19日のプロ野球。オリックス・バファローズは東京で楽天と対戦。前日の0封負けのお返しと、これまでの連敗の鬱憤を晴らすかのような多国籍重量打線の大爆発で、15対0と快勝。楽天にざまあ見さらせの勝利である。特に関東在住のバファローズファンにしてみれば溜飲が下がる思いだっただろう。
さてそんな東京ドームとは打って変わってこちら大阪。前夜から戻っていた実家を出てやってきたのは万博記念公園。朝から天気がよく気温もぐんぐん上がり、暑く感じる。太陽の塔もまぶしく感じられる中、広場ではフリーマーケットなど行われており、大勢の人で賑わっていた。
ところで私が今日やってきたのはフリーマーケットが目当てではなく、モノレールを挟んで反対側にある野球場である。ここで、今年発足したプロ野球独立リーグ「関西独立リーグ」の大阪ゴールドビリケーンズ対明石レッドソルジャーズとの試合を観戦しようというのだ。11時半ころに現れたのだが、入り口にある机に係の人が暑さを我慢する感じで座っているだけで、本当にここで試合が行われるのか一瞬疑った。「プロ」の試合が行われることのお知らせや呼びかけらしきものがなかった。隣の球技場で行われている高校生のアメフトの試合のほうがまだ賑やかな感じだ。
関西独立リーグについてはこのブログでも取り上げたことがあるのだが、これまでの四国・九州アイランドリーグ、そして(北陸・上信越の)BCリーグと比べても「成功しないのではないか」という感じを持っている。ただそう思うだけではだめで、試合や「興行」がどのようなものか観ようと来たわけだが、入り口からしてこれではね・・・・。BCリーグなど、クルマでしかたどり着けないローカル球場でやっていても看板やら幟やらが出ていたのだが・・・。
高校野球でも使われる万博球場。観客席はオール芝生席・・・といいたいところだがところどころ地面が掘られたようなところがある。ちょうどくぼみができているところにシートを敷けば桟敷席の出来上がりである。
地元大阪ゴールドビリケーンズ。元近鉄の村上隆行監督、四球の多いリリーフエース・石毛博史コーチ、日本ハムで一時四番を張った西浦克拓コーチ、元近鉄・ロッテ・阪神の平下晃司選手兼任コーチという顔ぶれ。一方の明石は元近鉄の北川公一監督。この中でも村上監督というのは今でも人気健在で、子どもたちからも声援を受けていた。また選手よりも一番声がよく出ているように聞こえた。
試合前に特別なイベントということはなく、13時試合開始。大阪はサイドスロー(元ヤクルトの高津に似た感じ)の小坂、明石はかつぎ投げの感じの福泉が先発。
序盤こそ両投手まずまずの立ち上がりだったが、3回表、小坂の送りバント野選も重なり一死満塁。ここで明石の4番・田中がレフトへ走者一掃の二塁打で3点先制。続く4回も1番・横井のタイムリーで1点追加し、4対0と明石リード。
その裏、大阪もランナーをため、6番・藤本の三塁打で2点返し、4対2とする。試合としては俄然盛り上がってきた。
ところで一塁側・大阪の観客席であるが、応援団というのはビリケンさんのTシャツを着た青年が一人だけ。画用紙に選手の名前を書いて孤軍奮闘リードを取るが、いかんせん単純な手拍子のみ。観客のほうも、こういう試合を見に来るくらいだからコアな野球ファン(中には、イケメンの選手目当ての女性も)なのだが、BCリーグの他のチームのようにサポーターが多いわけでも、レプリカのユニフォームを着ている人(そもそも販売されていない)もいない。何だろう、「地元のチーム」を応援するというよりは、クラブチーム同士の試合を観に来ているような感じだ。
そんなことを考えるうち、5回表、大阪2人目の横川から明石の3番・川咲の三塁打で1点追加、6回にいたってはバント処理の悪送球でランナーを進め、横川の暴投と横井のタイムリーで2点入れ、7対2。これで試合の流れはほぼ決まったようなもの。
9回表にいたっては大阪4人目の酒井が四球連発、タイムリー、犠牲フライ、打者が止めたバットに当たったボールが外野に転がってのタイムリーで4点を失い、11対2。試合そのものも締まらなくなった。
そんな中、9回裏の明石のマウンドには、前田勝宏投手。かつて150キロ後半のストレートを投げるという本格派で、西武→ヤンキース(マイナー)→中日→興農(台湾)→イタリア→中国→岩手赤べこ野球団→アイランドリーグ長崎と渡り、今年明石に入団という、ある意味でプロ野球の現場を知り尽くした男。実働20年の右腕は技巧派に転じていたが、いかつい存在感で大阪の若手打者を料理するなど軽いもので、きっちりと最後を締める。結局11対2というワンサイドゲームとなった。
試合後は両チームの選手によるお見送り。村上監督はじめコーチ、選手たちにサインをもらったり、記念撮影をする光景が見られた(私も村上監督、平下選手兼任コーチ、前田投手からサインをいただきました)。観客を笑顔で送り出した後はお説教が待っているのかもしれないが・・・・。
まだ1試合しか観ていないのでなんともいえないが、「人口が多い」「スポンサー企業が多い」「野球ビジネスのポテンシャルがある」という割には、BCリーグや四国リーグと比べても全くさびしいものだった。第一、スポンサー企業がついているのか??(ユニフォームには協賛企業のロゴを入れていたが、試合中に宣伝するわけでもなく、お立ち台の後ろで見かける、企業名がいろいろ入った屏風のようなものも見なかったし)
それに、入場者の公式数が558人って・・・・。地方の独立リーグでも1000人~2000人は入るというのに。これはどうしたものだろうか。
・・・やはり、埋没しちゃっているのかな。地方の独立リーグの場合は、各県ごとの有力新聞やローカルテレビ局があり、チームのことが紙面や画面に露出する機会が多い(いまやそれが拡販のツールになっている新聞もあるようで)。逆に都市型ではその点が難しいのだろう。女子高生の吉田えり投手の話題は多く取り上げられるが、彼女がマウンドでバンバン投げているわけではないしね。
もっと観客を呼ぶような工夫もしなければならないし、選手は一所懸命練習に励んでいるのだろうが、プロを名乗る以上はもっとレベルを上げないといけない。来年は三重、滋賀のチームも加わるそうだが、このままやっていたんでは一緒かなと思う。
まあ、他にも兵庫や和歌山の試合もあるし、日程が進めばじわじわ人気が出るということも期待して、これからこのリーグがどんな興行を見せてくれるのか、また別のところで観戦に行ってみたいものである・・・・。
がんばれ、関西。
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