電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

週末農業ではない、本格農業の実態

2012年10月04日 06時02分45秒 | 週末農業・定年農業
果樹園の草刈りをしていたら、酪農を営む専業農家の同級生が大型トラクターでやってきて、稲刈りの終わった田んぼでワラ集めをしていました。いやはや、すごいのなんのって、週末農業従事者には驚きの作業です。台風が近づいていることもあって、今日中にワラ集め作業を終えなければいけないとのこと。昨日は深夜まで作業をして、時間との戦いだと言っていました。



30年ほど前は、バインダーが稲を刈り、結束して脇にポンと置いていくやり方でした。それを人手で集め、稲杭に掛けて天日乾燥します。ある程度乾燥したら、トラックや耕運機で自宅の作業小屋まで運搬し、脱穀をします。するとたくさんワラが出ますので、これを酪農家が集めに来るというスタイルでした。

酪農家にとって、稲ワラは冬の飼料であり、牛の寝床でもあり、欠くことのできない大切な材料です。当地山形は雪国ですので、稲ワラは大きな作業小屋に山積みにして保管します。冬もお天気が続く太平洋岸では、あわてて稲ワラを集める必要もないということから、田んぼに放置されていました。それが、福島原発事故により、放出された放射性セシウムに汚染されてしまい、購入して食べさせていた牛が内部被曝して、大問題になりました。

そんな事情から、山形県内で稲ワラを自給する体制づくりを急いでいるのでしょう。台風の接近と競争しての深夜労働は、残業手当てが出るわけでもなし、大変なものです。なんとか健康で乗り切ってほしいと願いつつ、のんきな週末農業ではない本格農業の実態について、認識を新たにいたしました。

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