羽鳥操の日々あれこれ

「からだはいちばん身近な自然」ほんとうにそうなの?自然さと文化のはざ間で何が起こっているのか、語り合ってみたい。

11月は、野口三千三誕生月

2014年11月03日 14時43分28秒 | Weblog
「ヒカリ展」の公式ガイドブックの最後は《光を利用した測定技術 究極の精度を目指して》で締めくくられている。
 電磁波を使って時をはかる話をこのブログにも引用させてもらった。
 現在では、物差しの測る国際単位系は7つの基本単位が認められている、とこの本で知った。
 そのうちの2つ、長さの単位「メートル(m)」、時間の単位「秒(s)」は、電磁波を基準に決められている、とある。メートルは光の速さから、秒はセシウム原子が共鳴する電波(マイクロ波の領域)の周期から決められているそうだ。
 で、電磁波を使って時を測る、この精度を高める研究は日本を中心にすすめられていて、その精度は理論的になんと百数十億年に1秒以下しか違わないところまで到達している。
 その先を読んでみると、時計は重力のわずかな違いで進み方が違い、身長が1㎝違うと人によって時計の進み方が違ってくるとある。

 更に読み進むと、日常感覚では捉えられない物理現象の測定について書かれている。
 つまり、21世紀は電磁波がますます重要になってくるということだ。(科学は平和利用であって欲しい、と祈ります)

 実は、11月は野口三千三の誕生月ということで、朝日カルチャー「野口体操講座」では、先生ゆかりのものを持参し、野口体操の基本の捉え直しをテーマにしている。
 1日土曜日クラスでは、『NIKKA WHISKY IMAGE SONG by KATHLEEN BATTLE Ombra Mai Fu』を聞いていただいた。佐治さんが持参してくれたソニーのウォークマン・プロに、私のPC用BOSEスピーカー接続し、再生した音はなんとはなしに懐かしい雰囲気を醸し出していた。雑音あり、テープの緩みありの音だったが、時間の経過が味わいとなって耳に届けられた。
 現在では電磁波を利用した音響機器が使われている。その音質はものすごくクリアで美しい。しかし音の印象というのは、そこに物語がついているだけで、単にクリアで美しければいい、というものではなさそうだ。そこに科学だけではどうにもならない人間が深くかかわってくる。

 そして、翌2日日曜クラスでは、多様な石を納められるように小振りの鉱物を選び出し、一箱にまとめたもの。その中には、鉱物の化学組成表に、紫外線の長波(L)と短波(S)の区別まで調べ書き残している手書きの紙が同封されていた野口コレクションを見てもらった。今週は土曜日の方々に見てもらおうと思っている。
 電磁波に対する関心は、鉱物の蛍光現象から導かれた。すでに30年近い歳月が流れている。
 それだけに電磁波の問題は、なぜか身近に感じられるのだ。

 カセットテープの音の世界と、蛍光現象の電磁波が、野口体操にとってどのような関連を持つのか、太い線でその関係を論じることは出来ない。
 ただ、一人の人間が関心を深く持ったことは、なにか大事なことを潜めているに違いない。
「まだよく分らないことを分らないまま、そっとそこに置いておこう」
 先生の口癖だった。
 
 脈絡はなくても、11月16日の誕生日をはさんでの野口月間、皆さんに野口ゆかりのものを味わっていただきたいとおもっている。
コメント
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