夢原さんパートを見てきました。
■映画ヒーリングっどプリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!
(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第1話CMより)
花寺さんたちが東京にやってきたのと同日同時刻。
夢原さんたちもまた東京駅に降り立ちました。目的は春日野さんが出演するTGCのステージ。あとシュークリーム。
そして花寺さんたちと合流し、本編ストーリーへと流れるのですが…。
まず「夢原さんたちが全く完全に別行動をとっている」のがテーマ的に熱いです。
ヒープリのテーマ「各自が生きるために戦う」「見返りを期待したのではなく、結果的にお互いに助けになる」の構造そのまま。
メタ的に再現されていて、それだけで圧倒された。なるほど、ヒープリ映画でやるのが物凄くぴったりの演出だ。
プリキュア5の視点でも満足。「夢を目指すとき、人は一人だ」「でもどこかで頑張っている仲間がいれば私も頑張れる」。
夢原さんらは頻繁に「キュアグレースがいるはず」「助けてくれるはず」と信じています。
その信頼に応えて花寺さんは現れたし、駆け付けてくれた。
夢原さんが捕まったのは「エゴエゴと取引したから」。
本編映像だけだと「ココナツを人質に取られたから」かと思われたのですが、やっぱり違った。あの子らに人質は効かない。
交渉をしかけたのは不思議といえば不思議。ですがおそらく「エゴエゴは悪ではない」と見抜いていたんだと思います。
彼は一貫して夢を語っている。「強い」や「偉い」はそれ単体では「悪」ではない。現にエゴエゴは夢原さんとの約束を守り、夢を解放しています。もしエゴエゴが裏切ったら?は愚問でしょう。夢原さんはその辺を完璧に見抜くし、よしんば嘘ついたらあの状況からでも「絶対許さない!」発動からの逆転してたと思う。
実際「もう夢のつぼみを集めない」とは約束させていない。エゴエゴも「集めるかも」とちゃんと伝えている。でも大丈夫。もしそうなっても、ヒーリングっどプリキュアがいるから。
そしてこのやり取りを全く知らなくても、花寺さんたちは来てくれた。だから大丈夫。
国立競技場の高跳びのシーンと被さってるのも素晴らしい。花寺さんらが「他者を想う気持ちは強い」と感動していたその同時刻、マラソンした後「他者の夢」を使ってエゴエゴが反撃を試みる。対比が強烈です。
その上で夢原さんは他者のために行動した。他者を想う力は、強い。
「プリキュア5」の映画としても満足できるし、「ヒープリ」のテーマをメタ的に再現しているしで、とにかく素晴らしかった。
ただのサイドストーリーではなく、独立しても複合的にも楽しめるって凄い。
この手法はぜひ次回も継続して欲しいです。
【野乃さんの暗躍】
夢原さんはどうして「キュアグレースが東京にいる」と知っていたんだろう?
「はなちゃんから聞いた」とのことですが、では、野乃さんはなぜそんなやり取りをしたのか?
野乃さんがプリキュア5がこの日に東京に行くことを知る機会はある。
たぶん夢原さんが「うららのステージがあるから応援よろしく!」的なのを連絡したんでしょう。「春日野うららのファンだ」的なことを、以前あったときに話していますし。(結果的に誰も来なかったあたり、レモネの人望…。)
その際に「ごめんいけない。あ、でもそういえば新しいプリキュアのキュアグレースが、その日に東京に行くんだって」のようなやり取りがあったのかもしれない。
では花寺さんが東京に行くことを、野乃さんはどうやって知ったのか。
おそらく花寺さんから「今度東京に行くよ!」的な連絡があったんでしょう。それほどおかしくはない。
さて若干ひっかかるのは、野乃さんはなぜ事前に2チームを紹介しなかったんだろう?
夢原さんたちはプリキュア名「キュアグレース」しか知らず、本名や顔の情報は持っていないように思えます。
(正副それぞれ1回ずつしか鑑賞していないので、記憶違いだったらごめんなさい)
・路地で変身しようとしている花寺さんらを見て「あの子たちがヒーリングっど?」とあたりをつけています。が、前後の状況を見れば、顔を知らなくても予想はできる範疇だと思う。
・「あとでホテルに連絡する」と言っている。普通に考えれば、本名が分からないとフロントはつないでくれないはず。ただこれは後で野乃さんに聞けばよいだけなので、この時点で知らなくても矛盾はない。
知らなくても変ではなく、一方で「ヒーリングっど」のチーム名をうろ覚えなことから、あまりしっかりした情報はもらっていないと予想されます。プリキュア名・本名・顔の情報が揃っているのに、チーム名があやふやというのは、ちょっと夢原的でない気がする。(逆に、仮に情報が揃っているのにうろ覚えだったのだとしたら、後述のブンビー呼称問題と同様に「プリキュアというだけでは無条件には信頼しない」という強烈な意味が出てくるので、それはそれで熱い)
では何で野乃さんはそれを伝えなかったんだろう?というかプリキュア名の情報だけで、何で会えるかもと思ったんだろう?
「個人情報なので勝手に教えるのは避けた」はありそうには思う。そういうの大事。でもそれなら、どちらかのチームに了承をとればよいです。
「初対面同士で会ってもやることないし」みたいなのもなくはない。お互いに予定もあるだろうから、プリキュアというだけでわざわざ会いたがるかは疑問です。
ただ「春日野うららがステージに立つ」「そのイベントを花寺さんらは観光する」のだから、野乃さんの性格的にも「だったら一緒に応援するのがよい」と考えそう。
それならば何故?
まぁ「野乃さんがうっかりしていた」とか「普通に本名も顔も知っていた」等の可能性もありますが、せっかくなので「野乃さんはこの騒動が起きるのを知っていた」とでもしたい。
野乃さんはタイムリープ能力があるようなので(参考:
「時をかける野乃はな」)、未来の情報を持っており、この事件が起きるのを知っていた。だからわざわざ教えなくても巡り合えると分かっていたので、あえては本名等を教えなかった。
これが正しいかはともかく、「プリキュア同士で情報交換している」描写があったのはちょっと感動しました。
あの子ら、そういうことやってなさそうで、時系列とかの考察をするときに障壁になってた。そうか「新しいプリキュア」情報ぐらいは連絡するんだ…。
今回のが「連絡はするが本名までは伝えない」=「プリキュアといっても適切な距離感はある」事例だったのか、「普通に細かく連絡しあう」=「プリキュア同士は仲良しで詳細に情報共有する」事例だったのかは分からないですが、「全く連絡しない」は消えた。前進。
それに、聞いた相手が野乃さんです。星奈さんではないし、別の誰かでもない。
この時点で夢原さんは星奈さんと面識はあるんだろうか。なんともわかりませんが、「確実に知っているとは言い切れない」だけでも情報としては大事です。
「はなちゃんから聞いた」のあの一言は、何気にかなり興味深い。
【いつかどこかで】
夢原さんはブンビーさんのことを何と呼ぶのか?
地味に謎だったそれが、ついに明らかになりました。
夢原さんは「敵」認定した相手は徹底して拒絶する。名前なんか認識してすらあげない。
ブンビーさんのことも「ナイトメア」「エターナル」と組織名で呼び続けました。
だからこそ最終決戦時の「ブンビーさん」呼びが感動的だったのですが…。
久方ぶりの再会をしての第一声は「誰だっけ?」でした。夢も希望もなかった…。
それでも懸命に思い出しての第二声は「ナイトメア!」。現実は残酷だった。
思わず涙しましたが、その後のエゴエゴとの乱戦時には「ブンビーさん」と呼んでくれた。
ブンビーさん、やっと認めてもらえた。
そのブンビーさんによれば「ナイトメア、エターナルを経て起業し、クライアスに派遣されていた」そうです。
以前に書いた記事(
「ブンビーさんの就職活動」)の答え合わせができた。
「ハグプリ」36話にて「引き抜かれた」と語っていたので正社員かと思い「じゃあブンビーカンパニーはどうなったんだ」と思ったのですが、そういう経緯だったらしい。
これによりヒープリ映画の現在時刻が、「5」「GoGo」より後なのは確定しました。「ハグプリ」より後なのかははっきりしない。少なくとも36話やミラクルリープよりは後と思われますが、ジョージとの決戦後かは不明。
「ブンビーさんはエターナル戦後から、夢原さんとは会っていない」のも判明。
「DX2」やハグプリ36話等、会っていてもおかしくはなさそうなのですが、わざわざ顔を出したりはしなかったらしい。
【その他諸々】
エゴエゴを見たブンビーさんは「カワリーノさん!?」と誤認。姿かたちは全く似ていないことを思うと、やや唐突です。
カワリーノさんが生存していると知っていて常々可能性を考慮していたのか、カワリーノさんのことがトラウマすぎてフラッシュバックしたのか。この発言で「カワリーノさん似の部下」がカワリーノさん本人の可能性がちょっと上がった。
サービス的な一言を掘り下げるのも野暮ですけれど。
ナッツハウスは、意外に東京に近いらしい。
彼女らのセリフから東京駅にはそれなりに頻繁に来ているようです。また、仕事を片付けてからココナツがやってこれるくらいの距離。
夢原さんたちが現実の地名を口にすることすら珍しいので、「東京近くにサンクルミエールがある」と分かったのはちょっと新鮮。
ドリームアタックを初め、色々なことが急激に動いた感があります。実に濃い時間だった。
参考:
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感想:(ヒープリ編)映画ヒーリングっどプリキュア ゆめのまちでキュン!っとGoGo!大変身!!