穴にハマったアリスたち

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(第35話)トロピカル~ジュ!プリキュア「わくわくハロウィン!負けるな、まなつ!」感想

2021年10月31日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第35話)トロピカル~ジュ!プリキュア「わくわくハロウィン!負けるな、まなつ!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第35話より)

ローラのデビル娘等々の仮装はすこぶる可愛いとはいえ、本人の言う通りインパクトには欠けるのでフランケン人魚は正しいと思うのですけど、あれは「ローラは人魚」があってこそのネタではなかろうか…。
夏海さんの「自分らしい勢い任せも大事」に引っ掛けてるのかしら。

「今一番大事なこと」を優先して突っ走った結果、夏海さんは大失態。人格崩壊レベルの大混乱を招きました。割と洒落になっていない。
思い返せば彼女はこれまで、やることなすこと結構な頻度で失敗しています。が、彼女のやりたいことや初期アイデアを元に、周囲が軌道修正してより良い結果に導いている。サンドアート大会然り、ローラの救出時の顛末然り。

これまでのプリキュアの多くが「目指したい夢(結果)があってそれに向かって努力」等だったのに対し、夏海さんは「今やりたいことがあって、それが具体的な結果(夢)に繋がる」構造。ちょっと取っつきがたい気もしますが、「お手伝い」が信条の「ハートキャッチ」と組み合わさるとパフォーマンスが物凄いです。

桜川先生や校長先生、以前にも参加してくれた柔道部等々、周囲の人々の「お手伝い」がないとイベントは成功しません。
「やる気をなくして倒れる」も「(周囲が倒れると)夏海さんがやりたかった今一番大事なこともできなくなる」に掛かっているのかもしれない。

ところで今回、生徒会長もハロウィンに参加しています。
トロピカる部主催(どこまでが部の企画なのか定かではありませんが)なのに、わだかまりは多少は解けたんだろうか。

【あとまわし】

相変わらず「あとまわし」が謎のまま。
今回の話でいえば「やる気パワーをカムバックさせるのをあとまわしにする」のが正解でした。必ずしも「あとまわし」は否定されていません。

次回はようやく人魚の国に行ってくれるようなので、少しは謎が解けると期待したいです。
そもそもこの子ら、何で地上で戦ってるんでしょうね。発端は「グランオーシャンを守る」なんですから、もっと頻繁に海の国に巡回に行くべきじゃないかしら。

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(第34話)トロピカル~ジュ!プリキュア「夢は無限大!大人になったら何になる?」感想

2021年10月24日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第34話)トロピカル~ジュ!プリキュア「夢は無限大!大人になったら何になる?」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第34話より)

番組開始当初から言われていた疑問「あとまわしと今一番大事なことの違いは何なのか」。
勉強より先に遊ぶのは、勉強を「あとまわし」にしているのか、「今一番大事な」遊びをしているのか。
遊びより先に勉強するのは、遊びを「あとまわし」にしているのか、「今一番大事な」勉強をしているのか。

すぐに思いつく「計画性の有無」「全部やる」は早々に否定されています。
では何かといえば、おそらくは「将来につながるのか」なんでしょう。「役立つ」というより「発展性」の観点で。
「常に好奇心と行動力を持って、今を楽しむ」と言い換えても良いのかも。

夏海母のネイリストの夢は実現していません。でもその時に興味を持ったおかげで「妙にネイルの上手い母」に続いている。
島にいったことは結婚に繋がってるし、水族館に就職したことが夏海さんが島を出るきっかけになっている。
これらは計画的にやったことではなく、その場その場で今一番大事なことをやり続けた結果です。

私事でいえば、ハグプリ考察をやったおかげで時間モノの知識が広がったし、トロプリの影響で人魚の民俗誌もちょっと詳しくなれた。
15年前に玩具を買ったときはそれで子供が遊ぶなんて考えなかったし、自分が昔やってたことが思わぬ形で活きることは多々あります。
同時に「あとまわし」にして失ったことの後悔も強烈ですけれど…。

翻ってエルダは、先に続かない遊び方をしています。くるるん(何か知らんが沸いて出てきた)とコミュニケーションをとっていれば、少しは違ったのかもしれない。
ただヌメリーさんたちのフォローは、間違いとは思えないんだよな…。

厳しく言うなら、あとまわし陣営は明確に「悪」なので肯定できません。やる気パワーを隠し持っていたのだから、救済されていない被害者がいます。が、今回の描写は素直に「良いフォロー」に見えます。
ヌメリーさんが差し出したのは「タンス預金していたやる気パワー」だそうで、これも「あとまわし」の一種です。報告や提出をあとまわしにした。「タンス預金」が「今一番大事なこと」になるとも思えない。でも今回の描写では「良いこと」に見える。

家出も、長い人生の観点ではプラスになる「今一番大事なこと」とも言えます。ヌメリーらも面倒なので探しに行かなかったのではなく、大事な経験だからと見守る観点で行かなかったんでしょう。では「あとまわし」陣営も、本質的には「今一番大事なこと」をやっていて「あとまわし」にはしていないのかしら。

「今一番大事なこと」が何なのかは見えてきたけど、「あとまわし」が何なのか分からない。魔女様は何をあとまわしにしているんだろう?
「未来の可能性を閉ざすようなこと」=「あとまわし」だろうか。

●映画の感想を書きました。
感想:映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪

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感想:映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪

2021年10月23日 | プリキュア映画シリーズ
■感想:映画トロピカル~ジュ!プリキュア 雪のプリンセスと奇跡の指輪


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第33話CMより)

いつものようにヤラネーダを撃破し、やる気を取り戻していたら、シャンティア王国の戴冠式に招待されました。
だけどそこのシャロン王女には思惑があって…。

【詳しい事情はわかりません】

今作の目玉のひとつ、ハートキャッチの参戦。
ハトプリのテーマは「通りすがりには詳しい事情はわからない。だけどお手伝いならできる」。本質的な解決はできなくても、立ち上がるきっかけは与えられます。

これが見事に玉砕した。ハトプリ理論が機能しない状況がばっちりがっちり用意された。

ローラへのアドバイスが滑ったのは、「正体が人魚」を知らなかったからでしょう。ローラのファッションセンスが壊滅しているとは思いがたいので、おそらく海の世界ではあれがフォーマルと思われます。水中ですからヒラヒラしたリボン系より、固い小物が映えるのかもしれない。

対シャロン戦はもはや惨いとしか。事情を知らない、知っても解決できないハトプリでは王女を救うルートがありません。

【今一番大事なこと】

トロプリも似たテーマを抱えています。
今一番大事なことが将来どんな役に立つかはわからない。でも何かの役には立つ。

変身バンクは猛烈に熱いです。
この敵に、ハトプリは勝てない。では似て異なるトロプリは?
何せ長大なフルバンク。音楽も壮烈に鳴り響く。勝てるのかトロプリは。勝てるとしたらどうやって?ブロ子はあてにならないから、頼むよトロプリさん…!
焦らしに焦らされ、高まる期待と恐怖。バンク演出そのものが良いこともあって涙で滲む。

そして案の定というか、格好よく駆けつけたハトプリは崩壊。弱いわけではない。変身バンクも音楽もやたらにすごい。だけどテーマ的に無理だ。

「お手伝いならできる」と「今一番大事なこと」の衝突。
よくある「○○VS✕✕」は「戦ってないじゃないか」と言いたくなるものも多いですが、これは正しく「ハトプリVSトロプリ」。技が当たったとかそういう意味でなく、この局面のこの立ち位置ではテーマがぶつかってしまってる。

【ハトプリとトロプリ】

「今一番大事なことをやれば、気持ちが伝わる」のがトロプリ。
「気持ちが伝われば、お手伝い(今一番大事なこと)ができる」のがハトプリ。
まだ上手く言語化できないけど、ざっくり言えばこんな感じだろうか。

解決の突破口はローラと王女の交流だった。
ローラはこれを見越して接触していたのではない。王女も素で友情を感じています。両者ともに打算はない。今一番大事なことをやった。その結果、気持ちは伝わった。

それができる存在がいるなら、ハトプリは息を吹き返します。
映画「花の都」におけるオリヴィエ=ローラの立ち位置です。花咲さんはローラと王女の関係性なんて知りません。が、よく分からんが何かがあるらしい。だから手伝った。

ラストシーンで花咲さんがローラにハンカチを差し出すシーンは、オールドファンには感涙もの。かつてパリ市民から差しのべられた手を、今度は花咲さんが。

トロプリチームをパワーアップさせる流れも、パリの戦いを彷彿させます。
でかいトカゲと戦う謎の娘さんに、事情が全く分からぬままパリ市民はお手伝いをしてくれた。
雪の王国に現れた謎のトカゲ(奇しくも同じ爬虫類系)との戦いに、戦局は全く分からぬまま花咲さんは力を送った。

お互いにお互いの不足を補う素晴らしい共闘。前回のヒープリ・プリキュア5もそうでしたが、先達が勝てない状況を覆すのが熱すぎる。
かといって先輩が貶められているのでもない。今回もトロプリだけでは(テーマ的にも)勝てなかった。

ハトプリがかつての戦いを切り抜けられたのは、皮肉にも敵方のデザトリアン療法により、心の声が公開されていたからなのかも。思い返せば来海さんも「第8話」で「言わなきゃ分からない」と言っています。ハトプリ単体では欠落している、この「言う」をトロプリが補ってる。
逆にトロプリ側は、「今一番大事なこと」には明確な算段がありませんから、外からのサポートがいる。本編でいえば顧問の先生や女王様でしょうか。詳しい事情は分からなくてもいい、むしろだからこその補佐がありがたい。

本当に物凄いですね、これ。タイムトラベルして「これがハトプリの秋映画だ」と言われても、成立してしまいそう。それでいてしっかりトロプリ映画になってる。「凄い凄い素晴らしい」としか言いようがないです。

【他、感想】

●「心の氷を溶かそう」と言われたトロプリさん。おてんとサマーストライクからのフラミンゴスマッシュに火の鳥召還と、火属性攻撃の連打。素直です。でもそういうことじゃない。

●オーケストラさん活躍!捌く捌く鉄拳!たぶんサマーさん達、これ誰だろうと眺めてたと思う。その人が何なのか、詳しい事情は誰も知らない。

●王女様は夏海さんらがプリキュアだと知った上で招待しています。「お菓子の国」等と違い、不意打ちや罠もしかけない。真っ向から勝つ気でいる。怖い。

●素直に考えるなら、あとまわしの魔女と伝説のプリキュア様も、今回のシャロン王女とローラのような関係なんだろうか。

●ゆりさんによれば1万2000年前(?)の彗星衝突が原因だそうです。妙に具体的な数字が突然でてきた。
軽く検索してみましたが、確かに1万2000年ほど前に有名な衝突があったらしく、寒冷を招いたようです。

ただ何でそれだといきなり断定したんだろう?一般的な感覚だと、最初に連想するのは恐竜絶滅の6600万年前の奴のような。
砂漠の使途絡みだとかだと、サラマンダー男爵より前に飛来してきていた?何にせよ、具体的な数字を出す物語上の理由になりません。
ハトプリお馴染みの「詳しい事情はわからない」ネタなんだろうか。

●薫子さんがイベントに参加していたのは、「希望ヶ花市は近い」のか「(前述の)砂漠の使途絡みで同行していた」のか。もうとにかく「詳しい事情はわからない」ので、この人らの背景を考えても仕方ない…。

●同じく近くにいたらしい花寺さんは、ご招待されなかったらしい。
仮にヒープリが参戦していたら、どうなったんだろう?

テーマ的には、王女の事情が何だろうとこちらが譲歩する理屈にはなりませんから、粉砕しにかかったと思う。
ハトプリ&ヒープリからの有無を言わさぬ波状攻撃。ローラは耐えられたんだろうか。。

●水中戦を挑むローラが素晴らしい。冒頭の戦闘もシャンティアでの初戦もハートキャッチ参戦後も、水中からの攻撃をメインに据えています。水中呼吸可能な生物に、水の下から回り込まれたり攻撃されたりって、かなりいやらしい攻撃だと思う。
マリンさんが水中戦に付き合ってるのも頼もしいです。今ならDX3の海上ステージも怖くない。

●例によって時系列が分からない。
おそらくはトロプリ最終回前ですが、ハトプリ最終回の後かどうかは不明。ハトプリ秋映画の後かも不明。
ブロ子たち自身はスーパーシルエットを発動していないので、下手をすればハートキャッチミラージュ入手前の可能性すらある。

逆に思いっきり未来かもしれない。花咲さんらが制服を着用している映像もありましたが、趣味で着ているだけかもしれないので「この花咲つぼみは実は32歳です」もなくはない。プリキュア世界の時間の推移は、もう考えてもどうしようもないのかも。

●鏡にシャロン王女の姿が映るのは、ハートキャッチの最終戦でデューンがミラージュに映るのと同じ。

●ハトプリの対だと思うと、本編の今の流れも分かるかも。

みのりん先輩は一番大事な創作をしたら、自分を伝えることになった。
涼村さんの一番大事な「可愛いを伝える」も、「自分が何を可愛いと思っているか」ですから自分を伝えることになる。
あすか先輩もプリキュアとしての戦いを通じ、生徒会長に何かが伝わりかけています。

ローラの「足が生えた」と同様の「それが目的ではなかったが、今一番大事なことをやったら結果的にそうなった」。
これが正解だとすると、これを人魚姫テーマに絡めてくるとか物凄い発想だなと思います。

●大活躍のくるるんも、何にも考えてない。今一番大事なこと(今一番やりたいこと)をやってたら、結果的に役立った。何かもう色々おかしい。

●スノードロップには「希望」の他に「死」の意味もあるそうです。花言葉には概ね正と負の意味があったりするので珍しくはないですが、花咲さんはこれを手掛かりに事態を把握していたのかもしれない。

ところで花咲さん、何か最後にまとめ的なことを言ってましたけど「私の時代にはスノードロップは生えていませんでした」とか言われたらどうしたんでしょうね…。
気候が激変してるので、その可能性かなりあったと思うのですけれど…。

●うちのお子様、帰り道で「お尻パンチ」「引き戸」に沸き上がってた。あと「鳥が…」と絶句し、ラストでは涙してた。楽しんでくれたようで何よりです。
ただ「短かった」と大変にご立腹でした。

来年の春映画はなし。詳しい事情は存じませんが、コロナの影響が読めないし仕方ないかなとは思うものの、とても残念です。「DX1」の頃からもう10年以上か…。恵まれすぎて感覚が麻痺してた。

映画をやらない代わりに、例えばネット配信で映画的なものとかやってくれないかしら。もちろん有料で。
そのやり方なら「小さな子供の集中力が続かないから1時間強で」の制約も外せると思うので期待しています。

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(第33話)トロピカル~ジュ!プリキュア「Viva!10本立てDEトロピカれ!」感想

2021年10月17日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第33話)トロピカル~ジュ!プリキュア「Viva!10本立てDEトロピカれ!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第33話より)

プリキュア史上初の10本立てです。11本立てですけど、とにかく史上初です。
そして花咲さんがブラウン管に帰ってきました。

今回のような話でテーマがどうのと語るのは無粋極まりないのは承知の上で、他に何も書きようがないので書いてみる。

ハートキャッチは「詳しい事情は分からなくても、お手伝いならできる」「本質的な解決ではなくても、大事な解決の一歩につながる」お話。
服を変えても、内面が変わらなかったら意味がない。だけど服を変えれば引きずられて気持ちも変わる。単純だけどそれでいいじゃないか。とは来海さんの弁。
プリキュアに変身してもそれだけで解決したりはしない。だから花咲さんは史上最弱のプリキュアとも言われた。でもプリキュアとして戦う内にチェンジするんです。

今回の奇々怪々な特別出演も、とても「ハートキャッチ」らしくて嬉しいです。
砂漠の王・デューンが、なんで地球を砂漠にしたいのかの目的も不明なまま。何かありそうな三幹部の過去も不明瞭。
他人のことなんだから、細かい事情は分からない。

秋映画の「花の都でファッションショー」でも、彼女らがなぜパリにいるのか劇中では語られていません。ついでにスーパーシルエットやオーケストラさんのことも知りません(テレビ初登場より映画公開が先だった)。全くもって意味が分からん。
オリヴィエの過去の詳細を花咲さん達は知らないまま(回想シーンのみなので、視聴者が知っていることも花咲さんは知らない)。
パリ市民の皆様も、花咲さんが何で泣いてるのか知らないし、いきなり現れたでかいトカゲやそれと戦う娘さんの事情は全く分からない。
それでも背中を支えたり、お花を渡したり、ミラクルライトを振ったりはできる。直接の解決はできなくても、お手伝いならできる。

今回のゲスト出演も何だったのかさっぱり分かりませんが、まぁ楽しかったので良いのです。
「トロプリ」も「今一番大事なこと」が何なのか分からず、「他人の事情が分からない」ハトプリに対し「自分自身のことも分からない」なので、組み合わさるともう何が何だか分からない。異様な相性の良さです。
詳しい事情は分からん。でも何かは解決した!

ただ改めて「ハートキャッチ」を見直すと、「言わなきゃ分からない」の側面もあったように思えます。
花咲さんと来海さんの「第8話」や、デザトリアン療法、花咲さんの最終決戦での啖呵、オリヴィエへのアドバイス等々、「言わなきゃ分からない」がかなり出てくる。
トロプリの後半が「他人に伝える」を重視しているように見える(みのりん先輩の小説、あすか先輩の暴力疑惑、涼村さんの可愛いを伝える等々)ので、相互に絡み合うのかもしれない。
本放送当時から今まで、この側面でハトプリを捉えたことがなかったので新鮮な再解釈ができそう。前回の「GoGo」と「ヒープリ」も、相互に補完しあっていて素晴らしかった(ヒープリ映画の感想)ので、今回も「ただのお祭りコラボ」以上のことをやってくれそうで、本当に楽しみです。

あと蛇足ながら上掲の「ハートキャッチ風」のサブタイトル画像、ローラが謎生物枠なのがとても良い(元々はシプレ)。最近忘れがちですが、彼女の立ち位置はそこです。ヒトとして扱ってはならない。

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(第32話)トロピカル~ジュ!プリキュア「駆けろランウェイ!さんごのファッションショー!」感想

2021年10月12日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第32話)トロピカル~ジュ!プリキュア「駆けろランウェイ!さんごのファッションショー!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第32話より)

涼村さんがファッションショーに出ることになりました。

ファッションショーの目玉は「服」。モデルさんを競う場ではない。
「可愛い私」を見せるのではなく、「可愛い服」を見せる。
この観点は花咲さんにはあまりなかったように思えます。あの方は「自分がチェンジする」に主眼を置いていらっしゃった。

ローラとの絡みで言うならば、「偉大な女王になった私」ではなく「偉大な女王」を見せるのか。
そう思うと第9話のポイントは「自分を見せる」のか「役や化粧品を見せる」のかの違いだったのかしら。
ハートキャッチ的に補足するなら「偉大な女王」を示すために注力すれば、内面もひきずられて「女王」にチェンジできるとかか。

みのりん先輩は自分の内面の不足故に、他者に作品を提示できなかった。
先週の時点ではよく分からなかったのですけど、あすか先輩も同様だとすれば、「不当な暴力ではないことを示すだけの実績や信頼がなかった」なのかもしれない。
であれば涼村さんは、可愛いを伝えるためには、自分が心の底からそれを可愛いと自信を持つこと?

ランウェイを駆け抜けたのは、プリキュア姿で。
先週、具体的な和解とまではいかないまでも、何となく生徒会長に伝わったのはプリキュアでの戦いを見てもらったから。
みのりん先輩が変身するとキャラクターが変わるのもその流れなのかもしれない。
ローラもプリキュアになったので、結果的に足がついてきた。
「自分の大好きな何かを、相手に伝える助けになるもの=プリキュア」といった感じなのかも。「今一番大事なことをやる」と上手く結びつくような、つかないような…。

ここ数週の個人回は上手く言葉にできそうでできません。明らかに一貫したメッセージを込められているとは感じるものの、言語化できない。ローラが足を生やして以降、何かが奇妙です。

例年(といっても昨年はイレギュラーでしたが)であれば、秋映画でテーマ的な解答が示されるはず。モヤモヤが爽快に解決するはずだととても楽しみです。

【くるるん】

そしてそんな中、次回はすべてが謎の不可解回。
「ナレーションが全部くるるん」はいつかやると思ってたけど、よりにもよってハートキャッチ参戦&サブタイも意味不明なせいで、つくづく全く内容が分かりません。
「詳しい事情は分かりませんがお手伝いならできます」の花咲理論に則ると、開始早々何の説明もなくハートキャッチ組がいるとかもやりかねない。

ここまでくると、もしかして「秋映画ですっきり解決」しないんじゃなかろうか。
花咲さんのパリ映画が「詳しい事情が分からない」を視聴者にまで適用してきて「なぜ彼女らがパリにいるのか不明(劇中では説明がない)」「オーケストラさん初登場(テレビで登場する前だったので謎の人としか言いようがなかった)」等々だったことを思うと、夏海さんの秋映画も怪奇な代物になる気がする。

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(第31話)トロピカル~ジュ!プリキュア「トラブル列車!あすかの修学旅行!」感想

2021年10月05日 | トロピカル~ジュ!プリキュア
■(第31話)トロピカル~ジュ!プリキュア「トラブル列車!あすかの修学旅行!」感想


(「トロピカル~ジュ!プリキュア」第31話より)

あすか先輩が修学旅行に旅立ちました。そしてサカナが荷物に潜り込みました。来ちゃった♪
ところで今回の話、「電車で移動していただけ」です。もしやプリキュア史上でもトップクラスに限定された空間での話だったかもしれない(最終決戦のような特殊なフィールドは別として)。

無賃乗車したサカナは、これ幸いとあすか先輩の過去を聞き出します。昔テニス部に所属していたが、暴力事件もどきを起こしてややこしいことになったらしい。
背景は分かったものの、問題が解決しているようで解決していない、不思議な構成です。

ローラが荷物に潜ったのは、純粋に我儘な好奇心です。情状酌量の余地はなく、荷物を落とす害ももたらしています。
が、結果だけを見るなら、彼女の「今一番やりたいことをやる」行動のおかげで、ヤラネーダの撃退や先輩の吐露につながった。

夏海さんらが追いかけてきたのは枕を届けるため。ヤラネーダを察知したのでも、ローラを探しに来たのでもない。
完全に偶然なのですが、彼女たちの「今一番やりたいことをやる」が一行を救っています。

ではこれらは、かつてのあすか先輩と何が違ったんだろう?

率直に見るなら、テニス部員の皆様の反応は少々おかしい。何もあそこまで逃げ腰になる必要を感じません。
ということは「今一番大事なこと」をやるには、「周囲の理解が必要」なんだろうか。言葉を選ばずに言うなら「周囲も同等以上でないと潰される」。

そういえば夏海さんも「島には同年代がいなかった」と語っています。自分自身のやりたいことをやるには、他者の理解も必要という流れなのかしら。その流れだと、「人魚姫」の理解者である「魔女」は単純な悪役ではなさそうとも。
ただ涼村さんの色事件や、みのりん先輩の挫折は、周囲に問題があったというより本人の側の問題です。何かもっと違う要素がありそう。

非常に厄介なことに、生徒会長は何かを勘違いしているわけではない。対戦相手に不当な暴力を振るったとは思っていないし、工作を阻止したことも信じています。
したがって「プリキュア=あすか」に気づいたとしても溝は解消しません。それどころか深まりかねないです。ああ、やっぱり対話より先に手が出るのね…。

和解するとしたら、生徒会長が「気持ちを分かって一緒に戦えなくて悪かった」と歩み寄るか、あすか先輩が「もっと良いやり方があったのに、私のミスだ」と認めるか。
どちらも今の流れで起きるように思えません。多分何か見落としている要素があるんだと思う。

こうなってくると益々「ハートキャッチ」(本質的な解決はできないが、お手伝いならできる)とのコラボに納得がいくというか、非常に楽しみです。

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「episode3:思い出の少年」マーメイドメロディーぴちぴちピッチ aqua(なかよし2021年11月号)感想

2021年10月02日 | マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ
■マーメイドメロディーぴちぴちピッチ aqua「episode3:思い出の少年」(なかよし2021年11月号)


なかよし 2021年11月号 [2021年10月1日発売]【電子書籍】

調子に乗って人魚姿で色仕掛けをしまくった るきあさんは、体が乾いて全裸の人間態を晒す羽目に陥りました。自業自得です。
それを見た黒砂くんの第一声「なんでここにおまえが」。そして次に脳裏によぎるは「あの人魚はどこにいったんだ?」。クラスメイト女子のいきなりの全裸にも冷静です。そんなことより人魚はどこだ…?

そんな冷静な彼ですから、るきあさんが足を怪我していることにも気が付きました。あれ?あの人魚と同じところを怪我しているぞ?
繰り返しますが、るきあさんは全裸です。しかしながらそんなことはどうでもよい。人魚はどこだ…!

一方のるきあさん。とりあえず黒砂くんに上着を貸してもらったり、足を看てもらったりして有頂天。なんか…お姫さまみたい。胸の高鳴りが止まりません。
本当にくどいほど繰り返しますが、上着を着ているとはいえ彼女は全裸です。社会的な死の危機だというのに「お姫さま」気分とは。あまつさえ調子に乗ってカマをかけてみた。さっきわたしを誰か(人魚)とまちがえてたでしょ?

しかしながら黒砂くんの返事は、期待していたものと違いました。

黒砂くん:
「オレの大切なコ」
「おまえにはカンケーないよ」

この返事に、るきあさんカチン。
なんで?その人魚わたしだよ?ねえなんでわたしを見ないの?

答えは明白で、るきあさんが隠しているからです。散々人魚姿で誘惑しておいて、目の前の私になぜ懸想しないのかとキレるとは。
まぁ正体を明かすと泡になりかねないので、母譲りのセルフ嫉妬で命拾いしたとも。

とりあえずその日は、るきあさんが無為に恥を晒しただけで事なきを得ました。
なお黒砂くんはサーファーつながりで、るきあ父を尊敬しているようです。良かったですね、るきあさん。母由来のマーメイドで性癖を狙い撃ちにし、趣味方面は父がばっちり。勝った。

翌日。外堀も内堀も攻略しつくしたので、自宅に押し掛けてみた。なんか校内で王子扱いされてるもう一人の男子と同棲しているらしい。
黒砂くんは留守のようですが、躊躇なく上がり込もう。そして軽く物色してみたところ、子供時代の写真を見つけた。その瞬間。るきあさんの記憶が謎に刺激される。
おそらくは黒砂くんと思われる少年に、昔出会っていたらしい。やっぱりこの子、何か記憶を失ってるとか操作されてるとかなのかしら。

描写を見るに、幼きころにるきあさんと思しき人魚と遭遇し、黒砂くんの何かが目覚めたようです。部屋の中は人魚の本だらけ。本当にるきあさんだとしたら、相当に罪深いです。彼がサーフィンやってるのも、人魚好きをこじらせたせいじゃなかろうか。

そんな混乱の中、黒砂くん帰宅。そしてハプニングでベッドに押し倒されました。

るきあさん:
「あ…どういうつもり…?」

どうもこうも、ただの事故です。
…るきあさん、随分と気が早いとも思いましたけど、全力で自分に合致しまくる特殊性癖で部屋中が埋まってたら無理もないかもしれない。
惜しむらくは人間態のままなので、たぶん眼中に入っていないですが。

【新たなる敵】

遂に敵らしきものが登場しました。そして混乱の渦に叩き落されました。

ローラン:
「やれやれ」
「ジャマな北太平洋のマーメイドプリンセス」
「とっととつぶしておかなくては…!」
「前深海の王ザクトがいなくなり、オレの時代がきたというのに…」

ザクトって誰だ?

我々の知る前深海の王はガクト様です。もしくはガイト様。

①ガイトまたはガクトの誤植
普通ならそんなはずはないんですが、何せガクト様からして「ガイト=ガクト」の謎なエピソードをお持ちです。「ザクト」が追加されても何か納得してしまいそうだ。「ガ」と「ザ」は手書きだと読み間違えても不思議はないのが、また何とも…。

第1部ラストでガクト様は死去なされたのかどうかもはっきりしないままだったので、ローランの「いなくなった」発言もむず痒いところをくすぐってきます。

②未知の新キャラ
素直に考えればこうでしょう。全く唐突ですが、ガクト様の後継者がいたらしい。名前の響きからしてパンタラッサ一族なんでしょうか。ガクト様の孤独とは一体…。
もし「あの戦いの後に生まれた、ガクトと沙羅の子供」とかであれば、後々登場してくるのかしら。

なおうちの子は「ガクトの父親=ザクト」説を提起してきました。混乱が深まっていく…。

あと今更ですが、リヒトさんは「(海斗の対として)陸斗」→「リクト」→「リイト」→「リヒト」だったんだろうか。そしてこのルールに基づくと、名前がかすってもいないローランはパンタラッサではなく、ただのサカナなんだろうか。

一応は前作で「マーメイドは女性のみ」と明言されているし、イズールが人魚扱いされていないことから、ローランは「人魚」ではないと思われます。正直なところ小物臭が立ち込めているのですが彼は何をやりたいんだろうか…。

[追記]
花森ぴんく様からアナウンスがありました。「誤植」だそうです。危惧した通り手書きの「ザ」と「ガ」の読み間違いらしい。

編集さんは前作を読んでないのかと心配にもなりますが、「まぁぴっちだしな」(本放送当時にしばしば言われた流行り言葉)。事故はぴっちの華。

【公式イメージソング】

伝説的少女漫画『ぴちぴちピッチ』の公式イメージソングを募集!
[引用]
『ぴちぴちピッチ』の物語や世界観にふさわしい、マーメイドや海、そして胸キュンのせつなくハッピーな恋物語をイメージさせ、さらに作品の世界を押し広げてくれるような歌詞や曲を求めています!
また『ぴちぴちピッチ』の元々の読者が、今はオトナ女子に成長しているということもあり、「少女時代のあの頃を懐かしむ」せつなくエモい雰囲気、または「少女時代の心に戻って新たな冒険を始める」といった明るく前向きな楽曲も大歓迎です。

作品全体のイメージソングでも、特定のキャラクターのイメージソングでもかまいません。
『ぴちぴちピッチ』は少女漫画作品ですが、子どもっぽいものである必要はありません。子どもから大人までをキュンとさせるような、そしてみんなが日々前向きになれるような、そんな素敵な楽曲を待っています!
作品とともに、国内だけでなく世界に羽ばたけるような楽曲を、どしどしご応募ください。
[引用終]

イメージソングが募集されました。しかもムービーも作ってくれるようです。
「ぴっち」の新曲が聴けるとか夢のようです。確かに新章開始の時点で期待はしましたが、その期待が現実になる素晴らしさ。公式様、ありがとう。

リンク先のトップ画像は「るきあ」さんでしょうか。やっぱりアイドル態に化けるんでしょうか、この子。
募集している「イメージソング」は「歌」なのか「曲」のみなのか、疎い私にはよく分からないのですけど、是非ともこの謎のアイドル態のるきあさんに歌っていただきたいです。

…というか「特定のキャラクターのイメージソングでもOK」と明言されています。奇跡の「ノエルのソロ」とかが爆誕する可能性もあるんだろうか。
コメント (1)
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