電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

リスト「エステ荘の噴水」を聴く

2007年08月05日 08時18分03秒 | -独奏曲
リストの音楽は、積極的に集めて来なかったこともあり、あまり多くを聴いておりません。ピアノ協奏曲の第1番と第2番、ハンガリー狂詩曲、それにロ短調のピアノソナタくらいでしょうか。

そのロ短調ソナタのCDに併録されたこの曲は、「巡礼の年」第3年に含まれている曲だそうです。若い頃は華麗なヴィルトゥオーゾ・ピアニストとして有名だったリストも、ヴァイマールに落ち着いた1950年頃から、某侯爵夫人と恋をして、作曲に勤しむようになり、多くの代表的な作品はこの時代に生まれたのだとか。1860年頃以降、晩年はむしろ病気に悩む生活を送ったようで、作品がシンプルになり、宗教的な内容が多くなっていった、とされています。

「エステ荘の噴水」は、作曲者66歳の年(1877年)に作曲された晩年の作品のせいか、「ドビュッシーのように近代的」と形容したいほどの新鮮な響きを持った、好ましい音楽に感じます。この種の音楽は、やはり自宅のステレオ装置で、音量を大きめにして楽しむに限ります。

イェネ・ヤンドーのピアノ独奏、1990年12月にブダペストのリフォームド教会でデジタル録音されたCDで、型番はナクソスの8.550510です。録音はたいへん鮮明です。
参考のために、演奏データを示します。
■イェネ・ヤンドー盤
total=7'05"

台風ですが、日本海上を通過し青森県に再上陸、太平洋に抜けたようです。お天気も回復し、雲の切れ間からの穏やかな陽射しを背景に、泉のようなピアノの美音の噴水を堪能しました。

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