電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

村山市の東沢バラ公園で山形弦楽四重奏団の演奏会を聴く

2012年10月01日 06時03分59秒 | -室内楽
台風の影響で気温が上昇した日曜日、午前中に自宅から少し離れた場所にあるサクランボ等の果樹園の草刈りと肥料散布を行いました。本当は、九月中旬に実施したいところですが、天候やら体調やら諸般の事情で遅れてしまいました。それでも、なんとか午前中に切り上げ、シャワーを浴びてさっぱりして、午後からは村山市の東沢バラ公園へ。恒例の山形弦楽四重奏団の演奏会です。いつものログハウスの交流館には、すでに大勢のお客様が思い思いのスタイルで陣取っていました。





今回の演奏会では、フォーマルな燕尾服スタイルではなくて、例によってカジュアルないでたちです。第一ヴァイオリンの中島光之さんは、グレーのシャツに黒っぽいプリントのネクタイ、第二ヴァイオリンの今井東子(はるこ)さんは、青いワンピースドレスというのでしょうか、気温の上昇を予想したようないでたちです。ヴィオラの倉田譲さんはいつものように黒いシャツで、チェロの茂木明人さんは、首まわりと手首に白いラインの入った黒いシャツに、チェロにはハンカチかバンダナを巻いています。そういえば、メンバーが今井さんに変わってから、東沢バラ公園での演奏会は初めてかもしれません。今回のトークは、その今井東子さんです。

(1) まず、J.S.バッハの「G線上のアリア」から。おなじみの旋律で、聴衆は弦楽四重奏の響きにぐいっと引き込まれます。
(2) 続いて、ハイドンの弦楽四重奏曲第41番「ご機嫌いかが」ですが、こちらは一工夫ありました。第2楽章の冒頭を、まず第1ヴァイオリンだけで演奏し、次に同じフレーズをチェロを加えて演奏し、さらにヴィオラを加え、最後に第2ヴァイオリンも加わった完全な形で演奏してみせて、カルテットの音やアンサンブルといったものを実感する、という趣向です。これは、私にもとてもわかりやすく、良かったです~(^o^)/
聴衆の皆さんが、カルテットのそれぞれの役割を理解した後で、ハイドンの全曲を演奏しました。やっぱりハイドンはよろしいですなあ。
(3) チャイコフスキーの弦楽四重奏曲第1番より、「アンダンテ・カンタービレ」。トルストイが感激したというエピソードもさることながら、これはもう、チャイコフスキー節全開です(^o^)/
(4) 続いて、幸松肇「弦楽四重奏のための日本民謡」シリーズから東北民謡を選び、「さんさ時雨(宮城)」「会津磐梯山(福島)」「南部牛追唄(岩手)」「最上川舟唄(山形)」の四曲です。なじみの旋律だけに、年配の方々も楽しそうです。演奏面では、ハイドンでは低音部でリズムを刻む場面が多く持ち味を十分に発揮したとは言えないチェロとヴィオラが十二分に活躍しました。とくに「最上川舟唄」では、チェロと二丁のヴァイオリンが指でリズムを刻む中で、ヴィオラが歌い出します。あそこはほんとに見せ場で、かっこいいです。
(5) 続いて、ポピュラーな曲の編曲ものを。恒例になった「百万本のバラ」「小さい秋」「情熱大陸のテーマ」、最後にアンコールで「赤とんぼ」。「百万本のバラ」では、なんだかずいぶん懐かしいような気分になりました。ちょうど、昭和の時代に流行った歌声喫茶に、平成の今、ふらりと迷い込んだような感覚です。

今井さんのお話は、私は二度めかと思います。ちょいと緊張が感じられますが、知的で簡潔で、好感が持てます。「山形弦楽四重奏団は、来月10月13日(土)の18時45分から、山形市の文翔館で、定期演奏会を開く予定ですので、よろしければおいでください」と案内があって、演奏会はお開きとなりました。は~い、10月13日(土)、山形弦楽四重奏団第45回定期演奏会、行ける予定ですっ!

















東沢バラ公園は、干ばつの影響でしょうか、花のつき方が例年よりも少ないように感じました。でも、音楽をじゅうぶんに楽しみ、バラのソフトクリーム(280円)を食べて、園内を散歩して帰りました。良い一日でした。

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