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地名と漢字

2018年07月19日 08時14分03秒 | みりこんばばの時事
3年前、私の暮らす地区で防災に関する勉強会があった。

市外から防災士と呼ばれる専門家を招いて講義を聞いた後

皆で近所を散策し

危険が予測される場所を実際に見て回るというものだった。


その時、配布された資料の中に興味深いものがあり

ここでご紹介したいと思ったが、はばかられた。

私は単に地名に隠された意外なメッセージに驚き、魅かれただけだが

見る人によっては不安と誤解を招く可能性がゼロではないからだ。


けれどもこの度、地域で豪雨による災害が起きたため

そんな綺麗事を言っていられないんじゃないか‥

と思い直し、ご紹介する。

すでにご存知であれば、あしからず。




梅、桜、萩、椿、草‥

草はともかく、美しい花の名前が並ぶ。

何を意味するか、わかるだろうか。

これらの漢字が使われた地名は要注意だそうである。

土砂崩れや土石流が起きやすいとされているからだ。


スピリチュアルの世界ではない。

過去、実際に土砂崩れや土石流で流された場所を指す。

その過去とは、はるか昔の江戸時代や明治時代。

災害発生の事実が、これらの漢字に表されているという。

災害の規模は、地形と大きな関連性があるため

一度起きた場所は二度、三度と繰り返し発生する可能性が高いという。



★梅(うめ)‥「埋(う)め」に由来。

土砂崩れで砂が堆積した土地の可能性がある。

人工的な埋立地の意味もある。


★桜(さくら)‥「狭(さ)」と「割(さ)く」に由来。

豪雨で崩れやすい山間部。


★萩(はぎ)‥「剥(は)ぐ」に由来。

表面が剥がれ落ちるような、斜面の崩落が盛んな土地。


★椿(つばき)‥「戯(つば)ゆ」に由来。

戯ゆとは、たわむれるという意味で知られているが

刈り取るという意味もある。

侵食された崖地や、崩壊しやすい地形の土地。


★草(くさ)‥「腐る」「臭し」に由来。

崩壊しやすい地形、硫黄臭などを放つ地形。



植物に続いて動物編。

★猿(さる)‥「去る」「曝(さ)る」に由来。

曝るとは、さらされるという意味。

崖地などを表し、外気に曝されて崩れやすくなった場所。


★駒(こま)‥「転(ころ)」と「間(ま)」の組み合わせに由来。

川と川に囲まれた土地で、洪水発生地帯。


★鷺(さぎ)‥「裂(さ)く」「割(さ)く」に由来。

大きく切り開かれ、裂かれたような谷間。


★蟹(かに)‥「掻く」「薙(な)ぐ」の組み合わせに由来。

地面が浸食作用によって剥がれやすい傾斜地。


★亀(かめ)‥「噛む」に由来。

水が土や岩を激しくえぐり、侵食されて陥没した地形。


★鮎(あゆ)‥「揺く(あゆく)」に由来。

揺れるという意味で、軟弱な地盤を表しており

地震災害が発生しやすい。


★蛇(へび)‥土砂崩れを「蛇抜け(じゃぬけ)」と呼ぶことに由来。

大雨によって土地が崩れる可能性が高い場所。

蛇崩(じゃくずれ)というのもあり、川岸や崖などの斜面の土砂が緩んで

崩れそうな場所を指す。


★津留(つる)‥鶴の首の形状に由来する。

水路のある低地で、川が鶴の首のように曲がった

水害が起きやすい土地。


★龍(りゅう)‥水神の龍に由来。

龍がのたうち回るような激しい豪雨や津波など

多様な災害に襲われやすい場所。



その他にも色々ある。

★柿(かき)‥「掻く」「欠く」に由来。

爪跡が残って欠けた土地を意味する。

崩れやすい崖地帯や堤防決壊による氾濫および津波常襲地。


★女(おな)‥「男波(おな)」に由来。

荒々しい波という意味で、過去に津波被害を受けた可能性あり。


★釜(かま)‥「鎌」の湾曲した部分に由来。

えぐったような崖地や、海辺の急に深い場所

水のたまりやすい場所。


★倉(くら)‥「刳(く)る」「崩(くず)れ」に由来。

刳るとは、えぐるという意味。

山中の切り立った岩盤、断崖など非常に崩れやすくなった土地。


★滝(たき)‥「滾(たぎ)る」に由来。

煮えたぎる、の滾るである。

水が激しく流れることによって、浸食作用が盛んな絶壁や崖。


★灘(なだ)‥「傾(なだれ)」に由来。

傾斜地、または川の流れが激しく、荒々しくて不安定な場所。


★荻(おぎ)‥「穿(うぎ)」に由来。

穿つ(うがつ)という意味で、崖などの地形

または過去に災害を受けて荒れ地になった場所。


★袋(ふくろ)‥水に囲まれた袋状の地形に由来。

堤防決壊や越水が起こった場合に浸水しやすい土地。


★衾(ふすま)‥「狭間(はざま)」「伏す」に由来。

低地のため水が流れ込む、地下水多量な浸水地。


★野毛(のげ)‥「抜(ぬ)け」「除(の)け」に由来。

岩石の崩壊地や崖などの危険な地形で、地すべりが起きやすい。


★放(はな)‥「放(はな)つ」に由来。

取り払う、壊すの意味で

沼沢地から大量の水を「放ち出す」場所。



漢字のイメージとは裏腹に、思いもよらぬ使われ方をしているのは

おわかりいただけると思う。

あからさまに表現することをはばかったのは何となくわかるが

当て字にもほどがある。

そこが私の感覚をくすぐったのである。


以上はあくまで資料の一つであり、可能性の一つ。

あなたの住んでる土地に、この字が入っているから危ないわよ

というものではない。

これらは小さな集落や土地に古くから伝わる通称‥

つまり字名(あざな)であって、現在の住所登録とは異なる場合も多い。

後世になって新しく名付けられた地名に

これらの漢字がたまたま入ることもあるので、いちがいには言えないからだ。


しかし該当する字が使われた、古くから存在する地域が

住まいやその上流にある場合、注意して生活するに越したことはない。

また、住宅を購入する際や引越しの際は

周辺の地形の把握と共に、古い住人に話を聞いて

上流や周辺地域の呼称をチェックすることが必要だと思う。


周辺の災害慰霊碑の有無や、竹やぶの有無を把握するのも有効だ。

災害は地形と関連性が高く、そして繰り返すわけだから

災害慰霊碑が存在するということは

再び同じ災害が起こる可能性が高いということになる。

そして竹やぶは土砂崩れや地すべりで、木がすっかり無くなった所へ

生命力の強い竹が生え、やぶになるケースが多いので注目すべき点である。


そんなこと言ってたら、どこにも住めないじゃん!

ということになりそうだが、災害は全国どこでも起こりうる。

備えあれは憂い無しの精神で、避難袋や避難場所の確認に加え

日頃から周辺を見回して、異変に気付く知識と感覚を養うことも

大切な防災行為だと思っている。
コメント (6)
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