月に一度、友人のお寺さん一家の足揉みに通っています。
友人がクモ膜下出血で倒れて、救急搬送されて以来だから、もう6年が過ぎました。
当時60代の友人は、意識不明で運ばれて手術。
ICUにいる間は、ご家族が親指を重点的に揉んでくれ、出てからは私が毎週病院へ揉みに通いました。
脳と足が頑張ってくれたお陰で、70代になった友人は何の後遺症もなく、今も倒れる前と同じ生活を続けています。
毎月息子と揉ませていただく本堂の片隅に、こんなロッカーが設置されてありました。
「うちの納骨堂です」とご住職。
葬儀のあと15年間、こちらのお寺でお骨を預かって17回忌が済んだ後、京都の本山に持っていきます、と。
お一人だけ、お名前の入ったロッカーがありました。
奥様の友人で、独身のその方は、生前にお金を添えて、後のことを頼まれていたそうです。
亡くなられたと聞いて、お通夜から葬儀、その後の納骨まですべてをご住職が取り計らわれました。
彼岸、お盆、命日などには、ロッカーからお骨を取り出して、供養をされるそうです。
老人施設は、今は看取りをするようになりましたが、亡くなった後はどうするのだろうと、常々思っていました。
家族、親族がおられる方は、大丈夫でしょうが、身寄りのない方のその後はどうなるのだろうと。
「ご住職、老人施設とコラボされたらどうでしょう?
身寄りのない方は、死後うちのお寺でお引き取りして、通夜、葬儀、納骨すべて執り行いますって、施設に営業に行きませんか」
ご住職の住んでる町は、人口1万人位の小さな町だから、若いカップルが子育てするのに行政がお手伝いし、老人施設もあるのだから、身寄りがなければそこへ入り、最後は、このお寺が一切を面倒みる。
まさに、生まれてから死ぬまで安心して暮らせる町、になれる!
兵庫県の明石市は「子育て世代に優位」として人口が増えていますが、このK町も「生まれてから死ぬまで、安心して暮らせる町」で売り出せるのでは?
「あんたは、いっつもそれを言うてるな~」と友人に言われた。
「町長に言うて!」って、あなた方夫婦は、町長にもかなり顔が利くではありませんか!
モデルタウンとして、やっておくれ!
息子が独身じゃなく、娘夫婦に子供でもいれば、そこまで考えなかったかもしれないな。
息子は、今、サービス付き高齢者住宅にお住まいの90代の女性を揉みに通っています。
足揉みをしていたから、こういう施設に入って見学もできたので、将来の生活の参考にするでしょうが、その次はどうする?
ま、息子が高齢者になるまでには、まだまだ社会の情勢が変わってくるだろうから、そこまで考えなくても良いのでしょうが。
以前、テレビの番組で、医者で住職という先生が、訪問介護の高齢の方に、安心して任せてくださいってなことを言うておられた。
「医者で住職」というのは、看取られる方も安心に違いない。
冗談で、ご住職に「老人施設とコラボしよ」なんて言いましたが、そのうち「ご入居されましたら、介護、看取り、そして最後のご供養まですべて当施設にお任せください」って施設が、絶対にできるから(我ながら、なんでここまでムキになるのか)!
ちなみに、こちらの納骨堂のお値段は、月に2万円、それが15年間で、その間の年忌法要、最後の京都本山への納骨まで一切合切で、60万円いただいております、とのことです。
ご住職が、息子に向かって「うちに入ってもろたら、最後まできっちりやらせてもらいます」って、ご住職の方が30歳も年上でっせ~。
長生きしてもらわにゃ~。