11月26日、27日と九州の札所めぐりである。初日の26日は九州八十八ヶ所百八霊場めぐりとして北九州市内の4ヶ所を回り、小倉に宿泊。そして2日目は九州西国霊場めぐりに切り替える。九州西国霊場も残り2ヶ所で、今回はそのうち1ヶ所、第32番の龍宮寺を目指す。1日あれば太宰府まで行き、第33番・観世音寺にお参りして満願とすることもできるのだが、今回は大相撲九州場所の観戦との組み合わせである。最後1ヶ所だけ、楽しみに取っておくことに・・。
小倉駅前の東横インで簡易朝食をとった後、小倉から博多に向かう。新幹線ならあっという間だが、せっかく九州に来たのなら鹿児島線に乗ろう。「九州ネットきっぷ」なら事前予約で特急料金込みで1470円。在来線の通常運賃が1310円だから、160円追加で特急の指定席が利用できる計算だ。
乗車するのは、小倉7時41分発の「きらめき3号」。門司港~博多間の運転で、通勤利用を見込んで設定された列車である。車両は783系の「ハイパーサルーン」車両で、日中は佐世保・ハウステンボス行きの「みどり・ハウステンボス」に使われている。この形式に乗るのもずいぶん久しぶりである。
小倉~博多間は大分からの特急「ソニック」などが走るが、最速だと途中の停車駅が黒崎、折尾のみというのがある。ただ、「きらめき」は途中の通勤客も乗せるため、戸畑、八幡、赤間、東郷、福間にも停車する。日曜日なので通勤客はそれほど多くないが、途中の駅からも結構乗って来た。1両だけ設定の指定席も半分ほどの乗車率で、出張に出るのか、大きなキャリーバッグを手にしたスーツ姿のグループも見られた。
8時46分、博多に到着。まずはコインロッカーに荷物を預ける。
11月末、秋晴れの天候である。まず目指すのは龍宮寺だが、博多駅にほど近いところにある。最寄り駅なら地下鉄で1つ先の祇園だが、そこまでなら歩いても知れている。
そして龍宮寺に向かうべく大博通りを歩くが、地図を見ると龍宮寺の向かいには東長寺がある。九州八十八ヶ所百八霊場の第1番札所として、今年の5月に発心してお参りしたところである。前日、九州八十八ヶ所百八霊場も一区切りしたこともあり、挨拶を兼ねてお参りしよう。
弘法大師が唐から帰国し、最初に開いた密教寺院である。真言密教が東に長く伝わるようにという意味の東長寺、朝から地元の人たち、そして何かのツアーだろうか、本堂と五重塔をバックに記念撮影する団体もいる。まずは本堂にてお勤めとして、その後で福岡大仏も参詣する。1992年に完成した、日本最大の木造坐像の釈迦如来である。先ほどの団体も福岡大仏にお参りに来ており、その大きさに歓声をあげていた。
さて、龍宮寺である。大博通りを挟んで東長寺の真向かいにあるが、規模としては小ぶりである。別に寺の良さは境内の大きさで決まるものではないが、見ようによれば東長寺が流行っている一方、龍宮寺が貧乏な寺・・と思うかもしれない。
「三寶大荒神」の碑がある山門をくぐる。まず目にするのは三宝大荒神堂である。
龍宮寺が開かれた時期は定かではないが、龍宮寺という名前は鎌倉時代につけられたという。博多湾で人魚が捕らえられ、これは国家長久のよい知らせだとして勅使の冷泉中納言が訪れ、寺で人魚を供養した。そのことから寺の名前が「冷泉院龍宮寺」に改められたという。後に、豊臣秀吉が博多の町割りをした頃から「博多七観音」の一つとして信仰を集めたそうだ。
しかし江戸中期の火災で全焼。現在の建物は1984年に再建復興されたものだという。そうした歴史を見ると、別に龍宮寺は貧乏な寺でも何でもなく、博多の歴史を今に受け継ぐスポットであることがわかる。
・・・とはいうものの、境内に入ると墓地の面積が広く、奥に「聖観世音」と額のあるお堂があるとはいえ小ぶりなものである。
実質的な本堂はこちらの建物だろう。朱印はこちらでと案内も出ていたのでインターフォンを鳴らす。
玄関にて朱印を待っていたが、この龍宮寺は浄土宗とある。2024年は法然が浄土宗を開いて850年ということで、これはこれでさまざまな行事があるのだろう。
これで九州西国霊場は残り1ヶ所、王手、リーチがかかったが、満願となるのはもう少し後のことになる(さっさと、札所めぐりの多重債務を少しでも解消すればいいのにと思われるかもしれないが・・)。
大博通りを進む。大相撲九州場所の会場はこの先にある福岡国際センター。大相撲観戦は序ノ口最初の一番からと思っていたが、通常なら8時30分頃開始のところ、千秋楽は10時25分開始とある。朝の開始がゆっくりということで、小倉も比較的ゆっくり出発できたし、先ほど東長寺、龍宮寺にも参詣できた。
歩くうち、前方から寄せ太鼓の音が少しずつ大きく聞こえてきた。そして福岡国際センターに到着。力士、部屋あての幟も並ぶ。大相撲観戦じたいが2021年名古屋場所以来で、九州場所は初めてである。まずは館内に入ろう・・・。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます