めぐろのめばる

目黒川近辺で日本の四季を楽しみ、未来の日本を憂う。
かつての美しい日本と日本人がいかに素晴らしかったかを思う。

食品ロスは、私達の未来を危うくする

2016-02-19 16:37:43 | 食生活

今や先進国に於いて、食品ロスの問題は深刻です。
フランスでは、廃棄物として処理される食品が、全食品の
三分の一を占め、ついには、法的に規制する様になりました。
これからの世界は、増々、食料不足になると言われているのに
方や、捨てられる食料の量は莫大であり、人類にとって
大きな問題と言えます。

日本に於いても、毎年廃棄される食料の量は増える一方であり、

流通機構の進歩にから、より新鮮な食料が求められることもあって
大量の食料が無駄に捨てられている現状が有ります。

年間に捨てられる食品の量は、800万トンにもなると言われていて

私達が食べる食品の4分の一が捨てられているのです。
この量は、発展途上国の一国の食料不足を解消する程の量であり
世界中の先進国から捨てられる廃棄食品を集めれば、飢餓で苦しむ
多くの国が救われるとも言われています。

しかしながら、日本における大きな問題は、飽食日本と言われる一方

食料の自給率が極めて低い事です。
六割以上を輸入に頼らなければならないのに、家庭ごみだけを見ても
年間400万トンの食品が捨てられているのです。
私達の国には、昔から、もったいない、と言う素晴らしい言葉が有ります。
驚いた事に、この事が理解できなかったり、考えた事も無いと言う国が
世界に多くあることです。

我が国は、自然に恵まれているとはいえ、歴史的にも多くの自然災害に

見舞れ、食料自給に苦しんで来ました。
その為、少ない食料を大切に利用する事が生活の知恵として受け継がれ
食べ物を大切にする文化が育ってきたのです。
しかしながら、大量消費の経済大国となった頃から、多くの食品が捨てられ
その習慣はいまだ、多くの食品ロスを生み、昔からの日本人の思いが
失われてしまっているのです。

消費経済の真っただ中であったバブルの頃は仕方が無いにせよ、

今や、日本に無駄に捨てていい食品は有りません。
しかし、問題は、食品ロスを生まない社会機構が整備されていない事です。
無駄に食品を捨てても、罰せられることは無く、食に関する日本人の
価値観が変わらない限り、この問題は解決しないのです。

流通機構における企業間の食品ロス対策はともかく、私達の家庭に於いて

いかに食べ物を捨てないで使い切る生活を行なうかが大切です。
その為にも、必要以上に多く食料を買いこまず、常に使い切ることが大切です。
多く買いすぎたら冷凍保存と言う考えもありますが、意外と食べられないで
最終的には廃棄になっている場合も多いのです。

そして、私達の考え方も問題です。

食品を食料として買い求めるだけで、その食品が私達の口に入るまで
どれ程多くの過程を経ているか、特に、自然からの食物連鎖の一環として
手に入ることを考える必要が有ります。

例え、たった一匹のアジでさえ、多くの生き物たちの繋がりが有って初めて

食料になるまで育っているのです。
その食料と成る生き物たちが育つには、その環境が守られていなければ
成りません。
当然、汚染されていない、栄養豊かな小魚やプランクトンが多い海が必要です。

ところが、その様な条件を満たす海は、沿岸に近い、浅くて太陽の光が届く、

近くに大きな川が流れ込んで、山のミネラルや栄養を流れてくる海域です。
つまり、東京湾の様な所です。
しかし、このような条件の所は、決まって、人口の多い都市が栄えています。

となると、やはり問題は、私達が出すゴミや生活排水などの海洋汚染です。

つまり、私達が出す廃棄物は、回り回って、私達が食べる食料と関係してくるのです。
食品を食べるという事は、そんな自然の環境を食べるという事なのです。

また、ゴミを出すという事は、私達の食料を減らし、自然環境を悪くする事です。

食品ロスの問題は、単に、もったいないという事だけでなく、私達が生きて行く為の
未来を失ってしまう事にもなるのです。

私達人類は、自分たちだけがこの世で生きている様に思いがちです。

しかしながら、実際は、地球上の多くの生物の命で生かされています。
私達の命を守る為には、同じ地球で生きる多くの生き物たちを守ることが
大切と言えます。
食品ロスは、大きな問題であり、非常にもったいない事でもあります。
しかし、この食べ物を無駄にする気持ちが、挙句の果ては、私達の
生きて行く糧を失う事にもなりかねない事を考えなければならないのです。



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