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映画、THE LAST KING OF SCOTLAND

2007-04-13 15:27:43 | 映画

アフリカ・ウガンダのアミン大統領をフィクションを交えて描いたもの。

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実在の人物ですが、狂気迫る独裁政治で世界中を震え上がらせた。人食いアミンとまで言われ、冷蔵庫の中に政敵達の首が貯蔵してあったという。

アミン役を演じたフォレスト・ウィッテカーは迫真の演技で、この映画で最優秀主演男優賞をつかんだ。

政治体制がどうこうと言うよりも、独裁政治になると、かくも残酷な制裁が国内で行われる事実を描いたもの。ウガンダの独裁者アミンは国内で30万人を虐殺したと言われているが、ほぼ同時期のカンボジアのポルポトは、カンボジア国民の1/4にあたる170~200万人を殺したと言う。正確な数字すらだせないそうだ。

しかし、、、近年における最大の国内虐殺(と言っていいだろう)は毛沢東の文化大革命じゃないかしら。知識人を標的にしているのは、他の独裁者と同じですが、中国という分母の多いところでの死者で、2000万人ともいわれ、ソノ多くは農村部での餓死者です。文化大革命で中国経済、知的レベルが長らく落ち、近年にいたって漸く復活してきたのはご存知の通り。

独裁者になると、なぜ同胞の虐殺がエスカレートするかが不思議なところですが、閉ざされた社会では、仲間を疑心暗鬼するようになるのでしょう。国内ではオーム真理教内部の制裁や、遠くは連合赤軍の山中での同胞への虐殺が記憶にあります。

毛沢東にしても、革命のホンノ最初のころは同士と力を合わせて、目的を達成したけど、いざ自分がトップに着くなり、地位を脅かされるのではという強迫観念に襲われる。取りも直さず、ソノ手の独裁者は革命やクーデターと言う軍事で政権に付いたからです。軍事にことのほか注意するのもむべなるかな。自分が歩んできた道だから、いずれ同じような者が地位を狙ってくると、思うのでしょう。人は罪深きものです。

軍事で政権を勝ち取った者は軍事か、クーデターで失脚させられる、、運命、、を本能的にわかっているから、遠くの敵より近くにいるものを疑いだすのだろう。

ウガンダのアミン大統領は映画に出来たが、毛沢東の実像をえぐる映画は、現中国政権が続く限り難しそうです。スターリンにしても共産主義一党独裁による国内の制裁は1000万人から2000万人とも言われているが、実際の数字は出しようが無いくらいなんだと思います。

この映画でアミンに扮したフォレスト・ウィッテカーが、独裁者の心の変貌をよく表現していると思う。人の残虐性は我々の普段の日常隠れているだけで、一般人でもホンノ数センチしか違わないのかも知れない。そういう怖さを、この映画は良く描いています。

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写真は全てシネマトゥデイより

http://cinematoday.jp/page/A0001312

コメント (8)
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