イレグイ号クロニクル Ⅱ

魚釣りの記録と読書の記録を綴ります。

「この道をどこまでも行くんだ 」読了

2020年07月02日 | 2020読書
椎名 誠 「この道をどこまでも行くんだ 」読了

これも椎名誠の新刊だ。先に読んだいくつかの本のように、過去に旅した先についての回想のような形になっている。「東京スポーツ」に連載されていたものをまとめたものである。楊 逸の本のように、これも1編が3ページほどの短いものだ。最近はこういう短いエッセイが流行しているのだろうか?せっかくの文章力のある作家たちなのだからもっと長い文章で表現してくれても僕の方はいっこうにかまわないのだが残念だ。逆に少し物足りない。この人たちならもっとグッと迫ってくる文章を創ってくれるのではないかと思うのだ。

前に著者のこのような本を読んだときは、過去のことを思い出して書いているなんてこの作家も歳を取ってしまったな・・。というような感想を持ったけれども、この本の一番最初の部分に書かれている、『最近はようやく落ち着いて、そうした昔旅した遥かな場所のいくつかを唐突に思い出したりするようになった。旅先で撮ってきた写真などを見ると、数十年前のものであってもその時の空気感を鮮烈に思い出すことが多い。』という一節を読むと、逆にこういった財産を持っている人というのはきっと幸福なのだというように思えるようになった。
人間の大きさは移動した距離に比例するのだというようなことをどこかで読んだことがあるのだが、そういう意味では著者は世界の辺境の隅々のすべてと言っていいほどの場所を訪れている。読んでいても僕の想像をはるかに超えていてなかなか具体的にイメージすることが難しいが極端な低温や高温。極端な乾燥、これは何だと思う食べ物などの話を読むと、世界は広く、こんな満員電車に乗って給料をもらいに行かなくてももっとほかの道もあったのではないかとつくづく嫌になってくるのである。




各章には1枚ずつ著者が撮影した写真が掲載されている。昭和軽薄体を乗り越えたどこか落ち着いた文章と相まってどれも静寂を感じる雰囲気だ。

写真というと、オリンパスがカメラ事業を売却したというニュースを見た。
リコーのカメラを息子に破壊された後、お金がないので9700円で買ったのがオリンパスのカメラを使い始めた最初だ。値段はリコーの半額ほどだったが、そのコンパクトさと写りの良さに驚いた。キャノンの安い一眼レフを持っているが、これは技術が皆無ということもあるのだろうが、オリンパスのコンデジのほうが間違いなくキレイに写真が撮れているように見える。24倍の望遠というのも海の上で使うのにはありがたかった。
当時はすでにリコーもオリンパスも同じ資本の会社になっていたから両社ともカメラについてはいいものを作っていたのだと思う。最初のカメラは海の上で動かなくなり、せっかくなので解体してみたら筐体のなかは小さなゴミがいっぱい入っていた。多分かなりのゴミはヌカのようだった。こんな状態ではさすがに画像に黒い点が入り鏡筒が固着してしまうよなと思った。使い方が悪くてカメラには申し訳ないことをした。防水も防塵も機能として搭載されていないカメラにとっては僕の使用環境は過酷すぎるようだ・・。



そして、こんなに複雑な構造のカメラを9700円で売っているようではそれはメーカーも撤退したくなるよなと思った。絶対利益は出ていないぞと思う。むしろ、売るたびに赤字になっていたのではないだろうか。
ここにも自由主義の矛盾を見てしまった思いだ。

僕はスマホを持っていないのでカメラがないとブログを書けない。黒いオリンパスが壊れそうになったとき、パナソニックのコンデジを買ってみたがあまりにも操作が複雑でこんなの釣りに持っていけないと思い、楽天のサイトをうろうろしていたら、中古のカメラを買うという方法があることを知った。
6500円で買った中古は液晶が黄ばんでいる以外は正常で写りもいい。1年ほど使っているが最近、Amazonでもこのカメラの後継機種の中古をみつけ衝動買いしてしまった。だから画像には3台のオリンパスが写っている。



中古の玉もどんどん減っていくだろうから、僕の選択肢がなくなってきてとうとうブログに写真を掲載できなくなる日が来るのではないかという危惧もあるが、2台あれば当分はなんとかブログを書き続けることができるかもしれない。
がんばれオリンパス・・。

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