中筋純さんの写真展「流転チェルノブイリ&福島」です。
グラビア雑誌&報道写真家、中筋純さんの渾身の力作です。
つい先日Nikonサロンで展示されていたパノラマ写真を主体にしています。
開催場所は全国を回り、東京は多摩ニュータウンのパルテノン多摩市民センターで、期日が3月11日の今日から16日までです。

チェルノブイリは30年以上はたっていると思うが、荒涼とした広大な廃墟が広がっている。
2011年5月にスタジオでも中筋純さんの写真展チェリノブイリをやらせてもらった。
その年に東日本大震災があって原発事故が起きて日本が消滅するんじゃないかというくらい騒然としていた。その、わずか数日後に中筋さんの写真展を新宿のカメラメーカーのブースでやられると聞いて、ぜひスタジオでも写真展をやらせてくださいと頼み込んだ。
その年のその月は、震災と原発のダブルパンチで、日本の世の中が暗然たる雰囲気で包み込まれていた。私たちが何が今できるか、、、。私たちは何か言わなきゃいかんのじゃないか、世の中に問うことが必要じゃないか、、、それは中筋さんの写真だったが、私たちの会社の声として2日間のショート写真展でしたが、やらせてもらった。
スタジオの仕事はそのままに、私たちの幾つかあるスタジオを写真展会場に使った。
今回の流転はさらに福島の取材が入っていて、時間の経過があって、時空の変化を感じさせられて見ごたえがあります。内容に深みが増したということです。

チェルノブイリや原発問題は企業(社会の歯車)が取り上げにくい事象です。
作者の中筋純さんと私。
企業は横のつながりもあることだし、どうしても歯切れが悪くなりがちです。それはマスコミを見ても感じるし、マスコミの広告主からの圧力は、マスコミを黙らせる力があります。
私の知っている限りでは、城南信用金庫とカタログハウスぐらいが、企業として原発問題に発言している。
本来はマスコミだってクリアーな発言があってしかるべきもの。
私は原発が必要か不必要か判断できないという判断だ。
意見がいろいろあったっていいことだと思う。

10m近くあるパノラマ写真が10数枚あった。
上下でチェルノブイリの30年目と福島の5年目を対比させている。写真展は切り口が鮮明じゃないと言いたいことがぼけてしまいます。
今回は時空をパノラマ写真で見やすく見せているのが特徴です。かたやロシアのチェルノブイリと、身近な福島の 時間経過と空間の変化をうまく見せていると思った。

多摩ニューセンター駅から徒歩3分のパルテノン多摩市民ギャラリーです。
3月11日から16日までです。

パルテノン多摩市民ッギャラリーは左右対称の建物ですが右手が会場です。
朝から雨でしたが、近隣の方なのかぼちぼち見に来られていました。
下は5年前の震災から2ヶ月目の暗澹たる雰囲気の中で、私のスタジオで中筋純写真展を開催した時のものです。

2011年5月22日 中筋さんの写真展「チェルノブイリ・黙示録」
津波の傷跡はまだ癒されていないが、いずれ時間が多くの記憶を忘れさせてくれる。原発事故は人々が忘れても大地に深い傷を残している。どーなるのだろう、壮大な日本というより大地の癒しの始まりでしょうか。