電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

モーツァルト「ピアノ協奏曲第15番」を聴く

2012年10月20日 06時02分01秒 | -協奏曲
ウィーン時代の始まりの頃に、モーツァルトが書いた四曲のピアノ協奏曲のうち、第14番(*1)、第16番(*2)、第17番(*3)と聴いてきました。お次は、第15番変ロ長調K.450 です。1784年春に作曲されたこの曲は、CDに添付されたリーフレットによれば、知人のトラットナー邸の二階の演奏会場で開かれた予約演奏会で演奏されたらしいとのこと。この協奏曲は、チャーミングな社交的性格の中にも、変奏曲形式の導入など、意欲的な試みを取り入れた曲、と言ってよいようです。

楽器編成は、Ob(2), Fg(2), Hrn(2) と弦楽5部と、いたってシンプルです。
第1楽章:アレグロ、変ロ長調、4分の4拍子。協奏的ソナタ形式というのだそうですが、当方にはそのような分析力はありません。むしろ、オーケストラが楽しく始まり、独奏ピアノが入ってくると、その自在な流麗さに魅了されます。カデンツァもモーツァルト自身によるものだそうで、そうか、この頃はちゃんと書いていたんだな、と妙なところで感心します。
第2楽章:アンダンテ、変ホ長調、8分の3拍子。変奏曲形式。なんともステキな音楽です。やわらかな弦楽で始まり、そっと独奏ピアノが入ってきて主題を受け継ぎ、細かなアルペジオで変奏を展開していくあたり、思わずため息です。
第3楽章:アレグロ、変ホ長調、8分の6拍子。活気のある舞曲風なロンド・ソナタ形式。オーケストラも独奏ピアノも生き生きと活発に演奏され、コーダ部は華やかなものです。



演奏は、アンネローゼ・シュミット(Pf)、クルト・マズア指揮ドレスデン・フィルハーモニー管弦楽団。DENON の紙箱全集から、1974年3月2~3日のアナログ録音です。参考までに、演奏データを示します。

■アンネローゼ・シュミット(Pf)盤
I=10'29" II=5'54" III=7'01" total=23'24"

(*1):モーツァルト「ピアノ協奏曲第14番」を聴く~「電網郊外散歩道」2011年5月
(*2):モーツァルト「ピアノ協奏曲第16番」を聴く~「電網郊外散歩道」2012年10月
(*3):モーツァルト「ピアノ協奏曲第17番」を聴く~「電網郊外散歩道」2012年9月
コメント (4)