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「タイムパラドックスの誤解」: HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察

2022年03月16日 | ハグプリ最終回考察
ちょうど「オールスターズメモリーズ」が放送されるということで、ハグプリの考察をしていて引っかかった紛らわしい設定等を改めて整理してみたい。


(「HUGっと!プリキュア」23話より)

【よくある誤解】
●未来で時間を止めたのはクライアスではない
ジョージが明言しているように、未来世界の時間を止めたのはクライアスではありません。自然現象です。
そのため現代でクライアスを打倒しても、未来の危機は解決せず。

故に「現代でクライアスを倒したのに、ルールーらが未来を救いに旅立つ」のは矛盾していません。
一応は「最終決戦で全人類プリキュア化したので、未来の時間停止も止められるのでは」と期待できなくはないのですが、如何せん25年後(と思われる)の先のことですから確証はなし。
「現代が救われたのに、未来が救われていない。だから平行世界だ(あるいはタイムパラドックスだ)」と考える必然はないです。

●野乃はなの死亡/生存は明言されていない
「元の世界線では野乃はなは死亡したが、今の世界線では助かった」かのような描写は本編にはありません。
状況からしてジョージの語る「野乃はな」に不幸が起きたのは、はぐたんの出産後(少なくともジョージと知り合った後)でしょうから、2030年付近です。
その先のことは描かれていないため、野乃さんが助かったのかどうかは不明瞭。

また、ジョージの語る「野乃はな」が最終的に救われなかったかも明言されていません。
最終決戦の後、ジョージはどこかに旅立っていますから、「救いに戻った」と解釈する余地はある。

この二つは本当に紛らわしい。「タイムパラドクス」や「パラレル」説は言ってしまえば、この誤解が発端です。
上記を踏まえると、実はパラドクスやパラレルを持ち出す必要がありません。
ハグプリ考察が分かりにくくなる理由の一つは、「そもそも必要がないパラドクス等を前提にしてしまっているから」とも。

私のやった考察も、ここに引っかかったせいでやたら回りくどくなってしまった。

【設定の確認】
●野乃はなの死の原因は出産ではない
ネット上でおそらく最も有名な考察アイデアが「はぐたん出産時に死亡した」を採用しているので、公式設定と誤解している方もいるようです。

ジョージの語る「野乃はな(らしき人物)」は、剣を持って戦ったが民衆に笑われて見捨てられたようで、これは喩え話だとしても「出産」の描写とはかなりの乖離があります。

●野乃はなは、はぐたんが来たから明るくなったのではない
転校前に同級生とトラブルがあったことから、「元の世界線の野乃はなは孤独だった」かのようなイメージもありますが、実際にはそれを裏付ける描写はないです。
野乃さんは、はぐたんと関係なく転校後は心機一転がんばろうとしていましたし、新しい級友たちも、はぐたんやプリキュアが絡まなかったら野乃さんをいじめていたようには見えない。

「ハートキャッチ」の花咲さんは、来海さんに出会わなければ内向的な性格のままで、プリキュアとしても大成できなかったと思われます(小説版では、転校前の学校で孤立していたことも示唆されている)。
野乃さんはこれとは違い、歴史が変わろうと何だろうと、ひとまずは第1話のあのポジティブな性格のままです。
そのため「はぐたんが来なかったら孤立していた」は、否定する描写はないものの、率直に言って不自然さが残ります。

●前髪を切ったから未来が変わったのではない
「前髪」説は「未来が変わったから前髪を切った」です。「前髪を切ったから未来が変わった」ではない。
次の項で書きますが、バタフライ効果による改変は想定しづらいので、「前髪を切ったことが連鎖的に変化に繋がった」は苦しいです。

参考:「前髪のパラレル」

【描写されている事柄】
●ジョージは「未来は変わらない」と認識している
ジョージは確信を持っています。だから歴史改変ではなく、時間停止を選んだ。
もしもバタフライ効果で未来が変わるなら(例:前髪の切り方)、ジョージはこのような認識にたどり着けません。
いわゆる「特異点」「時間の修復力」を想定しても、認識に齟齬がある。

参考:「パラレルワールドへの疑念」(物語面)

「バタフライ効果を採用できない」のは考察をする上でかなりの負担です。「今回はなぜ変わったのか」を説明するのがかなり困難で、後述しますが、だから「ハグプリ」は凄いと思っています。

●2030年のえみるが、ルールーに会うために研究室を訪問している
●ルールーは繰り返し「未来で待つ」と発言している
えみるが仮に歴史が変わることを想定していたなら、この行動はとれません。また、パラレルワールドだと認識していたなら、あのルールーは別人ですから描写に違和感がある。実際、これらを理由に「この再会は茶番ではないか」と批判も起きました。

ですが前述のとおり、そもそも改変やパラレルを想定する必要がありません。そしてルールーは「未来で待つ」と明言しています。
ここから改変世界やパラレルを導くのは難しいです。

参考:「パラレルワールドへの疑念」(人物面)

なお幼ルールーが同一人物であることは、オールスターズメモリーズから(勝手にですが)読み取れます。
若返って記憶をなくして混乱する面々の中、ルールーだけは野乃はなやはぐたんを認識できている。「2030年に出会っていた記憶があったから」とすれば、辻褄はあいます。

●失敗をなかったことにするのではなく、失敗から立ち上がるのがテーマ
これはテーマに関わることなので、絶対こうだとは断言はできないのですが、「プリキュア」シリーズでは「絶対に失敗しないこと」よりも「失敗しても立ち上がる」を重視していると思います。

実例としてもアンリ君は「怪我をなかったことにする」ではなく、「怪我をしても別の道で立ち上がった」です。「未来が変わる」と「歴史を変える」はイコールではないように思えます。

参考:「パラレルワールドへの疑念」(テーマ面)

【オールスターズメモリーズで描写されたこと】
●視聴者が「プリキュア」の存在に寄与している
前述のとおり、バタフライ効果は説明に使いづらいです。突き詰めると、ハグプリ世界単体では打開できません。
ですが、まさしくその状態に陥った「オールスターズメモリーズ」では、「視聴者の記憶に助けてもらう」ことで突破しました。

プリキュア映画は例年、その年のシリーズの集大成として上映されています。
歴史改変(ハグプリ世界では解決できないこと)を成すには、「視聴者」の存在を想定するのが綺麗に思えます。

参考:「世界はいつ分岐したのか」


以上から、私としては「未来は変わらない」が考察の第一。
参考:「最終回に起きたこと」

深堀した第二の考察として、「オールスターズメモリーズ」のギミックを使った「黒白召喚により歴史が変わった」を推しています。
参考:「タイムパラドックスの真相」

あとは蛇足になりますが、思考実験として平行世界説の吸収も試みた。
参考:「パラレルワールドの正体」

一連の内容が『正解』かはともかくとして、「時間」テーマは考察すると楽しいです。大げさですけど、死生観にも影響を受けました。
とても面白いので、続けてくれる方がいると嬉しいです。

参考:
HUGっと!プリキュア 愛崎えみる研究室問題考察(一覧)

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