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「ジョージの別れと再会」: HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2021年04月11日 | ハグプリ最終回考察
前回の記事で区切りがついた後、改めて振り返ったら思うところあったので書いてみる。

【またね】

最終決戦の後、野乃さんはジョージと語り合います。


(「HUGっと!プリキュア」48話より)

エール:
「一緒に行こう」
ジョージ:
「どこへ?」
エール:
「未来へ」
ジョージ:
「無理だよ」
「僕は未来を信じない」
エール:
「うそ」
「本当に未来を信じていないなら」
「どうしていつも私に「またね」って言うの?」

この言葉を聞いたジョージは一人笑い、涙を流す。


(「HUGっと!プリキュア」48話より)

ジョージ:
「君は本当にすてきな女の子だね」

ジョージ:
「またね」
「僕ももう一度…」

ジョージは絶望したのでも、悲しんだのでもない。何かに気づき、前向きに未来に歩みだしています。
では彼に何があったんだろう?

まず、野乃さんはおそらく根本を誤解しています。
「未来を信じていない(=再会できないかもしれない)とジョージは言っているが、いつも「またね」と再会を信じる言葉を使っている、だから心の底では未来を信じている」と彼女は思っている。

ですが実態は逆です。

ジョージは「未来は不変」と認識しています。不変なんだから当然また会える。彼が未来に絶望したのは「また会えてしまう(未来は変わらない)」からです。「またね」は諦めからきた言葉だ。

もちろんジョージは、この認識のズレにはすぐに気づいたはず。そしてこの認識のズレが、救いに繋がったと思われます。

ジョージにとっては絶望でしかない「また会う」を、野乃さんは希望だと認識した。ならば同じことは「未来の破綻」にも言える。
避けられない「未来の破綻」にジョージは絶望していましたが、見ようによっては希望にもなりえる。

たとえば自分の人生を振り返ってみても、「何であんなことになったんだ。やり直したい」は沢山あります。ただ多少深掘りしてみると、「過去に戻れるなら、あんな出来事は防ぎたい」だけでなく、「あの出来事の後なぜああしなかったのか」も結構ある。
「友達の玩具を壊してしまった」に対し、「壊さないようにしよう」だけではなく、「あの時ちゃんと謝れなかった」みたいな後悔です。

ちょっと奇妙で本末転倒ですが、トラブルのリカバリに失敗した系の後悔は、再びそのトラブルが起き、挽回に挑めるのは救いになりえます。「あの時はパニックになって何もできなかったけど、今度は119番が間に合った」みたいなの。
冷たくいうなら何も挽回はしていないし、そもそもトラブルが起きない方がいいんですけど、やっぱり気持ち的には変わる。

ジョージはそれに思い至ったんじゃなかろうか。
未来の破綻は必ず来る。避けられない。
でも破綻に対し、立ち上がる機会がある。前回は心を折られ、変わらぬ未来に絶望したが、もう一度挑む機会がある。
先の例と違い、別のトラブルでリベンジするのではなく、後悔しているまさにその事件に挑めるんですから尚更。

構造はアンリくんの足の怪我と同じです。
事故は防げない。でもそこから立ち上がる未来は描ける。

私は「野乃さんの死亡は2033年~2038年ごろ」「ジョージは悲劇の直後から来ている(2043年から来ているクライアスとは時代が異なっている)」説を唱えているのですが、これとも合致します。
ジョージは「野乃はなの死亡」の後を経験していない。だから挑む意義がある。

ジョージが絶望した「変わらぬ未来」に、希望を見た野乃さん。彼女の誤解した発言により、ジョージは「破滅の未来」にも希望を見いだした。
だから改めて「またね」を口にし、旅立ったんじゃなかろうか。
2043年へ帰るルールーたちとは別に、2033年~2038年の事件にもう一度挑むために。破綻は防げなくても、今度は立ち上がろうと決意して。

参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)

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