一つ痛感しました。
「プリキュア」コンテンツを最も愛している人たちの一つは、制作スタッフ様だ。
全編から漂う深い愛に、ただただ涙が零れる1時間でした。スタッフ様に、心からありがとうを伝えたい。
■映画「プリキュアオールスターズDX2 希望の光☆レインボージュエルを守れ!」
【新しい時代】
幾多の戦乱を乗り越えた謎生物たちは、世話になった虹の園にテーマパークを出店することにしました。
パルミエ王国やスイーツ王国等々はもちろんのこと、デザート王国や時計の郷他も共同出資。
外貨獲得に余念がありません。戦いは彼らを成長させた。プリキュアは、ビジネスになる。
話題性もばっちりです。惜しむことなく謎生物姿を晒し注目を集め。
ミラクルライトを民間人に配りまくり、「千年に一度のレインボージュエル」の演出も心にくい。
おそらく企画はナッツさんなんでしょう。エンターテイメント力が上がっておられる。
ただ困ったことに。テーマパークの中心の「レインボージュエル」はマジで凄いアイテムだった。
そんなものを大々的にプッシュしたせいで、悪い人も目をつけてしまった。
こうしてテーマパークを舞台に惨劇が幕を開ける。
【増長する新人さんと、過酷な現実】
一方その頃。
まだまだ初々しさの抜けない花咲さん・来海さんは済し崩しでテーマパークで遊んでいました。
これまた済し崩しに桃園さん達と遭遇。一緒に遊んで回ることに。
そこに訪れる不意の敵襲。
やってきたのはノーザさん・キントレさん・ウラガノスさん・ムカーディアさん。
錚々たる面子です。
花咲さん:
「緊急事態だから仕方ないです」
「みなさん、下がっていてください」
知らないとは恐ろしい。
堂々と啖呵を切り、華やかに変身した花咲さん、いつものようにちょっと得意げにポーズを決めて見た。
だけど返ってきたのは意外な反応。
桃園さん:
「二人もプリキュアだったんだ!」
「いくよ、みんな!」
極めて当たり前に変身されてしまい、花海はしばし呆然。
え?期待してたのと違うというか…。「あなたたち何者!?」とか「かわいいー!すごいー!」とか、そーいうのは?
私たち以外にも、プリキュアっていたん…
ごぅん!ごきりめきぼきばきめきゃん
花キュアさん:
「…え?」
早くも新人さんの経験不足が露呈。既にゴングは鳴ってるのに、暢気に呆けてる場合ではありません。
我に返ったハートキャッチさんが見たのは、謎の敵と組み合ってる先輩プリキュアの姿。
あう。一体何が…
花キュアさん:
「ゎきゃー!!」
まともに動くことすらできないまま、先輩たちの戦いの余波だけで吹っ飛ばされる新人二人。
花咲さんが呟いた「なんなんですか、あの人たち…」の台詞が秀逸すぎます。
状況を理解できていない。逆に恐怖も緊張も抱けていないほどに、状況を理解できていない。
キントレさん:
「逃がさんぞプリキュア!」
ムカーディアさん:
「よそ見をしているとは、随分と余裕だな」
容赦のない追撃により、退路は破壊され。
それでもなお新人さんは動けない。
あ、あれ…?私、震えてるんですか?体が、動かないです…。
ここに至り、桃園さんたちも気が付きました。この娘たちは戦力にならない。
それどころか足手まといです。
どれくらい逼迫した状況かといえば、パインさんがウラガノスさん相手にタイマンを張らされてる有様。それでもあの新人に任せるよりは…。
このままでは敗北は時間の問題…と思われたところで、夢原さん以下歴代面子が大集合。
これを見て、ノーザさんは手早く撤退を指示。
彼女の指揮官能力は半端ない。
【それぞれの戦い】
ひとまず危機を乗り切り、変身解除して自己紹介をしていたところに再度の敵襲。
問答無用でレインボージュエルを奪われてしまいました。
その衝撃で、プリキュアさんも謎生物もバラバラに。それも、「変身前」の状態で。
絶望が色濃く立ち込める中、謎生物たちはレインボージュエルの奪取を計画。
そのためにはまず、ミラクルライトを手に入れよう。
意気込むココナツ達を横に、フラッピとチョッピも決意を固める。
フラッピ:
「……咲と舞を探してくるラピ」
そして決戦兵器・プリキュアに乗り、救援に戻ってくる。
この台詞に、謎生物一同、再会を誓いあいそれぞれの戦いへ。
パイロットと補給部隊の熱い交流を見た気分。
【フレッシュプリキュア!】
もうお家に帰りたい。遊びに来ただけなのに、どうしてこんなことに。
そんな泣きごとを言う花咲さん・来海さんは、ミポメポと遭遇。
残念。シプレ・コフレでないと変身できません。事はそんな楽観的ではないのですが、とにかく変身できません。
それなのに間髪いれず襲ってきたアラクネ姐さんとカレハーンさんの前に、花咲さんはもういっぱいっぱい。
心の花が萎れるどころの話じゃない。
だけどそこに、天からヒーローが舞い降りる。
桃園さん:
「チェインジ・プリキュア・ビート…!」
花咲さん:
「す、凄い…」
先輩方の絶技に恐れおののくしかない。
この桃っぽい人、凄くロースペックなノリなのに、訳も分からず何かが凄い。
そんな激闘を背に、花咲さん達はとにかく戦線離脱して逃げ出すことに。
【プリキュア5GoGo!】
流れ着いた先はプラネタリウム。
そこでようやくシプレ・コフレと再会できました。
但し二匹は、シタターレ姐さんとモエルンバさんに捕獲されてた。
絶体絶命の窮地に現れたのは、夢原さんたち。
謎生物を捕まえることには定評のある二人、早速、人質戦略を始めます。
「SS」劇中では策士・日向さんの前に敗れましたが、今度こそは…
ゴッ!!
…儚い夢でした。何の躊躇いもなく、ミルミルさんが背後から肘打ちを仕掛けやがった。
ダメだこの人たち。話を聞く気が無い。
「死角からの肘」はミルミルさんの売りとはいえ、何もこんな形で…。
念願の変身アイテムを取り戻し、花咲さん達は即行で変身。
生身でいたら命がいくつあっても足りはしない。
そしてもう調子に乗ったりしません。先輩方、指示をお願いします!
夢原さん:
「ここは私たちに任せて、レインボージュエルを取り戻して」
夢原さんは事態を正確に把握なされていました。
この新人さんは、戦力にならない。
そしてなにより。あの娘たちが抱っこしているのは、よりにもよってミップルとメップルだ。
夢原さん:
「…なぎささんとほのかさんは、その謎生物がいないと変身できないの」
花海と共に戦うよりも、黒白を復活させる方が勝算が高い。
最善手を見つけたら躊躇しないのが夢原さん。
二人を即座に送り出すことに。
【ふたりはプリキュア】
レインボージュエルを目指してるんだか、単に死に物狂いで逃げてるだけなのか。
よく分からなくなりながらも走る花咲さん達の前に、またもや絶望が降ってくる。
現れたのは、キントレ・ノーザ・ムカーディア・ネバタコスさん。
ガタガタ震えながらも応戦するしかない。
テレビでは優良プリキュアに見える海キュアさんも、こうなっては花キュアさんと大差ありません。
それでも反撃を試みようとしてはいるだけマシなのかもしれない。花キュアさんにいたっては、涙すら流しそうな体たらく。
勝算なんて欠片も見えないところに、やってきてくれたのは黒白・花鳥のふたりペア。
いかようにしてミポメポやフラチョピが彼女たちと合流したのかは定かではないですが、どうにかしたんでしょう。
あの謎生物たちもまた、戦ってる。
メップル:
「約束通り、なぎさたちを連れてきたメポ!」
操縦席でサムズアップする謎生物たちに痺れました。格好良すぎる。
そして振り仰いだ上空にはシロップが舞う。
その背には、窮地を脱した謎生物たち。
…だけではなく、艶やかに手を振るルミナス先輩の姿も。
やっぱルミルミさんは違うな!登場した時には、既に逃亡が完了している。
【ハートキャッチプリキュア!】
謎生物たちの「後は任せろ」の言葉を背に、花咲さんらは敵の中枢へ。
より正確に書くならば、風月によってぶん投げられました。
もういいから行って来い。そんなノリ。美翔さん…。
しかしラスボスの前に辿り着いたはいいものの、持ってる武器が少なすぎる。
虎の子の強化必殺技・フォルテッシモもあっさり散華。
これは無理だ。詰んでる。
【桃VS木&蜘蛛】
花咲さんの特攻失敗により、足止めチームも戦線崩壊していました。
嫌な音を立てて地面に突き刺さるキュアスティック。
対ラビリンス戦でもなかったほどにボロボロされたフレッシュ組が痛ましいです。
敵は「絶望」の力を操るアラクネ姐さんと、木の化身・カレハーンさん。
「不幸」は「幸せ」で打ち勝てる。でも「幸せ」を空虚にする「絶望」では相手が悪すぎる。
カレハーンさんにいたっては相性最悪です。「全てを枯らす力」と「植物を操る力」。
フルーツ娘たる桃園さんたちでは、あの時点で全滅してなかっただけでも驚嘆する。
【夢VS火水鳥】
夢原さん:
「プリキュア・レインボーローズ・エクスプロ…」
モエルンバさん:
「チャチャチャ!!」
一方で、夢原さんたちも切り札を打ち破られていました。
薔薇と火。これまた相性が悪すぎる。
モエルンバさんに対して有利な水キュア・ミルミルさんは、同属性のシタターレさんと因縁深いハデーニャさんで抑え込まれてる。
この布陣はどうしようもない。
というか、こうやって見ると植物属性ばかりですね。モエルンバ&カレハーンって、何気に馬鹿強かったのか。
【黒白風月VS金蛸北百足】
雄たけび上げながらキントレさんと殴り合う美墨先輩。
その右手に光るはスパークルブレス。
かつての「DX1」ですら温存したそれを繰り出しているあたり、戦況がいかに厳しいかが良く分かる。
白キュアさんとルミルミさんは、例によって相性の悪いネバタコスさんと交戦。
キントレさんと組み合うべき風月キュアは、高い戦闘バランスを持つ幹部二人に釘付け。
戦う相手を入れ替えれば勝てるのに、この配置に追い込まれた時点で負けている。仕組んだのはノーザさんだ、絶対。
【7年目だから虹キュア】
こうしてプリキュアさんは敗北。希望の力も奪われてしまいました。
だけど絶対に諦めない。
それがプリキュアの誇り。何かもう諦めた方が絶対に楽そうでも、とにかく諦めない。
花咲さん:
「私たちは、絶対に諦めない…!」
立ち上がったのは最弱の名を欲しいままにする花咲さん。
だくだく涙を流してるところが熱いです。
怖い。きつい。無理。だけど諦めない。だって人は変われるんだから。だから諦めない。
花咲さんの決死の行動により、必殺アイテム・ミラクルライトも火を吹いた。
例によって例の如く、謎パワーが溢れだしプリキュアさんも総パワーアップ。
歴代のスーパープリキュア勢ぞろい。
特筆すべきは日向さんと美翔さん。
ついに念願のスペシャルフォームを手に入れました。
それも合体フォーム。
キュアレインボー・ブライティブルーム。
キュアレインボー・ウィンディイーグレット。
もはや長すぎて意味が分かりませんが、とにかく念願のスペシャルフォームです。
虹月花キュアとか、虹風鳥キュアと呼べばいいんだろうか。
(名称はパンフレットにも未記載でしたが、東映アニメ様でやってるプリキュア展で公開されてました)
虹キュア一同に叩きこまれた必殺技により、ラスボスことボトムさんは無念の消滅。
技名は「レインボージュエルソリューション」。
夢原さんの発言力の大きさを物語るネーミングです。
【戦い終わって】
こうして未曾有の悲劇は回避されました。
いつかまた、今度のような敵が現れるかもしれない。
でもきっと大丈夫。だってこんなにいっぱいプリキュアが居るんだから。
花咲さん:
「こんなに沢山、希望があるんですから!」
あれだけの大惨事も乗り越えた娘さんの言うことは、説得力が違う。
どんな辛い時でもきっと何とかなる。
そんな勇気が貰える素晴らしい映画でした。ぎっちり圧縮された7年間に、涙が止まらない。
【今回の背景達】
全てを追うのはとても無理と思えるほど、様々なネタがぶちこまれてた。
もう全てのシーンに、何かが仕込んであったと思えるほど。
きっちり登場したドーナッツとタコ焼きもお見事。
「ハートキャッチ」本編では未登場の、妖艶なお姉さんも先行登場。
前回の「DX」では「パッションさんが出てこれていない」という欠点がありましたが、先に保険を打たれた感じ。
あのお姉さんが月光キュアさんなのか闇キュアさんなのか、怪しいだけの通りすがりなのかは分かりませんが、美味しい役回りだ。
【今回の桃】
マジ落ち込み。頑張ってるけど空回り。
如何なく発揮されるロースペックに大満足。
蒼い人から繰り返さるきつい一言も良い感じです。歪んだ愛を感じる…。
桃園さんといえば寝間着姿も有名ですが、そちらは新人の花咲さんに譲ったようです。
映画でもちゃんと寝間着姿を披露した花咲さんの姿に、桃園さんの教育の行き届きぶりがよく分かりました。
そんな教育を行き届かせて何になるのかは分かりませんでしたが。
【今回のハートキャッチ】
花咲さんは、記憶にある限り有効打を一撃も入れることが出来ていません。
去年の桃園さんも新人さんでしたが、花咲さんはそれよりも酷い。
それでも戦局を決定したのは花咲さん。
何故「絶対に諦めない」パワーが花咲さんだったのか。
諦めの悪さで飯食ってるような人たちの集まりだと言うのに。
無理くり推測するならば、ハートキャッチ組は「心の種」を使って変身する外部電力システム。
電力供給型のプリキュアさんが停止する中、か細く残った乾電池が生きてたのかもしれない。
もしくは美翔さん達もやっぱり「諦めない!」と叫んでたのだけど、潔くカットされたのか。
それと大発見。
オールスターズで集まってると、来海さんが一番の常識人に見える。
本編では本音マシーンとして恐れられてる彼女も、ろくでもない人種が集まったこのメンバーでは貴重なツッコミ要員。
【今回のGoGo!】
ハデーニャさん:
「……お前か」
ミルミルさん:
「あんたの相手は、私よ」
因縁ある相手に、あえて謎生物姿で一撃入れたミルミルさんに惚れた。
この短いやり取りに、物凄いストーリーを感じます。
場面だけで言うならば、このシーンが一番好きだった。
あとハデーニャさんが登場した際の台詞。
夢原さん:
「ナイトメア!!」
相変わらず名前を呼んであげない。
こういう細かい演出が、一々ツボでした。
承知のこととはいえ、やっぱりスタッフ様がおいしい所を一番分かっておられる。
【今回のMH】
花咲さんは「最弱」プリキュア。
そう。決してルミナスさんは「最弱」とは言われない。
何故なら、彼女にしかできない「ハーティエルアンクション」という足止め技があるから。
そんなことを再認識した映画でした。
あのバトン、地味に戦局を左右する力がある。
黒白先輩は、相変わらず黒白先輩だと思いました。
ラストの大ダンスも、ダンスと殺陣を区別できてない感じが伝わってきました。
美墨先輩、ダンスやれって言われて切れてたんだろうなぁ…。
【今回のスタントマン】
前回よりも多め。EDでは歴代プリキュア全員集合でのダンス。
先日の「フレッシュ」映画のベストシーンは3D桃園さんの大活躍シーンだと思ってるだけに、奮闘ぶりが嬉しかったです。
ED映像はもう目が付いていかない勢い。主題歌CDに収録されてるそうなので、発売されるのが楽しみ。
【今回のSS】
美翔さんの出番は相対的に少なめ。
だけどSS組の愛され具合は泣けるほどでした。
敵幹部の半数はSS出身。しかも全員、それぞれの持ちネタの大盤振る舞い。
「TEUCHI」メンバーで唯一「オールスターズ」出演の機会がなかったカレハーンさんも今回参戦。名前ネタもきっちり御披露。
シタターレさんは相変わらず謎生物を捕まえてるし、キントレさんも強さの説得力が素晴らしい。
モエルンバさんの繰り出す技も、霧生戦のアレ。
霧生さんも今回は台詞つき。それも妹さんの保護者という美味しいポジション。
戦闘シーンはありませんでしたが、万が一プリキュアさんが敗北した場合、最終防衛ラインとして戦うつもりだったに違いない。
(あの防衛ラインには、さりげなくブンビーさんやデザート王国の精鋭等が勢ぞろい。結構馬鹿にならない戦力)
【今回の鳥】
何はともあれ、二段変身おめでとうございます。
これで「え?スーパープリキュアできないの?いやそれただのフォームチェンジでしょ?そうじゃなくて『スーパー』化よ、『スーパー』化」と、ねちねちやられる生活ともおさらばです。ちっ。
美翔さんがまた、アイデンティティを一つ失った。
宣伝動画にはあった「ウラガノスさんと戦う風月」は本編ではなし。
カットされるとはさすが美翔さん。まぁ「幹部とプリキュアが並んで睨みあう」カットとかもありませんでしたし、一連のアレは宣伝用と割り切ろう。
あえて深読みするならば、謎生物がお化け屋敷に突入する直前、フラチョピと合流した直後の一幕なんだろうか。
【今回の大泉学園】
東映アニメ様のお膝下の映画館で見てきました。
現在、プリキュアさんの設定画が展示されています。
身長対比表とか興味深かったです。一番背が高いのは水無月先輩。低いのは…。
また映画館の真横にある東映アニメーション様でも、プリキュア展が開催中。
この不夜城で、プリキュアさんは撮影を行われた。
「キュアレインボー」の設定が見られるのも、今のところここだけかもしれない。