暑い暑いと言っていても、例年の通り、お盆を過ぎたら急に涼しくなりました。朝晩は24度とか26度とか、エアコンなしでも快適な気温です。大きなオーケストラ作品を聴こうという気力も生じます。マーラーの交響曲第7番「夜の歌」をとりだしました。CD1枚に収まる便利さ、ラファエル・クーベリック指揮、バイエルン放送交響楽団の演奏です。
1960年代に、バーンスタインが精力的にマーラーの交響曲を録音し発表していた頃、和田則彦さんあたりが、この交響曲に出てくるギターだかマンドリンだかの音を聴くのが楽しくて、と紹介していました。それが印象的で、どんな曲なのか一度聴いてみたいと思っていたところ、初めて聴いたのが、たぶんこのクーベリック盤LP(G MGX-9929-30)だったと思います。その後、CDを見つけて購入、携帯CDプレイヤーでも楽しめるようになりました。通勤のお供に、夏の夜の散歩に、しばらく好んで聴いております。
わりに速目のテンポで、ときどき金管をやや蓮っ葉に鳴らし、あまり深刻にならずに、前作に比べて楽天的で健康なこの曲の楽しさを聴かせてくれます。曲全体のバランスも統一性があり、一部だけが突出したりしていませんから、終楽章の明るさも違和感はありません。1970年11月にミュンヘンで収録されたアナログ録音で、安心して聴くことができる演奏だと思います。
第1楽章、ゆっくりと(アダージョ)~アレグロ・リゾルト、マ・ノン・トロッポ。
第2楽章、アレグロ・モデラート。「夜の曲」。
第3楽章、スケルツォ、(影のように、流暢に、ただし速くなく)。
第4楽章、「夜の曲」、アンダンテ・アモローソ(愛をこめて)。
第5楽章、ロンド・フィナーレ(アレグロ・オルディナリオ)。
気がついたこと。タイトルは "Lied der Nacht" となっていますが、第2・第4楽章の副題は "Nachtmusik" になっています。英語で言えば、"Song of the Night" と "Night Music" の違い。「大地の歌 "Das Lied von der Erde"」の例もあるので、この大きな交響曲を「歌"Lied"」と称するのはまあいいとしても、ちょっと気になります。
エリアフ・インバル盤(DENON 60CO-1553-4)は、全体としてゆっくりとした遅いテンポで、堂々たる大交響曲という感じで演奏しています。特に第1楽章の粘りは秀逸です。ただし77分を超えてCD2枚になってしまったために、全曲の流れを通して聴くのには不便です。このあたりの収録時間と演奏時間の矛盾は、しかたがありません。
1986年5月、DENONとヘッセン放送協会との共同制作による、たいへん優れたデジタル録音です。部屋のステレオ装置で音量を上げてもうるさくならず、携帯CDプレイヤーでイヤホンで聴いても歪的な音はありません。
■クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団
I=19'42" II=14'46" III=9'24" IV=12'01" V=16'40" total=72'33"
■エリアフ・インバル指揮フランクフルト放送交響楽団
I=22'36" II=14'40" III=10'21" IV=13'13" V=16'49" total=77'39"
1960年代に、バーンスタインが精力的にマーラーの交響曲を録音し発表していた頃、和田則彦さんあたりが、この交響曲に出てくるギターだかマンドリンだかの音を聴くのが楽しくて、と紹介していました。それが印象的で、どんな曲なのか一度聴いてみたいと思っていたところ、初めて聴いたのが、たぶんこのクーベリック盤LP(G MGX-9929-30)だったと思います。その後、CDを見つけて購入、携帯CDプレイヤーでも楽しめるようになりました。通勤のお供に、夏の夜の散歩に、しばらく好んで聴いております。
わりに速目のテンポで、ときどき金管をやや蓮っ葉に鳴らし、あまり深刻にならずに、前作に比べて楽天的で健康なこの曲の楽しさを聴かせてくれます。曲全体のバランスも統一性があり、一部だけが突出したりしていませんから、終楽章の明るさも違和感はありません。1970年11月にミュンヘンで収録されたアナログ録音で、安心して聴くことができる演奏だと思います。
第1楽章、ゆっくりと(アダージョ)~アレグロ・リゾルト、マ・ノン・トロッポ。
第2楽章、アレグロ・モデラート。「夜の曲」。
第3楽章、スケルツォ、(影のように、流暢に、ただし速くなく)。
第4楽章、「夜の曲」、アンダンテ・アモローソ(愛をこめて)。
第5楽章、ロンド・フィナーレ(アレグロ・オルディナリオ)。
気がついたこと。タイトルは "Lied der Nacht" となっていますが、第2・第4楽章の副題は "Nachtmusik" になっています。英語で言えば、"Song of the Night" と "Night Music" の違い。「大地の歌 "Das Lied von der Erde"」の例もあるので、この大きな交響曲を「歌"Lied"」と称するのはまあいいとしても、ちょっと気になります。
エリアフ・インバル盤(DENON 60CO-1553-4)は、全体としてゆっくりとした遅いテンポで、堂々たる大交響曲という感じで演奏しています。特に第1楽章の粘りは秀逸です。ただし77分を超えてCD2枚になってしまったために、全曲の流れを通して聴くのには不便です。このあたりの収録時間と演奏時間の矛盾は、しかたがありません。
1986年5月、DENONとヘッセン放送協会との共同制作による、たいへん優れたデジタル録音です。部屋のステレオ装置で音量を上げてもうるさくならず、携帯CDプレイヤーでイヤホンで聴いても歪的な音はありません。
■クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団
I=19'42" II=14'46" III=9'24" IV=12'01" V=16'40" total=72'33"
■エリアフ・インバル指揮フランクフルト放送交響楽団
I=22'36" II=14'40" III=10'21" IV=13'13" V=16'49" total=77'39"