新しい一次資料が供給されたので、ハグプリ考察を続けてみる。
【時計の針】
映画「ミラクルリープ」にて、リフレインは「永遠に繰り返す一日」として「土曜日」を選択しました。ストーリー上の理由は不明。
リフレインが「半ドン」(昔は土曜日が休日ではなく、午前中のみ学校や仕事があった)に言及していることから、彼なりに「過ぎ去った日々」の象徴として「土曜日」を選んだのかもしれない。
「半ドン」のような現実世界の過去のシステムに言及されるのは珍しいように思う。あえて持ち出しただけあって、テーマ的には重要です。
リフレインは「土曜の午前中を繰り返す」ことを選択しましたが、奇しくもこの日は午後から同窓会が予定されています。もしも永遠に午前を繰り返したなら、午後の同窓会が起きなかった。
リフレインが望んだあの賑やかだった日々は、過ぎ去った「午前」ではなく、未来の「午後」にあった。
「未来からの学び」「未来からの恩寵」はヒープリさんの切り札のようにも思えます。「半ドン」はとても面白いアイデアだったと思う。
なお一緒に映画を見た我が子は、「半ドン」をフィクション世界の架空の制度と認識していたようです。
言われてみればそうだ。「ここには昔、大きな木があってね」とか「20年前までお祭りがあったんだよ」のような話と、同じといえば同じだ…。
【土曜日】
私らの住むこの世界の「半ドン」と同じである保証は全くないのですが、それを言っていたら考察の進めようもないので、そこは潔く無視し話を進めてみる。
今回「半ドン」という特徴的な仕組みに言及があったことにより、作中年代が特定できそうです。これはハグプリ考察において非常に重要です。なんかもう重要過ぎて、映画劇中で「半ドン」の単語が出た瞬間、目頭が熱くなって乾いた笑いがでそうになったぐらい。もはや病気。
さて、週休二日に移行したタイミングを確認したところ、1992年から「第2土曜は休み。それ以外は半日登校」、95年から「第2と第4土曜は休み」を経て、2002年から今の体制になったようです。今となっては当たり前に土曜休みだけど、移行から完了まで10年もかかったのか…。
では花寺父母は何年生まれなのだろう?ひいては、劇中時間は何年だろう?
①中学2年生の娘がいる。
②口ぶりからして、彼らは週休二日の移行時期を経験している。
アニメキャラクターは見た目では年齢の判断がつきませんが、①番目の条件から素直に考えるなら、30代後半から40代前半ぐらいかと思われます。切りよく40歳としてみよう。
次に②番目の条件。
結論ありきで考えると、ヒープリ劇中時間の候補となるのは「2004年(プリキュア開始年)」「2018年(プリキュア15周年)」「2033年(30周年)」の三つです。
2004年だと仮定すると、花寺父母は1964年生まれ。週休2日への移行は1992年なので、この年代は土曜休みをまったく経験していません。②の条件に反するので棄却。
2033年だとすると、花寺父母は1993年生まれ。今度は逆に半ドンを全く経験していない。故に棄却。
残る2018年の場合、生まれは1978年。小学校までは半ドン、中学生から週休2日を経験し始める世代です。これはかなり劇中描写に合致している。
無論、「2018年ではなく、2016年」等の細かな揺れの有無は保証できませんが、これらを見る限り、劇中時間は「2018年」(少なくとも2004年や2033年ではない)と予想されます。
というかまぁ、要するにリアルタイムと同じ「2020年」付近というだけなのでしょうけれど。
【揺蕩う星奈】
ハグプリ世界は素直に受け止めるなら2018年です。よって、花寺さんと野乃さんは同時代の人物だ。
さてそうすると、論点は残る1組、星奈さんだ。スタプリ世界は西暦何年だろう?
スタプリ最終回にて、星奈さんはキュアグレースに遭遇しています。
しかし「ミラクルリープ」では、二人は「初めまして」の会話をしている。これは如何なることか。
まず、スタプリ最終回では「キュアグレース」として会っている。「花寺のどか」ではない。
そのため「ミラクルリープ」の星奈さんが、花寺さんのことを知らなくても問題はない。ラテ様のことを知らないのは不自然といえば不自然ですが、犬畜生などすべて同じに見えるといえば見える。星奈さんが忘れていたとしても不自然ではないと思う。
ですが花寺さんの「ミラクルリープ」での反応は、ややおかしい。彼女は「他にプリキュアがいる」ことに驚いています。「スタプリ最終回」⇒「ミラクルリープ」の時系列であったなら、少なくともスタプリ組の存在は知っていますから、あの反応には違和感はあります。
疑念を抱いて見返してみると、スタプリ最終回は絶妙にいやらしい描写をしています。
(「スター☆トゥインクルプリキュア」49話より)
スター:「あなた、もしかして…」
グレース:「うん!わたしはキュアグレース!」
スター:「キュアグレース、キラやば~!」
フワ:「ありがとうフワ~」
グレース:「やっぱりぬいぐるみじゃないんだね」
(中略)
グレース:「よかったねラテ。ありがとう」
スター:「あっ。ねぇキュアグレースってもしかして…」
(邂逅終了)
「もしかして」ってなんだ?
メタ的には「もしかして次のプリキュアなの?」ですが、劇中で考えるなら他に何かあるはず。
これを踏まえて、以下、考えてみる。
●仮説1「スタプリは2018年の出来事である」
一番シンプルです。というかこれ以外を疑う理由が基本的にはない。
引っかかるのは2点。「ミラクルリープ時点で、なぜ花寺さんはキュアスターを認識していないのか」「最終回で星奈さんは何を言おうとしたのか」。
説明がつかないので、とりあえず横に置きます。
●仮説2「スタプリは2018年より前(仮に2004年)の出来事である」
要するに花寺さんが何らかの事情で2004年にタイムトラベルしていた。
この場合「ミラクルリープ」時点の花寺さんが、星奈さんのことを知らなくても矛盾はない。ただ「何らかの事情」ってなんだ。
また、星奈さんが何を言おうとしたのかも不明です。「もしかして未来から来たの?」だとしたら、どんだけキラヤバい洞察力してるんだこの子。
今後ヒープリにて「過去に戻る」かのようなエピソードが出てこないとも言い切れませんが、現時点ではこの説は厳しいように思う。必然性がない。
●仮説3「スタプリは2018年より後(仮に2033年)の出来事である」
この状況を作るためには、2つ仕掛けがいる。
まず星奈さんらを2018年(19年)に行われたミラクルリープや、ハグプリ最終回に出演させないといけない。
先ほどの「花寺さんがタイムトラベルした理由を説明できない」と違い、星奈さんは説明(こじつけ)が可能です。
蛇使い座のプリンセスとの決戦において、宇宙が巻き戻ったかのような描写があるので、これを拡大解釈し「スタプリ一行は過去から現代(2033年)まで戻る途中だった」とすればいい。
(シチュエーションはだいぶ違いますが、SF小説「故郷から10000光年(故郷へ歩いた男) 」を彷彿とさせる)
劇中では一瞬で描写されていますが、蛇使い座との決戦⇒宇宙消滅⇒プリキュア再起動⇒最終決戦の過程で星奈さんは宇宙の歴史を歩みなおしていたんだ。
まぁこれだとフワやプルンスがいることの説明がつかないので、何か更に仮説を重ねる必要がありますが。
もう一点。「キュアグレースってもしかして」の後に何が続いたのかです。
実はスタプリ最終回のグレースさんは、2代目グレースなんじゃなかろうか。
「2代目」ならば、これまでの矛盾の説明がつきます。
ミラクルリープ時点では花寺さんは会ったことがなかった。だから知らなかった。
スタプリ最終回時点のグレースは、オリジナルの花寺のどかではなく、キュアアースと同様に複製されたグレースだった。だから初対面かのような振る舞いをした。
それならばスタプリ最終回での星奈さんの最後の言葉は「もしかして、のどかちゃんとは違うの?」等でしょう。目をキラキラさせながら言う台詞ではないですが、星奈さんはキラやばいのでおかしくはない。
自分で書いておいて無理を感じるし、そもそも何でこんな仮説を考えなきゃいけないのかよく分からないのですが、「スタプリ最終回のグレースは、2代目グレースだった」はちょっと応用が効きそうな気がする。
ただ「2代目グレース」説を使うなら、仮説1も説明できるんですよね。わざわざ「スタプリ組は過去に戻っていた」を使わなくても済むので、仮説1の方がずっと良い。仮説3のメリットは「スタプリを2033年の話にできれば、30周年の時に扱いやすくなる」ことぐらい。
何にせよ、今後のヒープリさんの展開が非常に気になります。
来年の春映画では、よりにもよって「四季2回問題」を抱えている夢原さんと共演なさるようですので、更に予想外の何かを見つけ出せるかもしれない。
【蛇足】
スタプリ最終回を見返したら、「ミラクルリープ」のCMやってた。不思議な感覚だ…。
事情が事情なので不謹慎かもしれないけど、この現象そのものが時間ネタとリンクしてて何とも凄い。
参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)
【時計の針】
映画「ミラクルリープ」にて、リフレインは「永遠に繰り返す一日」として「土曜日」を選択しました。ストーリー上の理由は不明。
リフレインが「半ドン」(昔は土曜日が休日ではなく、午前中のみ学校や仕事があった)に言及していることから、彼なりに「過ぎ去った日々」の象徴として「土曜日」を選んだのかもしれない。
「半ドン」のような現実世界の過去のシステムに言及されるのは珍しいように思う。あえて持ち出しただけあって、テーマ的には重要です。
リフレインは「土曜の午前中を繰り返す」ことを選択しましたが、奇しくもこの日は午後から同窓会が予定されています。もしも永遠に午前を繰り返したなら、午後の同窓会が起きなかった。
リフレインが望んだあの賑やかだった日々は、過ぎ去った「午前」ではなく、未来の「午後」にあった。
「未来からの学び」「未来からの恩寵」はヒープリさんの切り札のようにも思えます。「半ドン」はとても面白いアイデアだったと思う。
なお一緒に映画を見た我が子は、「半ドン」をフィクション世界の架空の制度と認識していたようです。
言われてみればそうだ。「ここには昔、大きな木があってね」とか「20年前までお祭りがあったんだよ」のような話と、同じといえば同じだ…。
【土曜日】
私らの住むこの世界の「半ドン」と同じである保証は全くないのですが、それを言っていたら考察の進めようもないので、そこは潔く無視し話を進めてみる。
今回「半ドン」という特徴的な仕組みに言及があったことにより、作中年代が特定できそうです。これはハグプリ考察において非常に重要です。なんかもう重要過ぎて、映画劇中で「半ドン」の単語が出た瞬間、目頭が熱くなって乾いた笑いがでそうになったぐらい。もはや病気。
さて、週休二日に移行したタイミングを確認したところ、1992年から「第2土曜は休み。それ以外は半日登校」、95年から「第2と第4土曜は休み」を経て、2002年から今の体制になったようです。今となっては当たり前に土曜休みだけど、移行から完了まで10年もかかったのか…。
では花寺父母は何年生まれなのだろう?ひいては、劇中時間は何年だろう?
①中学2年生の娘がいる。
②口ぶりからして、彼らは週休二日の移行時期を経験している。
アニメキャラクターは見た目では年齢の判断がつきませんが、①番目の条件から素直に考えるなら、30代後半から40代前半ぐらいかと思われます。切りよく40歳としてみよう。
次に②番目の条件。
結論ありきで考えると、ヒープリ劇中時間の候補となるのは「2004年(プリキュア開始年)」「2018年(プリキュア15周年)」「2033年(30周年)」の三つです。
2004年だと仮定すると、花寺父母は1964年生まれ。週休2日への移行は1992年なので、この年代は土曜休みをまったく経験していません。②の条件に反するので棄却。
2033年だとすると、花寺父母は1993年生まれ。今度は逆に半ドンを全く経験していない。故に棄却。
残る2018年の場合、生まれは1978年。小学校までは半ドン、中学生から週休2日を経験し始める世代です。これはかなり劇中描写に合致している。
無論、「2018年ではなく、2016年」等の細かな揺れの有無は保証できませんが、これらを見る限り、劇中時間は「2018年」(少なくとも2004年や2033年ではない)と予想されます。
というかまぁ、要するにリアルタイムと同じ「2020年」付近というだけなのでしょうけれど。
【揺蕩う星奈】
ハグプリ世界は素直に受け止めるなら2018年です。よって、花寺さんと野乃さんは同時代の人物だ。
さてそうすると、論点は残る1組、星奈さんだ。スタプリ世界は西暦何年だろう?
スタプリ最終回にて、星奈さんはキュアグレースに遭遇しています。
しかし「ミラクルリープ」では、二人は「初めまして」の会話をしている。これは如何なることか。
まず、スタプリ最終回では「キュアグレース」として会っている。「花寺のどか」ではない。
そのため「ミラクルリープ」の星奈さんが、花寺さんのことを知らなくても問題はない。ラテ様のことを知らないのは不自然といえば不自然ですが、犬畜生などすべて同じに見えるといえば見える。星奈さんが忘れていたとしても不自然ではないと思う。
ですが花寺さんの「ミラクルリープ」での反応は、ややおかしい。彼女は「他にプリキュアがいる」ことに驚いています。「スタプリ最終回」⇒「ミラクルリープ」の時系列であったなら、少なくともスタプリ組の存在は知っていますから、あの反応には違和感はあります。
疑念を抱いて見返してみると、スタプリ最終回は絶妙にいやらしい描写をしています。
(「スター☆トゥインクルプリキュア」49話より)
スター:「あなた、もしかして…」
グレース:「うん!わたしはキュアグレース!」
スター:「キュアグレース、キラやば~!」
フワ:「ありがとうフワ~」
グレース:「やっぱりぬいぐるみじゃないんだね」
(中略)
グレース:「よかったねラテ。ありがとう」
スター:「あっ。ねぇキュアグレースってもしかして…」
(邂逅終了)
「もしかして」ってなんだ?
メタ的には「もしかして次のプリキュアなの?」ですが、劇中で考えるなら他に何かあるはず。
これを踏まえて、以下、考えてみる。
●仮説1「スタプリは2018年の出来事である」
一番シンプルです。というかこれ以外を疑う理由が基本的にはない。
引っかかるのは2点。「ミラクルリープ時点で、なぜ花寺さんはキュアスターを認識していないのか」「最終回で星奈さんは何を言おうとしたのか」。
説明がつかないので、とりあえず横に置きます。
●仮説2「スタプリは2018年より前(仮に2004年)の出来事である」
要するに花寺さんが何らかの事情で2004年にタイムトラベルしていた。
この場合「ミラクルリープ」時点の花寺さんが、星奈さんのことを知らなくても矛盾はない。ただ「何らかの事情」ってなんだ。
また、星奈さんが何を言おうとしたのかも不明です。「もしかして未来から来たの?」だとしたら、どんだけキラヤバい洞察力してるんだこの子。
今後ヒープリにて「過去に戻る」かのようなエピソードが出てこないとも言い切れませんが、現時点ではこの説は厳しいように思う。必然性がない。
●仮説3「スタプリは2018年より後(仮に2033年)の出来事である」
この状況を作るためには、2つ仕掛けがいる。
まず星奈さんらを2018年(19年)に行われたミラクルリープや、ハグプリ最終回に出演させないといけない。
先ほどの「花寺さんがタイムトラベルした理由を説明できない」と違い、星奈さんは説明(こじつけ)が可能です。
蛇使い座のプリンセスとの決戦において、宇宙が巻き戻ったかのような描写があるので、これを拡大解釈し「スタプリ一行は過去から現代(2033年)まで戻る途中だった」とすればいい。
(シチュエーションはだいぶ違いますが、SF小説「故郷から10000光年(故郷へ歩いた男) 」を彷彿とさせる)
劇中では一瞬で描写されていますが、蛇使い座との決戦⇒宇宙消滅⇒プリキュア再起動⇒最終決戦の過程で星奈さんは宇宙の歴史を歩みなおしていたんだ。
まぁこれだとフワやプルンスがいることの説明がつかないので、何か更に仮説を重ねる必要がありますが。
もう一点。「キュアグレースってもしかして」の後に何が続いたのかです。
実はスタプリ最終回のグレースさんは、2代目グレースなんじゃなかろうか。
「2代目」ならば、これまでの矛盾の説明がつきます。
ミラクルリープ時点では花寺さんは会ったことがなかった。だから知らなかった。
スタプリ最終回時点のグレースは、オリジナルの花寺のどかではなく、キュアアースと同様に複製されたグレースだった。だから初対面かのような振る舞いをした。
それならばスタプリ最終回での星奈さんの最後の言葉は「もしかして、のどかちゃんとは違うの?」等でしょう。目をキラキラさせながら言う台詞ではないですが、星奈さんはキラやばいのでおかしくはない。
自分で書いておいて無理を感じるし、そもそも何でこんな仮説を考えなきゃいけないのかよく分からないのですが、「スタプリ最終回のグレースは、2代目グレースだった」はちょっと応用が効きそうな気がする。
ただ「2代目グレース」説を使うなら、仮説1も説明できるんですよね。わざわざ「スタプリ組は過去に戻っていた」を使わなくても済むので、仮説1の方がずっと良い。仮説3のメリットは「スタプリを2033年の話にできれば、30周年の時に扱いやすくなる」ことぐらい。
何にせよ、今後のヒープリさんの展開が非常に気になります。
来年の春映画では、よりにもよって「四季2回問題」を抱えている夢原さんと共演なさるようですので、更に予想外の何かを見つけ出せるかもしれない。
【蛇足】
スタプリ最終回を見返したら、「ミラクルリープ」のCMやってた。不思議な感覚だ…。
事情が事情なので不謹慎かもしれないけど、この現象そのものが時間ネタとリンクしてて何とも凄い。
参考:
●HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)