中国足心道 足揉みぱくちゃん 「今日も元気だ!ご飯がうまい!」

「足揉みぱくちゃん」の療術師 市村良子の日々の出来事、暮らしを綴った日記です。

生と死の分水嶺

2023-11-26 23:50:24 | Weblog
「自然死、自然死、自然死するには、どうしたらよか~」などと、考えておりましたら、BSの「ヒューマニエンス」という番組が、「死の迎え方」というテーマを取り上げておりました。

私も常々、生と死の分水嶺とでも言うような、境界があるように思っておりました。
脳が、身体をなんとしてでも生かそうとする時と、それを超えて死に向かって準備し始める時の境目。

出演されてる先生が、「死にソフトランディングさせるような死に方」とおっしゃっていました。
老いて、ものを食べなくなったら、体重が減ってくるのですが、ちゃんと食べているのに段々、体重が減少してくるようになったら、そろそろ死ぬ準備をしているんだそうです。
食べてるのに体重が減少する、と言う現象は、老衰して代謝(食べ物をエネルギーに変換させる働き)能力が衰えているという証拠。

内蔵や身体の諸器官が衰えて、その役目を果たせなくなっている。
例えば、腎臓は血液をろ過して、水分を再吸収する。身体の水分量を調整する働きをしています。
腎臓が弱ると、余分な水分を排出することもできなくなり、身体が浮腫んでくる。
余分な水分は肺に溜まり、肺水腫という症状を引き起こしたり、身体は溺れ死ぬような苦しさに襲われる。

先生が、末期状態の患者さんによくおっしゃる言葉、「せめて、最小限の水分だけは入れてあげましょう」と言うて、生理食塩水の点滴をする。
身体は、もはや水分を排出することもできないから、それが痰や肺に溜まって地獄の痰吸引が始まる。

この分水嶺をきっちり見極めて、身体に負担をかけずに楽に看取る。
そんな先生も、出演されていました。
外科医として17年働いた後、緩和ケア医として、15年目。
主に、末期がんの患者さんの痛み、苦しみをモルヒネを使ってコントロールされています。
亡くなる1か月前でも、元気でゴルフをされてた男性、2日前に家族に囲まれて笑っておられた男性。
先生も患者さんも、まもなく訪れる死をしっかり受け止めて、感謝しながらあっちへ行かれる。

こういう看取りが、どこでも一般的になったら良いのですが、まだ医学部では、教えていないのでしょうね。
でも、これからは、この安らかな旅立ちともいうべき、最後の時間をどのように過ごすか、というのがビジネスになってくるように思いました。
死因のトップが癌、次は心疾患、3位が老衰。
こんなに沢山の方が、老衰で亡くなっているのに、「正しい老衰死」の仕方が、全く見えていないのが大問題やね~。

94歳のお父さんを60代の娘さんお二人が、介護されています。
あまり食べなくなられたので、このまま安らかに逝ってくれたらよいな~と思われていたのですが、訪問医が「このまま放っておくと、介護放棄、ネグレクトで訴えられますよ」とおっしゃった。
で、エンシュアリキッドという栄養ドリンクを処方されて、お元気になられたと。
このお父さんの場合は、まだ分水嶺じゃなかったのかな。

この緩和ケアの先生のやり方が、医学部でも当たり前に学べるようになり、無駄な治療と地獄の苦しみを最後に味わうことなく、自然に死を迎えられるように、各業界の皆さんに考えていただきたいな。

まず、一番は、医療スタッフ。
介護事業所。
お葬式業者。
最後の時を過ごす環境を整える、ホテル業者もいいかな。
「極楽ロードに向かって、穏やかに過ごせる環境を整えて、最後まであなた様をお支えします~」とか。
看取りがビジネス化されて、経営がなりたてば、無駄な治療や、薬で利益をあげなくてもいいようになりますよね~。

番組を見て、ちゃんと食べてるのに、体重が減少してきたら、死ぬ準備に入ったのだという事が分かって、良かったです。
番組の中に、85歳の骸骨さんみたいになった女性が、出ておられました。
毎日、毎日点滴をされていたのですが、ある日、「お願いですから、点滴を止めてください」と訴えられた。
身体は、もう骨と皮になっておられたのですが、頭は非常にクリアだったのですね。
で、医療スタッフが相談して、点滴を止められた。

本人の訴えがなくても、将来、スタッフはそれを見極めて、きちんとあっちへ送ってくださいね~。








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