まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第19回中国観音霊場めぐり~東郷温泉にて1泊

2021年05月11日 | 中国観音霊場

5月2日、宿泊最寄である松崎で下車。無人駅だが、東郷温泉、羽合温泉の玄関駅である。駅前からの道の突き当りには東郷湖の水面も見える。

松崎という駅名で思い出されるのが、宮脇俊三の『最長片道切符の旅』。この中で、翌朝、夜行列車で着く同行者と倉吉で合流する予定だった宮脇氏だが、倉吉に手頃な宿泊施設がなく、向かったのが松崎駅すぐの東郷温泉。旅館では「板前が忘年会で不在でして」と恐縮されたが、それでも山盛りの松葉ガニが供されたり、不調法ながらと番頭が柿をむいて差し出したりと、結構な夜だったようだ。

今回、倉吉にホテルがなかったわけではなく、当初は5月2日、3日と同じホテルに連泊しようと考えていたのだが、宿泊地を増やすという意味で1駅隣の松崎を選んだ。

やって来たのは、駅から徒歩すぐの「水明荘」。東郷湖畔に中国風の建物がある。東郷温泉がある湯梨浜町の町営国民宿舎。同じ湯梨浜町の旧東郷町エリアには燕趙園という中国庭園があり、この建物もそのノリの延長で建てられたのかな。もっとも、施設内はごく普通の内装で、中国モノがあふれているわけではない。

基本は温泉宿の和室なのだが、一人向けにはシングルルームもある。ただし、トイレつき、入浴は大浴場でということだが、部屋そのものは結構狭い。そこは割り切りが必要だ。

テレビをつけてみる。BSが映らないのは設備的なもので別に驚かないが、チャンネル構成が意外だった。島根、鳥取両県の民放は日本海テレビ(日本テレビ系)、山陰放送(TBS系)、山陰中央テレビ(フジテレビ系)の3局で、テレビ朝日系、テレビ東京系の放送局はない。ただここでは、岡山・高松の瀬戸内海放送(テレビ朝日系)、テレビせとうち(テレビ東京系)、さらには神戸のサンテレビが映る。

これは地元の鳥取中央有線放送というケーブルテレビでの地上波プランだそうだ。このおかげ?で、夜から翌朝にかけては、倉吉にいながら香川の天気予報を見たり、岡山で家を建てようというCMを見るということに。この日は中継がなかったが、倉吉にいながらサンテレビの阪神戦の完全中継を見ることも可能だ。

その一方で、ネット環境が整っていなかったのは残念である。パソコンを持参して、先日の日帰り乗り鉄の記事の続きを書こうと思っていたのだが、アテが外れた形になる。まあ、ここの客室においてはネットの需要がそこまでないのかもしれないな。

食事まで時間があるので先に入浴とする。2階の大浴場はそれほど広いとまではいかないが、ちょうど視線に東郷湖の穏やかな湖面を見ることができる(画像は、大浴場に近い角度で撮ったもの)。対岸に建つ旅館群は羽合温泉。

さて食事。浴衣姿で大広間に向かう。1グループずつ離れて席が用意され、隣とは衝立で仕切られている。畳の上での椅子なのでくつろげる。一人客も5組ほどいて、あとは家族連れである。このご時世なので宴会のように盛り上がる客もおらず、かといって子どもが騒いだりするわけでもなく、静かな食事会場である。

料理は季節の会席コースということで、前菜、造り、カルパッチョ、鍋物、焼き物、揚げ物と一通り揃う。どこからどこまでが鳥取の地物かという詮索はしない。

酒は、生ビールの後でおとなり琴浦町の鷹勇を徳利でいただく。夕食のボリュームの予測がつかず、先ほど倉吉駅前でいろいろと仕入れていたのだが、これだけあれば食事も満足である。買い出しした多くは翌日以降に「温存」することができた。

食後、最上階(5階)にある露天風呂に向かう。こちらは小ぢんまりとした浴室だが、風に吹かれて夜景を眺めることができる。

後はどこかに出歩くわけでもなく、部屋でのんびりする。ネットが使えないので、皮肉にもパソコンでブログの記事を書くことから解放された気分である。ケーブルテレビの鳥取中央有線放送も見てみる。湯梨浜町、琴浦町、北栄町の3つの町をエリアとしたケーブルテレビで、オリジナル局では地元のニュースやら町の人や企業の紹介なども放送されている。旅に出てホテルに泊まるとたまにこうした地元ケーブルテレビに出会うが、手作り感満載で、1泊限りで見ると一般の地上波の番組より面白かったりすることがある(あくまで、1泊での出来事。毎日こればかり見せられるとウンザリするだろうが)。

さて翌朝、5月3日。朝食が7時半開始ということで、その時点でのんびりしたものである。大浴場が5時半から開いているので早速朝風呂とする。今度は朝日を受けた東郷湖の景色である。温泉と東郷湖の眺めを楽しむことができ、この時点で宿泊地を松崎と倉吉に分けて正解だったと思う。

朝食も同じく大広間の同じ席でいただく。バイキングではなく配膳式だが、おかずの種類も豊富でご飯が進む。

支度を整えて松崎駅に向かう。乗るのは8時20分発の米子行きで、倉吉まで1駅移動する。この3日、そして翌4日は晴れの予報で、これからメインイベントとなる中国観音霊場めぐりにはもって来いの天気である。

さて、札所の順番で行けば倉吉市の中心部である打吹地区にある第30番の長谷寺が先だが、ここはあえて第31番の三佛寺を先に目指す。倉吉からバスで入った三朝温泉を抜け、さらに奥にある三徳山にある。バスがおおむね1時間に1本で、三徳山まで35分とある。先に奥地に向かい、午前中いっぱいが三佛寺、途中三朝温泉にも立ち寄り、午後からの倉吉の町並み見物と合わせて長谷寺を回り、夕方に駅前のホテルにチェックインという組立である。

倉吉駅から8時35分発の三徳山行きのバスに乗る。今回一人で向かうのだが、バスにはどういう相客がいるのか気になるところだ・・・。

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