先日の記事のあと、相羽さんからこんなコメントをいただいた。
『個人的にHUGっと!第20話でプリハートが二つになったのは「未来からの援軍」のような気がしてるのですよね。「リソースの追加」でドキドキ!のテーマとも重なる。』
確かに!
言われて見れば確かに怪しい。プリキュア文法に毒されて「愛の奇跡」で納得してしまってたけど、改めて考えてみれば、「未来から送り込まれた」はいかにもありそうです。
なのでありがたくネタを拝借して、勝手に自分なりに考えてみた。
【本来の持ち主】
大前提として、野乃さんらが使っていたプリハートは、元々はトゥモローチームのものと思われます。
明言はされていませんが、疑う理由もない。
ハリーが脱走を試みた際に、貴重な武装たるプリハートも一緒に持ち出したとしても極めて自然です。
そうすると未来に帰る前に、ハリーは野乃さんらにプリハートを返して欲しいと頼んだと思われます。
彼にとってはトゥモローさんが第一です。トゥモローらが戦線復帰できない状態だったとしても、復活するなり新しいプリキュアが生まれるなり、色々とありえる。そして野乃さんらも強くは拒まず、多分返却する。
ではこの時、えみるはプリハートを『返す』のだろうか。
過去の回想によればトゥモローチームは4人。「実は5人以上」の可能性もなくはないですが、これも疑う理由がないので、とりあえず4人とする。
エール・アンジュ・エトワールの分で3つ。アムールのも足せば4つなので、数はあってる。
ただ合理的に考えるなら、えみるは『返す』べきでしょう。
劇中視点ではプリハートは「分裂」したようにしか見えず、アムールが単独変身できないとすれば、「1個では機能しないプリハート」ように思えます。あくまで、マシェリ分もあわせて1個。
そもそも戦力は多いにこしたことはないので、5個目のプリハートも渡した方が良いに決まっている。
感情面で考えるとどちらとも悩ましい。
ルールーとの絆の証たるプリハートを、えみるが持ち続けたがっても不思議はない。数としては「4個」で帳尻もあってるんですから、我儘というほどでもないはず。
逆に「少しでもルールーの助けになるように」と積極的に渡したかもしれない。
どちらもありそうですけど、なんとなく「マシェリのプリハートで他の誰かが変身する」いわんや「ルールーとペアで変身する」のは、えみるにとっては、ちょっと想像したくない光景に思える。
分からないので「渡さない」「渡す」の両パターンで考えてみる。
【ケース1:渡さない】
ルールー:
「そのプリハートはえみるが持っていてください」
旅立つルールーからそのように言われ、2019年えみるはプリハートを握りしめながらお見送り。
寂しくなるたびにプリハートを胸に抱き、かつての日々と、今もどこかで戦う友を想う。
あの時間は夢幻だったのか。いや確かな証としてここにプリハートがある。
ルールーは「未来で待っている」といった。いつかまた会えるなら、きっとこのプリハートが導いてくれる…。
と、しんみりと想いをはせるそのうちに、えみるは厄介な問題に気づくと思われます。
このプリハートは、なんでここにあるんだろう?
彼女は極めて心配性ですから、「ルールーは苦戦しているのではないか」と不安になるはずです。
なぜルールーはプリハートを持っていかなかったのか。
「えみるの物だから」というなら、彼女は「未来で待っている」のだから、未来で再会した時に返してくれればいいだけです。
素直に考えるなら「未来で待っている」は方便で、実際には今生の別れなので絆として置いていった…となるのですが、「ルールーは嘘をつかない」前提に立つと、「えみるが持っていることに意味があった」としか思えません。
ではこのプリハートで何をすればいいのか。単独変身できないとすれば、新たな危機と戦ったりではない。
ここに「過去や未来は変わらない」といった知識があわされば、おそらくこの思考に辿り着く。
「このプリハートは過去に送らないといけないのでは?」
つまりは、「未来えみるがプリハートを過去に送ったので、過去えみるはプリハートを手にできた」
(無から有が生じるパラドックスですが、プリキュア世界では許容されている)
更に言えば、全く同じ理由で「後々ルールーたちも過去に戻さなければいけない」。
過去に戻る手段を確立しないと不味いことになってしまう。
その考えに至ったなら、大慌てでトラウム研究室を探し出し「過去に戻る(物を送る)方法を見つけて欲しいのです!」と駆け込むと思われます。
そして(突然現れた奇怪な女にドン引きしながら)トラウムは多分こう言う。
トラウム:
「あーお嬢さん?慌てなくてもいい」
「過去に送るんなら、今日でも明日でも10年後でも間に合うから」
直感には反しますが、急ぐ意味は全くない。
ひとまずこの言葉に納得し、落ち着いて経緯を説明。事情を悟ったトラウムも時間の研究に着手。
これで「えみるが何故、研究室に行けたのか」は説明できる。
ただ話がそこで終わらない。
一息ついた えみるはまた気づくと思われます。
「今日でも明日でも10年後でも、過去に送るのであれば急ぐ必要はない」
「では、ルールーと再会してから送ればよいのでは?」
ルールーが戻ったのが2044年頃なのは分かります。待てないような未来ではない。
そしてさらに、気持ちの悪い「事実」に気づく。
「未来は変わらない」のであれば、このプリハートはいつか必ず過去に送られます。
過去に送るまでは壊れたりはしない。ある意味、無敵です。(同様の理屈で若トラウムや若ダンカンは44年まで絶対に死なない)
であれば急いで過去に送る理由が完全に消える。その気があろうとなかろうと、このプリハートはいつか定められたとおりに過去へと行く。
逆に言えば、えみるの手元にプリハートがあり、それを過去に戻す意識がある限り、過去も未来も改変されていない。
劇中人物えみるにとっては、この世界が「改変可能」なのか「不可」なのか確信は持てないので、「証拠」は欲しい。
これは「壊れたら改変可能」であって「壊れなければ改変不可能」ではないのですが、「未来は変わらない」ことの根拠の一つとして、えみるの心の支えにはなるかと思う。
こうしてトラウム-えみるの時間研究が2030年から進み、2034年頃(後述)に何らかの完成を見て、2044年を迎える。
【ケース2:渡す】
ルールー:
「そのプリハートは私に預けてください」
彼女からそのように言われたら、えみるは素直に渡すでしょう。
この場合「未来で待つ」の情景はシンプルです。
どこかの未来で再会。手渡されるプリハート。初変身の時と同じく、「ふたつのプリハート」が二人の友情を象徴する…。
ケース1の時と違い、プリハートそのものはトラウム研究室を訪れる動機にならない。
ですが、「ルールーとの再会」と「プリハートを再び持つ」が強く結びつくので、「再会すると変身できるようになる」ことから自ずと「再会時に、変身が必要な何かがあるのでは」を連想すると思います。
えみるがプリハートを持ち続けた場合も「再会」=「変身可能」ですが、「ルールーとの再会」だけより「ルールーとの再会+プリハートの再入手」の方がそのイメージが強い。また、今生の別れを連想するケース1と違い、具体的な再会が示唆されます。
よって、ルールーの戻る未来が2044年と分かった後は、漠然とした空想ではなく、「ルールーはリアルに救援を待っている」と認識するはず。
ルールーの「未来で待つ」の意味をより具体的に確信できるので、これはこれでトラウム研究室を訪れる強い動機になる。
【再会。そして】
ケース1とケース2の違いとして、2044年放送のトゥモローシリーズで、戻ってきたルールーを出迎えたえみるの変身パターンが変わる。
ケース1なら最初からプリハートを持っている。ケース2ならルールーがプリハートを投げ渡す。テンポは前者の方がいい気がする。
あと「普通に考えれば返却するはずのプリハートを返却しない」という異質な行為が、気づきを誘発するのは自然に思えるし、「事が終わった後にプリハートを過去に送る」流れが自然になるように思う。
なので勝手にケース1「返さなかった」と思い込むことにした。
44年トゥモローシリーズはプリキュア40周年。初代を見ていた園児たちは40台半ば。彼・彼女らのお子様がプリキュア適齢期になるころ。
親視点のテーマ的には「難しい年ごろの子供の扱いに悩み、壮年から中年に差し掛かることへの不安」、子視点では「親が何を考えているのか分からないことへのいら立ち」等々。
それを思うと、ラストシーンで「えみるがプリハートを過去の自分に送る」のは、「親子の修復」を通じて「過去の自分の肯定や励まし、および自分自身の青年期や壮年期からの旅立ち」として綺麗にまとまるんじゃなかろうか。
HUGっとプリキュアが「子供のころからの思い出を胸に、これから始まる社会人生活に立ち向かう」ような話ですから、「その役割を終えた思い出を、かつての自分に送る」のは、HUGの完結編としても相応しいように思えます。
今にして思えば、野乃さんと違い、えみるには「ここまで頑張ってきたんだから!」と立ち上がるような「思い出」が弱いです。年齢的に。
なので彼女の背景にあった「思い出」は、「未来の自分の思い出」だったとすると、過去・未来の双方向から彼女たちは「思い出」の援護を受けていたことになり、何やら幅が分厚くなります。何か良いんじゃなかろうか、これ。
【蛇足】
以前「2030年にトラウムVSオールスターズが起きたのでは」と考えたけど、よくよく思えば「2034年」の方がしっくりくる。プリキュア30周年のお祭り企画として、16年~30年シリーズと戦う感じ。
この時、野乃さんらが変身できなかった(プリハートがない)とすると、ジョージの言う「悲劇」が起きるのも納得いく。
また攻めてきたのがトラウム(クライアス)であり、そのクライアスを率いているのが自分や未来の野乃さんだったとするなら、絶望の度合いも増す。
また、過去に戻る手段として現代物理で考えられている方法では、「タイムマシンを開発したその時」が戻れる限界点です。2019年に戻ったアレはプリキュア能力を利用した反則手段だった(えみるのプリハートも同様)として、トラウムが自力開発した手段は2034年に完成、その後44年にそれを使って襲撃があったとか何とか。
2034年はプリキュア30周年。お子様らが35歳前後になったころ。
結婚や出産、昇進や転職をした(あるいは、しないと分かった)頃ですから、テーマとしては「人生を決定づける選択」とかそのあたりが期待されます。割とぴったり整合するんじゃないかしら。
とりあえず34年を迎えるまでは、この妄想で食べていけそうな気がする。
●参考:
HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
『個人的にHUGっと!第20話でプリハートが二つになったのは「未来からの援軍」のような気がしてるのですよね。「リソースの追加」でドキドキ!のテーマとも重なる。』
確かに!
言われて見れば確かに怪しい。プリキュア文法に毒されて「愛の奇跡」で納得してしまってたけど、改めて考えてみれば、「未来から送り込まれた」はいかにもありそうです。
なのでありがたくネタを拝借して、勝手に自分なりに考えてみた。
【本来の持ち主】
大前提として、野乃さんらが使っていたプリハートは、元々はトゥモローチームのものと思われます。
明言はされていませんが、疑う理由もない。
ハリーが脱走を試みた際に、貴重な武装たるプリハートも一緒に持ち出したとしても極めて自然です。
そうすると未来に帰る前に、ハリーは野乃さんらにプリハートを返して欲しいと頼んだと思われます。
彼にとってはトゥモローさんが第一です。トゥモローらが戦線復帰できない状態だったとしても、復活するなり新しいプリキュアが生まれるなり、色々とありえる。そして野乃さんらも強くは拒まず、多分返却する。
ではこの時、えみるはプリハートを『返す』のだろうか。
過去の回想によればトゥモローチームは4人。「実は5人以上」の可能性もなくはないですが、これも疑う理由がないので、とりあえず4人とする。
エール・アンジュ・エトワールの分で3つ。アムールのも足せば4つなので、数はあってる。
ただ合理的に考えるなら、えみるは『返す』べきでしょう。
劇中視点ではプリハートは「分裂」したようにしか見えず、アムールが単独変身できないとすれば、「1個では機能しないプリハート」ように思えます。あくまで、マシェリ分もあわせて1個。
そもそも戦力は多いにこしたことはないので、5個目のプリハートも渡した方が良いに決まっている。
感情面で考えるとどちらとも悩ましい。
ルールーとの絆の証たるプリハートを、えみるが持ち続けたがっても不思議はない。数としては「4個」で帳尻もあってるんですから、我儘というほどでもないはず。
逆に「少しでもルールーの助けになるように」と積極的に渡したかもしれない。
どちらもありそうですけど、なんとなく「マシェリのプリハートで他の誰かが変身する」いわんや「ルールーとペアで変身する」のは、えみるにとっては、ちょっと想像したくない光景に思える。
分からないので「渡さない」「渡す」の両パターンで考えてみる。
【ケース1:渡さない】
ルールー:
「そのプリハートはえみるが持っていてください」
旅立つルールーからそのように言われ、2019年えみるはプリハートを握りしめながらお見送り。
寂しくなるたびにプリハートを胸に抱き、かつての日々と、今もどこかで戦う友を想う。
あの時間は夢幻だったのか。いや確かな証としてここにプリハートがある。
ルールーは「未来で待っている」といった。いつかまた会えるなら、きっとこのプリハートが導いてくれる…。
と、しんみりと想いをはせるそのうちに、えみるは厄介な問題に気づくと思われます。
このプリハートは、なんでここにあるんだろう?
彼女は極めて心配性ですから、「ルールーは苦戦しているのではないか」と不安になるはずです。
なぜルールーはプリハートを持っていかなかったのか。
「えみるの物だから」というなら、彼女は「未来で待っている」のだから、未来で再会した時に返してくれればいいだけです。
素直に考えるなら「未来で待っている」は方便で、実際には今生の別れなので絆として置いていった…となるのですが、「ルールーは嘘をつかない」前提に立つと、「えみるが持っていることに意味があった」としか思えません。
ではこのプリハートで何をすればいいのか。単独変身できないとすれば、新たな危機と戦ったりではない。
ここに「過去や未来は変わらない」といった知識があわされば、おそらくこの思考に辿り着く。
「このプリハートは過去に送らないといけないのでは?」
つまりは、「未来えみるがプリハートを過去に送ったので、過去えみるはプリハートを手にできた」
(無から有が生じるパラドックスですが、プリキュア世界では許容されている)
更に言えば、全く同じ理由で「後々ルールーたちも過去に戻さなければいけない」。
過去に戻る手段を確立しないと不味いことになってしまう。
その考えに至ったなら、大慌てでトラウム研究室を探し出し「過去に戻る(物を送る)方法を見つけて欲しいのです!」と駆け込むと思われます。
そして(突然現れた奇怪な女にドン引きしながら)トラウムは多分こう言う。
トラウム:
「あーお嬢さん?慌てなくてもいい」
「過去に送るんなら、今日でも明日でも10年後でも間に合うから」
直感には反しますが、急ぐ意味は全くない。
ひとまずこの言葉に納得し、落ち着いて経緯を説明。事情を悟ったトラウムも時間の研究に着手。
これで「えみるが何故、研究室に行けたのか」は説明できる。
ただ話がそこで終わらない。
一息ついた えみるはまた気づくと思われます。
「今日でも明日でも10年後でも、過去に送るのであれば急ぐ必要はない」
「では、ルールーと再会してから送ればよいのでは?」
ルールーが戻ったのが2044年頃なのは分かります。待てないような未来ではない。
そしてさらに、気持ちの悪い「事実」に気づく。
「未来は変わらない」のであれば、このプリハートはいつか必ず過去に送られます。
過去に送るまでは壊れたりはしない。ある意味、無敵です。(同様の理屈で若トラウムや若ダンカンは44年まで絶対に死なない)
であれば急いで過去に送る理由が完全に消える。その気があろうとなかろうと、このプリハートはいつか定められたとおりに過去へと行く。
逆に言えば、えみるの手元にプリハートがあり、それを過去に戻す意識がある限り、過去も未来も改変されていない。
劇中人物えみるにとっては、この世界が「改変可能」なのか「不可」なのか確信は持てないので、「証拠」は欲しい。
これは「壊れたら改変可能」であって「壊れなければ改変不可能」ではないのですが、「未来は変わらない」ことの根拠の一つとして、えみるの心の支えにはなるかと思う。
こうしてトラウム-えみるの時間研究が2030年から進み、2034年頃(後述)に何らかの完成を見て、2044年を迎える。
【ケース2:渡す】
ルールー:
「そのプリハートは私に預けてください」
彼女からそのように言われたら、えみるは素直に渡すでしょう。
この場合「未来で待つ」の情景はシンプルです。
どこかの未来で再会。手渡されるプリハート。初変身の時と同じく、「ふたつのプリハート」が二人の友情を象徴する…。
ケース1の時と違い、プリハートそのものはトラウム研究室を訪れる動機にならない。
ですが、「ルールーとの再会」と「プリハートを再び持つ」が強く結びつくので、「再会すると変身できるようになる」ことから自ずと「再会時に、変身が必要な何かがあるのでは」を連想すると思います。
えみるがプリハートを持ち続けた場合も「再会」=「変身可能」ですが、「ルールーとの再会」だけより「ルールーとの再会+プリハートの再入手」の方がそのイメージが強い。また、今生の別れを連想するケース1と違い、具体的な再会が示唆されます。
よって、ルールーの戻る未来が2044年と分かった後は、漠然とした空想ではなく、「ルールーはリアルに救援を待っている」と認識するはず。
ルールーの「未来で待つ」の意味をより具体的に確信できるので、これはこれでトラウム研究室を訪れる強い動機になる。
【再会。そして】
ケース1とケース2の違いとして、2044年放送のトゥモローシリーズで、戻ってきたルールーを出迎えたえみるの変身パターンが変わる。
ケース1なら最初からプリハートを持っている。ケース2ならルールーがプリハートを投げ渡す。テンポは前者の方がいい気がする。
あと「普通に考えれば返却するはずのプリハートを返却しない」という異質な行為が、気づきを誘発するのは自然に思えるし、「事が終わった後にプリハートを過去に送る」流れが自然になるように思う。
なので勝手にケース1「返さなかった」と思い込むことにした。
44年トゥモローシリーズはプリキュア40周年。初代を見ていた園児たちは40台半ば。彼・彼女らのお子様がプリキュア適齢期になるころ。
親視点のテーマ的には「難しい年ごろの子供の扱いに悩み、壮年から中年に差し掛かることへの不安」、子視点では「親が何を考えているのか分からないことへのいら立ち」等々。
それを思うと、ラストシーンで「えみるがプリハートを過去の自分に送る」のは、「親子の修復」を通じて「過去の自分の肯定や励まし、および自分自身の青年期や壮年期からの旅立ち」として綺麗にまとまるんじゃなかろうか。
HUGっとプリキュアが「子供のころからの思い出を胸に、これから始まる社会人生活に立ち向かう」ような話ですから、「その役割を終えた思い出を、かつての自分に送る」のは、HUGの完結編としても相応しいように思えます。
今にして思えば、野乃さんと違い、えみるには「ここまで頑張ってきたんだから!」と立ち上がるような「思い出」が弱いです。年齢的に。
なので彼女の背景にあった「思い出」は、「未来の自分の思い出」だったとすると、過去・未来の双方向から彼女たちは「思い出」の援護を受けていたことになり、何やら幅が分厚くなります。何か良いんじゃなかろうか、これ。
【蛇足】
以前「2030年にトラウムVSオールスターズが起きたのでは」と考えたけど、よくよく思えば「2034年」の方がしっくりくる。プリキュア30周年のお祭り企画として、16年~30年シリーズと戦う感じ。
この時、野乃さんらが変身できなかった(プリハートがない)とすると、ジョージの言う「悲劇」が起きるのも納得いく。
また攻めてきたのがトラウム(クライアス)であり、そのクライアスを率いているのが自分や未来の野乃さんだったとするなら、絶望の度合いも増す。
また、過去に戻る手段として現代物理で考えられている方法では、「タイムマシンを開発したその時」が戻れる限界点です。2019年に戻ったアレはプリキュア能力を利用した反則手段だった(えみるのプリハートも同様)として、トラウムが自力開発した手段は2034年に完成、その後44年にそれを使って襲撃があったとか何とか。
2034年はプリキュア30周年。お子様らが35歳前後になったころ。
結婚や出産、昇進や転職をした(あるいは、しないと分かった)頃ですから、テーマとしては「人生を決定づける選択」とかそのあたりが期待されます。割とぴったり整合するんじゃないかしら。
とりあえず34年を迎えるまでは、この妄想で食べていけそうな気がする。
●参考:
HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)