穴にハマったアリスたち

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(第4話)ひろがるスカイ!プリキュア「わたしもヒーローガール!キュアプリズム登場!! 」感想

2023年02月27日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第4話)ひろがるスカイ!プリキュア「わたしもヒーローガール!キュアプリズム登場!! 」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第4話より)

ましろさんが変身なされました。大変に見目麗しい。光属性らしくキラキラ輝いていらっしゃいます。何か物凄く正統派というか清純派というか優秀なプリキュアさんだ…。

さてそれ自体は良いことなのですけれど。
ましろさんが参戦されたことで、ソラさんの立ち位置が難しくなりました。

ソラ・ハレワタールさんは幼少の頃からヒーローに憧れて、毎日鍛錬に明け暮れていた。
異世界にやってきた今日この頃も、ジョギングやら文字やらの訓練をかかさない。
そんな彼女がプリキュアになるのは分かる。まさしくヒーローだ。

しかしながら、取り立てて取り柄のない凡人(本人自称)たるましろさんも、プリキュアに変身して戦えた。
これではソラさんの立場がない。

もちろん、ましろさんは「強い」。ソラさんもそこは確信している。視聴者的にも異存はない。
のだけど、やっぱりこの状況は難しい。

ましろさんが変身するかを逡巡するシーンにて、ソラさんはたまたま口を塞がれて喋ることができません。
絶妙の演出です。もし喋れたなら、どうしたんだろう?
カバトンが「脇役」呼ばわりしたので、あげはさんが叱咤する流れになり、ソラさんも頷いていましたが、仮に喋れたならカバトンより先に「逃げて!!」を言っていた気がする。

来週どういう経緯で喧嘩なさるのか次第ですが、ソラさんがイメージしていたのは「ましろ姫に後ろから支えて貰いながら、彼女を守るために戦う英雄ソラ」だと思う。
ただ皮肉にも「プリキュア」は本来「普通の女の子」なんですよね。ソラさんみたいに鍛錬してる方が少数派で、すぐに思い浮かぶのは月光さんやまこぴー。どちらも敗戦プリキュア…。

ヒーロー=プリキュアだとしたら、ソラさんの苦労は無駄であり、彼女こそが「何もない人」になってしまう。
さすがにそれはないでしょうから、「ヒーロー」は「プリキュア」の上位概念なのかしら。過去作でいうとグランプリンセスみたいなの。
ただ私らにとって「プリキュア」は紛れもなく「ヒーロー」です。ここから何を付加するんだろう?

現段階で無理に推理するなら、ソラさんにとって「ヒーロー」は目的になってしまってるので、「ヒーローになって何をするのか」あたりかな。
今のソラさんの認識は「ヒーローは赤ちゃんを助けるもの」であって、「赤ちゃんを助けるためにヒーローになった」のではない、みたいな。
でも明らかにエルちゃんを助けるために、プリキュアになってはいるんだよな…。
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「はぐたんは若返っていない説/ハグプリ未解決問題」: HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2023年02月22日 | ハグプリ最終回考察
エルちゃんとの相違を整理する意味も込めて、はぐたんの疑問をまとめてみる。


(「HUGっと!プリキュア」40話より)

はぐたんとハリーには不可解な謎が残されています。
まずそれらを列挙し、仮説「はぐたんは本当に赤ちゃんで、トゥモローが若返ったのではない」を考えてみる。

謎①「ハリーの奇妙な言動」
ハリーの言動には不思議な点が多々あります。特に第1話。

後々の説明(主に40話)とも合わせると、あの時のハリーは「クライアスの追手からトゥモローと一緒に逃走。タイムトラベル後にトゥモローが赤ちゃんになった」と受け取るのが自然な理解です。しかしその割には動揺が見られません。
40話の回想では「何やこれは!?」「(赤ちゃんのトゥモローを見て)なんでやねーん!!」と驚いてはいます。が、その後の野乃邸では、(この事態を説明できる人物はいなかったにも関わらず)落ち着いてミルクを用意し状況を受け入れています。

謎②「はぐたんに、トゥモロー時代の記憶はあるのか」
(1) 記憶があるし、トゥモローとしての人格もある
(2) ない。完全に赤ちゃんになっている
(3) ぼんやりと記憶はある

特定できる描写はありません。はぐたんは敵に立ち向かう等、赤ちゃんらしからぬ動きもしてはいますが、「記憶はない」としてもおかしいというほどではないでしょう。
ハリーにオムツを替えてもらうのを嫌がっていませんから、「記憶はない」とした方が自然ともいえます。二人は既に、そういうことを任せられるほどの深い間柄だったのかもしれないので、何とも断言はできませんが。

謎③「トゥモローに、はぐたん時代の記憶はあるのか」
(1) 記憶があるし、はぐたんとしての人格を継続している
(2) ない。忘れている。
(3) ぼんやりと記憶はある

思春期の娘さん的には、オムツ替えの記憶が残るのはかなりきつそう…。しかも「ハリーを父親と誤認しかねない」罠までついてきます(だからハリーは、自分のことを「パパ」と呼ばせていないと思われる)。
記憶が残らなかったなら、それはそれで寂しいものがある。最終回の「ママ…」の呟きはなんだったのか。

謎④「トゥモローは、なぜ赤ちゃんになったのか」
「アスパワワが枯渇したから」がハリーの説明ですが、眉唾物です。
「ミライクリスタルを集めても復活しなかった」「同様の事例がない。トゲパワワが増えても時間が止まるだけ(トゲパワワの増殖と、アスパワワの枯渇がどう関連するのかは不明ですが)」など、否定材料はいくつかあります。

原理に踏み込んでも仕方ありませんが、ミデンの時の「記憶を失ったから子供になった」と比べて、「アスパワワ(明日への希望)がなくなったから若返る」は納得感が薄いです。「アスパワワがなくなったから時間が止まる(未来に進みたくないから)」なら分かる。

ついでに言うなら、これが事実ならジェロスさんの老い問題は解決しますね。アスパワワをなくせば赤ちゃんになれる。
(いや、解決すると思ったら希望が湧いてくるので、結局は赤ちゃんになれない…のか)

謎⑤「トゥモローはどうやって元に戻ったのか」
皆目不明です。未来に帰ったらいつのまにか戻っていた。
「過去に居続けるために力を使い続けていたからだ」と考えられなくもないですが、その割には普通に成長しています。

ちなみに、はぐたんの成長速度は普通です。
赤ちゃんの首が座るのは月齢2~4カ月ごろ、離乳食の開始が5~6カ月ごろ。
1歳になる頃には、見た目には大人とほぼ同じ食事ができるようになります。塩分や加熱時間、味付け、食材等に違いはありますが、見た目には分かりません。ミルクだけ飲んでいる期間は意外と短いです(なのでオールスターズメモリーズで、マシェリにミルクをあげようとするのはおかしい。野乃さんがいかに混乱していたかが分かる、密かな名シーン)。

確か走る描写はなかったと思いますので(一般には1歳6カ月以降)、ハグプリの劇中期間が半年~1年ぐらいなら、彼女の成長描写はリアルとちょうど当てはまります。
言葉は早い方ですが、超常の力を想定するほどではないというか、演出の都合の範囲かなと。
細かいことに拘るのであれば、人見知り・場所見知りで泣かないのは変とか、病気や体力の問題の方が厄介です。

【思考実験】
以上を踏まえて仮説を立ててみる。

●仮説
『はぐたんは2030年から来ている。若返ったトゥモローではなく、2030年時点の赤ちゃんそのものである』

●大まかな流れ
2043年10月:
窮地に陥ったトゥモローとハリーは、2030年10月にタイムトラベルした。
理由は「プリキュアに助けを求めた」「マザーの力を使った」ので、プリキュアである母が、自分を出産する時代が無意識に選択された。

2030年10月21日:
はぐたん誕生。43年から来たトゥモロー、「ママ…」と呟く

2031年2月:
何らかのトラブルが起き、生まれたばかりの「はぐたん」(月齢4カ月ごろ)が2018年にタイムトラベルしてしまう。
巻き込まれてハリーも2018年へ。トゥモローは2030年に残留。

2018年2月~2019年:
ハグプリ本編。最終回にて2031年に戻る。
はぐたんを2031年の野乃さんに返し、トゥモローとハリーは最終決戦へ。

これだと「トゥモローが43年から30年に13年分タイムトラベルした反動で、赤ん坊のはぐたんが31年から18年に13年分タイムトラベルした」のような、なんとなくの数字の符丁も見て取れます。意味があるかはともかくとして。

【仮説の利点】
この仮説を採用すると、先に述べた謎①~⑤が解決します。

謎①:ハリーは赤ちゃんの存在を知っていて、事前準備もできるのだから、すぐに冷静になって当然である。
謎②:トゥモローが若返ったのではないので、記憶は当然ない
謎③:成長と共に普通に忘れている
謎④:若返っていないので考察不要
謎⑤:同上

綺麗に解ける。
他、いくつか補足します。

第40話の回想は、普通に見ればどう考えても「2043年から逃亡した時の描写」ですが、数瞬のカットの間に「2030年が挟まっていた」としても矛盾はしない。

同じく40話の回想にて、タイムトラベルをしたハリーが混乱している描写があります。ただこの回想の中では「なんで赤ちゃんになってんねん!?」のような決定的な台詞は発していません。
例えば「2030年でトゥモローとはぐたんがいる状況で交戦中に、タイムトラベルが発動。ふと横を見たら、トゥモローがいなくてはぐたんしかいない」の経緯でも、同じような反応をしそうです。
元々2030年ではぐたんと行動を共にしていたのなら、ミルクを用意していても納得できる。

ハリーは「ミライクリスタルを集めれば、はぐたんが復活する」と認識し、そうならなかった際に慌てていました。
これは「集めれば未来に戻れる」のような理解をしていたのなら不自然ではない。ハリーには嘘をつく動機があるのだから「未来への帰還」を「はぐたんが元に戻る」とごまかしてもおかしくはありません。

クライアスは若返ったと認識していたようにも思えますが、ハリーが隠蔽していたならありえるでしょう。
そもそもクライアスは、はぐたんをいまいち軽視しているように見えます。
例えばジョージが「(はぐたんが)マザーの力に目覚めたようだ」と語ったりしていますが、未来での戦いや過去へのタイムトラベルの発動は、マザーの力に該当しなかったのか…?
はぐたんが赤ちゃんそのものであるなら、まだプリキュアになっていませんから、「力が目覚めた」はむしろ自然に受け取れる。
他、ビシンの反応も、「トゥモローが若返っている赤ちゃん」よりも「これからトゥモローに成長する赤ちゃん」だとした方が、納得できる…ような気がする。

最終回で「ママ…」と呟いているトゥモローは、2043年からタイムトラベルしてきた直後。
あの描写は、2018年からハリーが帰還した後ではなく、ハリーが2018年に旅立つ前と思われます。

この解釈だと「ママ…」の呟きの意味が変わるので、謎③の懸念が消えます。
「育ててもらったハグプリ本編を想って呟いた」のではなく、「これから育ててもらうハグプリ本編を想って呟いた」。
「明日」の名を持つキュアトゥモローの台詞として考えると、過去を想ってよりも、未来を想っての方が似合っている気はする。

【仮説の欠点】
問題点は明らかで、個々の劇中描写と整合せず「嘘をついていた」「描写が省略されている」のようなごり押しの嵐です。
(ハリーは意識的に情報を隠しているので、「嘘をついた」にも一定の確かさはあるのがまた面倒くさい)

しかもこんな大掛かりなギミックを持ち出す必然性がありません。確かに謎は解けますが、他の方法でも解けなくはないです。
謎①は「普通に大混乱に陥ったハリーだったが、トゥモローを守るために奮起した」…で納得できるし、謎②や③はトゥモローさんに強く生きていただければ良い。オムツ替えの記憶が残った程度で、心折られるトゥモローさんではない。

仮にこの説でいくなら、テーマに何か新しい視点をもたらせるとかに期待したいのだけど、(元が完璧すぎるので)特にはなさそう。
2030年や2043年のシリーズにとっては、この構成が重要な意味を持つ可能性もあるので、もしそうなったら狂喜乱舞してみる。

【蛇足】
プリキュアコンテンツであることを無視するのであれば、
「2030年に戻った際にトゥモローは死亡している。同じく野乃はなも死亡」
「2018年から2030年に帰還したハリーは、(野乃さんが死亡しているので)そのまま赤ちゃんを普通に育てて、2043年を迎える」
「育ったはぐたんはトゥモローになり、2043年のハリーに巡り合い、過去にタイムトラベルをする。そして死亡」
も、時間ギミックとしてはありえそう。

この場合、ハリーの恋は実らない。また、おそらくは縁者に助けを求めると思われます。つまりは、同年代に成長した2030年の輝木さんと、はぐたんを育てる展開も想像はできる。輝木さん的には、何とも複雑な心境でしょうけれど。

参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
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(第3話)ひろがるスカイ!プリキュア「シクシクホームシック!泣かないでエルちゃん!」感想

2023年02月19日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第3話)ひろがるスカイ!プリキュア「シクシクホームシック!泣かないでエルちゃん!」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第3話より)

ソラさん、素手ででかい岩を叩き割る。

当たりさえすれば、生身でも敵さんと渡り合えそう。
普通の女の子だったプリキュアさんは、20年を経て人外と化してしまった。

なお、カバトンが壊した岩は復活描写がありました。
ソラさんが割ったのはどうなったんだろう…?
あの岩、たぶんカバトンが丸くして置いていたんでしょうけど、化石が見つかったあたり、近くの学者さんが切り出したのとかだったら困惑しそう。というか自然石だとしたら、まん丸なのは貴重品だったのでは…。

祖母の正体はスカイランド人でした。ましろさんは少なくとも1/4はスカイランドの血を引いてる。
スカイランド出身なので、通信手段もあった。
通信に必要な動力源は、家の裏山にある。取りに行こう。

作劇の都合と言えばそれまでですが、おそらくは「裏山にスカイジュエルがあるから、ここに居を構えた」「スカイジュエル(もしくはスカイランド縁の何か)があるから、ソラさんはここに落っこちてきた」のでしょう。
偶然のように見えることが、昔からの流れで繋がっていたというのは、20周年のテーマと何か関係があるのかもしれない。

ましろ父母はどこか遠くで働いているようで、タブレットで連絡を取り合っているようです。前作の和実さん状態。
エルちゃんも似たような状況。父母と離れてはいるが、通信はできる状態。
ソラさんのご家族は完全に不明。思えばここまで父母と離れたシリーズはなかったかも。

ハグプリのはぐたんと違い、エルちゃんは(今のところは)正真正銘の赤ちゃんです。
何らかの力は秘めているようですが、不思議パワーで援護する謎生物ではなく、若返っているとかでもない。
ソラさんも完全なる赤の他人。立ち位置的には、はぐたんとハリー、シフォンとタルト、フワとプルンス等々なのに、関係性が希薄です。
「エルちゃんが(はーちゃんやコメコメのように)急激に成長する」とも思えません。

ハグプリの考察では、「はぐたんが赤の他人だとしたら肩透かしにすぎる」ことが、野乃はな母親説のスタートラインになっています。
ひろプリでは他人だと明示されている。
表面的には似ているのに、中身が全く違うのは何らかの意図があるのかしら。

ましろさんのやっていた「赤ちゃんの気持ちを察する」のは、実際の育児でも大事だと思う。
「この玩具で遊んであげよう!」ではなく、主体性にまずは任せて、その流れに乗っかるの重要。

【歴代様】
ED登場はプレシャスさんでした。
ざわめく界隈。一人ずつの出演だと、残り話数が残りプリキュア数より少ない!出演できない子がでてくる!!

普通に考えるなら、黒白や花鳥とかはセットで登場でしょうか。







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「あこがれ Go My Way!!」(トロピカル~ジュ!プリキュア):プリキュアソング感想

2023年02月18日 | プリキュアソング
●あこがれ Go My Way!!
トロプリさんの後期ED。

「目標や計画に拘らず、今一番大事なことを楽しもう。それが何の役に立つかは分からないが、きっと実を結ぶ」というトロプリさんのテーマが圧縮されているのはもちろんとして、本編で直接は語られていないことにまで踏み込んでるのが好き。

『スキに正直でなくちゃ 今の最高集めてもっと ふみだす勇気チャージ』
『雨のち Believe My Way だって心は前向き』
『胸をはって信じてあげよう 夢見るチカラ育ってる!』

まなつさんは島では同年代の友達がいません。
島から出た際も、犯罪を不安がる様子が僅かに描かれただけで暗い影はあまり感じませんでしたが、内心では不安で「踏み出す勇気」を得るために今一番大事なことに邁進していたのかもしれない。
実際、メイクのおまじないは勇気を生み出すために使ってる。

「今一番大事なこと」に集中するのは、不安からの逃避ともいえます。というか自分に置き換えてみたら、怖い時に脇道にそれて余計なことをするのはよく分かる。
その反面、具体的な計画が不明の状況そのものも怖すぎる。
打つ手がない状況で、何の役に立つかも分からないことを楽しむのはそれはそれで厳しい。だからこその「胸をはって信じてあげよう」。
OPでも同様の歌詞がありますし、「メイクのおまじない」は「メイクをするから勇気が出る」だけでなく、「メイク(自分の好きなこと)を信じよう」の意味もあったんじゃないかな。

『きっと変身願望 みんなこっそりあるでしょ?』
『ほんの少しの変化で 不思議見違えるね』

2番のこの歌詞、本当に大好きでプリキュアに憧れる気持ちをくすぐられます。
そう、みんな変身願望はあるんだ。だから「今一番大事なこと」をして勇気をチャージしよう。そうすれば、ほらプリキュアだ。

「変化」をキーフレーズにしていたハトプリとの対比の面でも面白いです。

トロプリとは逆に、ハートキャッチは「目標がはっきりすれば、手段が分からなくても解決できるはず」。
劇中の来海さんのお言葉「服装を変えるだけで気持ちも変わる。単純だけでそれでいいと思うんだよね」。なりたい自分の格好をすれば、引きずられて自分の気持ちも変わる。それは本質的な成長ではないのだけど、まずはそれでいいじゃないか。

この思想はトロプリさんと方向性が逆なのですけど、やってることは実は同じ。

トロプリ:
それが何の役に立つかは分からないが、変身(メイク)って楽しいよね。だからプリキュアになった(メイクをした)。そして目的も達した。

ハトプリ:
目的を達成するには一人前のプリキュアにならねば。だからまずは変身した(服を変えた)。変身しただけじゃ史上最弱のプリキュアだけど、とにかく変身した。

映画でタッグを組んだのも納得。「プリキュア」を介して真逆の思想が同じことをしている。
改めて聞き直してみると、色々と発見があって面白いな。
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(第2話)ひろがるスカイ!プリキュア「ヒーローがおうちにやってきた!?」感想

2023年02月12日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第2話)ひろがるスカイ!プリキュア「ヒーローがおうちにやってきた!?」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第2話より)

異世界に取り残されてしまったソラさん&エルちゃんは、行きずりのましろさん宅に泊めて貰うことになりました。
デカい屋敷。何故かあるミルクにオムツ。気前のよいご飯に寝床。
歴代の異世界人と違い、自活手段が皆無のソラさんとしては恐縮しまくり。
せめて騎士として姫に忠誠を…!

ましろさんはそれを拒否なされた。
まずはお友達からとおっしゃってくれ、ソラさん的にも嬉しそうではあるものの、彼女の立場だと距離感をつかみづらいのは分かる。

服を買うシーン。
ジャージばかりを選択肢にしていたことを「ヒーロー一筋でよく分からないから」と説明していました。
が、故郷では普通に服を着てるんですよね。

察するに、彼女が「分からない」のはセンス的な意味での服選びではなく、「一方的にご厚意に甘える状況で、どこまで希望してよいのか」だったんじゃなかろうか。彼女の思う「ヒーロー」は服を買って貰ったりはしないので、こんな時にどうすればよいか分からない。
ジャージしか選択肢になかったのは、貸してくれたのがジャージだったからでは。

例えるなら、新卒社会人が先輩上司に飲みに誘われて、「好きなもん頼んでいいよ。ここは驕りだ。無礼講だ」と言われた時に、恐縮して「乾杯で頼んだんだからビールはOKだよな」とチビチビやってるような感じというか。
年の離れた弟さんがいるようで、自然と気配りが身についているのかも。そしてそれ故に、自分の知識が通じない状況だと選択肢を狭めてしまう。

自分から「分からない」と素直に認めて対話できてるのは良い感じなので、トラウマや欠点というほどではないと思う。
ただ結果的に、元々着ていたのと似たテイストの服を選んでる。これは、ましろさんの方が気を遣ったのかもしれない。ソラさんの心理としても、似た服なら言い訳(誰に対してのものか微妙ですが)がたつ。

この微妙な距離感が大変に良いです。
実際、ソラさんは本当に右も左も分からぬ状況ですから、気を張ったり、殊更に感謝するのは自然。
金がない、こちらの常識がない、生活の場もない、帰還のあてもなし、戸籍もない。ついでに敵の目的も保護してる赤ちゃんの正体も分からない。
言葉が通じるのがせめてもの救いですが、プリキュア能力すら直接の役には立っていない。

※一瞬リコさんとかアースさんのことを思い出しましたが、比べるのはやめておこう。あの子らも良い子なんだ。
洗脳して潜り込んだものの、育児疲れして気の毒な感じだったルミナスさんとかもいたな…。
同じく「騎士」的なまこぴーと比べると、色々面白そうな気はする。

そこにカバトンが再襲来。プリキュア能力が唯一機能する瞬間です。撃退しよう。
捕縛して拷問して謎トンネルを開かせれば帰還できそうな気もしますが、まだそこには考えが至らないらしい。

ただ「プリキュアが役立つのが受動的な防衛だけ」なのはテーマにも関わってきそう。
ソラさんは確かにヒーロー(プリキュア)になった。だけど生活のすべてを他者に依存していて、役立つのは「敵が襲ってきたときに撃退する」のみ。
それも超重要な役割なわけですが、ソラさんが思い描いていた「ヒーロー」とは何か違うような気がする。

一周回って見てみるなら、「私にはヒーローしかないから怖くても戦う」とも言えます。
ソラさんは元からヒーローに憧れていてスカイランドでも生身で挑んでいましたから、嫌々やってるのでは決してないけれど、一歩間違えるとヒーローへの逃避、依存を起こしかねない。

このあたりのことは、他のプリキュア仲間ができたら見えてくるように思う。
第2話でいきなりましろさんが変身してたら、この雰囲気にはならなかったろうな。じっくり描くからには、何かあるはず。

あと、お祖母ちゃんが謎です。
「出会いに偶然はない」とか、ちょっとトロプリ的なこと(『どんな出会いにも全部ちゃんと理由があるんだ』)をおっしゃってる。
謎アイテムを使いこなし、最新のスカイランド事情(赤ちゃんの名前)も知っている。

これが「母」だったら「20年前はプリキュアやってたんだろうな」とも思えますが、お祖母ちゃんです。20年前に娘がプリキュアをやってたとか?
ご本人がプリキュアでも良いですけど「20周年」とのつながりはなんだろう。雪城祖母のオマージュかしら(当時「祖母は先代プリキュア?」とか言われてた)

次回からは歴代様もEDにご出演されるようです。最新技術で美翔さんの雄姿がブラウン管に帰ってくる!
「カバトン」の名前の呼び違いとかも、意識した歴代ネタ(スプラッシュスター)なんだろうか。20年も続いていると、何を見ても何らかのこじつけはできてしまいそうだから、意図的かどうか難しいな。
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「勇気が君を待ってる」(キラキラ☆プリキュアアラモード):プリキュアソング感想

2023年02月11日 | プリキュアソング
プリキュアソングのサブスクが始まるそうで、お歌の思い出や感想を書いてみる。

●「勇気が君を待ってる」
「アラモード」ED2のカップリング曲。15周年の時のライブでも歌われてたと記憶してる。
当時のプリキュアシリーズが課題としていた「未来は破滅している」を背景に、アラモードの「大好きを諦めない」を歌った曲です。

確たる希望は何もない。実現は困難で、現状は極めて苦しい。それでも大好きを諦めない。
本編でも映画でも描かれた厳しい状況です。目が見えない、音が聞こえない、鼻が利かない、物理的に邪魔される、精神的にプレッシャー、金も材料も乏しい、それでもパティシエたるもの菓子を作るのだ!

だけど、現実として望みが薄いことも分かってる。そのせめぎ合いが胸に響きます。
特にこの一節が好き。

『傷つけながら 傷つきながらでも』
『それでも未来が見たい』

自分だけでなく他者をも苦しめている。でもそれでも未来を見たいんです。たとえ破滅でも。
そしてそこから続く一節。

『傷つけながら 傷つきながらでも』
『勇気で未来を変える』

プリキュアさんの基本テーマのひとつ「勇気」。どうしようもない状況で一歩を踏み出すには、もうそれしかないと思う。
未来の破滅は不可避。それを全て承知の上での「勇気で未来を変える」。
傷つけたり傷つく状況は変わっていませんから、「破滅を阻止する」タイプの変更ではないと思われます。
「絶望的でも挫けない」「傷ついても立ち上がる」といった「未来を変える」。こんなのもう「勇気」を振り絞るしかないじゃないか。

また、表面的な曲調は全然違うのに、同時収録のED2「シュビドゥビ☆スイーツタイム」も同様のことを歌ってるのが面白いです。

『これからのことは明日かんがえよう』
『気まぐれな昨日へありがとうを言えるように』
『オッケー!キラっとひらめいた!』

明日のことは明日考える。だって今考えると怖くなるから。そして「どうしてこうなった」と昨日の自分を呪いたくなる。
だから明日考える。「大好き」を貫いてきた昨日までの自分にありがとうをいうために。
そしていざ明日になったら叫ぶんです。オッケー!キラっとひらめいた!
きっと明日はそう叫べると信じて、勇気を出して今日を生きよう。

どちらもアラモードの歌なんだから当然といえば当然ですが、全く違う曲調で同じテーマを歌ってるところも含めて、この二つのお歌はとても好き。苦しい時に聞き返すと勇気が湧いてきます。
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「はぐたんはタイムトラベルしていない(はぐたんが時間を止めた説)」: HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2023年02月06日 | ハグプリ最終回考察
『タイムトラベルの哲学』(青山拓央,2011年)を読んで閃いた。


(「HUGっと!プリキュア」1話より)

私たちはごく自然に「はぐたんが過去にタイムトラベルした」と認識しています。
ですが相対的に見るなら、「世界が未来にスライドした」でも良いはずです。

(1) 「はぐたんが過去にタイムトラベルした」
紙の上に書かれた年表をイメージしてください。
未来(2043年)の地点にいるはぐたんを、ひょいとつまんで過去(2018年)に移動させる。
年表は動かず、はぐたんが移動(タイムトラベル)をしている。

(2) 「世界が未来にスライドした」
先ほどと同様に年表をイメージしてください。
はぐたんではなく、紙の方をつかんでガッとスライドさせる。
はぐたんは動かず、紙が移動している。

どちらのタイムトラベルでも、はぐたんの主観では違いはありません。
違いがないんだから、(2)を採用してはいけない理由もとりあえずはないはず。
そして(2) 世界スライド仮説を採用すると、長年の謎が解決するかもしれない。

【停止した未来】
自然発生的な時間停止現象に見舞われ、ハグプリ世界は2043年に凍り付きます。
では2043年から先の未来はどうなっているんだろう?

●仮説1「未来も止まっている」
何らかの方法で2050年を覗き見ると、時間が止まって動かない人々の姿が見える。

●仮説2「未来はまだ存在していない」
2043年から先はまだ白紙。時間が止まっているので出現していない。

どちらも大きな問題を抱えています。
まず仮説1。2050年を覗いてみたら、2050年の姿が見える。それならば2049年を見たら2049年、48年なら48年…と輪切りにされた未来の様子が見えることになります。
細分化していくと、2043年12月31日23時59分59秒の姿→2044年01月01日00時00分00秒の姿→2044年01月01日00時00分01秒の姿といった具合に、未来がどうなるかを観測できる。
これって「時間が止まっている」のでしょうか。

あるいは2050年を覗いても、止まった2043年の姿がそのまま見えるだけ?
それって「2050年」なんでしょうか。「2043年」と区別がつかないのでは。

仮説2は「なぜ2043年が基準点なのか」が不可解です。
この記事を書いているのは2023年2月6日なのですけど、私が今ここで過去にタイムトラベルしたとして、「2023年2月6日以降は白紙だ」と主張して納得されるでしょうか。
「お前がいた時間が2023年2月6日だっただけで、ただの一般人のお前を世界の基準にする理由はない」と反論される気がしてなりません。

【停止した滅び】
別の角度からの疑問としては、「なぜ停止だったのか」もあります。
素直に「2043年に世界は滅びる」でいいじゃないか。

ジョージ達が行った「時間停止」と、2043年に起きた「時間停止」は別物です。
ところが両方とも「時間が止まる」と呼ばれているせいで、混乱を招いてしまっている。
何せ登場人物たる野乃さんですら勘違いし、ジョージに訂正される始末です。

未来に起きたのは時間停止ではなく「滅び」であれば、物語としてはすっきりします。
前項で書いたややこしい問題も解消するし、お子様にも分かりやすい。何故「時間停止」だったのか。

【世界スライド仮説】
上記二つの問題は、「はぐたんではなく、世界の方がタイムトラベル(スライド)した」とすれば、解決の糸口が見つかるかもしれない。

仮説
『危機に陥ったはぐたんは、世界全体を巻き戻した』

整理のために、まず人間が移動するケースで考えてみる。
ある人が意識のみ過去にタイムトラベルしたとします。この種の移動は「タイムリープ」と呼ぶことが多いので、以下はそう呼称します。

10年前にタイムリープした。おお若返ったぞと思いつつ、再度の10年間を過ごした。そして(未来は変わらず)再びタイムリープして10年前へ。
これを延々と繰り返すと無限ループです。

1日前にタイムリープするケースではどうか。これもSFではよくある「同じ一日を無限に繰り返す」系でお馴染みの状況です。

では0.1秒前にリープしたら?0.01秒前なら?
無限に同じ0.01秒を繰り返す状況は「時間停止」と区別がつかないんじゃなかろうか。

本題である、世界全体がタイムリープするケースに置き換えてみる。
2043年12月31日08時30分00秒00(仮)にはぐたんの能力が発動し、2043年12月31日08時29分59秒99に引き戻されたとします。
0.01秒が経過して2043年12月31日08時30分00秒00になっても、再度2043年12月31日08時29分59秒99に戻され、これを延々と繰り返されたら、「時間が止まった」と言えるのでは?

この状況ならば「2043年から先の未来はどうなっているのか」は説明が付きます。
未来として存在してはいるが、0.01秒毎に引きずり戻されるので、揃って一緒に巻き戻っている(止まっている)。
※この理屈だと、未来で時が止まったなら過去も時が止まります(後述)

【大人になんてなりたくない】
滅びではなく停止だったのは、はぐたんが望んだのが「明日を迎えたくない」だったからでしょう。
明日嫌なことがある、あるいは今日何かの失敗をした。だからもう一度今日をやり直したい。
「世界が滅んでしまえ」よりは自然な発想に思えます。

ストーリー的にはクライアスとの戦いの苦痛。
テーマ的には(ハピネスチャージと似たような)「中高生になって直面する課題」からの逃避。

はぐたんの本能的な力の暴走により、世界は散発的に停止し始めて、いよいよどうにもならなくなったところで世界全体が大きくタイムリープ。
結果、はぐたんの視点では「タイムトラベルした」ように見えた。

※先ほど書いたように、未来で時が止まったら過去でも止まる。逆に言えば、過去で動いているなら未来でも動いている。
はぐたんが2018年に引き戻した時点で、未来の時は動き出したのかもしれない。

ハグプリ本編でも何度か時間が止まりかけますが、基本的にははぐたんのピンチと連動しています。
ヤバい状況に直面した→時間を戻して逃げよう。これを繰り返していた。

更にいえば、はぐたんは2043年から2018年に一気に飛んだのではなく、2042年→2038年→2033年→2030年→2018年のように、段階的に「逃げ」ていたのかもしれない。この前提なら、下記を説明できる。

・ジョージがはぐたんを捕獲した理由
→捕獲しないと無限に過去に逃避を続けていく。捕獲すればそこで時間停止(極小のタイムリープ)する。

・未来の時間停止が解決不能である理由
→はぐたんを殺せば停止は解決しますが、そんな答えは野乃さん的にもプリキュアコンテンツ的にも絶対不可でしょう。

したがって、未来の時間停止は、はぐたんが未来に進む勇気を持てたなら解決する。
若かりし頃の母親と共に過ごし、失敗した今日を抱えて、苦難に満ちた明日を迎える勇気を貰った。だから未来に戻り、その先に進んだ。
実は未来の危機は、最終回の帰還のあの時点で解決していたのかもしれない。

【仮説のその先】
と、長々と書いては見ましたが、あちこち破綻や描写との不一致も目立ちます。
ただこれまでの「はぐたんがタイムトラベルした(ワームホール2本仮説)」では得られなかった観点が発掘できそう。精査してみたら、面白い発見があるかも。

参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
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(第1話)ひろがるスカイ!プリキュア「わたしがヒーローガール!?キュアスカイ参上!!」感想

2023年02月05日 | ひろがるスカイ!プリキュア
■(第1話)ひろがるスカイ!プリキュア「わたしがヒーローガール!?キュアスカイ参上!!」感想


(「ひろがるスカイ!プリキュア」第1話より)

20年目のメモリアルシリーズ。各種イベントや話題も盛り沢山で、満を持しての発進です。

主人公たるソラさんは、プリキュアになるべくしてなった超絶優秀な娘さん。本当に優秀です。
言動の一切が「ヒーロー」を体現しており、兵士を蹴散らす悪に生身で果敢に立ち向かいます。
相手がどんなに強くても正しいことをする。確固たる決意。それを実行に移す勇気。幼き頃から積み重ねた憧れと修練。

非の打ち所がない。それ故、そこが弱点なんじゃないかとすら思う。

従来シリーズであれば、冒頭の「ソラさんがスカイランド城下にやってくる」シーンには、「鳥の上でバクバク何かを食べて、お祭りが楽しみだと騒ぐ」「友達出来るかなと期待する」ようなのが入ります。今回はそれがない。彼女は純粋にヒーローを目指していらっしゃる。

ヒーローを目指すことは悪いことではない。彼女の想定するヒーロー像も完璧です。
何せ「泣いている子供を助けて、おうちに帰る」ですよ。絶対正義だ。

ただあまりにもヒーローとして完璧であるが故に、従来の「プリキュアって言ったって、普通の女の子なんだよ!」を知っている私らとしては、不安を覚えます。
リアル世界でいえば、過労死の危険がある状態。

最初期の視聴者は、現在20台半ば。就職という激動を経験し、社会の洗礼を受け、自分の道を歩み始める年齢です。
自分なりの「理想の仕事像」を持ち、それに邁進する。おそらくは正しい。だけどそれで良いのか?
現代の感覚だと、ワークライフバランスは常識です。

ただ難しいことに、一点集中を貫くプロフェッショナルへの憧れも現にあります。第1話を見る限り、ソラさんは完璧に「正しい」。
「もっとお祭りの食べ物とかに興味を持とうよ」と言ったところで、「いえ、筋トレに邁進していたおかげで、パルクールで敵に追いつけました。今日のトレーニングがあるので失礼しますね」と言われたら納得せざるを得ない。

これまでのメモリアルシリーズを振り返ってみると、

・ハピネスチャージ(10周年。最初期の視聴者が中高生になった頃)
子供時代に「プリキュア」を見て憧れていたあの世界は虚構だった。現実には様々な不運や悪意があり、愛や夢が叶わないことも多々ある。
だけどあの時抱いたイノセントな想いは本物だったはず。
「プリキュア」は確かに無力だけど、それでもずっと傍にいる。だからどうか愛と勇気を忘れないで、立ち上がって。

・HUGっと!プリキュア(15周年。最初期の視聴者が就職や成人を迎える)
懸念されていた破綻が遂にやってきた。これまでの努力は、不可避のイレギュラーで薙ぎ払われた。子供時代の想いなんてガラクタも同然。
だけど、私がなりたかった私は、こんなことで心を折られたりはしない。
無駄でも何でも、ここまで頑張ってきたんだ。だから私たちは諦めない。

端的にいえば、暗い影を背負っています。
元々プリキュアは「未来は破綻していて、それは絶対に回避できない」を前提にしている節がある。
たとえば「スマイル」でいえば、敵を倒してもバッドエンドの針は進む。楽しかった夏休みもいずれは終わる。5人が大切にするものも、いつかは終わることが示唆されているものです(そして小説版ではその終わりが描かれた)。

ハグプリで一旦ここに決着がつき、スタプリからはその破綻した未来をどう生き抜くかが描かれていたように思えます。
イマジネーションと共に色々な経験をし、前に進むために時には何かを切り捨てて、いまはまだ明確な目的や計画に拘らず目の前の一番大事なことをやり、表面的な手段に囚われずに様々なリソースを取り込んで成長しよう。想定年齢20代前半から半ばぐらいまでの心構えとして、物凄く納得できる。

異邦人のソラさん(スカイランドの中でも異邦人。彼女は田舎?から城下町にやってきた)はあちこちを見学、体験して学ぶフォーマットを自然にとれますから、上記の展開も自然にできます。
仮面ライダーや戦隊ヒーローの例でいえば、歴代プリキュアの元を巡って、学んでいく形式もなくはなさそう。

これらを踏まえると、ソラさんの語る「ヒーロー」がバッド要素なのかグッド要素なのか難しいです。

ケース1「バッド要素」
「私の思っていたヒーロー像は間違っていた」として、軌道修正する展開。
たとえば「ヒーローたるもの、一度決めたことは曲げない」のような信念を、「時には柔軟に変えるべきだ」に修正するような。

ケース2「グッド要素」
ヒーロー像は間違っていない。それを補強するような展開。
先の「ヒーローたるもの、一度決めたことは曲げない」の例でいえば、「そして正しく決めるには、様々な経験がいる。私はもっと趣味を持とう」といった感じ。

15周年までの感覚(負の要素がにじむ)だと前者、ただその先を描いた20周年だから後者?あるいは全然違う展開?と思考が止まりません。
とりあえず最初の材料としては、ソラさんの仲間への認識かなと思う。一人で戦うつもりなのか、仲間を歓迎するのか。
特にバタフライさんとは価値基準が違いそうに見えます(偏見)から、どういう反応をするか楽しみです。

個人的にスカイさんの好感度がすこぶる高いこともあって、20周年のこの1年を目いっぱい満喫したいです。
色々書きましたけど、第1話のスカイさんは大変に格好良かった。特に初変身直後の拳を握るところ。望んでいた力が遂に。さて、戦うか。と振り仰ぐ(冒頭の引用画像のシーン)。果たして彼女の想いを通じるのか。
卑近な例でいえば、「幼いころから病人を救いたいと思っていた人が遂に医師になった」のような感じでしょうか。無力な子供を卒業し、念願の表舞台に立てた。温めてきた信念と努力が花開く。さあ戦いはこれからだ。ヒーローの出番です!

【追記】
うまく言葉にできませんが、ハグプリまでのシリーズが「子供時代(プリキュア)を卒業して社会人へ」だったとしたら、今作は「子供時代を卒業して社会人(プリキュア)へ」の視点なのかも。「プリキュア」に象徴されるものが入れ替わってるなら、こちらも意識して視聴しないと過去の幻影を引きずってしまいそう。
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「プレシャスな人生の物語」: HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2023年02月04日 | ハグプリ最終回考察
ハグプリというよりデパプリの話ですが、最終回記念で。


(「デリシャスパーティ♡プリキュア」第45話より)

『あなたの人生の物語』というSFがあります(テッド・チャン作,ハヤカワSF文庫)。人生観にもちょっとした影響を受けたぐらい大好きな小説で、『メッセージ』という邦題で映画化もされています。

内容としては、「過去・現在・未来は同時に存在している」という物理学および哲学の『事実』が元になっています。

ある時、地球に「過去・現在・未来」を同時に認識できる宇宙人がやってきた。彼らには時間の流れはなく、私らが過去を「既に起きたこと」として思い返せるように、未来についても確定した事実として認識できている。「未来に干渉できる」といったことではなく、「既に起きたこと」として把握しているイメージです。
その宇宙人との通訳を任じられた言語学者が、彼らとの対話を通じて同様の時間認識に目覚め、これから生まれる自分の娘との未来の「思い出」を語る物語です。

実際に読んでいただくのが早いのですが、この語りのイメージは和実さんの祖母のナレーションに通じるものがあります。
お祖母ちゃんは他界していますから、素直に解釈するなら、あのナレーションは死後の世界だか霊魂だかの語りです(文字にすると無粋ではありますが)。
デパプリは「(例えば愛のような)無限のリソースを如何に受け取るか」が課題になっていて、最終盤での「死んだ祖母とも会話(死後の世界すらも力にできる)」は非常に熱かった。
ただそこをあえて『あなたの人生の物語』風に踏み込むと、「20年前のお祖母ちゃんが実際に語っている」でも面白いんじゃなかろうか。

お祖母ちゃんの愛は孫娘の「過去・現在・未来」を同時に認識できる領域に到達していた。ナレーションや最終決戦での対話は、「それが起きると知っていた」お祖母ちゃんが20年前に語ったもの。
この領域に和実さんも届いたので、過去のお祖母ちゃんと対話できた。過去とのタイムトラベル通話とかそういうことではなく、「お祖母ちゃんはこう言った」と「知っている」し、「孫娘はこう言う」と「知っていた」からの対話です。

もしも未来を、過去や現在と同様に認識できるなら、未来のリソースすらも扱うことができ、世界が一気に広がります。自分だけで解決するより、他者も頼った方がいい。
SFを発端に書きだしたので堅苦しい表現になっていますけど、要は「未来に託す」も根っこは同じです。

ジンジャーさんは未来で異変が起きると「知っていた」し、活用してくれると「知っていた(信じた)」から蓄積装置を作った。
後者の「知っていた」は「予知」「未来視」ではありませんが、結果としてはそれらと区別がつきません。
(ついでにいえば、巨大招き猫の動きは「未来で現れる敵はフェンネル」だと知っていた(信じた)と考えた方が、自然とも思えます。ジンジャーが言葉を尽くしてフェンネルを説得するよりも、決戦を通じての納得を知っていた(信じた)のでしょう)

起きると分かっている困難の解決を、未来の子たちに任せるのは無責任と言えば無責任です。でもそこを託す。プリキュアとして戦ってもらうことすらも心苦しく思っていたマリちゃん世代より、一歩先をいっています。
限定された過去世代・現役世代だけでなく、無限に続く未来の世代と力を合わせられれば、まさしくリソースには限りがない。

デパプリは、ジンジャーやお祖母ちゃん⇒マリちゃんやシナモン⇒和実さんやブラぺ⇒コメコメ達と、次の世代に継承していく物語ともいえます。
SF視点で言語化するのは似合わないとは思いますけど、「偉大なる師匠やお祖母ちゃんは、未来のリソースすらも使っていた(次世代の力を信じていた)」はスケールが大きくて良いかもしれない。

※時間は流れていないはずなのに、実態として私らは明らかに時間の流れを認識しています。
原因として、今まで読んだ本では「脳は時間経過をガバガバに組み立てて捏造している(例:ボールを見てから打ち返したような錯覚、間隙を実際には存在しない事柄で埋めようとする等)。」「エントロピーの増大は基本的に不可逆。この増大の流れや、それに抗う生命維持の反応が時間の流れとして認識されている」等々と提起されていました。
参考:「時間はどこから来て、なぜ流れるのか?(吉田伸夫)」「時間はなぜ取り戻せないのか(橋元淳一郎)」

【えみるの人生の物語】
少しハグプリにも触れますと、未来から来た人たちは「これから起きること」を「思い出す」ことができます。
特にルールーはアンドロイドなので、記憶の認識が我々とは大きく異なっていてもおかしくはない。
彼女の残した言葉「未来で待っている」は色々な解釈ができ、いまだに妄想が膨らみます。

参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
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「episode14:流星の記憶」マーメイドメロディーぴちぴちピッチ aqua(なかよし2023年3月号)感想

2023年02月03日 | マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ
■「episode14:流星の記憶」マーメイドメロディーぴちぴちピッチ aqua(なかよし2023年3月号)感想


なかよし 2023年3月号 [2023年2月3日発売]【電子書籍】[ なかよし編集部 ]

劇中季節は謎なれど、年に1度のフェスティバルなるものが開催され、一行は水着で海辺にぞろぞろと。
男女問わず水着まみれサービスカット満載です。まぁ普段のマーメイド姿の方が露出度が高いというバグを抱えた漫画なのですけど。
しかも9人中マーメイド4匹+マーマン2匹で、水に入れるのがヒッポを含めても3人だけ。何しに水着に着替えてここに来たんだ。

そんな中、ナム様はるきあさんに良いところを見せようと、黒砂くんに勝負を申し込みます。己の使命を忘れない良い奴だ。
勝負方法は水泳です。マーマンがヒトに泳ぎの勝負を持ちかける。卑劣すぎていっそ清々しい。

これら一連の様子を、星羅さんは根城からじっと観察していました。
今回の敵は情報戦を完全に制しています。つくづくイズールさんは何やってたんだろう。

勝てない勝負を知る由もなく、懸命に泳ぐ黒砂くん。その様子をじっとりねっとりと観察する星羅。
くだらないと思いつつも、胸に沸き上がるもやもやイライラ。これって何?

ローラン:
「…それはしっとだな」

嫉妬なんだろうか?
こっちが必死に世界の平和だのを悩んでいるのに、あっけらかんと海遊びしてる連中みたら、イラっと来ても不思議はないと思うのですけど。

ですが星羅さんは激しく動揺。嫉妬!?このわたしが!?そんなはずないわ…!
メラメラと燃え上がるオレンジの炎。怖い。沙羅っぽい幻影が沸き立っててすんごい怖い。
ローランの星羅操作術すごいな。

苛立つ星羅に呼応して、泳ぐ黒砂くんに謎の海藻が絡みつく。今回の敵は超長距離から遠隔攻撃してくるのか。もはや戦いにならないのでは。

ローラン:
「この海藻が星羅 おまえの本音…」
「フフ ほんとはこの男をひとりじめしたいのか?」

星羅:
「…だまって!」

いやもう本当に、星羅を煽るのはやめて欲しい。その一族、拗らせると本気で世界を滅ぼします。
ピンク人魚VSオレンジ人魚にガチで進む気なんでしょうか。
前作の水色VSオレンジは、結果的に波音さんが退いたから解決しましたが、両者ともに譲らなかったらどうなっていたことやら。

そんな背景を知ってか知らずか、海藻まみれで苦しむ黒砂くんを見て、さすがにナム様は心が痛んだ。これを見捨てるのは卑怯じゃね?良かった、最後の良心は持っていらっしゃった。
そして一瞬迷ってる間に、飛び込んで来たるきあさんが黒砂くんを救出。助けられた黒砂くん、幼いころに助けてくれたマーメイドがるきあさんだと特定しました。
ナム様、一瞬の判断遅れが致命傷になったな…。ナム様が助けてれば、何か妙な勘違いをした別ルートもあったかもしれないのに。

こうして何だか分からない内に、星羅が嫉妬の鬼と化して敵対し、るきあさんと黒砂くんのラブラブ展開が扉を開け、ナム様がるきあ奪取にガチになられました。
落としどころがさっぱり分からない。
あと白王子はさんごさんルートに進む気なんでしょうか。大分意味深な登場をしていたのに、これでただのヒトだったらどうしよう。
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