電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

映画化された藤沢周平作品

2007年08月30日 06時16分18秒 | -藤沢周平
先日、日曜ロードショウで放映された、黒土三男監督の映画「蝉しぐれ」の録画を見ました。先年、公開日の初日に見に行き、いくつかの記事にしておりますが、あらためて映像の美しさを再認識しました。

もちろん、原作のストーリーはだいぶはしょられており、物語性を重視するならば、たぶん「えぇー、そんなぁー」という感想を持つことでしょう。ただ、NHKの金曜時代劇で放送された「蝉しぐれ」は、45分×7回シリーズ、計5時間以上を費しても、ストーリーの重要な部分を割愛せざるを得なかった。ですから、ストーリーをある程度忠実に再現するには、韓国ドラマなみの1時間×8回連続とか、45分×10回連続くらいの時間枠が必要なのだと思います。

自宅のテレビの画面では、劇場のスクリーンの迫力は出ませんが、それでも映像の美しさは格別です。少年達のセリフの棒読みも、それほど抵抗はありません。むしろ気になったのは、文四郎が父の遺体を運ぶシーン。梶棒があんなに上下しては、遺体がずりおちてしまうのではないかと、ちょっと気になりました。また、ふだんテレビを見ない者には、途中挿入されるCMが、いかにも唐突に感じました。

ところで、近年、藤沢周平作品の映画化が続いています。山田洋次監督の三部作、「たそがれ清兵衛」「隠し剣鬼の爪」「武士の一分」に続き、今度は篠原哲雄監督が「山桜」を制作中とのことです。これも、たいへん楽しみです。

「たそがれ清兵衛」で、周囲に嫌われるほど不潔にしていたら、少女が父親を嫌うだろうにとか、なぜ山田監督は、「隠し剣鬼の爪」ばかりでなく、事態の解決を北海道(蝦夷地)に求めるのか、とか、いろいろと突っ込みどころは多いのですが、映画がきっかけとなり、多くの人が藤沢周平作品に親しむのならば、それもよしとすべきでしょう。
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