まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

観戦記~勇者ユニでカープに連勝・・・ただ「宮島さん」も聞きたかった

2012年05月26日 | プロ野球(バファローズ・NPB)

「晴れたる青空 われらのブレーブス 萌えたつ緑か われらのブレーブス・・・」

Dscn4623そんな青空と天然芝の鮮やかな緑がよく似合うほっともっとフィールド神戸。こちらで行われたオリックス・バファローズ対広島東洋カープの交流戦である。このところの「年中行事」として、交流戦のこのカードは楽しみにしているのだが、今年は昨年に引き続き「阪急ブレーブス復刻試合」として組まれている。

Dscn4550今年のテーマは「80s」。1980年代といえば私も物心つき、野球観戦も楽しむようになった時期である。阪急最後の優勝となった1984年から使用したユニフォームが復刻するということである。「ブレーブス」という名前が復活することについて待ち望んでいたファンも多いことだろう。

Dscn4592ということで神戸に向かう。地下鉄では赤いものに身を固めた人が多く、そして球場の周りにも赤、赤、赤・・・。そう、関西にもカープファンは結構いるものだし、この日のために広島から駆けつけたファンも多いのだが、同じ関西でも甲子園ではビジター席とやらに閉じ込められて思うような応援ができないとか。それが、ビジターにも優しいこのオリックス戦となると、カープファンの方が多いような、勢いがあるように見える。私が指定席のエリアに入った時はすでにレフトスタンドだけが9割方埋まっており、試合が始まる頃にはレフトからあふれた客がライトスタンドにも入ってきた。何だか、どっちのホームゲームなんだか・・・・。

Dscn4555一方のオリックス側。阪急復刻ユニを着る人の姿がやはり目立つ。売れ筋は福本、山田、そしてブーマーといったところだが、中には蓑田とか上田監督なんてのも見える。こういう名選手が揃っていた球団だったことを改めて思い起こす。私も記念にうちわやタオルを購入したが、さすがにユニフォームは・・・着る気持ちが起こらなかった。おそらく近鉄復刻試合の時には一も二もなく買い求めるのだろうが。

Dscn4557選手たちも出てくる。こうして間近に見てみると、シンプルだが現在でも十分通用するデザインではないかと思う。新加入のスケールズなどを見ると、「かつてブーマーの他にもう一人、こんな外国人選手がいなかったかな?」と頭を巡らせる。

Rscn4703そして試合前には、長くマスコットとして人気であったブレービーも登場。かつてこの中に入っていたのが、山田、福本、星野、田淵、山本浩二といった後の大物選手が指名された史上に残るドラフトで、巨人の1位指名を受けた故・島野修さん。選手としては活躍できなかったが、そのパフォーマンスでNPBでマスコットを定着させた功績は大きい。

この日、イニングの合間に80年代の名選手たちの功績を紹介する映像が流れたり、ファン投票により阪急の優勝シーンの映像(藤井寺球場!)も流れたのだが、ブレービーはブレービーとして、「中の人」のこともちょっとは紹介してあげればよかったのに、と思う。

うーん、近鉄復刻ならマスコットはどうなるんだろうか。バッファ君の実物が登場するか、それとも藤井寺球場のスタンドに出没していた、傘をさして牛の着ぐるみを着たおっちゃんが復刻するか・・・・(個人的には後者を見てみたい)。

Dscn4613始球式には、「阪急最後の最多勝投手」ということで紹介された山沖之彦氏が登場。キャッチャー日高、バッター大引に対して長身を生かしたフォームで投げ込む。

Dscn4620さて試合。オリックスは寺原、広島は前田健太。早速、レフトスタンドから三塁側、そしてバックネット裏にかけて赤いメガホンが揺れる。そのプレッシャーか、あるいは久しぶりの登板からか、寺原のコントロールが定まらない。先頭の梵を歩かせる。続く東出が送って広島が先制のチャンス。

Dscn4628そして丸がセンターへの緩い当たりのヒット。梵が一気に本塁を狙うが、ここはセンターの野中からいい返球が来た。キャッチャーの齋藤もしっかりとブロック。先制点を許すとズルズルと行きかねない展開だけに、このアウトは大きかった。続くニックを三振に取り、何とかピンチをしのぐ。

Dscn4637前田健太。ナマで観るのは初めてである。前回の登板では自らは途中まで無得点に抑えてリリーフ陣に後を託したが、9回2死からのまさかの逆転負けを喫した。私も購読している二宮清純氏の携帯サイトに「カープ・アイ」というコーナーがあり、二宮清純氏と上田哲之氏がカープ論を展開しているのだが、その中で上田氏が「普通ならば前回の試合をひきずるだろうが、一人のマエケンファンとして、彼がおそるべきプロ魂を見せてくれたらうれしい」としている。私の後ろにいたカープファンも「今日は何があっても完投しようとするんやろうな」と予想している。連敗中のチームにあっては、やはり頼るべきはこのエースということになるだろうか。

オリックスは初回に先頭のスケールズがヒットで出塁、野中が送ってカープと同じ展開になるが、バルディリス、李大浩、後藤が相次いで凡退。こちらも得点に結びつかない。

Dscn46192回には寺原が岩本に二塁打を許し、またもや先制のピンチを迎えるが、廣瀬が強攻策でピッチャーゴロ。後続も退けてしのぐ。「いよいよう打てん選手ばっかりやな」と、後ろのカープファンのぼやきが始まる。ここまでのカープの不調は極端な貧打からくるもので、ファンとしてもやきもきするところだろう。私も、チームとしてはオリックスに勝ってほしいが、カープの得点時に流れる「宮島さん」は聞きたいなというのがある(この4月にマツダスタジアムで観戦した時も、0封で「宮島さん」が一度も流れなかったし・・・)。

その後は寺原、前田とも悪いなりに投球をまとめてきた。寺原は徐々に球速が上がってきたし、前田も直球は今一つながらスライダーなど変化球を多用して勇者打線を抑える。

試合が動いたのは4回裏、先頭のバルディリスがセンター前にポトリと落ちるヒットで出塁。李大浩に後藤は凡退したが、北川のショートライナーが思ったより伸びて梵のグラブの上を通過。これで二死ながら一・二塁とチャンスが広がり、ここで迎えるのは交流戦に入り存在感を見せてきたルーキー・川端。先ほどは簡単に三振に打ち取られたが、チャンスになり何かやりそうな予感。

Dscn4663高めのボールを引っぱたくと打球がレフトへ。やや前に守っていたためにレフトの頭上を超える形となり、先制のタイムリーとなった。難敵・マエケンからの先制というのは「行ける!」と期待が持てそうなところ。

Dscn4672続く5回もスケールズの死球をきっかけにチャンスをつくり、バルディリスがセンター前にタイムリー。これで2対0。打ったバルディリスは二塁を狙おうとして挟殺プレーとなったが、徐々に上がってきた寺原の調子を思うとこの2点目は大きい。ブレービーのパフォーマンスもノリがよくなってきた。

Dscn4693こうなるとカープは苦しくなる。初回の本塁封殺がここに来て重くのしかかっているようだ。後ろのカープファンもぼやきを通り越して呆れている様子。展開によっては石井啄、前田智の出番もあるのだろうが、そのチャンスもなかなか作れない。7回表には大量のジェット風船が飛び、私も「1点は返してほしいな」という気持ちであったが無得点。

Dscn47007回裏、阪急ブレーブスの応援歌に乗せての風船である。昨年の阪急復刻では序盤の一回りでブレーブス当時の選手応援歌も鳴らしていたし、この日も選手が打席に入る際にはエレクトーンの生演奏という当時の演出を行っていたのだが、今年は選手応援歌はなし。何か演奏の著作権とか絡んでいるのだろうか。それと、このところライトスタンドから旗やら横断幕が上がらなくなったが、これも何かあるのだろうか。

Dscn4711寺原は7回までで、8回からは平野が登板。こうなるとますます「宮島さん」が流れる確率は下がるのだが、天谷が二塁打を放ち、梵の内野ゴロで三塁へ。チャンステーマが流れる中、打席には東出。

Dscn4723東出も何とか1点をということで必死に食らいつきファールで粘る。「でも、打球が全然前に飛んでないんやなあ」と後ろのカープファンが言った時、ハーフスイングを取られて三振。

Dscn4725結局前田は8回裏も登板。やはりこの試合は完投にこだわり、打線の奮起を期したことだろう。連打でピンチを迎え、打席には北川。さあもう1点・・・・と期待したところ、初球を投じる前にバルディリスが飛び出して牽制アウト。北川が一瞬見せた不満そうな表情。これが後で何か響かなければいいのだが。それにしてもバルディリス、2回もタッチアウトになったらあきまへんがな。

Dscn4731そして9回は岸田が登板。最後はニック、岩本と2者連続で三振に切って取り、結局2対0のまま試合終了。勇者ユニで臨んだ「阪急対広島」は、「阪急」の連勝ということで、これでオリックスは交流戦5勝3敗と、勝ち先行になってきた。

Dscn4740お立ち台は寺原と川端。交流戦5勝のうち3勝が川端のバットによるものだから、ドラフト8位入団ながら何か勝負強さというのを持っているのかな。これからどこまで伸びるか、ぜひともロッテ・藤岡らの新人王争いに割って入ってほしいところである。

交流戦は次の横浜、名古屋で折り返し。借金返済にはまだまだほど遠いが、何とか浮上のきっかけにしてもらいたいものだ・・・・。

(余談)

交流戦の初年度(つまり、オリックス・バファローズとしての初年度)から、2006年を除き毎年観戦しているオリックス対広島のカード。過去の対戦は・・・。

2005年 オリックス14-16広島(神戸)

2007年 オリックス2-1広島(広島)

2008年 オリックス3-4広島(大阪)

2008年 オリックス11-3広島(広島)

2009年 オリックス1-6広島(マツダ)

2010年 オリックス6-1広島(マツダ)

2011年 オリックス2-3広島(大阪)

2012年 オリックス2-0広島(神戸)

ここまで観戦成績は4勝4敗、しかも交互に勝つという展開に・・・。

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4 コメント

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私も観に行きました~ (ot)
2012-05-27 08:37:53
小学生招待券でよく行きます。
良い席は取れず、観戦に夢中になるあまり油断して真っ赤に日焼けしてしまい今痛いです。
余裕のある時に「宮島さん」というのを聞いてみたいです。
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otさん、コメントありがとうございます。 (まつなる)
2012-05-27 14:36:38
試合展開も熱かったですが、それよりも外は暑かったです。

油断して半袖で行ってしまい、私も顔に腕が焼けてしまいました。翌日(今日)は大事な方と会う約束をしていたのですが、顔焼けで心配されてしまいましたよ。
まあこれも屋外球場ならではの楽しみですかね。

これからも拙ブログに遊びに来ていただきますよう、お待ちしています。
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どうも初めまして!応援の件は主力応援団がある理... (籠球軍)
2012-05-30 16:58:43
どうも初めまして!応援の件は主力応援団がある理由で前半は出入り禁止になり復刻応援を仕切れなかったみたいです。
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籠球軍さん、コメントありがとうございます。 (まつなる)
2012-05-30 19:35:57
とある応援団の事情、ネットにて拝見しました。たまに同様の話を聞きますが、球場でのファンの楽しみの一つなんですから、メンバーの方もわきまえてほしいです。主力が抜けるとは道理でスタンドにもう一つ迫力がなかったわけですね。まあ、あの試合はカープファンの熱さに感心したものですが・・・。

これからもよろしくお願いします。
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