著者は、荻野アンナさんです。
1991年に「背負い水」で、第105回芥川賞を受賞。
慶応義塾大学文学部フランス文学科教授。
TVで見かけるアンナさんは、明るくとても“ダジャレ”の
お好きな方と、思っていました。
その影で、ガンの宣告を受けたご主人(パタさん)の、
看病もしていたことを、この本を読んで、知ったのでした。
ダジャレの好きなアンナさんらしく、
ダジャレいっぱいの明るさで、書かれていました。
* 文中より
小説の中で、どんな名前にしてほしいか・・・相手は病室のベッド、
私は部屋の布団で、受話器を握っている。
( パタさんと、その人を呼ばせてもらう )
十数年のつき合いが、パタさんと私を、
男と女から、ボケナスとカボチャにした。
結婚抜きで、いわゆる空気のような存在であった。
「癌食い虫」
かに1 「かに1でおま」
かに2 「かに2で~す」
かに1 「わしは関西弁やのに、
なんでおまえが関東やねん」
かに2 「俺たちがん細胞は、
バラバラなのが個性じゃん」
ぼくたちがん細胞は、英語でキャンサーというんだよ。
かたちが、カニに似ているからなんだ。
かたくて、ぶきみで、かっこいいね。
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病院の駐車場の、向日葵です