気を保てる自信はない。

ここからしばらくはクロノウストに襲われた人を助ける展開なんでしょうか。
個人的に時間SFは好きだし、過去要素も絶妙に絡んできていてとても興奮して見ているのですが、それらに思い入れがない人には取っ掛かりがなさそうな展開には思う。
その辺、なんというか作り手側のこだわりを感じて好き。来週も楽しみです。

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(第6話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「真の目的」感想

2025年02月16日 | 魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~
■(第6話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「真の目的」感想

遂に訪れた破滅の未来。来ると分かっているのだから、魔法学校も精鋭を揃えて迎撃態勢をとります。具体的にはソルシエール先生を配備した。強い。
あの方、プリキュアの涙やらプリキュア強化の魔法やらを使うので、「プリキュア使い」的な流派なんだと思う。

朝日奈さんらも、ひーちゃんをリコ父に預けて魔法界へ。
「行かなければいいじゃないか」とも思うのですが、朝日奈さん的には「未来は変えられる」認識です。だから実現を阻止しようとしている。
が、アイルが魔法学校を襲撃するところまでは変えられないので、迎撃にでないわけにもいかない。

ところがアイルはナシマホウ界で襲撃してきた。
訳の分からぬままピンクダイヤで応戦したのに対し「サファイアを避けた」と一言。
朝日奈さんらがちゃんとそこを考えてるのが、妙に嬉しいです。

かくして始まる激しいバトル。どれぐらい激しいかといえば、愛用の箒が壊されるぐらいに激しい。
そして召喚される魔法学校モンスター。なんだそれは。未来のあの現場はナシマホウ界でした。

アイルくんが呼び出す下僕は、彼の思い出から生成されているとのこと。
玩具縛りかのように見えたのはミスリードだった。魔法学校の思い出があるので、魔法学校モンスターも現れる。

分かってしまえば「なんだそれは」感がありますが、心地よいです。劇中視点でも視聴者視点でも、これは避けられない。
というかアイルくんは未来を見た際に、何がどうなればこうなるのか悩みまくったんじゃなかろうか。
「そうだ!本物の魔法学校ではないのでは!?」と閃いたとき、裸で風呂を飛び出したと思う。

敵の狙いは空中からの落下攻撃。高空にいるので迎撃できない。箒は壊れた。
したがって、選択肢がなかった。とうとう起動されるサファイアさん。お美しいです。負けフォームと言われ続けたサファイアが、こんなにも注目される未来が来るなんて。

これも先ほどと同様に、朝日奈さんらは「未来を変えられる」と信じたいのだから、最善手を打つしかない。
「街を見捨てて全力で逃げれば未来を変えられる」可能性を信じていても、それを実現させるわけにはいかない。
「ひーちゃんがこの場にいない」ことにすがりつつ、サファイアに踏み切った。

辛うじて迎撃はしたものの、学校の破片は飛び散り、2人は力尽き。おまけにひーちゃんもやってきた。リコ父…。

アイルくんの目的は過去に戻ること。
端々で描写されてきた「老い」も、「未来が暗い」「昔に戻りたい」の示唆だったようです。

そのためにはーちゃんを襲撃し、はーちゃんは力をひーちゃんに託した。かつてのラパーパのように。
あと、スマホンはずっと揺り籠だったので、はーちゃんを眠らせる機能もあったそうです。前作で知ってたら、七変化して逃げ出すはーちゃんを即行で眠らせそうだな…。

気合で戦闘を継続するも、それも含めて未来のとおり。
ひーちゃんが消えて、はーちゃんが戻ってきて、犬が正体を現して時を乱す眷属が現れた。
アイルくんは願いが叶って過去へ。

過去現在未来は本のようなもので、既にそこに在り、ページをめくればその時のことが起きる。
現代物理・哲学も同様の思想です。時間は流れておらず、全てが既に在る。
SF小説だと「あなたの人生の物語」を連想します。外からやってきた存在により、過去現在未来は既に在り、一方向への時間の流れなどはないこと人類が知ってしまう話。

前作では物理的な世界が一つに混ぜ合わされました。
今作は時間的な世界が一つになった…のイメージなのかしら。

とりあえず「中学校の卒業式」の写真が奇怪です。何故にリコやはーちゃんが写ってるのだろう?
歴史改変系は避けそうに思うので、過去に戻れてしまったので折角なのであの時できなかった記念撮影をしよう(気分出すために若返ってみた)かなと予想してみる。

仮に歴史改変やパラレルだとしたら、朝日奈さんが暗い顔をしてるのも疑問。今回の魔法学校のミスリードを思うと、見たまんまではなさそう。

朝日奈さんは「昔に戻りたい」と言っただけで「やり直したい」とは言っていません。
アイルも「本」だと認識しているので、過去を変えられるとは思っていないはず。

寂しいことに全12話の半分が終わってしまいましたが、逆に言えばまだ半分ある。ギミックが明かされたところで、次回が更に楽しみです。

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(第5話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「流れ行く歳月」感想

2025年02月09日 | 魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~
■(第5話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「流れ行く歳月」感想

朝日奈さんは呑気にご学友とカラオケをなされてました。
常人の感覚ではリコ先生と別行動するのはとてつもなく怖いと思うのですが、そういうの彼女は気にしない。
前作でもほいほい単独行動をなさってる。例えばリコさんの転入初日に、友人とバレーで遊んでるとか。

急激に成長していくひーちゃんがバレそうなので、一同はお引越しすることに。
しかしながら家電やら家具やら手続きやらで大わらわ。
魔法界における魔法は、ナシマホウ界における科学なので、「初めての魔法」と何かひっかけてるのかもしれない。

あと、まゆゆさんがご健在でした。さすがに再登場は厳しそうですが…。
前作のソルシエール先生といい若干あざといねじ込み方がされてるけど、ファンサービスが素直に嬉しいです。
過去を覗き見るギミックも、以前のエピソードの補充や前作キャラの登場に活きてるな。

未来を見た朝日奈さんは、アイルくんの所在は図書館だと特定。例によって変身アイテムを連れずに赴きます。朝日奈さんはそういう子だ。
そしてアイルくんもびっくり。こんな未来は知らん。

未来が確定していて何をどうやっても変えられないのなら、先の未来を知る意味も実は特にはない。結局行動は同じです。
が、人間心理としてはやっぱり怖い。
「この後の未来は見たのか?」と朝日奈さんに確認するあたり、アイルくんも動揺してそう。「見たよ。あなたが裸踊りしてた」とかハッタリかまされたらどうなってたんだろう。いや、自由意志がないのでどうもこうもないんですけど。

朝日奈さんは図書館で会う未来を見た。だから実際に図書館で出会えた。
パラドックスが気持ち良いです(厳密にいうなら、過去現在未来が同時に存在するとするなら、パラドックスではない。現実世界でも起こりうる)。

その後の展開を朝日奈さんが見ていないことを確認できたので、とりあえず自分が見た未来を目指してアイルくんは職場放棄。たぶん後で怒られてる。
コンビニでの買い物だの犬の散歩だの、端々で庶民臭いところを見せるのは何なんだろう…。
眷属のような異次元存在ではないとの描写と思われますが、これらを見ると意味深態度が精いっぱいの背伸びみたいで気の毒になってくる。

結局大きなトラブルもなく、自分の見た未来に合流できたので、そのままその通りにスマホンを見せつけたりしてみた。
この挑発行為に何の意味があるんだ…?殴られたらどうしよう…?
アイルくんの胸中を思うと心が痛む。

一方、朝日奈さん側も怖い。リコ先生(呼びつけた)と共にピンクダイヤを起動。サファイアは使えない。使うと負ける可能性があるので。
ではダイヤなら安心かといえばそうでもない。「サファイアを使えない」と分かってるのに使ってるのだから、それ以前にダイヤを破壊される等の展開がありうる。
ですが今回はそもそも戦闘にならず。変身バンクの入りで再びあの未来を見ました。そして場所が特定された。魔法学校だ。

これで魔法学校にも立ち寄れなくなった。近づくとあの未来が実現する。
尤も、未来不変なら避けようが何しようが必ずそうなるので、知っても知らなくても結果は変わらない。

しかもアイルくんによれば、それは明日らしい。
この一言、おそらくアイルくんのアドリブです。この瞬間の未来を見ていないので。
彼は彼で、何がどうなって明日の展開になるのか分かってないと思われる。

この辺りの時間ギミックは好き。何かがあって、魔法学校に行き、サファイアを使う。が、そんなことをする動機が朝日奈さんにはなく、むしろ積極的に避けるはず。
アイルくんにとっても、何がどうなってそうなるのか皆目分からない。
今日のこの戦いでダイヤを破壊するとかかな?と一瞬思ったに違いない。結果は戦闘にすらならず。どうすればいいんだこれ。僕が何かをしなきゃいけないのか?

未来不変であれば、嫌でも必ずそうなるので悩む意味はない。極論をいえば、自殺しようとしても何故かできない(但し「魔法学校に現れたのはアイルのゾンビでした」等はある)。
とはいえ怖いわけで、「明日だよ」と教えたのは若干パニック気味で漏らしたんじゃないかしら。いや彼が何をどこまで知ってるのか、本心が何なのかが分かりませんけど。

こうして「明日」「魔法学校で」「サファイアを使う」と負けると分かりました。明日は一日家で引きこもっていよう。
それでも何やかやでそれは実現するはず。予告を見るに、リコ父がひーちゃんを連れて行ったとかでしょうか。
この避けようとした未来が起きてしまう「何やかや」は時間ギミックの華ともいえる。しょぼいネタでもそれはそれで美味しいので、楽しみです。

次回でいよいよ全12話の半分が終わり。
時間モノが好きなのでここまでは異様な厚みで楽しめてます。今回の同棲ネタやまゆゆ等、ファンサービスも織り込んできてくれてる。
ただ端々で出てくる「老い」の描写がよく分からない。今のところ、ストーリーには関係しない。

OPで子供姿が出てくるのは、歌詞に合わせたお遊びかと思いきや、今回本編でも登場しました。
以前のエピソードを出すサービスと共に、「老い」との対比らしきものになってたり、闇の魔法に時間に関するものがあったことが例示されたり。時間ギミックのおかげで、無理なく過去の回想を出せるのは良いな。オトナプリキュアでもこれをできてたら、もっとスムーズだったと思う。前作のことを、公式が思うよりも私らは忘れてる。

モフルンがほつれたりしてたのも今後に関わるんだろうか。朝日奈さんの口ぶりから、今回初めてというわけではなさそう。
冒頭で「ぬいぐるみを持ち歩くのは奇妙」とわざわざ触れており、時間の経過=モフルンの経年劣化?はつい連想もする。シンプルに続きが気になります。

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(第4話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「ひすいの秘密」感想

2025年02月02日 | 魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~
■(第4話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「ひすいの秘密」感想

ひーちゃんが反抗期に入りました。事あるごとに子供子供はーちゃんはーちゃん子供子供はーちゃんと言われるからです。そりゃグレる。
朝日奈さんらは一応は子育てシリーズの方ですが、割と放置気味で子育てスキルはアレだものな…。

コスプレ好きの大学生が猫を探して右往左往。
その様子をご学友に目撃されたり、禁断の猫も喋ればにゃんてことでしょうな魔法を駆使したり。
ちなみに謎の敵・アイルくんは、本屋の店員さんだと当たりをつけました。猫探しが先ですが。

その様子を影ながら警護するリコ父。特には描写されていませんが、娘は何やってんだろう…?と首を傾げてたと思う。

コミュニケーションを取れること自体が魔法なので、魔法そのもので対話はできない。故に猫に喋らせる魔法は概ね失敗する。
と思っていたのですが、時を越えた今、ばんばん使えるようになってた。
まぁ考えてもみれば、水晶さんは普通に通話魔法だものな。

魔法ガール活動では強盗を取り押さえたこともあったらしい。
プリキュア能力が使えない戦闘って、何気に見たい。魔法一本でリアルな凶悪犯と戦ったことがあったんだな、朝日奈さん。

その経験故か、アイルくんと遭遇した朝日奈さんは即座に魔法攻撃。かつてのリズ先生たちもやってたことだから普通といえばそうなのですが、朝日奈さんがやってると胸が熱い。プリキュアとして戦った1年よりも、魔法のみで戦ってた時の方が遥かに長い。
私たちにとっては「プリキュアの朝日奈みらい」でも、ご本人的には「魔法ガールの朝日奈みらい」なのかもしれない。

それはそれとして、「魔法がバレても構わない」と啖呵を切った直後に現れる勝木さんの恐怖。今回一番テンション上がりました。
今!ここで!ついに!バラすのか…!

「玩具モチーフの敵を出してくる」でお馴染みのアイルくんでしたが、今回のは…何だろう?
鏡っぽいけど巻き付いてるから紙?形状的に盾?え、なにこれ。玩具以前に何なのか分からん。
私の知らん玩具でないなら、「玩具と母親」はミスリードなのかしら。実際、過去をやり直してどうこうっぽくは見えない。それが目的なら、プリキュア無視して過去に戻ればいいんだし。
それとも眷属と合体した後の騎士人形っぽいのが、玩具?

色々不明のまま、アイルくんは謎の敵に眷属も合体させて、死の宣告までして立ちふさがる。
朝日奈さんたちは最終決戦を越えてきてるので強そうに思えますが、フェリーチェとレインボーキャレッジがない飛車角落ち状態。眷属相手には分が悪い。
リンクルストーンが揃ってるのでそれを必死に振り回しますが、兵力的には前作の序盤相当なんだよな…。
拘束をアメジストで脱出するとか、速攻でアイルくんを狙い打つとか。戦い方が鋭いだけに、戦力ダウンが手痛い。

「サファイアを使わない限り決定的には負けない」という時間ネタを指摘してきたのも熱い。
サファイアで倒れ伏して絶望するのなら、サファイアを使わなければ絶望の未来は来ない。かつて負けフラグと言われたサファイア。本当に負けフラグとして活用されてしまった。

したがってピンクダイヤの今回は絶対に負けない。アイルくんもそれを知ってて仕掛けてきてる。
でもどうやって彼女たちが勝ったのかは知らなかったんじゃないかな。内心「こいつら本当に大丈夫か。ここからどうやって逆転するんだ」と焦ってそう。

とりあえず、ひーちゃんが謎の覚醒をなさり、はーちゃんと謎の邂逅をし、古の「あっちへ行きなさい」魔法を発動させて危機は解決しました。
魔法がムホウを撃退した。何気に大金星です。ひーちゃん(はーちゃん?)のアレが本当に「魔法」なのかは別として。

次回は新居に引っ越すようです。
ここまでは前作をなぞるような展開でしたけど、次回は違いそう?はーちゃんの部屋作りとか、バーベキュー等のエピソード由来かしら。ビーズメーカーが再登場したらどうしよう。

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(第3話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「刻の魔法」感想

2025年01月26日 | 魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~
■(第3話)魔法つかいプリキュア!!~MIRAI DAYS~「刻の魔法」感想

「絶望と向き合う」。意味深な予言は、謎青年が襲来するとか異変が起きるのではなく、絶望と向き合ってる自分を未来視?するというものでした。
冷静に整理する校長先生が、何か面白い。そりゃ拍子抜けもする。が、それはそれとして事態の認識を完全に誤っていたわけで、危機感の持ち方を変えるのも妙に生々しい。
実際、視聴してるこっちも騙された。劇中人物もちゃんとそこを「勘違いした」と認識してるのは、こちらとリンクしていてとても見やすい。

とりあえず本人に聞かないことにはどうにもならぬと、一行はナシマホウ界に。
前作ではここでトパーズが突然出現し、何やかやでリコと朝日奈さんが別行動。そのまま餓死しかけて、いちごメロンパンで合流しました。

今作ではまずスマホを調達した。以前より賢くなっていらっしゃる。
そして置き忘れてセキュリティ事故を起こした。危機感が足りてない。

前作は連絡手段がなくてピンチ。今作は手段はあったが結局は連絡が付かず。
ナシマホウ界における魔法は科学。何か意味があるような気もするし、ないような気もする。

大慌てで駆けつけて、前作同様にいちごメロンパンで合流。そしてトパーズ(前作ではトパーズ変身は次回以降)。
細かいところは違うものの、大筋が前作をなぞっているように見えます。
ただのオマージュなだけなのか、たまたま似ているだけなのか。さすがに本編に関わる仕掛けとは思えませんが、時間ネタなので意図したお遊びなのかもしれない。

謎青年アイルは時間移動ではなく、時間を越えた情報共有の様子。すべてを知っているのではなく、断片的に知ってるのを繋ぎ合わせてるようなのがお話的に楽しい。
僕も知らないよ。でも今、君たちから聞いた。
未来で教えてもらったので、過去の自分がそれを伝えることができる。王道のタイムパラドックスです。小説版まほプリでも出てくる。

ここまでの様子を見るに、歴史改変や平行世界・分岐世界ではなく、確定未来の世界観っぽい。個人的には好みだし、プリキュアらしいと思う。

鞄を抱えて犬を連れてやってくるとか、妙に一般人くさいアイルくん。その割に「ここでブックマーク」だの「読者に委ねてる」だの、いまいちダサさと無理してる感がにじみ出る言動が、絶妙に痛ましくてドギマギします。
第1話の戦闘に映り込んでいた彼は、まだ未来云々を知る前の一般人なのかしら。これから色々あって、必死に背伸びして頑張ってるのかもしれない。お気の毒に。
トパーズ戦もスカしてはいますが、内心「怖ええええ!!」と震えていたのかもしれない。

次回はひーちゃんが反抗期を迎えるようです。これも前作の七変化回や、こっそり学校についてくる回を連想します。
足腰の弱った祖母、小さく感じる机等々、時間経過による変化も示唆されてる。物語として純粋に楽しみ。

要所要所で入る回想も「リコと別れた後に、初めて迎える十六夜」なんていう「そこを!公式で描写してくれるのか!」という垂涎の箇所。
今回の時間ギミックに絡めて、無理なく前作のおさらいやサービスをしてくれるのはありがたすぎる。

キボウノチカラはネタが丁寧すぎて、前作を忘れていると混乱するという構造的弱点がありました(例えばブンビーさんの演説はGoGo36話を踏襲しているけれど、忘れていると突然オトナぶった逆張りをしてきたように見える)。こういう形でケアしてくるのは、適応力が凄いと思う。
あとソルシエール先生をさりげなく放り込んでくるのは、とても嬉しい。歌おう。歌うんだ。そしてアイルくんを混乱させるんだ。

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