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「ジェロスの輪廻」: HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2023年01月11日 | ハグプリ最終回考察
年代・年齢に関わるネタは、全員集合がありそうな20周年記念作が始まる前に吐き出しておいた方が良さそうだったので、書いてみる。


(「HUGっと!プリキュア」49話より)

クライシス幹部・ジェロスさんは何歳なんだろう?

[1] 見た目からの推察
最終回2030年の姿および声の印象だと、えみる(小6)より私の感覚では幼く見えます。仮に10歳としよう(もっと下にも思える)。
2030年時点で10歳ならば、クライアスとして活躍する2043年(推測)では23歳です。

さてジェロスは老いに怯えるキャラクターです。
果たして23歳(あるいはそれよりも若い)で、あそこまで強迫観念に駆られるものだろうか?

※ジェロス救済回の45話にて、「売れ残りのクリスマスケーキ(行き遅れを揶揄する古い表現)」が出てきます。
2030年時点で12歳、2043年で25歳だとすれば、ちょうどぴったり合致するのですが、上述の通り、姿と声からはえみると同年齢とは思い難いので「10歳」として進めます。

現代日本でいうと、23歳は大卒直後。老いは意識しないというか、むしろ「社会人最年少組」ですから大学時代より「若返った」感覚を抱いてもおかしくありません。
壁として意識されがちなのは「30歳」で、ジェロスの悩みは5年早いように思えます。

[2] 名前からの推察
「ジェロス」の由来は「ロストジェネレーション(就職氷河期)」。
該当するのは1970年~1983年頃の生まれの人で、2018年時点で35~48歳です。これは本編中のジェロスのイメージとかなり違う。

同様に、
:パップル(バブル。1990年前後。その当時に22歳とすると、2018年では50歳)
:ダイガン(団塊の世代。1947年~1949年の生まれ。2018年では70歳)
ともずれています。
印象で決めつけてしまうなら、15歳~20歳ほどおかしい。

ハグプリは15周年記念シリーズですから「15」に意味があると狂信して差し引くと、

:パップル35歳
:ダイガン55歳
:ジェロス27歳(20歳~33歳の真ん中として)

この方が違和感がない気がする。
まぁ「20」を引けば23,24歳になるんですから我田引水もいいところですが、パップルの年齢がおかしなことになる(本編で30歳だとすると、2030年時点で17歳。最終回のあの容姿と言動で未成年とは思いづらい)ので、とりあえずは先に進めたい。

【5年の遠回り】
これらから、強引極まりないですが「2043年時点で23歳のはずのジェロスが、実際には27歳くらいに思える(約5年ずれている)」という謎が出てきます。
劇中で何も説明されていないので、更に強引に仮説を進めます。

仮説『ジェロスは2018年を2回繰り返している』

私の考察では「2033年に野乃はなに不幸が起き、悲嘆したジョージが2018年に逃避した」「最終決戦の後、妻・野乃はなを救うべく2033年を目指した」を採用しています(参考:「ジョージの別れと再会」)。
このジョージのタイムトラベルに、幼いジェロスも一緒についてきていたんだ。

2030年(10歳):最終回のあの子

2033年(13歳):ジョージのタイムトラベルにアクシデントで巻き込まれて2018年へ。
2019年:決戦後のジョージと共に過ごし、再度の2033年を迎える。

2033年(28歳):野乃はな救済を目指すジョージを横目に、この時代のジョージ(および幼少の自分)と共にタイムトラベル。
動機としては、共に歩む15年の間にジョージに恋心が生まれ、彼が野乃はなの元に向かったことに絶望したから、とか。
2018年:クライアス幹部になり、プリキュアと戦う。

これだと推定した27歳と近い年齢になる。
突拍子もなさそうでいて、この説には地味に利点があります。

① クライアス幹部がジェロスの出自を知らないことの説明が付きます。
ジェロスは2043年を生きていないので、パップル達から見れば全くのイレギュラー。知らなくて当然です。

②入社のきっかけは「ジョージがスカウトした」こと。
上記仮説の経緯であればジョージが重用しても不思議はなく、ぽっと出なのに重役に昇進したことや愛人関係も理解できます。

③45話のジンジンとタクミとの回想で出てきた「若かりし頃の貧乏生活」が自然に受け入れられます。別時代の人間だったので就職等で著しく不利だった。だから生活が苦しかった。

タイムトラベルなどせずに普通に2043年まで過ごしたのだとしたら、20歳ごろの男女が共同生活と思しき暮らしをしていることになり、親御さんの事情などなど面倒くさい背景が必要になってきます。ちなみに同シーンの「カセットコンロ」等の描写も、2040年頃の未来というより2030年と言われた方がそれっぽい。

なお「パラレルや歴史改変によりジェロスが過ごした未来は書き換わったので貧乏生活も無くなった」とすると、三人を再度結び付けた思い出が消滅したことになります。それはさすがに色々と台無しじゃなかろうか(故に「未来が書き換わった」「別の世界線」説には否定的です)。

④ジェロスの強迫観念は、「同じ時代を繰り返し経験している」「ジョージは自分の元を去ると知っている」「変えられない結末を理解している」が背景にあるなら分かる気がする。

⑤チャラリートの挫折のきっかけが推察されます。
最終回にてジェロスと同時に映っていますから、2043年時点で23歳ぐらい。個人的には違和感はないです。なので、彼はタイムトラベルとは関係なく、そのまんま2043年まで生きたと思われます。
ジェロス達とは2033年で生き別れた(彼の視点では死別)ことになり、これが彼の心に影を落としたんじゃなかろうか。

亡き友人達の意志を継ぐつもりで、そこだけは必死になってアカルイアス(後のクライアス)に入社したのであれば、自己肯定感の低さと一流企業(?)クライアスの管理職であることの整合性も取れそう。また、前述の45話の貧乏生活にチャラリートだけいないこととも辻褄が合う。
ジェロスと再会したチャラリートが特には反応を示していない理由は、「気づかなかった」で済みます。こんな奇天烈な経緯に気づける方がおかしい。

以上。
仮説に次ぐ仮説で、本編描写とあちこち矛盾や齟齬もありそうですが、「ジェロス2周目説」はちょっと目新しいんじゃないかと思う。

【補足】
ジェロスの年齢を5歳分調整する仮説としては、他に「クライアスは2043年ではなく2048年の出来事」説も考えられます。これなら素直にジェロスが20代後半になる。
ただ「トゥモローさんが18歳」「パップルが40歳手前」になってしまい、ありえないとまでは言わないにしても、少々苦しい気がする。

参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)

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