四国は高松行きの最大の目的は、直島のベネッセが展開する地中海美術館と島全体を感じること。
その日はあいにく雨だったので、シーズンオフということもあって、直島自体がガラガラに空いていた。季節の良い時はものすごい混雑だと聞きました。
真っ先に地中美術館へ。
館内は写真禁止なので何もお見せできるものはありません。
直島の古い町並みと新しく建築された異形のものたちの共存。
何かエイリアンに侵略された古い町という感じもあります。そんなことを言っちゃおしめいよ、、、と言われそうだが、古い形だけ残した最新版の機械というか、、、なにか変な感じ。
どこでも良くやりそうな事です。
レトロモダンって奴かな。
でもこれしかないのだろうが、、、。
全体を見た感じでは、地中美術館が、わざわざ瀬戸内海の離れ小島に、古い町並みの先に造ったのは良くわかります。あれが渋谷やら品川にあっても、「あーそう」としか感じないだろ。
自然の中にあって人の力(アート)を誇示できるのだな。
超高層ビルに取り込まれたニューユークにあったら、規模を100倍くらい大きくしなきゃ「つまらないもの」になりそうです。
こまごました瀬戸内の自然の中にあるから、地中美術館が生きているのだと思う。
でも実際にユニークで面白く、感動し見に来て良かったと思いました。
かぼちゃに何の意味があるんだと言われてもねー。
ただ感じてくれればいいだけ
地中美術館の入場券を買ってから、100m以上歩いて本館に入ります。
途中に色とりどりの花が植えてあり、その脇を小川が流れています。
これも展示品のひとつでモネの小道(草花)だそうです、、、なんだかなー。
大きく分けて4つの展示室がありました。
クロード・モネの部屋は温泉か銭湯かと思った。
蛇口や湯船がありお湯でも出てきたら、まさに銭湯です。
むわーと湿気があり暑かった。
とするなら、モネの生きていたところは亜熱帯だったのか???
サウナのような部屋にして、銭湯を連想させるのが床に豆タイルを使っているから。
モネの絵は完全防水防湿なのかアクリルフレームに入っている。
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ウオルター・で・マリアさんは世界各国で丸い石を展示し続けています。
ここ地中美術館では現代的な神殿の真ん中にあって厳かなイメージを醸し出している。
要は、真ん中に鎮座していれば、なにか重要物と感じますから。
音の反響がすごく良く声を出す事を禁じられた空間です。
現代のアートを祀る神殿です。
ここだけ、館内員は巫女さんのような服でした。
現代風ミニチュアー・パルテノン神殿といった感じ。
パルテノンはアートであるけど権力の象徴でもあるから、巨大性が必要なのです。
権力や宗教には畏敬の念が絶対条件ですね。するとどちらも似たようなものと考えられるなーーー宗教と権力、やましいものなのか?
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意外性があって、ぎょっとしたものはジェームズ・タレルの作品だった。
写真ではお見せできないし、見せてもしょうがないもの。
体験しなきゃ感動はわからない。
見ただけじゃタレルの言わんとすることは何もわからない。
ある時間が必要だ。
暗い空間に薄明るいブルーの箱(空間が)の口が開いている。そのブルーの箱の中に入ると、左右の壁はホリゾントになっていて、写真をやっている人はホリゾントを知っているから何だと思うが、知らない人には境目がなく不安になってしまう。
無限のブルーの空間にぽつんといる感じだ。
恐ろしくなって、戻ろうとすると、、、突然に入ってきた入り口がオレンジ色に輝いているのに気がつく。
ブルーに目が慣れてかすかなオレンジでも強烈な印象を受けます。思わず、ぎゃっと声をあげるほどです。
電灯色に慣れると薄くブルーがかかっていても補色なので、どちらに目が慣れるかで色が違って見える。
なんだ、、、あれは、いつからオレンジになったんだ。今まで白い空間だと思っていたが、オレンジだったんだーーーと、実際はどちらも不確かな話なんですが、白と感じているのは自分の感覚か錯覚で、長く自分のいるところが白(普通)と思っているだけなんだと、急に気がつかせられます。
地中海美術館の中でこれがいちばん強烈なメッセージです。
君達が普通と思っていることは、立場が違うと違う空間や時空間にいたら奇妙なのかもしれないよーーーとジェームズ・タレルはおっしゃっている。
ジェームズ・タレルさんの作品は日本にも数多くあるようで、金沢の21世紀美術館にもあるというが、昨年に行ってきたが直島ほど印象に残らなかった。どこにあったかわからないし記憶にもない。
直島のこの空間が図抜けて面白いのだと思う。
アートといっても、あとのは、、、話を聞いただけで想像がつく。
私は自分の認知を超えたものに出くわすと嬉しくなる。
それがアートだと思う。
モネの小道を通って戻り、ミニバスに乗ってベネッセミュージアムへレッツゴー。
雨が降っていなければ散歩しながら屋外の展示を見たかったが、そうもいかない。
1月だというのに寒くなかったのがせめてかな。
おぃおぃおぃ鳥居が埋まっているじゃないかーーー。
しかも鳥居の上に石っころが乗っかって、カラスにでもやられたのか。
そういえば、どこかで見た景色だなーーーそうそう猿の惑星のイントロでエンパイヤステートビルが海岸に突き刺さっていた、、、。
あれは人類が滅び去ったあとの風景でしょー、鳥居がこんなになっていては、、、日本が滅び去ったあとの瀬戸内海ということかーーー。
自然はそれでも、たんたんとあり続ける。
生命体は自然の一部なんだなーとわかる瞬間です。
町営バスとベネッセバスの乗り換え場には人が来ると、、、人を感知するのか、演歌ががんがん流れ出します。おっと「おやじの海」じゃないですが。北島三郎にでも歌わせたいなー。大好きです!!!
もしかして、これもベネッセのアートなの?
世界のアートに演歌が仲間入りとは嬉しい限りです!
これは草間彌生の大きなカボチャ。
これはわかりやすいアートですね、だけど「おやじの海」までアートとなると、おやじである私まで嬉しくなります。おやじだって、トラック野郎だってアートしたいんだぞー。
ベネッセ・ミュージアムは地中美術館の展示ほど重くるしくない。
軽い作品が多い。
その中でも超面白かったのが、館内に入るとどこからともなく音(声なのか歌なのかわからないが人の声)が聞こえているコーナー。
館内の展示をひとつづつみて、ずーと耳に残っているが、意識の片隅にあるだけだったが、B1に降りると、それが声だとわかって、何を言っているのかと聞き耳をたてるが、やはり何だかわからなかった。
見ると巨人がパクパクして声を出していた。
ジョナサン・ボロルスキーさん作の木製の巨人で、漫画の「進撃の巨人」を思い起こさせられ、彼らから発せられる声だった。
口をパクパクさせて「あーーーあーーーあーーー」と音階が単純なのだが、音符で理解できない私には再現できない。
それと「チャクチャクチャク」「クチャクチャクチャ」と小さな声で言っているのだが、反響がよい美術館では遠くまで良く聞こえる。
クチャクチャチャクチャク何を言っているかわからないが、気が狂いそうな空間でした。
これはすごい!
二次元のものを見て感激するのじゃない、空間と音を聞いて感じるのだ。
オペラや演劇、映画に通じるものがある。
美術館は娯楽であるそれらに簡単に負けてしまうのは、音と言葉で語られる事象と、時間の流れに負けてしまうのだ。
アートの限界はないと思うが、一般的には2次元のアートは弱いものだ。
直島の美術館でのオススメは、ウオルター・で・マリアの神殿、ジェームズ・タレルの視覚の錯覚、それとチャクチャク・クチャクチャの進撃の巨人が面白い。
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その後ぶらぶら歩いて町営バスに乗って宮浦へ戻り時間つぶし。
ところが、その宮浦も曲者で、ぱっと見では何もない瀬戸内の小さな港ですが、一歩街へ踏み込むとゲゲゲの鬼太郎みたいな世界が展開していた。
直島ビールもあるよーーー。
探検隊ですなー。
なんじゃこのゴテゴテは、、、。
風呂らしいがエラく南国風だし漫画風だ。
「i❤️湯」という店名の銭湯だった。
http://benesse-artsite.jp/art/naoshimasento.html
雨が降っているし、帰りの船まで時間はなかったが、温泉好きとしては銭湯でも突撃しないわけにはいきません。
中は撮影禁止です。
脱衣所だけ撮らせてもらった。
洗い場と湯船のスペースには大きな象がいた、、、。
極彩飾のきらびやかな銭湯でした。
入り口からして竹の子族みたいな装いでしょ。
私がその日の最初のお客さんだったようです。
朝風呂は5分できっちり上がりました。5分も熱いお湯に浸かっていたら汗が出てきますよー。
外に出て見上げたら、、、
建物がずれて崩れそうじゃないか。
床が抜けているよー。
ここまでやると、わざとらしいけど、まーいいかーーー。
さらにお隣の雑貨屋さん兼喫茶店。
こういうのを、かぶくというのだな。
歌舞伎という言葉の原型です。
奇妙キテレツをよそおって人を驚かせる。街の町民を衣装だけで驚かせようという魂胆だ。それに奇声でもあげれば目立つものねー。
ちょっと昔の原宿の竹の子族、もしくは女子高生のガングロ&山姥?
フェリー乗り場にも草間彌生のオブジェがあった。
ここのかぼちゃは潰れている。
何はともあれ、一回ぐらい直島のベネッセが展開する「アート」を見て感じてください。
四国は仏生山温泉が注目
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/1a11818f7609f51efb950f430cbe3df3
四国は高松から金比羅さんへ
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/da68fd0c0e9074f690797c55c2f94325
高松から直島へ渡る、島自体がアートの神殿
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サンライズ瀬戸、寝台特急で高松往復
http://blog.goo.ne.jp/photostudioon/e/b37a4112804dfa38ab8a9f39fd201d14