穴にハマったアリスたち

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(第35話)わんだふるぷりきゅあ!「悟の告白大作戦」感想

2024年09月29日 | わんだふるぷりきゅあ!
■(第35話)わんだふるぷりきゅあ!「悟の告白大作戦」感想

わんぷりで最も注目を集めてしまってるとも言える悟くん。ついに危機感を抱き、犬飼さんへの告白を決意なされました。そしてヘタレた。挙句にメエメエ経由で、恋心が犬飼さんに伝わった。むごい。

鏡石の逸話、映画のタヌキ、同じく映画でのこむぎの叫び、猫屋敷さんの旧友とのエピソード等々から、わんぷりは仲良くなった後の関係性の変化を描いているように思われます。
悟くんが告白を保留していたのは、関係を変えたくなかったから。これが「変化を急ぐ必要はない」のポジティブ要素なのか、「変化から目をそらしている」ネガティブ要素なのかは気になっていました。今回を見るに、後者だったっぽい。

告白する/告白しないの二択で「関係が変わる」を考えていましたけれど、冷静になってみれば、関係の変化の決定権が自分にあると思うのは傲慢です。
猫屋敷さんも、旧友と仲直りする機会が来る前に、転校でタイムアウトになった。

今回メエメエがやらかしてしまいましたが、望む望まないに関わらず変化は起きるという文脈なんじゃなかろうか。
ハードな要素でいえば「死」。いつまでも待っていてはくれない。
ガオウもこのパターンで、何かを先延ばしにしていて終わりを迎えたのかもしれない。

悟くんには気の毒ですが、でも仮に主体的に告白していた場合、「仲良しからの変化」がテーマであるなら振られることが予期されます。
今回この形で「破綻」を起こしたのは、むしろラッキーだと思う。ここから「壊れた縁は戻るのか」に挑むんだ。猫屋敷さんだって復旧できた。

彼は良くも悪くも「脇役」なわけで、あまり覚悟を決めて告白をしてしまっても、彼が主人公になってしまう危険性もあります。
(悟くんを馬鹿にしているのではなく、名脇役は脇役だからこそ名脇役なので、主役になってしまったらマズい)

「関係を壊したくない」と静観していたのに、犬飼さんが他の男にとられる可能性を目の当たりにしたら慌てて告白に向かい、応援者が取り巻く中で前に出るも、ヘタレてごまかす…というのは控えめにいってもかなりダサい。ダサいですが、完璧超人を気取られるよりも好感度が上がりました。
繰り返しになりますが、プリキュア側にバトンを渡す、良い動きだったと思う。これが覚悟をしっかり決めて告白し、次回は泰然と返事を待つなんてことになったら、それこそらしくない気がする。

(一部で期待されている変身についても、既に機会を逸したように思います。変身するんなら序盤のフレンディのピンチや、今回のフレンディの背中を追ってるときに変身しないと今更感が沸く。もしかしたら彼は、この手のタイムアウトを担う役回りなのかもしれない)

次回は「特別なワンダフル!」。主役のこむぎは、本日は全く仕事をしていません。ただの犬です。
男女の好きと自分の好きはどう違うのか、それによって自分といろはの関係がどう変わるのか等々、次回はいよいよ見せ場だと思うので、期待しています。

当事者の犬飼さんが、赤面ではなく硬直してたのも好き。この子、「悟くんを狙ってアプローチかけてる」「実は既に付き合ってるつもりでいた」等を疑っていたのですが、本気で知らなかったらしい。マジか、これどうしよう…?な顔が大変に可愛い。
ケージくんの飼い主さんにただならぬ視線を向けていたあたり、他に憧れている男性がいて全く眼中になかった…のが真相なのかもしれない(それがはっきりと描かれるかはともかく)。

それもあって、メエメエはあまり責める気になれない。悟くんはあそこで勝負をかけるしかなかった。

仮にあのまま場が解散になり、後日改めて告白したとして、犬飼さんも「あー、あの時の変な空気はこれか」と冷めてしまいそう。
自分(とこむぎ)以外の全員が知っていて見守っていたことも含めて、不信感を抱きかねない。
そもそも危惧した通りに、他の男と良い仲になってしまってもおかしくありません。
なので悟くん、今あの時しか機会はなかったんだ。メエメエは汚名を背負いつつもリカバリをアシストしたんだ。

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(第33話)わんだふるぷりきゅあ!「マルっとアニマルスマイル」感想

2024年09月21日 | わんだふるぷりきゅあ!
■(第33話)わんだふるぷりきゅあ!「マルっとアニマルスマイル」感想

映画が公開されたというこのタイミングで、犬飼父のメイン回。なぜ?

と思ったのですが、中心になった「声が低いと怖い」は、前回の「体がでかいと怖い」と同じ流れです。
繰り返すということは、見た目や第一印象からくる誤解をわんぷりさんは重視してるっぽい。
大福が見た目のイメージと違ってハードボイルド風味なのも、その一環と思われます。

また恐怖を与えるのが言葉(声)であると同時に、安心を与えるのも言葉でした。
鏡石の奇跡は言語能力(?)のようですから、その意味では前回の「体がでかい」よりも本質に迫った要素なのかもしれない。
何でそんな重要な要素を、犬飼さんではなく犬飼父が担当してるんだ。

この流れなら、ガオウとの一件も何らかの誤解が発端だと予想されます。
まぁオオカミが怖いのは誤解でも何でもない事実なので、オオカミがヒトを怖がったとかでしょうか。
いやオオカミからすれば、ヒトが脅威なのもまた事実には思えますが。

敵さんが目をつけたのは、前回は動物園の檻。今回はペットのリード。どちらも動物を束縛するものなのは事実です。
檻があるからお互いに安心できる。リードがあるから一緒にいられる。
フレンドリータクトのエピソードからも、わんぷりさんはこの方針だとは思いますが、かなりデリケートな問題ではあるので、ちょっとハラハラする。

【全体的なこと】
「第一印象で怖がられる」の危惧は、プリキュアコンテンツそのものにも当てはめられそう。

プリキュアさんは年上だし、すぐに殴るから怖い。

今作の「殴らない」方針が指示された際に、「本当は怖くないんだよ。でも第一印象を改めないと誤解されてしまう」が念頭にあり、「体がデカいと怖い」「声が低いと怖い」等のアイデアに繋がった…とか。
仮にそうなら、「フレンディは怖くない」という印象をしっかりと刷り込んだ後、最終決戦等では思いっきり殴りまくる展開も、もしかしたらあるのかしら。

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感想:小説「ドキドキ!プリキュア」

2024年09月16日 | 小説版プリキュア
てっきり立ち消えたのかと思われた講談社キャラクター文庫さんから、まさかの続刊が出ました。ありがたい。

■小説「ドキドキ!プリキュア」


小説 ドキドキ!プリキュア [ 山口 亮太 ]

ドキプリを貫くキーフレーズ「幸せの王子」。
困っている人がいる。だから王子は助ける。
でもそうやって助け続けたら、王子は疲弊していずれ倒れる。犠牲になったツバメたちと共に。

これへの本編の回答は、人々が立ち上がること。
文化祭の一件然り。最終決戦の混乱を協力し合って乗り越え、プリキュアの救援に駆けつけようとしたあの時然り。

マナさんは特徴的に「人に手取り足取り教える」ことをしない方です。
幸せの王子は宝石をばらまく。魚を与えるのではなく、魚の取り方を教えよ…とは逆の思想。
今必要なのは直接的な助けであって、悠長に構えている余裕はない。

この思想は、人々が自発的に立ち上がるかが肝で、実際に本編では立ち上がってくれたのですが、事はそれだけではやっぱり上手くいかない。
ジコチューが人間に潜む以上、人々にも悪意は存在する。幸せの王子にとっては天敵です。
しかも幸せの王子は、所詮は一つの町の守護者でしかない。よその町にも困っている人はいる。

人造プリキュアや対プリキュア兵器、果ては人々からの悪意や際限のない現実に、プリキュアさんが屈するのはなかなかに辛い。
物理的に破壊される変身玩具、危険性から自主規制を迫られる追加玩具等々。
「敵を浄化すれば原状復帰する」と割り切って戦った結果、倒せなかったので破壊が元に戻らないとか。

かつてのトランプ王国がそうだったように、プリキュアだけでは世界を救えない。

ただ悪意や困難の渦巻く中、立ち上がってくれる人たちももちろんいる。
四葉兄の行動方針はまさに「私たちも立ち上がろう」です。警部さん他、奮戦する方々もいる。
最終的に決定打となったのも、人造クリスタル。作った人々すら紛い物と認識していたそれが、戦局を決めた。

四葉兄がマナさんに突き付けた「世界中で困ってる人がいるのに、君は何をやってるのか」。
相田マナがいかに頑張ろうと、覚悟を決めてツバメを使い潰そうと、王子一人では世界は救えない。

その幸せの王子の限界への回答は、本編よりも具体的かつ抽象的にもう一歩先でした。
キュアハートの活躍に胸を震わせた人々から生まれた、5000人のプリキュアが舞い降りる。

全人類でいえば0.0001%未満のささやかな覚醒ですが、元の5人からは1000倍です。
新たな5000人の幸せの王子が、ツバメや人々を信じて宝石をばらまき、その中からまた王子が現れるラブリンクの輪。

とても読み応えのある、ドキプリの正統続編でした。

【マナさん】
極めてハイスペックな印象と、パルテノンモードの圧倒的な美しさから、最強プリキュアにも挙げられるマナさん。
この考えを根本から改めました。

マナさん自身は何でもできる超人ではなく、むしろかなりの弱さを抱えてる。
ただそれでも彼女は幸せの王子たらんとして、必死に奮い立って強くあり続けた。

思えば本編でも「意外に弱い」のがドキプリの特徴でした。ボロボロになっていく幸せの王子を、傍観してちゃだめだった。

パルテノンモードも「強い!格好いい!すごい!」だけではなく、「私もああなろう」まで思える人になりたい。あの5000人のプリキュアのように。

幸せの王子から降りることができたラストは、とても清々しく、ここからマナさん本来の物語が始まるのかなとも感じました。

(なぜ「パルテノン(処女神アテナの神殿)」なのか?は長年の謎でした。劇場版のエンゲージとは対極にある。あれはもしや、究極的な個人の選択である結婚が許されない(私人ではなく公人として戦う)的な意味だったのかも。もしそうなら、ある意味でダークプリキュア的なニュアンスだったのかもしれない)

【本編の回収と未来】
繰り出されまくる本編設定のツッコミどころの回収の嵐が凄まじい。
ドキプリさんの裏設定をちゃんと追い切れておらず、初出かどうかは分からないのですが、本編のフォローをしつつ、物語にも組み込まれていて爽快でした。

設定だけの存在だった四葉兄の他、謎の敵幹部ゴーマとルストも遂に登場。

ドキプリさんの敵は、いわゆる邪悪な悪党ではない。ジコチューなだけです。
七つの大罪の皆様は人間の負の根源ですから、価値観は通じるものがある。
かといって当然仲間でもなく、えげつない攻撃もかなりしてくる。この独特の距離感が、小説でも発揮されてた。
リーヴァたちまで出てくるとは、正直全く予想しなかったな…。いや確かに7人勢ぞろいは凄く良いから、とても嬉しい。

トランプ王国のプリキュアさんも登場なされた。

キュアデュース
キュアケイト
キュアサイス

デュース(2)、ケイト(4)、サイス(6)。
エース(1)が亜久里さんなので、他にトレイ(3)さんとシンク(5)さんもいらっしゃるんだろうか。
(どこまで本気か分かりませんが、キュアシンクは山口亮太さんのTwitterで発言されたことがある)

5000人のプリキュアの内、名前が出たのは3名。

キュアキスリング
キュアテスラ
キュアクラベス

クラベスは楽器…なんだろうか。
キスリングとテスラは何だろう。モイズ・キスリングとニコラ・テスラ?

(なお読むまで全く考えもしませんでしたが、男子プリキュアが登場する可能性もあったのか。「彼女たち」と表記されているので男子がいるとは明確にはされていない。

男子プリキュアの是非はともかく、せっかくの続編のクライマックスを「男子プリキュア登場!」と雑に評されるのは残念なので、わざわざ扱わないのは正解だと思う

【いつもの皆様と未来】
オノマトペまこぴー可愛い。エースショットの影響を受けたんだろうか。

そしてまこぴーの初恋。素晴らしい。

ぽこぴーなんていない。あれは異文化で馴染みがないし、危機的状況で余裕がなかったせいだ。
と主張し続けて10年。肉食獣なまこぴーが見られて大変に満足です。
こういう「二次創作でやったら袋叩きにあいそう」なのを公式が描いてくれるの、とても嬉しい。続編の醍醐味。
二次創作広しといえど、「ありすの姉になろうとする、まこぴー」なんてネタ、思いついた人いるんだろうか。

(お葬式のシーンはそれでいいのかと若干思いましたが、妙に口が悪かったりするのもドキプリの特徴だなと思い返してみた。なかなか王女様を探してくれないとか、あの辺り)

ジョナサンと亜久里&レジーナの微妙な関係に踏み込んでくれたのも良かった。
全く全然興味なしと回答はされたものの、その後の描写を見ると、亜久里さんはもしかしてもしかするのかもしれない。
キュアジョーカーにもジョー岡田リスペクトを感じます。
ジョナサンは亜久里やレジーナを、アン王女と同一視はしないと思うし、なまじ由来が由来なだけに却って断固として拒否されそうな気はしますが…。

レジーナ様は普段は目が青い。ジコチュー状態の時は赤になる。
片割れのエースは、常に目が赤。故にエースの方がジコチュー度が高い。
というネタが当時ありましたが、今回の亜久里&レジーナおよびキュアジョーカーはちょっとそんな気配がした。

亜久里さんの誕生日について、妙に丁寧に記述がありました。
公式的には5月30日も提唱するが、ただこれまでのファンの慣習を尊重して12月1日。ということなのかしら。
(5月30日は、亜久里役の釘宮理恵さんの誕生日)

兄が重要ポジションで登場した他、鈍器で戦うロゼッタさん。
一人称で獅子奮迅の活躍を成された菱川さん。各人が活躍の場があって、読みごたえが凄まじかった。

いやもう過去の回収と未来の切り開き方が素晴らしくて、この1冊でドキプリも一気に未来に進みました。ありがとうございます。
このシリーズは是非継続して欲しいです。

【蛇足】
人参回の人が、「嘘情報である」ことを示唆するような場面で登場しました。わざわざ、きゅぴらっぱまでして。
この場面の意図が分からない。丸ごと削除しても全く問題なく話がつながる。

「かぐや姫」かタケノコに思い入れがあって一言書きたかった、亜久里さんの誕生日説に7月7日があり(?)それを否定したかった、特に意味はないが何となく筆が進んだ?
個人的に人参回は、堆肥を手で扱うことを推奨する等々かなりの疑問を抱いているので、「嘘情報」とセットで登場したことを勝手に深読みしたくはなった。

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感想:映画「わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!」

2024年09月13日 | わんだふるぷりきゅあ!
■映画「わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ♡ゲームの世界で大冒険!」

物理攻撃禁止、歴代2シリーズの客演等々。
かなり厳しい制約の中、えげつないレベルでパズルを組み立てて、解かれたような、そんな映画でした。さすがはプリキュア。

観劇前に抱いていた不安や疑問が、納得と共にパタパタと反転してテーマに昇華されていく感覚がとても心地よいです。この瞬間がプリキュアの一番の醍醐味とすら思えます。プロの業だ。すごい。

【現代の鏡石】
鏡石の奇跡は、本来なら会話できない動物と会話できること。
そのせいで喧嘩や悲劇も生まれはするけど、お互いに知り合えるのは嬉しいこと。

その交流の根幹にあるのは個々の気持ち。
逆説的ではありますが、言葉があるから気持ちも伝わるし、気持ちがあるから言葉も(実際には音にされなくても)伝わる。

舞台はオンラインゲーム。
遠く離れたところにいる、本来なら知り合えない人とも一同に会せる空間。

今作のかなり特徴的な要素として「敵」がその辺の善意の民間人であること。
タヌキははっきりと、競争相手は他のプレイヤーだと明言しています。

この状況下は、鏡石のもとに集った動物たちを連想します。
コミュニケーションがとれる。そして競い合い、分かり合う。
ネット空間は私らにとっての鏡石。

直近でにゃんふるえんさーのSNS回をやったのも、ここに繋がってたんだろうな。
あの1話で助走をつけてないと、何でゲーム世界なのか唐突感があったと思う。
ゾウさんとのエピソードも「体がでかいと怖いけど、実際は違う」を押さえておきたかったのかも。

こむぎ達の言動で、遠く離れたところにいる見知らぬ人が、正体と事情を察するのも何ともリアルです。
彼女らは助けを言葉にしたわけではないけど、助けがいることは伝わってる。

【たとえ明日喧嘩しようとも】
元々こむぎは、いろはに置いて行かれることに苦しんでいました。
今回もがむしゃらに、いろはを追いかけ続けてる。依存といえば依存しきってる。

ですがそこからの巣立ちも、こむぎはちゃんと覚悟してた。

「明日喧嘩するとしても、今日仲良くしないのは寂しい」の更に一歩先。
明日喧嘩するために、今日仲良くする。

いやもちろん喧嘩しないならそれに越したことはないのだけど、喧嘩することも織り込んで未来に向かう。
仲良く一緒に歩むからこそ起きる、未来の出来事。今で止めたら喧嘩もできない。

死なずにいつまでも同じ永遠でいるよりも、一緒にお祖母ちゃんになる未来を選ぶ。
プリキュアシリーズに通底する「未来で待つ、避けられぬ終わり」。その精神が、わんぷりさんにも継承されてた。

【本編の行く末】

ナツキさんが本編での誰にあたるかは不明。かつてのアニマルタウンの住人なのか、ニコ様なのか。
この辺りは本編が進んだら、また発見がありそう。

素直に見るならムジナはガオウです。
ムジナはきっかけとなったタヌキとは別存在。だから絶滅の当事者のガオウとは違う…のだろうか。

神社の謎の動物像や、ザクロさん達の誕生経緯からして、ガオウも思念(?)の集合体的なのかもしれない。それならムジナと同じ立場。

ムジナは見た目が厳つくて、あんなのに全力で迫られたら恐怖でしかありませんが、ナツキさんに対して敵意はない。
「約束を破りやがって」的な報復行動ではない。

ガオウも根っこは「人間とまた関わりたい」なのかしら。
この辺も本編を待ちたい。

ガオウ=ムジナだとすれば、ガオウを作ったのは誰なのかの視点もありそう。
ナツキさんに相当しそうな第一候補はニコ様でしょうから、ニコガーデンが真っ先に襲われたのも説明がつきそう。
ニコ様がいまいち心を許してない感じなのもそのせい?(上記予想なら人間を憎んでいるのはニコ様ともいえる)

「明日喧嘩するために」の文脈でいえば、悟くんは告白しそう。玉砕か、待ってましたと飛びつかれるかは不明ですが、明確な返事をするんじゃないかな。

【その他1】
大福の変身はバランスよく着地させたと思う。
公式にはプリキュアではない(※)けれど、プリキュアになったらこの姿なんだろうなと思える位置づけ。

※たった一言「キュア大福ってとこだな」と名乗らせるか、ワンダフルから「変身した!?」ではなく「プリキュアになった!?」と言わせれば確定できることなのに、それをしなかったあたりが公式見解だと思ってる。従来でいえば白い西南、ダークココ等々のポジション。解釈はお任せするが、公式では明言しない(ことが公式解釈を物語ってる)パターン。

変身の直接原因は、おそらくは願いの承認ミスで授かった、救える力。
うっかり口にした言葉が誤解を招くのは、鏡石関連のテーマも反映していそうだし、同時に「ワンダフル達とは別系統。ゲーム由来の変身である」ことを示唆してる。

映画に大福が登場するのに、何でテレビ本編で大福を活躍させないのか疑問でしたが、「大福はメインキャラではない」という分かってしまえば普通の結果でした。
これは大福を貶めたいのではなく、サイドストーリーとして兎組を描きつつ、上述の「言葉がある故の誤解」といったテーマの補佐も行う大活躍だったと思う。

※追記
公式アカウントから、公開日の12時というほとんど即時で公開されました。

ネタバレが集客になるのなら1週間前には公開した方がいい(例:キュアモフルン)。
ネタバレを伏せた方が観賞体験が盛り上がるなら、1週間は待った方がいい(例:キュアプーカ)。

そのどちらでもなく、ある意味もっとも水を差す変なタイミングでの公開は、公式としてはこれを目玉のように扱われるのを避けたかったんじゃないのかな。主役はこむぎですので。

大福を軽く見ているのではなく、影響の大きさを認識しているからこそのコントロールだと思った。

(ネタバレ対策で先にネタバレした説は、かなり苦しいと思う。非正規な情報漏洩ではないので個人の口コミを咎めるのは奇妙だし、自分で先に広めても解決しない。やるにしても公開前にやればよい)

【その他2】
ワンダフルによる物理攻撃。スタッフ様の意地を見た。

かつてのプリアラ映画でのパルフェの頭突きの如く。「これは暴力ではない」の体裁をとりつつも、「まぁ物理攻撃だよな」という執念の一打。

ムジナを踏み抜いてのジャンプは、別にこむぎ姿でも成立するのに、わざわざ一瞬でプリキュアに変身させています。
実際の本音は分かりませんが、私としては「物理攻撃」と受け取りました。ワンダフルさん、格好いい。スタッフ様も格好いい。

強引なお約束といえば、ピンクトルマリンも良かったです。はーちゃんの執念は怖い。

【客演】
まほプリとひろプリが採用されたのは、直近の放送シリーズだからでしょうけれど、どちらにも共通する「ふたつの世界」でまとめたのは納得。

まほプリは「思いを伝えるのが魔法」ですから、そもそも鏡石と相性が良い。
ネット空間=鏡石と置き換えるなら、魔法でゲーム世界に入れぬ道理はない。

(ただ動物との会話が魔法に含まれていないので、鏡石とは決定的な部分が異なる。この辺は多分、わんぷり本編を最後まで見ればもっと語れそう)

決戦の場がリアルの横浜だったので「現実世界にやってくる」的意味合いで、ひろプリも活きてたと思う(個人的には、ひろプリの「ふたつの世界」とは、プリキュア世界と現実世界のことだと解釈してる)。

鏡石が現代のSNSやオンラインゲームなどに喩えられるのと同様に、「プリキュアコンテンツ」自体もプリキュアさんとこちらの世界を繋ぐ鏡石とも言えるのかもしれない。
状況的にも場所的にも、NS1の「想いを伝えるために走る民間人と、それを援護するプリキュア」の構図になっており、色々な解釈ができそう。
わんぷり本編が終わった後に見返したら新たな視点もでてきそうな、楽しみの残る展開だったと思う。

【まとめ】
とりあえず映画を見たあとの第一感想を、パンフすら読まないまま、思うままに吐き出してみた。
落ち着いて振り返ったら色々と訂正もあると思うけれど、まずは形に残してみる。

今作はかなりの制約が話題になってるシリーズですが、その上でそれを上手く組み立てた凄い映画でした。

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(第32話)わんだふるぷりきゅあ!「動物園の推しアニマル」感想

2024年09月11日 | わんだふるぷりきゅあ!
■(第32話)わんだふるぷりきゅあ!「動物園の推しアニマル」感想

率直に言って、かなり厳しい回だったな。というのが第一感想。
批判的な感想になるので、苦手な方は避けてください。

【去年1年】
ひろプリさんがゲスト出演されました。
それは良いのですが、これは何をやりたかったんだろう?

ひろプリを象徴するキーワードといえば「ヒーロー」です。
しかしながら「ヒーロー」に関わる要素は特にはなし。

本筋の流れが「本当は優しいのに、体が大きいので怖がる」でしたから、ヒーロー要素との親和性は高かったはず。
ソラの一言がいろはの経験を裏打ちしたり、スキアヘッドはプリキュアが怖かったからああも好戦的だったのでは?と本編に気づきを与えたりと、期待できることが多数ある。

ですが、そういったことは特にはなく。
描かれたのは「ましろさんましろさん」とじゃれつくソラでした。

※「みんな仲良し」はどのシリーズにも言えること。シリーズの特徴をとなった場合、キーフレーズで採用されているのは「ヒーロー」です。
結果的に「みんな仲良し」が好まれたのなら、サービスでそれを優先するのは悪いことではありませんが、コンセプトの存在感が薄かったことになります。

また、話の運び方的にも、絵としても、中心にいたのはツバサです。前情報なしで見るなら、ツバサが主人公に見える。
別にツバサが嫌だとかそういったことではなく、ひろプリの主役はソラです。

「初の青&異世界人の主人公」は、男子プリキュアや成人プリキュアと同様に、史上初として打ち出されていました。
ソラが主人公であることは、挑戦要素のひとつとして柱になってる。

しかし実際には、制作サイドから「ツバサのほうが主人公っぽい」「歴代の主人公たちがやってきたことをツバサにいちばん乗せるべきだと思った」(20周年アニバーサリーブックより)と語られていて、企画段階から「ソラ主人公」は破綻していたように見えます。
そして今回の客演で、改めてそれが表に出てしまったように思えます。

※繰り返しになりますが、「ツバサはソラより主人公っぽい」は公式の見解です。

他にも、背景出演がアンダーグ一同だったのも不可解です。
昨年は「子供は悪役に興味がないから、悪役会議は止めた」とも語られていました。
それなのに、コラボのサービス回で悪役を出すのか?
そこは(アンダーグに負けず劣らず人気のあった)青の護衛隊の面々でよいのでは?

※ここのポイントは、アンダーグと護衛隊のどちらが人気があったか?ではなく、公式発言「子供は悪役に興味がない」との整合性です。

もちろんコラボ回なんてお祭りのサービス回なんだから、ファンが喜ぶものに徹するのはおかしくない。
悪役会議はいらないと判断したけど、やっぱり必要だと思い知ったから、反省を兼ねて出すね。も批判するようなことじゃないと思う。

ですが、ヒーローとしてのソラより、ましろさんベッタリのソラが喜ばれるのだとしたら、去年の「ヒーロー」要素は何だったのかと疑問がつきます。
ソラよりもツバサを歓迎したのなら、「初の青&異世界人の主人公」は食われてしまってる(繰り返しますが、男子プリキュアだから嫌だと言いたいのではない。ソラが主人公であることは、昨年の挑戦要素に入っているからです)。

そしてメインとなる子供視聴者は、本当にそんな嗜好をするんだろうか?

今回、ひろプリ感謝祭の時の構図も使われています。
ファンにとっては感涙ものの粋な演出だと思います。
思いますが、子供に通用するネタなんだろうか?

正直な感想として、ひろプリの批判意見として散々言われ続けてきたことが、思いっきりそのまんま当てはまる露悪パロディにすら思えるコラボだと感じました。

例えば「体が大きくて怖がっている」のくだりをソラがヒーローに絡めつつ話す、ウサギ蘊蓄をツバサが話す。それを見て「あの少年、やるな」と悟君が一目置く。
そういう展開でも良かったんじゃなかろうか。
(私の考えた傑作シナリオを採用しろ!と言いたいのではなく、本筋を変えることなく容易にできるという一例として)

【今年1年】
本作の主役は、名目上はこむぎです。
ただ、いろはが主人公に見えるのも事実で、実際のところW主人公なのだと思う。
(先ほどの「初の青主人公!」と同様に失敗といえば失敗なのかもしれませんが、横に置きます)

そのいろはと動物との原点が描かれる重要な話が、コラボ回とはどういうバランス配分なんだ。

コラボ先のひろプリが絡んでくるなら分かる。でも、ひろプリは通りすがっただけで、役回り的には賑やかなモブでしかありません。
結果的に2本立て構成みたいなもので、ただ単に尺が減っただけです。そんな中での、原点話。
コラボに割かれている尺そのものはそこまで長くはなく、大袈裟に騒ぐことではないのかもしれない。でも気になるのも本音です。

「今のいろはを形作った推しアニマル」というのは、こむぎからすれば心中穏やかではいられない面もあるはず。
実際、今月の「なかよし」版では、こむぎの嫉妬が描かれています。

※「こむぎは能天気だから嫉妬などしない」は否定されています。
そもそもこむぎは、いろはに置いて行かれることを悩んでいたキャラクターであり、主要な要素です。

このエピソードひとつで様々な側面(しかも本編テーマにも直結しそうな)を描ける大きなポイントを、尺が減ったコラボ回で消化するとは一体…?

邪推するなら、まずコラボのスケジュールが決まってから話の中身を検討したんでしょうから、下手したら「ゾウとの出会いがきっかけ」すら後付けの可能性があります。
ひろプリ出すには動物園がやりやすそう⇒推しアニマルがいるってことにするか。のような流れ。
さすがに被害妄想じみてますが、もうちょっと丁寧に扱うべきネタだったんじゃなかろうか。

そういったわけで、甚だ不可解な回でした。
比較で語るのはあまり上品ではないので詳細は割愛しますが、これまでの歴代コラボ回はそのシリーズの特徴をいかした上で本編にも協力していました。
期待していただけに、残念です。

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(第31話)わんだふるぷりきゅあ!「ニャンフルエンサーまゆ」感想

2024年09月07日 | わんだふるぷりきゅあ!
■(第31話)わんだふるぷりきゅあ!「ニャンフルエンサーまゆ」感想

猫屋敷さんがニャンフルエンサー様になりました。ネコ出してればいいんですから楽なもんですね。
真に楽なのはプリキュア生変身を配信することなので、それを思うと自重なされたのだと思う。

またこの1件を通じて、転校前にアレコレあった子と仲直りしました。
お互いに嫌われたと思い、お互いにすれ違って気まずくなっていたらしい。

鏡石がもたらす奇跡とは、今わかってる範囲では動物とのコミュニケーション。現代のSNSも似たようなものと言える。
時には揉めることもあるけれど、こうして縁を取り持ち、分かり合うきっかけにもなる。

今回の話の発端は勘違いですから、ガオウ関連もきっかけは誤解なのかもしれない。
鏡石の翻訳機能に問題があって、お互いの真意を取り違えたとか。

例えば大福の性格がハードボイルドを連想されているのは、こむぎがそういう喋り方で代弁したからです。大福自身は喋っていない。
もしも鏡石が妙な伝え方をしていたら、大福の性格も見誤ってしまう。

まぁ仮にこれが原因だとしても証明できる当事者が既にいない(ニコ様では無理)ので、鏡石をいじくった真の黒幕が必要になりそうですが…。
今回リリアンさんが、集中しすぎる短所を、敵の煽りを無視して集中できる長所に変えていました。
これが全体テーマにもかかっているなら、何か人間(もしくは過去のアニマルタウン)の短所的な物で破綻したが、それが長所に感じるような展開になり、ガオウも納得する…とか?

敵といえば、今回は不思議生物ではなく、こちらの世界のペットを素体にして襲ってきました。
ザクロさんの主張はそれなりに正しい。人間に洗脳され、衣食住を握られ、愛玩されている様はかなりキツい。
ここに踏み込みすぎるとペットのタブーに突っ込むので深追いはしないと思うのですが、微妙なところに触れてきた。

あと、懸念されたバトルは割と楽勝でした。素体の問題なのか何なのかはよく分からない。若干拍子抜け。

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「episode28:しのびよる魔の手」マーメイドメロディーぴちぴちピッチ aqua(なかよし2024年9月号)感想

2024年09月03日 | マーメイドメロディー ぴちぴちピッチ
■「episode28:しのびよる魔の手」マーメイドメロディーぴちぴちピッチ aqua(なかよし2024年9月号)感想


なかよし 2024年9月号 [2024年8月2日発売]【電子書籍】[ なかよし編集部 ]

母親を救出すべく敵地に乗り込もうとしたところ、他人様の家に勝手に上がり込んで、落ちてた菓子をむさぼり食った結果、動物に姿を変えられてピンチに陥りました。
一から十まで自業自得過ぎて、ピンチがピンチに感じられない。

とはいえ本当に一大ピンチです。かつての激戦を戦い抜いた水色と緑が完全に無力化。
それどころか星羅がぴょんぴょんと鳴く謎の生物に成り果ててしまった。
罠の主・キルケすごい。この子がいれば、ガクト様もミケル様もあんなに苦労しなかったのに。

嘆いていても仕方がない。唯一まともな理性があったおかげで無事だったので、るきあさんは単独変身。
事態が奇妙だろうと、やることは毎度同じです。歌おう。お唄は全てを解決する。

キルケ:
「効かぬ!効かぬわ!!」
「さすがのマーメイドプリンセスの歌も」
「これじゃまるで森の音楽会じゃな…!!」

なんたる屈辱。
彼女らのアイデンティティはもちろん海中生物でサカナですから、「森の音楽会」はなかなかに煽り度高い。
私らでいえば「まるでメダカの学校じゃな…!!」とかだろうか。
何というか近縁のサカナではなく、わざわざ陸上生物に変化させてるあたり、キルケさんの嗜好は相当に歪んでいらっしゃる。

絶望的な状況をヒッポがどうにかしかけたものの、ローランが出張ってきました。ボス枠なのに前線が大好きらしい。

マメプリの皆様は瓦解(盗み食いのせい)。るきあさんも変身解除。おまけに人質までいて、ついでにアクアレジーナも所在が判明して拘束済。
圧倒的な優位。それなのに、ローランは交渉を申し出た。
るきあが残ってくれるなら、母親も仲間もみんな無事に帰してあげるよ。

あまりに意味不明ですが、るきあさんは承諾。かくして星羅たちは強制送還されました。最強戦力だと思ったのに…。トロピカルフルーツサンデーのせいで…。

残ったるきあさんは真珠を握りしめ、いつお歌をぶちかますかと臨戦態勢。
だけどローランからは意外な一言。

ローラン:
「オレの花嫁になれ、るきあ」
るきあ:
(なにをたくらんでいるの…!?)

いや、普通に惚れているのでは…。
初接触時から雰囲気づくりに必死でしたし。
勝ちが確定している状況を手放してまでのプロポーズに、るきあさんももう少し真摯に向き合って欲しいです。

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